巷の「骨盤矯正」では、効果は殆ど期待できません。

巷で「骨盤のゆがみ」「骨盤矯正」というと、左右の高さの違いや骨盤の開き（？）などの見た目のゆがみ（非対称性など）を意味し、そうした歪みが腰痛などを起こす原因だと考えていることが多い様です。

しかしながら、ゆがみの研究が進んでいる海外では、こうした骨盤の見た目のゆがみというのは、腰痛などを起こす原因ではないという事が既に判明しています。これについては、骨盤のゆがみ・背骨のゆがみの科学的検証をご覧下さい。

そもそも、骨盤や背骨などは、生まれつき左右で形状が異なっている場合が多いものです。（自然界に完全なる左右対称はありません）

特に女性の場合、出産前後のホルモン（レラクシン）の影響で、骨盤の関節を補強している靭帯が一時的に緩むことから、整体などの民間療法では、それを「骨盤の開き」「ゆがみ」としている場合もあります。

しかし、これは生理的な「ゆるみ」であり、産後しばらくすれば自然に元の状態に戻るものです。（生理現象であり、異常や病気ではありません）

最近では、整骨院やリラクゼーションなどの施設で「骨盤矯正」「骨盤調整」を称した施術が行われていますが、その多くは、医学・科学的根拠に基づいたものではありません。（以前に流行った「産後の骨盤のゆがみが下半身太りの原因…」という話にも医学的な根拠はありません）

それらの多くは、施術というよりも、集客目的のキャッチコピーとして行われていると言っても過言ではありません。

一方、当院が行うカイロプラクティックでは、骨盤を構成している仙腸関節の機能障害（動きの異常）を調整することで、関節神経の感覚センサー（受容器）の誤作動状態をリセットしています。

関節の機能障害というのは、皆さんの多くがイメージしている様な、見た目の骨盤のゆがみやズレとは異なるものです。

 

 

関節内部の動き方の異常である仙腸関節の機能障害は、X線写真やCT、MRIなどの画像では映し出すことが出来ません。

前側から見た仙腸関節

後ろ側から見た仙腸関節

当院では、患者さんの症状が腰痛であれ、肩コリであれ、腕の痛みや足の痛みであれ、頭痛であれ、自律神経の問題であれ、骨盤を構成している仙腸関節（せんちょうかんせつ）の機能障害の有無を必ず調べています。

何故かというと、仙腸関節に発生した機能障害を特殊な方法を用いて修正すると、身体の様々な部位の痛み、筋肉の張り、シビレなどが改善するケースが多いからです。

骨盤（仙腸関節）の機能障害を修正することで、様々な部位の痛みが消失したり、改善します。

骨盤（仙腸関節）の関節機能障害（動きの異常）を修正し、関節にある神経の感覚センサーの誤作動状態をリセットすると、腰部、背中、肩、首、腕、肘、手、足、膝などの痛み、シビレ、筋肉の凝りや筋膜の張りなどの症状の多くが、消失したり、改善したりしています。

これらは軟部組織緊張連鎖と言って、仙腸関節を中心に、筋肉や筋膜の緊張が身体の上部や下部（手先、足先）にまで波及（連鎖）するという、近年明らかになった身体の仕組みです。

例えば、背中の痛みや筋肉の張りの原因が骨盤（仙腸関節）の機能障害にある場合、症状のある背中を治療してもなかなか改善しませんが、原因である仙腸関節部の異常を修正すれば、（背中を治療せずとも）筋肉や筋膜の緊張が緩むことで、背中の症状は解消、改善する・・という訳です。

またその一方、美容目的などで、医学・科学的理論に基づかない不適切な骨盤矯正を受けることで、関節の新たな機能障害が発生してしまい、それに起因した痛みなどの症状が身体の様々な部位に出現する可能性もあります。

そうしたことからも、骨盤（仙腸関節）などの調整を受ける場合には、専門的な知識と技術を習得した正規なカイロプラクターを選ぶことをオススメします。

他で骨盤矯正なるものを受けても改善が見られないという方は、仙腸関節機能障害を疑ってみる必要があるでしょう。

詳しくは、関節機能障害（動きの異常）について のページをご覧ください。