当院の施術に関するQ&A

 

このページでは、当院で施術を受けた方々から訊かれることの多い、疑問や質問についてお答えしています。

当院の施術について、興味・疑問のある方は参考にされて下さい。

 


Q.表面筋電計・サーモグラフィーでは何が分かるのですか?

神経系には大きく分けて体性神経(知覚・運動)と自律神経(交感・副交感)とがあります。

表面筋電計(SEMS)では運動神経の働きを計測しています。

筋肉にどの位の電気(単位はマイクロミリボルト)が流れているかを測定することで、筋肉の緊張度、つまりは運動神経の状態を把握することができます。

ここで注意して頂きたいのは、筋電計で測っている筋肉の緊張とういのは、筋肉の凝りや硬さとは違うということです。

筋肉の緊張は、筋肉の伸縮をコントロールする神経の働きにより変化します。

一方、筋肉が凝っている状態というのは、筋肉の使い過ぎで筋肉に乳酸などが溜まって血行不良となり、筋肉組織が酸欠になった状態です。

当院で使用している表面筋電計は、元々、無重力状態での宇宙飛行士の背骨の筋肉の状態を調べるためにNASAの研究者達が開発した技術を、カイロプラクティックの分野に応用したものです。

参考:上の画像は表面筋電計による運動神経機能の計測結果(白色は正常、緑色+1青色+2赤色+3の順で、脊椎レベルでの筋肉の緊張度が高い≒電圧が高い≒運動神経の働きが過剰)

米国のメイヨークリニックやカイロプラクティック大学で行われた表面筋電計の信頼度は0.88と高い再現度が示されており、研究用としても利用されています。

また、カイロプラクティックの脊椎調整が関節や筋肉の機械的受容器(神経のセンサー)を活性化させ、脊椎(背骨)の筋肉の電気的活動を顕著に低下させる(筋肉の緊張が低下する)ことが既に分かっています。

つまり、表面筋電計による測定は、関節機能障害(感覚センサーの作動不良)の検出に役立つことはもちろん、カイロプラクティックの施術効果を査定する上での有用な検査法になるという訳なのです。


赤外線サーモグラフィーでは、自律(交感)神経の働きを測定しています。

当院で使用しているサーモグラフィーでは、首から骨盤までの背骨両側の温度ならびに左右での温度差を精密に測定しています。

自律神経(交感神経)は血管収縮&拡張を行い体温を調節していますが、皮下の毛細血管にも交感神経の働きが反映されています。

基本的に人間の体は左右均等に体温を維持するシステムになっているため、背骨を挟んだ左右の温度差をモニターすることで、自律神経(交感神経)の状態を把握することが可能になります。

参考:上の画像は赤外線サーモグラフィーによる自律神経(交感神経)機能の計測結果(背骨・骨盤での左右の温度差0℃白色~ 0.3度緑、 ~ 0.6℃青 、~ 0.9℃赤で、左右の温度差が大きな部位は自律神経の働きに異常≒交感神経の働きが過剰)

米国医師会の学会誌では、0.3~0.8℃の背骨両側の温度差が24時間以上に亘って変化しない場合、神経機能に異常がある可能性が示唆されるとの研究報告があります。

また、米国ジョンズ・ポプキンス大学の最新研究では、背骨の左右の温度差が0.3℃ある場合、何かしらの病理のある確率は18%、0.9℃では92%であるという研究結果が示されています。

現在、非接触式の体温計など、様々な分野で赤外線サーモグラフィーは利用されていますが、カイロプラクティックの臨床用に開発されたコンピューター制御による高精度なサーモグラフィー装置を用いることで、関節機能障害(感覚センサーの作動不良)の検出と施術効果を査定するための測定が出来るという訳なのです。

現在のところ、筋電計&サーモグラフィーを備えた測定機器は、国内では数十台しかありません。

EBM(科学的根拠に基づいた医療)が提唱されている今日では、手技療法の分野においても、主観(施術者の感覚や経験、患者さんが楽になった)のみではなく、客観性(科学性)のある分析&評価が必須であると当院は考えています。


Q.どうして関節を調整するのですか?


A.整形外科的な痛み(内臓疾患以外の痛み)の原因部位としては、①関節、②筋肉、③神経の3つが挙げられます。

この内、骨折や捻挫・打撲などの外傷によるものを除いた痛みの原因のおよそ80パーセントは、関節(関節神経)の問題に起因しています。

そのため、先ずは痛みの原因の大半を占める関節の問題を調べ、神経の働きに異常のある関節にアプローチすると、多くの痛みやシビレ、コリなどを短期間で改善できる可能性が最も高いのです。

そして、関節へのアプローチ後、それでも残る症状については、筋肉・筋膜など、他の部位へのアプローチを検討するのが合理的かつ効果的だと考えています。


Q.関節に問題があると、どうして痛みやコリが起こるのですか?


A.関節には多くの固有受容器があります。受容器とは神経の感覚センサーのことです。感覚センサーにはいくつかの種類があり、それらセンサーからの情報は、絶えず身体の司令塔である脳や脊髄に伝えられています。

具体的には、感覚センサーが関節の位置関係、角度、動き、動きの速度、かかる圧力や伸張具合など検知して、脳や脊髄はそれらのセンサーからの情報に基づき、筋肉や靭帯を適切に伸縮させることで、体をスムーズに動かしたり姿勢を維持したりしています。

ところが、背骨や骨盤、四肢などの関節内部の動きに異常が起こり、その関節や周囲の組織にある感覚センサーに作動不良が発生することがあります。

このような状態のことを関節機能障害と言います。

感覚センサーに作動不良が起こると、司令塔である脳や脊髄は関節からの情報を正確に受け取ることが出来ませんし、正しい命令を筋肉や靭帯に出すことが出来ません。

そうなると筋肉や筋膜、靭帯などの組織が緊張してしまい、血流も悪くなって、痛みやコリ、シビレなどが発生したり、身体にゆがみが発生するなどします。

当院(神経科学に基づくカイロプラクティック)では、関節に適切な動きを与えることで、感覚センサー(固有受容器)の作動不良を是正しています。

つまり、神経系の働きが正常化されることで、多くの痛み、シビレ、凝り、自律神経の異常、身体のゆがみなどの問題が改善するという訳なのです。


Q.背骨や骨盤のゆがみと関節機能障害は違うのですか?


A.巷で言う背骨や骨盤のゆがみやズレというのは、肩の高さが左右で違う、骨盤の高さが左右で違うなどの見た目のゆがみ、X線写真に写るもの(見た目に確認が可能なもの)を意味しています。

しかしながら、近年の医学的研究により、それらのゆがみの殆どは痛みを起こす原因ではないということが判明しています。

関節機能障害というのは、関節内部の動きの異常に伴い関節神経(固有受容器)の働き方に異常が生じている部位のことであり、見た目で確認の出来るものではありません。但し、関節機能障害の結果として、筋肉・筋膜の緊張のアンバランスから、背骨や骨盤などに見た目に分かる歪みが発生することはあります。

また、関節機能障害というは動きや働き方の問題ですから、レントゲンやCT、MRIなどの画像には写りません。

見た目にはゆがみやズレがなくても関節に機能障害は起こりますし、見た目にはゆがみやズレがあっても、関節や神経の機能に異常があるとは限りません。

尚、近年の臨床研究などから、今まで背骨のゆがみや関節軟骨の変形、椎間板ヘルニアが原因だと考えられていた痛みの多くが、関節の機能障害に起因するものであることが分かって来ています。


Q.他で受けたカイロプラクティック(?)とは随分と違いますが?


A.カイロプラクティックは1895年に米国で創始されたもので、120年以上の歴史があります。

初期~20世紀半ばのカイロプラクティックでは、(今日とは違い)背骨の位置がズレることで神経が圧迫されるために痛みや病気が起こるという考えが主流でした。

そのため、古典的なカイロプラクティックを行う施術院では、今もそれに基づく施術(矯正)を行っています(種類は色々とあります)。

また、日本では誰でも自由にカイロプラクティックを名乗れることから、カイロを自称した整体院、整骨院も多数あります。

当院では、最新のカイロプラクティック理論に基づいた施術(神経学的アプローチ)を行っています。

 

Q.ポキポキと音を鳴らさなくても調整できるのですか?

A.伝統的なカイロプラクティックの矯正(調整)技術であるスラスト法では、クラック音(ポキッ、コキッ)を伴うものが多いのですが、音が鳴ることと矯正効果とは直接関係はありません。

この音の正体というのは、関節が瞬間的に伸ばされた時に、関節内部の陰圧の急激な変化に伴い、関節内にある窒素ガスが「液体の状態→気体の状態」に変わる際に、気泡がはじける事で発生しているものであり、骨自体が鳴っている訳ではありません。

専門的には「キャビテーション・クラッキング現象」と呼ばれています。

関節をゆっくりと動かせば音は出ませんし、1度音が鳴っても、しばらく時間が経つと(ガスが気体→液体に戻ることで)再び音は鳴る様になります。

そもそもこうしたタイプの矯正法は、骨の位置がズレて骨の隙間を通過している神経根が圧迫を受けると考えられたいた時代に考案されたものです。つまり、骨を元の位置に戻すという発想からのものです。しかし、研究の進んだ今日では、骨の変位による神経根圧迫病院説は科学的にも否定されています。

以前は当院でも行っていましたが、(心理的な効果以外に)特に音を鳴らす必要性がありませんので、現在では殆ど行っていません。



Q.とてもソフトな施術方法なのに、なぜ楽になるのですか?


A.当院の施術を受けられた方の多くが、あまりの刺激の少なさと効果(身体的な変化)をとても不思議がります。中には「これって気功ですか?」と訊かれる人もいます。

気功についてはさて置き、当院の施術というのは最新の神経科学の理論に基づいた技術です。

関節の固有受容器(感覚センサー)の中には、身体の防御に関わるタイプのものがあります。押す、揉む、伸ばすなどの一定量以上の刺激によって、このタイプのセンサーが反応してしまうと、脊髄での反射によって関節周囲の筋肉や靭帯組織が過剰に緊張し、関節の内部は殆ど動かなくなってしまいます。

関節内部の僅かな動きの異常を修正し、感覚センサーの作動不良を是正するには、これらのセンサーが反応しないレベルの軽い力で行う必要があります。

早い話、ストレッチしたり、強い力で押したり、関節をボキボキと鳴らす様な方法では、肝心要である関節内部の動きの異常(ならびに感覚のセンサーの誤作動状態)を正確に修正することが出来ないということなのです。

脳・神経科学に基づく当院のカイロプラクティックでは、見た目の骨のゆがみやズレを調整しているのではなく、関節に動きを与えて関節の受容器(感覚センサー)を調整している→神経を調整しているため、施術方法も極めてソフトであり、効果も高いのです。


Q.首、頭、肩、腕、足が痛いのに、骨盤を調整するのは何故?


A.人間の身体を座標軸(縦の線、横の線、水平の線)で結ぶと、中心部は骨盤内にあります。そのため骨盤を構成する仙腸関節には多くの固有受容器(感覚センサー)があります。

身体の中心に位置している骨盤(仙腸関節)の関節内部の動きが悪くなって、感覚センサーに誤作動状態が発生すると、その影響は全身にまで波及します。(その他に、首にも多くの神経のセンサーがあります)

身体は全身タイツの様に、皮膚、皮下組織、筋膜などの膜に覆われているため、仙腸関節を中心にそれらの組織が過剰に緊張することで、遠く離れた頭、手、足にまで影響を及ぼします。専門的には「関節軟部組織緊張連鎖」とも呼ばれています。

症状のある部位は首(あるいは背中、腕、足)だとしても、原因は骨盤(仙腸関節)にあるケースも多いのです。

整形外科ではそうした診方はしませんが、当院では、どんな症状であれ、必ず仙腸関節チェックし、問題があれば調整しています。


Q.毎日続けて受けた方が効果はありますか?


当院では通常、関節機能障害の調整については、次回の施術までに1~2週間程の期間を置きます。

関節機能障害の調整後には、神経のはたらきが変化しており、施術前とは別の身体になっています。個人差はありますが、関節の神経機能が正常化すると治癒力(自己修復力)が上手く働き始めます。

そのため、施術直後には大きな変化が見られなくとも、施術後数日~1週間のうちに改善する場合も多いのです。(炎症が治まるには、発症後7日前後かかります)

また状態によっては、あまり頻繁に施術を行うと、刺激過多となり、治癒力がはたらく過程を妨げてしまうこともあります。「急がば回れ」、治癒には適切な時間を与えてやることも重要なのです。


Q.自宅で腰痛体操などをした方が、さらに効果的ですか?


痛みの症状がある場合には、積極的な運動は控えた方が賢明です。とりわけ痛みを誘発する様な動きは極力控える必要があります。

基本的に痛みというのは危険信号(アラーム)です。「今は無理をしてはいけないよ」と、あなたの中にいる守護が教えてくれている大切なメッセージだと言えるでしょう。

腰などに痛みを訴え、当院に来院される方のおよそ半数が定期的に運動をしていたり、腰痛体操などの運動後に身体の不調を訴えて来院されています。(そうなると、運動をしたこと自体が原因になっているとも言えます)

痛みのある場合、基本は身体(特には脳)を休める。(TV番組やネット情報を鵜呑みにせず)無理に運動をするよりは、たっぷり睡眠時間をとる、楽な体位で過ごす時間を多くとる方が回復も早くなります。

また、関節の機能障害が改善し、不快な症状が無くなった時点で適度な運動や体操を行うことは再発予防になります。