WFC政策宣言について

 

 

カイロプラクティックが法制化されていない国々において、正規な教育を受けずにカイロプラクターとして開業している人たちがいる。その人たちは、「カイロプラクティック教育」と称する非公式な学校や短期教育を受けてきた。これらの状態は、国民の健康とカイロプラクティック業界の名誉に反することを認め、WFCパリ大会で次の宣言を行なう。

「カイロプラクター」、「ドクター・オブ・カイロプラクティック」、あるいはそれに類する名称使用は、下記の者に限定する。

  • ①表記の法的な免許をもち登録されたカイロプラクター
  • ②正式なカイロプラクティック認定団体(例:カイロプラクティック教育審議会/CCE)または、政府認定団体による正規な教育機関の卒業生
  • ③WFC国際憲章(1997年)に従い、WFCに加盟するその国の団体(日本では日本カイロプラクターズ協会)が承認した教育プログラムの修了者

2001年WFCパリ総会にて採択

※法的な拘束力までは有しませんが、WFCでは上記を満たす者のみをカイロプラクターとして認めています。これは2005年に発行されたWHOガイドラインの教育基準と実質的に同じ水準となっています。


国際的に認められているカイロプラクターの資格(カイロを行うために必要な教育を修めていることの公的な証である学位・称号)には複数の種類があります。例えば、

  • Doctor of Chiropractic(D.C)
    ドクター・オブ・カイロプラクティック(アメリカ、カナダなど)
  • Bachelor of Chiropractic Sciense (B.C.Sc)
    カイロプラクティック理学士(イギリス、オーストラリアなど)


・・など、国や地域の学制や文化によって名称が異なります。(D.C=北米文化圏の職業系学位、B.C.Sc=英国文化圏のアカデミック系学位)

海外カイロ大学への短期留学、研修などの修了証は学位ではありません。


当院の施術者は、WHOの教育基準を満たす豪州公認のカイロプラクティック理学士(B.C.Sc.)取得者であり、WFCからも正規なカイロプラクターとして認められています

尚、2014年からは日本カイロプラクティック登録機構によるWHO基準カイロプラクターの登録制度が始まり、登録者名簿が厚生労働省に提出されています。


補足:WFC(世界カイロプラクティック連合)とは

1988年に設立。現在約85カ国が加盟する世界最大のカイロ業界団体(カイロ法制化国の主要なカイロ団体は全てWFCに加盟しています)。

1997年には国連機関のWHO(世界保健機関)のNGO(非政府組織)の正式メンバーとして承認され、世界保健会議にオブザーバーとして出席し、助言や提案なども行っています。また医科学国際組織(CIOMS)および多数の国別、国際組織と提携関係にあります。

WFCの主な活動目的として、「カイロの教育、研究、業務に、世界共通の基準を推奨する」、「カイロや世界の健康分野に関する情報提供を会員および社会に発信する」、「法制化に関する資料提供やアドバイスを行なう」などを挙げています。

また2年毎にWFC世界大会が開催されています。


WFCの基本理念20条

1.我々はあらゆる年齢や国の人々がカイロプラクティックの恩恵を受けられる世界を目指します。

2.我々はカイロプラクティックの啓蒙・利用・統合を国際的に推進する使命に基づいて活動しています。

3.科学と研究はケアと政策決定、カイロプラクティックのより幅広い利用の手助けになると信じています。我々は科学と研究とは、臨床と政策決定の情報を提供し、カイロプラクティックをより利用しやすい環境を求める声を支持するものと信じています。

4.我々はケアのみに留まらず、さらなる健康を促進し、健全な地域社会を目指します。

5.我々はカイロプラクターが専門教育・知識に従い臨床を行う権利を支持します。

6.我々はエビデンスに基づく臨床(個々の臨床専門技術、臨床研究による最善の利用可能なエビデンス、さらに患者個々の価値観と希望の統合)を推進します。

7.我々は各国のWFC会員団体に支援運動を通して擁護し、患者や社会への福利のための最良の臨床例を共有することに尽力します。

8.我々は機能向上、身体可動域の向上、痛みの緩和と健康のの向上を目的とする、カイロプラクティック・アジャストメントを含むカイロプラクティックケアの社会的役割を理解しています。

9.我々は患者にとって有益となるカイロプラクティック・ケアの手法・メカニズム・転帰を調査する研究およびその研究結果の臨床への応用を支援します。

10.我々はカイロプラクターが患者のヘルスケアチームの重要な一員であり、専門職連携のアプローチは最良の結果を推進することを信じています。

11.我々カイロプラクターは、地域社会の健康増進のための責任ある公衆衛生の提唱者であるべきだと信じています。

12.我々は個人および職業上の多様性と機会均等を称え、その価値観をWFC理事会と委員会全体に渡り示します。

13.我々は倫理的・職業的ケアの基本的権利を持ち、我々の良い品行と実践を尊守することにより、法的強制力のある法律により患者は守られていると信じています。

14.我々はWFCの展望・指名・価値・目的を支持する団体および個人との協力や相互協力を推進することで国際的な専門職に貢献します。

15.我々は高い価値があり信頼のおける医療従事者として患者や地域社会に貢献できるような高水準のカイロプラクティック教育を支持します。

16.我々は学生および若手カイロプラクターの育成、支援、指導をすることで、能力を引き出すことを信じています。

17.我々は丁寧な話し合いと専門分野の発展を通じて、業界を活性化させ、課題を与え、教育し、情報提供し、成長させる世界大会やイベントを催します。

18.カイロプラクティックの生体力学的・神経生理学的・心理社会的、そして一般的な健康への効果について、業界内における理解を継続的に高めていくことを信じています。

19.我々は誠実であり、合法に適切かつ真摯にカイロプラクティック・ケアの有効性について公式声明や主張を提唱します。

20.我々はエビデンスベースであり、患者中心の専門職で連携された協力的なカイロプラクティックの未来に取り組みます。



外部リンク(英文)→世界カイロプラクティック連合(WFC)

興味のある方は、法制化がされていない日本でなぜ開業できるのか?のページもご覧ください。


参考/JACガイドブック、他