膝の痛み、股関節の痛みとカイロプラクティックについて


①膝の痛みでお悩みの方

 

膝に痛みを訴える人では、階段の昇り降りが困難、立ち座りが困難、正座が出来ない、走れない、杖なしでは歩行が困難・・など、日常生活での支障の程度も様々です。

膝の痛みの原因

膝痛の原因として、一般的には以下の疾患名が挙げられます。

整形外科的な領域の疾患

変形性膝関節症、内側・外側半月板損傷、膝滑液包炎、前・後十字靭帯損傷や断裂、膝蓋骨骨折、大腿骨や脛骨の膝近位での骨折、関節リュウマチ、感染性膝関節炎、伏在神経絞扼症、膝蓋腱炎、膝周囲筋炎(大腿四頭筋・ハムストリング・膝下筋など)、オスグット・シュラッター症・ベーカー嚢腫など

その他の領域の疾患

深部静脈血栓、膝下動脈瘤など

これらの疾患の内、中高年以降の膝の痛みの原因として多く見られるものが、変形性の膝関節症、膝滑液包炎、またスポーツ選手に多く見られるものが内側・外側の半月板損傷、前・後十字靭帯の損傷だと言えます。

 

当院(カイロプラクティック)の膝の痛みへの施術について

当院の施術対象となるのは、骨折、靭帯の断裂や損傷、半月板の断裂や損傷などの外傷を除く、整形外科領域の痛みになります。(但し、外傷の治癒期間が過ぎてもなお続く痛みについては、当院の施術が有効な場合があります)

一般的に、膝に痛みがあると、膝の関節軟骨の減りや変形に目が行きがちですが、実際のところ、軟骨変形の程度と痛みが一致しないケースというのも多く見られます。X線やMRI画像で変形があっても痛みの無い人もいれば、画像では殆ど異常が見られないのに強い痛みを訴える人もいます。

以下に興味深い、ある研究報告を紹介します。

参考:ベイラー医科大学の研究報告

 

米国ベイラー医科大学のモーズリー博士の研究チームは、変形性膝関節症の患者10人に対して以下の実験を行いました。

10人中2人には、関節内視鏡手術(変形した関節軟骨を取り除き、関節内を洗浄する)を行い、3人には関節内の洗浄のみ行いました。また残り5人には、メスにより皮膚に傷をつけるだけの偽手術を行いました。

実験を受けた10人には事前に実験の内容を知らせた上、どれを行なうかまでは知らさせませんでした(手術は全身麻酔で行われるため、手術を行った後も自分では分からない)。

6カ月後に効果を判定したところ、10人全てが同様に改善しており、10人全員が効果に満足していました。

この研究報告などにより、今まで行われていた膝関節の関節内視鏡手術の医学的根拠、また関節軟骨の変形のみによる痛みの原因説は否定されることとなりました。

参考:American journal of medicin.1996

 

当院の臨床経験では、膝の痛みの原因として最も多いものに仙腸関節(骨盤)の機能障害である関節機能障害(動きの異常)が挙げられます。

 

膝に痛みのある人の仙腸関節を調べ、関節内部に適切な動きを与えて神経の感覚センサーの誤作動状態を是正すると、直ちに痛みが軽減したり、曲げられなかった膝が曲がるようになったり、伸ばさなかった膝が伸ばせるようになったりする人が数多くいらっしゃいます。

これらの場合、仙腸関節に機能障害が発生することにより、膝を動かす筋肉やそれを覆う筋膜に過緊張が生じているために、膝の関節が正常に動かせず、結果として膝に負担がかることで、膝の痛みや可動域に制限が起こっているものと考えられます。


 

仙腸関節以外の原因としては、膝の前側の痛みでは第2腰椎と第3腰椎との関節の機能障害、膝の後ろ側の痛みでは第5腰椎と第1仙骨との関節の機能障害が挙げられます。膝関節自体の機能異常もありますが、その殆どは他の仙腸関節の機能障害により2次的に発生したものです。

尚、臨床経験上、基本的には軟骨の変形があっても有効な場合の方が多いと言えますが、組織の炎症が激しいもの、腫れが著しいもの、また関節面が破壊される程に軟骨の変形が進行し、関節内部の動きが完全に失われている様なものについては、殆ど効果は見られません。

また、靭帯断裂や半月損傷の手術後や捻挫の治癒期間が過ぎても痛みが続く様なケース、膝の置換手術後に続く痛みケースでは、仙腸関節の機能障害が原因となっているものがしばしば見られ、これら多くは仙腸関節の異常を修正することで、消失したり改善することが出来ます。

またオスグット・シュラッターとも呼ばれている脛骨近位部(膝の直下)に痛みについても、仙腸関節や腰椎関節の機能障害を修正すると、大腿前面の筋肉・筋膜の過緊張が緩むことで軽減することがあります。

また巷では「成長痛」と言われている子供さんの膝の痛みの多くは、仙腸関節を調整することで消失・軽減しています。

 

②股関節の痛みでお悩みの方


膝の痛み同様に、股関節に痛みを訴える人も珍しくありません。歩行が困難なのはもちろん、立っていることさえ困難な場合もあります。また普段は痛みは無くても、体操をした時に左右のどちらかの股関節が痛くて開かない・・という人もいます。


股関節の痛みの原因

股関節痛の原因として、一般的には主に以下の疾患が挙げられます。

整形外科的な領域の疾患

変形性股関節症、股関節形成不全、大転子滑液包炎、関節リュウマチ、腸脛靭帯症候群、腸腰筋滑液包炎、腰椎椎間板ヘルニア、外側大腿皮神経症候群、知覚異常性大腿神経痛、股関節脱臼、大腿骨頚部骨折など

その他の領域の疾患

子宮内膜症、月経前症候群、前立腺炎、尿路結石、深部静脈血栓、骨盤内膜炎、帯状疱疹、心身症、うつ病など

 

当院(カイロプラクティック)の股関節の痛みへの施術について

当院の施術対象になるのは、骨折や脱臼などを除く、整形外科領域の股関節痛になります。

病院でのX線などによる画像診断で骨に異常がない場合には、骨盤を構成する仙腸関節の機能的な障害である関節機能障害(動きの異常)が原因であることが殆どです。(普段は特に痛みはないが、体操などを行った際に股関節の開きが悪いという訴える人では、多くの場合、調整した直後に改善します)

 

 

また股関節の軟骨がすり減っていたり、変形が認められる場合、股関節形成不全が見られる様な場合であっても、仙腸関節に適切な動きを与え。感覚センサーの異常を修正すると痛みが消失、改善するケースも数多くあります。

 

これらのケースでは、仙腸関節の機能障害によって、股関節や臀部の筋肉や筋膜が緊張したことで、二次的に股関節の動きが制限されたことが、痛みや可動域制限の原因であると考えられます。(本当の原因は、運動不足で体が硬いからでもなく、必ずしも画像に写った軟骨の変形ではないということです)

また軟骨の変形が進んで股関節の可動域が大きく制限されている様な場合であっても、痛み自体は消失・軽減することもよくあります。但し、軟骨の変形により関節内部の動きの範囲が狭まっているために再発するリスクも高く、痛みをコントロールするためには、その都度調整を受けるか定期的に受ける必要があります。

その他、人口関節手術後に痛みが続く様な場合にも、仙腸関節などの機能障害を修正することで、痛みが消失したケースが過去に数例あります。

松本市や近隣地域で膝や股関節の痛みでお悩みの方は、当院の施術を試されることをオススメします。

 

関節機能障害(動きの異常)が原因である可能性があるもの


頭痛/顔の痛み/原因不明の歯の痛み/顎関節の痛み/かみ合わせの異常/原因不明の耳鳴り/ムチウチで長期間にわたる首の痛みやコリ/首の痛み/腕や手指の痛み、シビレ/肩こりの大半/肩の痛み/野球肘、テニス肘とされる痛み/背中の痛みやコリ/肋骨の痛み/腰痛/椎間板や軟骨の異常が原因と考えられている腰痛、および下肢の痛み、シビレの多く/老化や骨粗鬆が原因と考えられている腰痛の多く/軟骨の変形が原因と考えられている股関節痛や膝関節痛の多く/原因不明の大腿部、ふくらはぎ、足の痛み、アキレス腱や踵の痛み/成長痛とされている痛み/自律神経の異常とされている症状/便秘/生理痛/手足の冷え/むくみ/身体のゆがみ/など