腰痛、下肢の痛みとカイロプラクティック

 

腰痛(下肢の痛み)について。

腰痛、下肢痛の原因

腰痛(下肢痛を含む)の原因には、主に以下の疾患名が挙げられます。

整形外科的な領域の疾患

変形性腰椎症、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症、腰椎椎間板症、椎間関節性腰痛、腰痛症、筋筋膜疼痛症候群、圧迫骨折など

内科的な領域の疾患

腎結石症、腎盂腎炎、尿路結石、前立腺炎、膵炎、胆石、胆嚢炎、子宮内膜症、月経前症候群、骨盤内炎症、腹部大動脈瘤、帯状疱疹、臓器のがんなど

その他の疾患

うつ病、心身症など

これらの内、カイロプラクティックの対象となるのは整形外科領域(骨折などの外傷を除く)の腰痛、および原因不明の腰痛になります。

腰痛に関する新常識

今日では、MRIやCTなどの画像診断機器で腰部を調べると、椎間板ヘルニアがあるのに何の症状も無い人達が大勢いることが分かっています。また画像では特に異常が見られない人でも、腰や下肢にヘルニア様の強い痛みやシビレを訴える人達が大勢いることが分かっています。

また、脊椎分離症・すべり症は、骨が前方にズレて腰痛を起こすとされているものですが、手術で異常な箇所を修復したにも関わらず痛みが取れないケースも少なくありません。その一方、画像では分離症やすべり症があるのに、全く痛みの無い人達も大勢いることが分かっています。

参考:腰痛に関する研究報告①

 

 

アメリカの医師Boosらの研究チ-ムは椎間板ヘルニアと診断された腰痛と下肢痛のある患者46名と年齢・性別・職業が一致する健常者46名の腰部をMRIで撮影し、研究内容を知らない放射線の専門医に診断させました。
その結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、健常者の85%に椎間板の変性が確認されています。

参考:国際腰痛学会/ボルボ賞受賞研究.1995年

 

参考:腰痛に関する研究報告②


 

デンマークの医師Sorensenらの研究チームは、60歳の住民666名を対象に撮影された胸部と腰部のレントゲン写真を分析しました。
結果、腰痛経験者358名のうちの58%、腰痛経験の無い者308名のうちの57.5%に変形性脊椎症(軟骨の変形)が確認されています。

参考:医学誌Spine.1985


こうした事実が明らかになったことから、現代医学(整形)では、原因が特定できる特異的腰痛というのは全体の15パーセントに過ぎず、残り85パーセントは原因がよく分からない非特異的腰痛であるとしています(参考:2012.整形外科診療ガイドライン)

但し、そうした新常識が医療の現場に反映されているかと言えば、残念ながら必ずしもそうではありません。今でもX線やMRIの画像で軟骨の変形や椎間板の異常が見つかれば、安易にそれを原因(疾患名)とする傾向が強いの現状の様です。

 

2005年11月29日~読売新聞の「医療ルネッサンス」で「腰痛のケア」が特集されました。その中で、日本の腰痛治療の権威である、福島県立医科大学教授(現同大学学長)の菊池臣一先生は以下のコメントをしています。

 

「画像や問診から病名が付けられていますが、実は、画像と原因が明確に一致する例は少ないのです。腰痛の無い人でも、画像診断をすると3割の人に椎間板ヘルニアが見つかります。逆に、腰痛を訴えていても、半数近くの人には画像上の異常が見つからない。原因が特定できる腰痛は15パーセント未満・・省略・・腰痛はありふれた症状ながら、実はよく分かっていないのです。」

 

 

もちろん(確率は低くとも)がんや内蔵疾患などの特異的腰痛が原因である場合もありますから、それらを鑑別するためにも画像診断は有用です。しかし、画像のみから安易に診断を下し、仮に間違った原因(疾患名)のもとに薬を出したり治療をしてたとすれば、良くなるものも良くなるはずがありません。(もしも、それで手術でもすれば・・です)

腰痛の治療(整形外科)について。

整形外科では腰痛の保存療法として、薬物(鎮痛薬、筋肉弛緩薬、抗炎症薬、血流改善薬)、理学・物理療法(温熱、牽引、マッサージ、体操指導、コルセット)、椎間板ヘルニアでは神経ブロック(硬膜外・神経根)注射が行われています。

3ヶ月間ほど保存療法を行っても症状が改善されない場合には、手術(外科手術、内視鏡手術、レーザー手術など)を検討します。

尚、整形外科では原因の特定出来ない非特異的腰痛への治療法というのは今だ確立されていません。基本的には他の腰痛と同じに、薬物療法、理学・物理療法を行い経過を観察しているのが現状の様です。

また最近では、腰痛についての誤った常識、または恐怖心や不安などの心理的なストレスが、非特異的腰痛の原因のひとつである事が分かって来ています。

痛みに対する恐怖や不安が強い人、または日頃ストレスを抱えている人では、脳の痛みを抑制する部分の機能が低下しているために、脳は痛みを感じ易くなる傾向があります。そうした人には認知行動療法などが有効なことがあります。

しかし、心理的なストレスは多かれ少なかれ誰にでもあるものですから、それ(不安や心理的ストレス)を非特異的腰痛(85%)の原因の全てに当てはめるのには相当な無理がありますし、それで全ての腰痛が解決するとは到底考えられません。

整形外科(現代医学)ではこうした治療が行われていますが、実際のところ、そうした治療を受けても良くならない(改善しない)という人が大勢いらっしゃいます。

 

当院の腰痛・下肢痛への施術について。

当院には、ぎっくり腰や慢性的な腰痛を訴える人、整形外科で椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、腰椎分離症、脊椎管狭窄症等と言われて治療を受けているが改善しないという人、また病院では手術を勧められているが、できれば手術をせずに改善したいという人などが数多く訪れています。

当院では、そうした腰痛や下肢の痛みやシビレを訴えている患者さんの骨盤(仙腸関節)や腰部の関節機能障害(関節内部のゆがみ)を調べ、それらを正しい状態に修正しています。

すると、患者さん達が訴えていた痛みやシビレの多くが消失したり、改善したりしています。これには原因のよく分からない非特異的な痛みだけでなく、椎間板や軟骨の異常が原因とされている特異的な痛みやシビレも含まれます。

またこうした人達を調べると、本来ならば神経の圧迫障害によって減弱している下肢の腱反射が正常であったり、障害を受けている神経の支配領域と症状のある部位が完全に一致していない、などの特徴が多くの場合で見られます。

残念ながら、腰痛や下肢痛を訴えて来院された方の全てに有効という訳ではありませんが、中には数日後に脊柱管狭窄症の手術を予定していた方の症状が全て消失したケース(手術は中止されました)さえもあるのです。

前側(腹)から見た仙腸関節

後側(背)から見た仙腸関節


尚、関節機能障害(関節内部のゆがみ)というのは、主に動き方や働き方といった機能的な異常であり、骨の位置のズレなどの構造的な異常ではありません。

臨床的に見て、腰痛や下肢痛の多くの原因は仙腸関節などの機能障害にあると言えるのですが、機能(動き方、働き方)の異常というのは、主に構造(姿や位置)を調べるX線やCT、MRIなどの画像では映すことができません。


そのため、一般的な医療機関(整形外科)では見逃されてしまうことも多く、現在のところ、関節の機能障害の検出と調整は、専門的な知識と技術を習得した熟練者(カイロプラクター)の手技により行う他にはありません。

整形外科などの医療機関で保存的な治療を受けていても改善が見られないという方、また整体やマッサージを受けても改善が見られないという方は、(出来れば手術を行う前に)当院での施術を試してみることをお勧めします。

 

補足:腰痛に関する研究報告

参考:米国医師会ジャーナルでは、腰痛の手術をおこなう前の保存的治療として、カイロプラクティック(整体とは異なります)を試すことを勧めています。

参考:米国医師会ジャーナルでは、病院での腰痛治療では17%が改善するのに対し、病院での治療とカイロプラクティックの治療を併用することで、腰痛の改善率が73%になることが記載されています。

 

アメリカのBarzouhi医師らの研究班は、腰椎椎間板ヘルニアと診断された下肢に痛みのある患者283名を、手術するグループと手術を行わないで保存療法を行うグループとに無作為に振り分け、その後1年間の追跡調査を行いました。

 

全患者の内、84%は良好な成績を示し、両者の成績に殆んど差は見られませんでした。また1年後にMRIを使用してヘルニアの有無(状態)を調べたところ、ヘルニアの残存率と患者の成績(改善率)とに関係性は見られませんでした。

 

参考文献:N England J Medcine, 368,2013.

 


 

アメリカのJensen医師らの研究班は、腰痛や下肢痛の経験のない20~80歳まで、計98名の腰部MRI画像を撮影し、そこに腰痛と下肢痛のある患者のMRI画像27枚を混ぜ、実験の事を知らない2名の放射線専門医に読影させました。

 

結果、健常者の52パーセントに椎間板の膨隆が 、 27パーセントに椎間板の突出が、1パーセントに椎間板の脱出が見つかりました。「椎間板の異常やヘルニアという状態は、腰痛・下肢痛の無い健常者でもよく見られるもの」という事実が証明されました。

 

参考:NEngland J  Medcine, 331,1994.

 


 

アメリカのBigos医師らの研究班は、腰痛のない健康診断受診者208名、急性腰痛の発症者207名、半年以上の慢性腰痛患者200名を対象に撮影された腰部X線写真を、2名の整形外科医によって読影させ、それぞれの異常所見の検出率を比較しました。

 

結果、脊椎分離症(健康診断受診者16.3%、急性腰痛発症者14.0%、慢性腰痛患者7.5%)、以下同順に、脊椎すべり症(4.3%、2.9%、4.0%)、脊椎軟骨の退行変化(27.8%、24.2%、36.5%)がそれぞれ確認されており、「X線画像で確認される背骨の変化は、腰痛と直接関係があるとは言えない」ということが証明されています。

 

参考:Clinical,Orthopedic,283,1992.

 



関節機能障害(関節内部のゆがみ)が原因である可能性のあるもの


頭痛/顔の痛み/原因不明の歯の痛み/顎関節の痛み/かみ合わせの異常/原因不明の耳鳴り/ムチウチで長期間にわたる首の痛みやコリ/首の痛み/腕や手指の痛み、シビレ/肩こりの大半/肩の痛み/野球肘、テニス肘とされる痛み/背中の痛みやコリ/肋骨の痛み/腰痛/椎間板や軟骨の異常が原因と考えられている腰痛、および下肢の痛み、シビレの多く/老化や骨粗鬆が原因と考えられている腰痛の多く/軟骨の変形が原因と考えられている股関節痛や膝関節痛の多く/原因不明の大腿部、ふくらはぎ、足の痛み、アキレス腱や踵の痛み/成長痛とされている痛み/自律神経の異常とされている症状/便秘/生理痛/手足の冷え/むくみ/身体のゆがみ/など