肩こり治療の最前線

 

肩こり、首のこり・痛みについての新常識


肩こり、首の痛みでは、揉んだり、押したりはNGです!

肩のこりや首のこりや痛みでお悩みの人は、頻繁にマッサージを受けたり、また自分で揉んだり、叩いたり、押したりしているという人も多い様です。

しかし、近年、強い圧で筋肉を揉んだり押したりすると、その時は刺激(脳で麻薬様の物質が放出される)で楽に感じても、実際には筋肉は逆に緊張していることが、筋電系やサーモグラフィーを使用した実験からも判明しています。

また、以前は乳酸などの物質が筋肉内に蓄積されることで、筋肉の凝りや疲労が起こるとされていましたが、最近の脳科学分野の研究では、実際には、脳の疲労(脳代謝のアンバランス)が主な原因であることが分かって来ています。

身体への強い刺激というのは脳を興奮させるため、スッキリ感はあるものの、脳の疲労をマスキングしているに過ぎません(カフェインで脳を一時的に覚醒させる様なものです)。

そうした行為を頻繁に行っていりと、脳の疲労が取れないままに疲労は蓄積されて行きます。その結果、脳の血管や心臓への負担を強いることになります。

また、指圧や揉むなどの際、皮下組織に強い圧力が加えられることで、末梢神経や毛細血管を傷めたり、知覚過敏などの神経障害が発生することもあります。特に頚部には多くの神経が集まっていますから注意が必要です。

さらには、強い圧力によって筋線維が損傷を繰り返すことで、筋肉のコラーゲン成分が血液中に溶け出し、それが腎臓に負担をかけ、痛みや疲れなどを感じやすくなったりもします(重度の場合、横紋筋融解症という疾患になります)。

この様に、最近では(今まで良かれと思って行っていた)そうした行為の繰り返しが、肩や首のこり(背中や腰なども同様です)の慢性化や難治化の要因になっているものと考えられています。

 

 

総じて、体への強い刺激というのは、その時は気持ちが良い、スッキリしたと感じたとしても、長期的には身体(健康)にとって良いことはなさそうです。

セルフケアなどでマッサージしている、してもらうという場合には、グイグイと強く押したり、トントンと叩いたりせず、軽めに行うのが賢明です。(母さんお肩を叩きましょう~♪は、今日では親不孝かもしれませんね)


関節の機能障害をリセットすると、首・肩こりの多くは消失・改善します。

当院では、骨盤や背中、首などの関節に発生した関節機能障害(動きの異常)を調整し、筋肉や筋膜の緊張を司る神経のはたらきを正常化する施術を行っています。


 

関節に機能障害のある部位を見つけ、それらを正しくリセットすると、患者さん達が訴えていた首や肩のこりや痛みの多くが消失したり、軽減しています。

筋肉を揉んだり、押したり、伸ばしたり、また骨をボキボキせずとも、関節の感覚センサーを修正さえすれば、多くの場合、直ちに筋肉や筋膜の緊張が緩みます。(日頃からマッサージや整体などを受けている人の多くは、あまりの刺激の少なさや短時間での変化にびっくりされる様です)

何故そうなるのかというと、筋肉や筋膜の伸縮(さらには血液やリンパ液の流れ)をコントロールしているのは脳・脊髄(中枢神経)であるため、関節にある神経の感覚センサー(受容器)の誤作動状態を修正し、関節から司令塔である脳や脊髄に正しい情報が伝わることで、脳や脊髄からは適切な命令が筋肉に送られるからです。

つまり、当院の施術というのは原因(神経系)へのアプローチをしているという訳なのです。

また肩凝りや首の痛みなどの症状を訴える人の中で、骨盤(仙腸関節)に機能障害がある人というのは、背骨の両脇にある背筋(脊柱起立筋群)や筋膜が、腰から背中、頭の付け根にかけてまで硬く緊張しているのが確認されます。(臨床経験上、過去に腰痛歴がある肩こり持ちの人の100%近くに仙腸関節の関節機能障害が見つかります)

仙腸関節(前方より)

仙腸関節(後方より)

これを聴いて以外に思われる人も多いと思いますが、肩こりや首のこりや痛みの主な原因が、骨盤(仙腸関節)の機能障害にあるケースはとても多いのです。

骨盤(仙腸関節)以外にも、首の痛みや肩こりの発生に深く関係している関節があります。例えば(下図、上から順に)、肋骨、鎖骨、頚椎部分の関節です。

頚椎部の関節

胸骨と鎖骨の関節

肋骨と胸椎との関節


頭痛、腕、肘、手指の痛みやシビレが消失・改善することも多い。

仙腸関節に加え、これらの関節に発生した機能障害をリセットし、感覚センサーの働きを正常化することで、こりや痛みが消失したり、改善するケースというのもよく見らます。

また、これらの部位の関節機能障害というのは、首・肩以外にも、頭痛、寝違い、腕や肘、手指などの遠く離れた部位にまで、痛みやシビレなどの症状を起こす事がよくあります。

これらは軟部組織緊張連鎖と言って、仙腸関節の組織を発端に、筋膜、骨膜、腱膜の緊張が身体の上部(手先)や下部(足先)にまで波及(連鎖)するという、近年明らかになった知られざる身体の仕組みです。

整形外科等では、腕や手に痛みやシビレがあると、レントゲンやMRIの画像などから、頸椎の軟骨の変形(頚椎症)や頚椎椎間板ヘルニア、頸肩腕症候群による神経圧迫が原因とされることが多いのですが、臨床経験上、関節機能障害(感覚センサーの作動不良)が原因であることの方が多いと言えます。

 

ストレート・ネックが首の痛みや肩こりの原因?

また、首の痛みや肩こりに関連して、頸椎の生理的なCカーブの減少(ストレートネック)が原因として指摘されることがあります。しかし、当院で頚椎などの関節の感覚センサーの異常を修正すると、ストレート・ネックも改善するケースが数多く見られます。

これらの臨床経験などから、当院ではストレート・ネックそのものは痛みやこり、頭痛の根本的な原因ではなく、関節機能障害による結果(症状)のひとつだと考えています。

つまり、関節機能障害(動きの異常)→センサーの誤作動→筋緊張→ストレートネック→痛み、こり、痺れ、頭痛、自律神経などの症状…という順序です。

また、長時間のデスクワークなどで日頃から首・肩・背中・腰への負担が大きい人は、関節の感覚センサーに機能異常が再発するリスクが高くなります。

そうした人は、同じ姿勢を長く続けない、頻繁に首や肩、腕を動かす、時々立って身体を前後に曲げるなどの動作を行うことで再発を防ぐ必要があります。

分かっていてもなかなか難しい・・という場合には、定期的に施術を受けるなどして、関節機能障害をリセットするのが賢明でしょう。

尚、関節機能障害の調整には繊細な技術を要するため、一般的な骨格矯正、骨盤矯正、体操等では修正することは困難です。(感覚センサーの性質上、揉む、押す、引っ張るなどの強い刺激というのはNGです)

首・肩(背中)に不調のある方は、当院の施術を試されることをお勧めします。



関節機能障害(動きの異常)が原因である可能性があるもの


頭痛/顔の痛み/原因不明の歯の痛み/顎関節の痛み/かみ合わせの異常/原因不明の耳鳴り/ムチウチで長期間にわたる首の痛みやコリ/首の痛み/腕や手指の痛み、シビレ/肩こりの大半/肩の痛み/野球肘、テニス肘とされる痛み/背中の痛みやコリ/肋骨の痛み/腰痛/椎間板や軟骨の異常が原因と考えられている腰痛、および下肢の痛み、シビレの多く/老化や骨粗鬆が原因と考えられている腰痛の多く/軟骨の変形が原因と考えられている股関節痛や膝関節痛の多く/原因不明の大腿部、ふくらはぎ、足の痛み、アキレス腱や踵の痛み/成長痛とされている痛み/自律神経の異常とされている症状/便秘/生理痛/手足の冷え/むくみ/身体のゆがみ/など