9月28日(金)

 税制改定による市民負担増は、約7億6300万円だった。  
  

 決算審査の中で、18年度の税制改悪による市民負担増は、7億6369万8791円に及ぶことが明らかになりました。
  18年度の税制改定の中身は、
  高齢者にかかわるものとしての、
@ 公的年金等控除の縮小
A 老年者控除の廃止
B 高齢者の住民税非課税限度額の廃止
  の3つの他に、
C 定率減税の1/2廃止
D 均等割り課税の 5つが挙げられます。
  (他に、Aに替わるものとして 寡婦(夫)控除の老年者への適用 があります。)

 詳細は、「18年度税制改定」 (ここをクリック) をご覧ください。
  又、市役所のHPもご覧ください。  

 これまでは、昨年の9月議会に私が質問した際、
  「平成18年度課税分から、65歳以上の高齢者が対象となる税制改正は、公的年金の控除額の変更、老年者控除の廃止、老年者非課税基準の縮小の3点となっております。 この改正に伴う個人市民税に対する影響につきましては、定率減税の縮小分を含んではおりますが、課税総額で約5億7,100万円の増、納税義務者数で約9,700人の増となっております。」(本会議答弁)  
  の答弁に基づき、
  「増税総額が、約5億7100円」としてきたが、それには、定率減税の半分廃止の影響額は考慮されていないことがわかり、実際には、答弁の金額よりさらに約2億円近く市民負担が多かったことがわかった。  
  これに関して昨年10月、私達議員団が全戸配布した「松本民報10月号外」は、ここをクリック
  (答弁は「高齢者に限定」したものとして読み取れないものではないが、それでも「定率減税の縮小分を含んでは」いないことが、当時の答弁のベースとなった資料から明らかになった。)  
  その資料は、ここをクリック  
  この資料は、昨年8月申し入れを行い、市民税課、情報政策課の職員の方がご苦労されて作成したものだったが、依頼の仕方に不十分さがあり、さらにその「結果」をいわば早とちりした感がある。
  より慎重であるべきだったと反省すべき内容だ。
 ( 実際、昨年の8月18日(金)の日誌の段階でも、すでに誤解が定着しつつあることがわかる。)    

 実は、この5億7100万円と実際の7億6369万8791円の違いについて調査している際、18年度の予算説明資料に、

 「税制改正に伴う影響額   
   ・定率減税を1/2に縮小  520.000千円   
  
・老齢者控除廃止      189.900千円   
   ・配偶者均等割本則課税  25.000千円 」  

 とかかれており、あわせると7億3490万円で、たまたま7億円台となり、「予算の段階では正しかった」かのように見えますが、それは違います。  

 定率減税廃止による影響額を5億2000万円と見た根拠は、17年度実績からの推定値ですが、その約5億円を5億7100万円に上乗せすれば、負担増が10億円を超えることになるが、それが7億円台になったのは、実際の定率減税廃止による影響額が、収入が増えない高齢者の所得が増えたかのような税制改悪以上に、市民全体の所得の目減りの影響が出ていると見るのが正しいと思われます。  

 文字通り、高齢者にその負担のしわ寄せした、肩代わりさせ、押し付けた自民・公明政治の悪政ぶりが改めてわかる中身だ。

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9月30日(日)

 「来者如歸」  
  

 NHK連続ドラマ小説「どんど晴れ」が昨日終わった。  
  京都市にある「柊家旅館」の玄関に、この「来者如歸」(来るもの帰るが如し=家に帰ってきたように寛いで欲しいの意味)の額が掛かり、モデルとなっているとも伝わってくる。
  「おもてなしとその力」とでも言ったらいいのか、家族の団結で困難を乗り切ることがテーマの作品と言える。

 「軽すぎる」という評価がマスコミには流れていたが、「座敷童」が登場するあたりから、もともとそうした展開が予想されたもので、いろいろな有り得ないこと、初めて知る世界もありいつも通り欠かさず楽しませてもらった。  
  田口八重さん著の「おこしやす」も参考になるようだが、この「来者如帰」の額は、信州渋温泉貸切露天風呂の宿 角屋ホテル にもあるようだ。  

 そんな中、その旅館の流儀に従ってもらうことが旅館のおもてなしであり、客の要望には最大限こたえていくというホテルの「サービス」との違いについても、なんとなくわかったような気がする。  
  石原氏には、まことに失礼な言い方だが、狡猾な「秋山」役には、はまり役かなと思いながら、最初から違和感がある演技の中、その名前には似つかわしくない展開から、純粋で、良い人まさに「良純」氏に豹変するあたりは、なるほどと妙に納得できたものだった。

 ドラマでも紹介されたが、ドイツのローデンブルグという都市の城壁には「来る者には安らぎを、去りゆく者には幸せを」という言葉があるらしい。
  このことは、新京都市観光振興推進計画策定委員会の平成17年12月に開かれた第4回会議の中でも紹介されている。 そ
  の策定委員会の様子は、ここをクリック (真ん中ほどに出てきます。)  

 観光戦略とおもてなしの心については、一昨年の経済環境委員長の時に少し触れた程度だったが、この分野にも改めて関心を持つことができた。  
  又、たまたま 9月24日付け日誌の盛岡市と重なったことも必ずしも偶然ではないのかとも思ったりした。

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9月29日(土)

  「たとえ醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい。」
      教科書検定意見撤回を求める沖縄県民大会 11万人   

  

 沖縄県宜野湾市に11万人、宮古島市・多良間村は「宮古郡民大会」、石垣市・竹富町・与那国町は「八重山郡民大会」を同時に開き、それぞれ2500人が参加しました。
  95年、米兵による少女暴行事件に抗議する県民大会の時8万5千人だったレコードを更新した。
  参加者数は県民十人に一人が参加したことになる。  

 先月の沖縄視察の3日目夜、沖縄県議団と懇談をした際、この集会の準備が行われていることが紹介されていました。  
  今までにない感慨を持って、この報道を受け取ることとなった。  
  われわれとして何らかの連帯行動が出来ないか。
  実は、この県議団との懇談の際、たとえば松本市議会での「意見書」の採択なども話題になりました。
  そして、現地のマスコミからの取材の計画の話もありました。  沖縄県議会が渡嘉敷島を訪問した後、全国の地方自治体の中でこうした現地視察を行った議員団は、私たちが全国初だったというのだ。
  しかし、私たちはこの取材申し入れに対してはお断りすることにした。  
  座間味島、渡嘉敷島訪問をいわば手っ取り早い「切り口」に、今回の「集団自決」問題の視察計画をたてた私たちにとって、実際に視察を重ねるなかでこのテーマの重さを実感しつつある中だからでした。  
  仮に松本市に帰って議員団として、意見書採択の議案を提案しても果たして成立させることが出来るのか、その見通しに正直不安があったこともその要因のひとつでした。  
  それは、まだまだ、共産党の提出するもの、いわゆる「共産党」系団体や共産党にかかわるものに関しては、それだけの理由で「反対する」、成立させないように発言するいわゆる「反共」意識を持った議員が残念ながら少なくなかったからです。  
  果たして、こうした不安は、この9月議会の中でも証明されることとなりました。  
  今議会には、「自衛隊による市民監視活動の中止を求める意見書の提出について」の陳情が出されていましたが、「それは、共産党が政策でやっていることだ。」「そんなことは警察に言えばよい。」などの的外れな議論で、否決されました。  

 話を沖縄県民大会に戻します。
  この大会の演壇には、政党では日本共産党のほか、民主党、社民党、社大党、公明党の各代表や、沖縄本島三十六自治体のうち、三十四市町村長が並び、立場の違いを超えた取り組みとなりました。

 挨拶に立った仲井真弘多県知事は、
  「沖縄県民を代表する者として、今回の文部科学省の検定意見に対して強く抗議し、遺憾の意を表明するとともに、検定意見が速やかに撤回され、記述の復活がなされることを強く要望する」
  と述べました。

 また、読谷高校の2人の3年生も、
  「教科書から軍の関与を消さないでください。あの醜い戦争を美化しないでほしい。たとえ醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい。」
  と訴えました。  
   訴えの全文は、ここをクリック  

 沖縄県以外の地方自治体で、いくつか「意見書」が採択されましたが、われわれとして何が出来るか検討も行いたいと思います。

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9月26日(水)

  青年労働者、派遣など非正規労働者の実態調査と指導を求めます 
  

 新首相に就任した福田康夫氏。
 15日に行われた自民党本部での総裁選出馬会見でのことを、某週刊誌がグラビアで紹介していた。  


「届け出前に会見を開いた福田さん。カンペを見ているのに一番大事なフレーズを忘れちゃった〜。困ったな〜」
(週刊 プレイボーイ 9/22号 グラビア より) 

 記事でも、
  「福田さんの出馬表明の会見は満員、大人気じゃん。でもこの人ヤル気あんの?ずっとカンペを見ているし、「お年寄りに安心を、若い人に・・、若い人に・・」って。隣の人が「希望」って教えてくれてよかったね。」
  と書かれている。 (注:カンペとは、カンニング・ペーパーのこと。)  

 新首相の青年政策は、この程度のものかと思ってしまうわけだが、今日の決算特別委員会で、松本市の青年対策・雇用問題に関しての質問が行われた。  
  しかし、その答弁は、具体的な対策は見られない残念なものだったようだ。

 6月議会に私は、 「無権利状態で働いている青年労働者、派遣など非正規労働者の実態を調査し、青年の使い捨ては許さないという立場から、体制をとって、調査指導が必要ではないか」と質問したが、答弁は、 「実態調査については、国・県の動向も注視しつつ、松本市単独でやれるかも含め研究してまいります。」にとどまっていたが、実際そのままで、とどまっていたことを示している。  

 ところで、その長野県社会部労働福祉課が、この9月に、「多様化する就業形態の労働環境実態調査」を始めたことがわかった。

  「この調査は、職場における正社員・非正社員の処遇に関する実態や非正社員の就業実態を調査し、労働行政の基礎資料とすることを目的に行う」
  とされている。  
  昨年の県議会で、塩尻の備前光正県議が求めていたものだが、その結果を受け、松本市としての独自の就業実態の調査、特に青年の実態調査を改めて求めたい。
 北海道や京都での経験が全国的にはある。調査して具体的に提起したいと思う。

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9月21日(金)

  後期高齢者医療制度 
  

 9月議会に、高齢者の医療制度に関する請願が、「請願第8号」として、13日(木)の教育民生委員会で議論され不採択、そして19日の議会最終日でも同様に否決された。

     

 
  議会に提出された文書を見てお分かりの通り、最初、請願者が、議長に提出した際には、4つの会派が紹介議員として、この請願に「賛成」の態度を示していた。
  その文書の実物は、ここをクリック  
  ところが、なんと本会議に上程されたときには、最大会派所属の議員が、訂正印をつけいったん快諾した紹介議員を取りやめたのだ。  
  この議員は、何で取りやめたかの理由を、請願者にもあらかじめ連絡することなく、勝手に訂正したという。  
  同じ趣旨の請願は、昨年の12月16日の議会にも出されたが、そのときは私たち共産党の2人以外は、委員会で反対して不採択にした経過がある。  
  県下では、ほとんどの市で、採択している中で、今回、最大会派の賛同を得ることで、やっと松本市でも採択できるものと関係者もほっとしていたところだった。  
  ところがこの事態だ。  

 19日の閉会日本会議、委員長は、委員会での審査経過について、

  請願第8号「高齢者の医療制度に関する請願」でありますが、後期高齢者の保険料負担を軽減するために、その願意を妥当とする意見の一方、低所得者対策を講じるにしても、利用者に応分の負担を求めることは、致し方ないことである。また、広域連合議会での実質審議を前に、この請願趣旨には賛成しかねるなどの意見があり、起立採決の結果、不採択とすべきものと決しました。

 と委員長報告を行った。

 以前も、全ての会派から紹介議員を頂きながら、否決された例もあったが、今回のように訂正印で、紹介議員を取りやめた例は知らない。
  誠に不可解な経過だ。    

 実は、この議員、「請願8号」のほかに、「請願9号」「請願10号」でも、訂正印で取り消すというまったく同じことを行っていた。

 「請願9号  医師・看護師不足なでお医療の危機打開、医療制度改善のための請願」
 
「請願10号  保険で良い歯科医療の実現を求める請願」  

 そして、9号、10号も 同様に否決される結果となった。

  「高齢者から、確実に多くの保険料を取ることが目的」 「高齢者だけ別の医療制度に独立させ、死ぬまで保険料と患者負担を払わせるような制度は、世界にも例がない。」 「企業負担を軽くしたい財界・大企業の要望にこたえるもの。最終的には公費部分は消費税を財源にするのが財界の狙い」  いずれも、東北大学 日野秀逸教授の後期高齢者医療制度に対するコメント。  

 本会議の採決の結果も実に不可解だ。
 文書で 2番目に紹介議員署名している議員は、本会議で反対。社民党も加わる会派では、紹介議員の一人の議員以外、残る2人の議員も反対。
  結局賛成者は、私たちの会派6人のほか、2人合わせて8人だけだった。

 本格的な、広域連合議会での議論を前に見直しを求める署名や運動が起こっている中、反対した議員は「KY議員」といわれても仕方がない。

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9月25日(火)

  国保証の窓口「留め置き」問題について 
  

 東京の日野市で、「国保短期証の窓口『留め置き』を解消」という記事が、「議会と自治体」10月号の掲載された。
 実は、この国保証の「留め置き」問題は、松本市での懸案事項でもあり、しかも同じく今年の4月号の「議会と自治体」に掲載した私名の記事の最後に、

  「しかし、松本市には、国保証の未交付世帯(=留め置き)問題が、残されています。国保税滞納者との連絡がとれないなどを理由に保険証が渡されていないのです。  「命を守る」、「お金の心配なく、安心して患者になれる」という点では、まさに国保証は「命綱」、「命と健康のパスポート」です。 国保証が交付されない事態は、直ちに正されなければなりません。」

 として載せた事でもあった。  

 それについては、今年の3月23日の日誌をご覧ください。
  又、 「母子・乳幼児世帯への国保証とりあげをストップ」 は、ここをクリック

 清水とし子議員のレポートに寄れば、 短期保険証を市で保管する場合には、「少なくとも資格書の適用除外者となる人がふくまれていないか、すべての構成員について調査をするよう」求めたところから解決に向かったとあります。
  それに対して、当初郵送には消極的だった市も、事実上「1000件を超える世帯の構成員すべてについて把握することはできない。」ことから、未交付状態にある短期保険証を郵送するという方針を表明し「必要に応じて要綱などの手直し」も約束したという。

 詳細な調査は、今後必要だが、こうした経験教訓に学ぶ必要がある。

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9月24日(月)

  盛岡市 消費生活センター 
  

 夕方、ふとテレビを見ると、盛岡市の消費生活センターの活動ぶりの番組が流れていた。
  初めからではなかったので、正確ではないが、「民事不介入」でなく、市民の暮らしの目線にたって、精力的に「多重債務」のケースの解決に取り組んでいる中身だ。  
  ある担当者にスポットを当ててのレポートだったが、すでに2000件を超える相談の解決を行ったという。  
  債務者の相談を受け、弁護士を紹介し、「過払い返還」を求め、そして住宅相談を初め生活保護行政まで、縦割りでない市民の暮らしを支え、守る活動が展開されている。  
  そうした活動は全国に伝わり、盛岡市民だけでなく、市外の方も相談に訪れるという。
  ちょうど、私達が弁護士や司法書士の方のご協力を頂き、問題の解決を図っていると同じように、行政がそこまで踏み込んでサポートしているというのだ。  
  地方自治体の今後の役割として、松本市にも求められ必要なことだ。  

 詳細な調査をしたいと思う。
  盛岡市の消費生活センターのHPは、ここをクリック
 取組に関しては、ここをクリック   そのほかに関しても ここをクリック

 ところで、昨日の議員団会議で、明日からの決算特別委員会に臨む基本的視点を次のように確認した。  

 1、大きく平成18年度(06年度)を政治的にも経済的にも捉えて分析を行うこと。  
 2、「構造改革」路線など国の悪政との関係で、市民いじめ、自治体いじめの事態を、決算の実際との関係から明らかにすること。
  3、それとも関係するが、市民生活に現れる、年々深刻化する格差社会の実態を浮き彫りにする。
  4、2年目で結論を出すにはまだ早すぎるが、「合併の検証」も徐々に行う。
  5、来年の市長選挙を半年後に控え、菅谷市政3年目に当たるこの決算に4年目の今年の経過も加えながら、その菅谷市政の施策の評価点(借金の削減、福祉行政の前進など)と今後の課題・問題点を明らかにする。  

 以上の5点をモノサシに据え、歳入構造、歳出の実際の審査を確認した。  

 いよいよ明日から4日間の決算特別委員会が始まる。

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9月23日(日)

  「政治家に むかぬこの子の 下手な嘘」 
  

 昨日も、松本から3人で長野市議選の応援に行ってきた。
  最後に残ったチラシの配布をしながら、庭等においでの方と何人か対話が出来た。

  「政治と金」の問題は、国政の問題だけでなく、この長野市議選挙の中でも話題となっていた。
  1つは、政務調査費116万4000円(月額97000円)の金額と使いみち。
  2つ目は、海外視察問題だ。県下19市の中で、長野市だけが今でも行っている。
  (松本市の場合、政務調査費は、4倍強。 松本市の場合は、年間一人25万円。 海外視察に関して言うと、松本市はこの2年間海外視察は行っていない。 私達は、それ以前もかなり前から海外視察には参加してこなかった。)

 この間のチラシの配布と街頭宣伝などで、このことは多くの人に知られることになっていることが良くわかった。  
 
  午後になり、廻っている中で、祭拍子が聞こえてきた。 狭い小路を歩いているとふと枝にかかっている1つの灯籠を発見した。   

 「政治家に むかぬこの子の 下手な嘘」
  と墨で書かれていた。   
  祭灯籠に描かれていることも、その中身も実に考えさせられるものだった。  

 今日は、ほぼ1日市役所控え室で、議員団会議を行い、深夜、長野市のHPから開票速報のPDFを開いてみた。
  この間私達が応援に行った候補者他、6人全員の当選を確認できた。
 関係記事は、ここをクリック

 そして同時に東大阪市の9人全員当選も確認できた。

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9月14日(金)

  「まつもと市民芸術館管理運営の見直し」について 
  

 昨日行われた総務委員協議会に、報告事項として、「まつもと市民芸術館管理運営の見直しについて」が提案された。
  昨年10月に提出された「まつもと市民芸術館運営審議会の提言」のうち、懸案課題になっていたものの内、見直し方針がまとまった3項目について以下のような報告があった。
 
  文書のその部分をそのまま記載すると、

  4、見直し方針
 (1)芸術監督制度については、当面、継続することとします。
 【理由】
 ア、芸術館は、単なる貸館ではなく、多様で高度な芸術を市民に提供するとともに、市民が気軽に利用できる市井の文化交流の場であります。 広い意味で文化と福祉が融合する施設とするためには、文化芸術への造詣が深く、先進性のある専門家として芸術監督が必要です。
 イ、 これまでの芸術監督制度のもとでの芸術館の取組みについては、創造事業の全国的な高い評価によって、様々な鑑賞事業の招聰を可能にしました。 また出前公演や市民オペラなど、教育普及、市民参加事業にも貢献するなど、芸術監督の存在が相乗効果を生む結果も認められ、一定の市民の認知と評価を得ていると考えます。
 ウ、芸術監督は、館の活動における芸術面の最高責任者です。その職務は、館内外で芸術創造活動を通した市民との交流を図り、松本の芸術文化活動の振興に貢献するとともに、芸術家として幅広い視野に立った柔軟な発想と、メッセージカを活かして、都市の活性化に寄与することが期待できます。

 (2)館長と芸術監督の兼務を改め、館長職を廃止します。
 【理由】
 ア、「館長」は、館に常駐し日常の経営に携わることが望ましいと考えます。
 イ、 芸術館は、年間を通した計画的かつ継続的な事業の運営が必要であり、コンベンション事業等の利用促進や日常的な市民利用を含めて、事業全体を統括するマネジメントが求められます。これまで、その職務については支配人が主体的に行っており、館長と芸術監督の兼務を見直し、館長職を廃止することとします。

 (3)これまで、市補助金、入場料収入や利用料金収入などでまかなってきた事業費の構成について見直す方向で検討します。

  5、今後の進め方
 (1)芸術監督は引き続き置くこととし、館長職は平成20年度から廃止します。
 (2)今後とも多くの市民の皆さんに愛され、利用される施設を目指して管理運営に努めます。

 以上が、その部分だが、こうした見直しの背景として運営審議会で何が懸案だったかについては、

  

 (1)芸術館の基本的な方向性 芸術館は、「市民の文化活動の発表の場、いわゆる旧市民会館の役割を引き継ぐ性格」と、「高度な芸術を享受し創造する場」という二つの性格を持った松本市の文化拠点しかし、高度な芸術を享受し創造する場のあり方については、「管理運営方針」で「芸術文化をよりどころとして日本はもとより世界に向けて発信する」と表現されている目的を実現するための「芸術監督制度」や「創造発信型事業」が妥当か。

  (2)芸術監督制度 松本市の、あるいは市民の芸術文化の振興をはかる、という芸術館の役割は必要であるが、現行の芸術監督制度が必要か。 また、館長が芸術監督を兼務するという仕組みは妥当か。

  (3)鑑賞・創造型事業 鑑賞招聰型事業の内容は濃く評価できるが、創造発信型事業、特に芸術監督が関わった事業は必要か。 また、自主事業に対して、松本市は1億円の補助金を交付しているが、この金額、使われ方は妥当か。  

  の点が紹介されている。  

 見直しの部分の文書は、実にわかりにくい表現となっているのが特徴だ。
  まず、 委員会での私の質問の中でわかったことは、
  4、(1)の芸術監督制度については、「当面、継続する」とあるが、任期は5年間で、来年の3月までで、串田氏の1期目のその任期が切れる。 当面とは、「次期の5年間は、継続する。」という意味。 では、「2期目の5年間の間に検討するのか。」については、「より適切な運営という点では、普段からの検討が必要と考える。」という説明のみで、改めての検討の機会はもうけないという。
  (2)の「館長職を廃止」は実態からしても当然としても、芸術監督の報酬が下がるかどうかは、「館長職を解きましても仕事の量に変わりはない。より積極的に芸術監督に専念できる。報酬は、今後の話し合い。予算の中で考える。」
  (3)の「市補助金、入場料収入や利用料金収入などでまかなってきた事業費の構成について見直す」の中で、市の補助金の内自主事業費の1億円は、「このままでいく。全体の中で考える。減らすとも申し上げられない。」 という中身だ。   

 率直に言って、かなり慎重な内容となっていて、「結局変わらない」という感想がもれるのも無理からぬ事だ。

 狭い意味にすることは、誤解を招くかもしれないが、館の管理運営費の約5億円、事業費補助の1億円、合わせて「約6億円」の見直しが結局、争点である。  
  当初の「5億円」は、関係者の努力で、人件費等で減額されてきているが、あとは芸術監督制度の見直し以外に、今後の削減の見通しはない。  
  そして、残るは、「1億円」の部分だ。  
  広義の「管理費」の見直しといっても、「選択肢」と「金額」は実に限られている事がわかる。  

 この問題は、「福祉か、文化か」の問題でもなく、「費用対効果」で図るものでのないと思う。  
  文化行政にしても、スポーツ行政にしても、産業行政もそうだが、必要なところには予算を当てて振興していくことが地方自治体の仕事としての基本だ。  
  しかし、その予算は限られたものだ。当然全ての予算は、その中でのやりくりに委ねられる。  
 
  そうした中で、芸術監督制度が、焦点となってきた。  

 昨日の委員会でも、「現」監督の活動について、その評価との関係で、この制度の是非、継続に関して議論がされた。  
  この芸術監督制度、ヨーロッパでは、3年ぐらいで「結果を出さない」とすぐに交替となる。 しかし、この議論は、「評価」、「効果」で議論されるべきものではない。 もし、串田氏の「作品」をめぐって仮に交替になっても、次の監督にも同じようなモノサシで、同じ議論が繰り返されるだけだ。  
  問題は、違うところにあるような気がする。
  この芸術監督制度をこの館からの発信として行う際、串田氏が創造する芸術、専属芸術家の創造を行政として支援する結果となるこのやり方が、地方自治体なり行政のあり方としてなじむものなのか考える必要があると思う。
  市民の中で、芸術分野での創造活動、市民が行う創造活動 享受・鑑賞も含めて行政が支援する、そうした芸術活動の基盤・条件の整備は、松本市の仕事だが、こと芸術文化活動に関しては、こうした「特定の芸術家」の創造活動を支援することが行政の仕事なのか考える必要がある。
  これが行政がやらなければならない事業なのかということだ。
  もちろん、館の事業全てが氏の作品でないことは明らかだが、美術館で、館長なりの「作品」の作成に行政が支援することを余り聞いたことがない。
  仮に、スポーツ行政にこのような「監督制度」を導入したとすれば、それは、その監督の下、特定のチーム作りを行うことが、スポーツ行政の「発信」ということになるのだろうか。
  これは、誰が考えても行政の仕事にはなじまない。  

 松本に行けば、串田さんの芸術が見れる。 これが果たして、松本からの発信といえるのかも考える必要がある。  

 私は、芸術監督制度ではなく、現行の「支配人」などの制度で、いろいろな分野、考え方の「作品」の誘致、発信が行われること、そして市民の発信と享受の機会を増やすことが、必要だしそれが行政の役割と考える。  
  そして、そうした事業展開に、どれだけの予算が回せるのかの検討が必要だと思う。
 こうした議論が、まだ必要と考えるがどうだろうか。

  (少し荒削りな、議論かもしれないが、とりあえず発信します。)

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9月18日(火)

  「心と頭を痛めている」 
  

 「保険者として、より良い介護の現場をどう守るのか。」
  倉橋議員の2回目のこの質問に対して、菅谷市長は次のように答弁した。

 介護を社会全体で支える制度として始まった介護保険制度は、予想以上の対象者や費用の増大等、いくつかの課題をかかえながら、超少子高齢社会の中で高齢者の老後における介護の不安に応える社会システムとして定着してきております。 介護保険制度を持続可能なものとするためには、介護の必要な人に必要なサービスが適正に提供できることが求められており、今回の相談票の導入は、まさしくこの点で始めたもので、より良い介護の現場を守るしくみとも考えております。 今後も事業者と保険者が十分協議の上、利用者の立場に立ったサービスの提供を基本に、介護保険制度の適正な運営に努めてまいりたいと考えております。
  尚、蛇足ではあるかと存じますが、近未来の人口減少時代への福祉への政策対応として、急速進展する超少子高齢社会、社会保障関係費の今後ますますの増大、財政状況の悪化傾向などを深刻に捕らえ、介護の世話にならない健康寿命の延伸をいっそう図ることが重要であり、その意味で高齢者の皆さんが健康維持を含めて自分で出来ることは出来る限り自分でやるという姿勢が不可欠であり、いわゆる過剰なサービス体制を見直しつつ、歳出の削減を図る努力が必要であるのかと今私は、心と頭を痛めておるところであります。  

 本日の9月議会のまとめの議員団会議で、市長のこの発言について議論した。

 キーワードは、「蛇足」と「心と頭を痛めている」。  

 「心を痛める」「頭を痛める」 いずれも保険者としての保険者ゆえの悩みであることは実によく伝わってくる。  
  そして、先日の日誌 (9月12日) でもお伝えしたとおり、「適正化」の名の下でサービス抑制指導が、国、県からの強められる情勢の中での松本市としてのより良い介護の現場をどう守るのかに対する答弁でもある。  

 蛇足とは、
  広辞苑によれば、
  [戦国策斉策](蛇の絵を描く競争で、早く描きあげた者が足まで書きそえて負けになったという故事から) あっても益のない余計な物事。あっても無駄になるもの。
  とある。  
  他の辞書では、
  あっても役に立たないもの。あると、かえって全体をそこなうもの。
  とある。  
 果たして、この言葉は、市長の誤用の一つに数えられるだろう。

  より良い必要なサービスの提供を守ることは、こうした保険者の姿勢とともに、ケアマネージャーをはじめ現場で苦労する関係者と利用者の運動で作り上げるものだと確信する。
  文字通りの「ケースバイケース」での現場の奮闘にかかっている。
  そして制度の矛盾もそうした運動があってこそ正される。

 いよいよ明日は、議会最終日となる。
  そして、来週の25日から28日までの4日間の日程で、平成18年度決算の特別委員会が行われる。
 
来年の市長選挙を控えて、菅谷市制3年目の1年間を振り返る決算の審査だ。
  私達の会派からは、南山議員と両角議員が委員として出席する。
  又、23日の日曜日には、この決算特別委員会に向けた合宿会派会議を予定している。

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9月13日(木)

  ダブルパンチで地方交付税が減らされる
  

 総務委員会の審査の中で、地方交付税を3億5000万円削減の補正予算が組まれたことの説明があった。
  その結果、昨年比で、8億2978万円少なくなる。  

 その要因は、1つは、市民税の増税で収入が増えるからということで、国が削ったことに加え、さらに国が、松本市の「税収が強く見込まれる」として、交付税算定上での松本市の税等の歳入規模を示す基準財政収入額が、前年比、「7億3800万円増加する」と算定された結果だ。  
  しかし、実際には、これだけの額が、税収で増えているわけではない。  
  もちろん、先ほども書いたが、住民税の負担増があることは間違いないのだが、さらにいわば、国の「計算ミス」で、減らされたことになる。  

 まさに、市民にとっては、ダブルパンチの削減となる。

 これに対し、松本市は、初めて「地方交付税法第17条の4の規定により、国へ交付税の額の算定方法に関する意見の申し出を行い、清算方式を導入して欲しいと交付税制度の改善を求めた。」  
  私にとっても初めての経験だ。
 「税収が実際に伸びていれば、問題なかったのだが、・・・」と担当者は答弁したが、市民負担増のことを考えると実に複雑な思いになる。  

 こうした「地方交付税法第17条の4の規定」による地方自治体からの申し出に対しての国の対応は、「一定数の申し入れがあると見直しに入る。」という。
  要は、逆に言うと、一定数に達しないと見直さないということになる。
  この間5年間で見ると、こうした「削減額」が、10億を超えたので、今回は、申し出することにしたとのことだが、少し調査が必要になる。

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9月2日(日)

  沖縄戦の図
  

 「沖縄戦の図」が展示されていると新聞報道されていたので、梓川高校「梓水祭」に行って来た。  
   8月30日付け 市民タイムス 東筑摩版 は、ここをクリック

  「集団自決とは、手を下さない虐殺である」  この作品の左下に書いてある言葉だ。  

 以下、このHP上で、展示を再現します。

  沖縄戦の図

 
私達は、佐喜眞美術館に飾られている「沖縄戦の図」を模写しました。
  《この絵は丸木位里、俊夫婦が描いたもので、縦4m 横8.5m。この模写は一周り縮小してあります》

  

(梓川高校2年生による「沖縄戦の図」模写)

皆さん想像力を豊かにして、この絵を見てください。 兵隊が一人も描かれていません。
 描いてある人は、女性や子供お年寄りだけです。 つまり、描かれているのは、戦争という状況の中で一番酷い目に合う側から見た戦争の絵です。
 
  「沖縄戦の図」の左下には、 『恥ずかしめを受ける前に死ぬ 手りゅうだんをください 鎌で鍬でカミソリでやれ 親は子を夫は妻を 若ものはとしよりを エメラルドの海は紅に 集団自決とは 手を下さない虐殺である』

  左下の海に描かれている島々で沢山の人が自決しています。 その様子が上の方に描かれています。
  彼らは民間人です。 ですから、生き延びたいと思っていたはずです。 様々な要因がからまってみんなで死ぬことになったのです。

  左上では鎌で首を切っています。その隣はお母さんと娘さんです。首に縄を巻いて、二人締め合っています。
  しかし、この死に方では、片方が先に死んでしまうので、一緒には死ねません。 頸動脈をカミソリで切ろうとしている兄弟が描かれていますが、カミソリなど小さな刃物で首を切ろうとしても、上手くはいきません。楽に死ねた人を、当時の人々はうらやましがりました。 家族同士で殺し合って生き残ったり、生き延びてしまった人々の戦後は大変悲惨でした。

  中央付近で逆さまになっている少女は、スパイ容疑をかけられて殺された少女だと言われています。

  右中央に描かれている赤は、毒ガスや火炎放射器の炎の色です。

  この絵を描いた丸木位里、俊夫婦は全ての人をきれいな線で描きました。 実際、五体満足の死体はないそうです。 しかし作者は、人々の尊厳を大事にして、きれいな線で描いたそうです。

 この絵の最大の特徴は、戦争にまきこまれた全ての人に目玉が描かれていないことです。 人の顔を描く時に一番大切なのは目です。 目は、人の心の状態、精神活動を象徴します。 その人の顔で一番大事な目を入れていないのはマインドコントロールされて意思をなくしてしまっていたからです。
  しかし、中央に描かれている3人の子供には目が入っています。作者は戦争という状況の中で女性や子供、お年寄りはどうなってしまうのかよく見て、考えて記憶してもらいたいという願いをこめて目をいれたそうです。

 皆さんはこの絵を見て、何を考えますか?

                                    (展示は以上です。)

 参考に、佐喜眞美術館 をクリックしてみてください。

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9月12日(水)

  「適正化」から、介護サービスの提供を守るために
  

 介護保険制度の運用上、
同居家族がいる場合の訪問介護サービスの「生活援助」の提供については、「家族等が障害、疾病等のため、利用者や家族等が家事を行うことが困難場合」のほか、「障害、疾病がない場合であっても同様のやむを得ない事情により家事が困難な場合」についてはサービス提供が認められる。
「やむを得ない事情」については、一律に判断することなく、「ケースバイケースで判断する」ことになっています。
それとの関係で、今回活用される「相談票」は、ケアマネージャーが「介護給付費の算定をする際、迷った時に出していただく」(部長答弁)もので、サービス担当者会議で判断に迷うことなくケアプランが作成された場合には提出は不要である。
この点が、改めて倉橋議員の質問に対する答弁で確認されました。

 この「相談票」は、昨年、県が松本市内の訪問介護事業所への実地指導を行い、「適正でないサービスが行われている」ことを指摘し、「松本市は保険者として、こうしたサービスが行われていることを承知しているのか。」の指導が行われたことを契機に、今後同じような県からの監査・指導があった場合でも、松本市として利用者の立場にたって、必要なサービスが提供できるように、保険者として介護支援専門員(ケアマネージャー)とともに、「よりよい介護の現場を守る仕組みとして」現在実施に移されているものです。

もちろん、こうした認識に到達するには、松本市側も、そして介護の現場、ケアマネージャーの皆さんと市との間でも、紆余曲折と侃々諤々(時には、喧々囂々)の議論がおこなわれる必要がありました。

今、国からは、「適正化」と称して、介護保険についてサービスを制限する動きが強まっています。
そんな中、「同居家族がいる場合の訪問介護サービスの生活援助の提供は、原則できない。」という一律の判断の元に、必要なサービスの提供が行われていない自治体などの例もあり、それとの関係で、松本市のサービス内容に指導が入る中、松本市は、今年の6月
「介護保険における訪問介護サービス提供の考え方について」という文書をいっせいに介護保険事業者はじめ関係者に配布し、ケアマネージャーに対しての勉強会、説明会を行いました。
松本市としては、「あくまで必要な介護サービスを守るための策」として行ったことですが、しかし、この文書と、さらにセットで実施された「協議依頼書」は、実に問題のあるものでした。
たとえば、文書の中で、同居家族がいる場合、「恒常的で連続して長期間(原則として1週間以上)不在」(これは明らかに禁止されている「一律」な「ローカルルール」に当たる。)であることがサービスを受けられる条件であることが明記され、また「やむを得ない事情」で作成されたケアプランに関しては、「すべて」この「協議依頼書」を提出し、市の「可否」の判断、その「回答」を受けるまでは、「サービスは提供できない」旨を定めたものでした。

この文書は、明らかにその作成の意図とは違って、ケアマネージャーとサービス提供に制約を与える結果となりました。
 
 それに対し、ケアマネージャーと介護保険事業所の関係者などの指摘と運動で、このやり方の誤りが正され、7月に入って、新たな、見直しされた「介護保険における訪問介護サービス提供の考え方について  平成19年7月 松本市健康福祉部高齢福祉課」の文書が発表され、「協議依頼書」に代わる「相談票」のシステムに変えられたという経過があります。

今回の私たちの質問は、こうした議論の経過と到達点を踏まえて、何よりも「介護はずしが問題となっている中で、介護サービスを提供する上でもっとも大切な役割を担っているケアマネージャーが、自信と誇りを持ってサービスを提供できるように、保険者がその責任として、それをサポートし、何よりも必要なサービスが提供できるようにする。」(倉橋議員質問)上での、サービス提供の基本と「相談票」の扱いについて質したものです。

もちろん、この「相談票」そのものにも賛否両論がありました。
確かにこの「相談票」は裏腹なもので、扱い方では、「サービス制限」「ケアマネージャーへの圧力、無力化」という危険性もはらんでいるものです。

そうさせないために、今回、倉橋議員の質問は、松本市に対しても、そして県や国からの「適正化の指導」からも、被保険者の権利を守るために求めたものです。
この問題点をはじめに指摘し、見直しを求めた関係者をはじめ、この再度の「見直し」に向けて行われた運動、松本市を交えた経験が実に貴重であることを確認したいと思います。

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9月11日(火)  

  松本城と街づくりを考える 
  

 大手3丁目、旧魚網駐車場に、広島の業者(株)マリモ が、地上15F建て(高さ45.6m)の高層マンションの建設計画に対して、松本市がこの業者に対して高さを松本城の高さ(29.4m)以下に抑えるよう申し入れを行い、業者は高さに関しては、その条件を受け入れることを表明していた。
  この展開に対して、昨日松本市が業者に対して、「29.4m以下」と申し入れたことに対して、その高さの根拠と経過をただす質問が行われた。

 松本市は、以下のように答弁した。

  高さの根拠 については、
 
平成13年に松本城周辺の高度地区の決定の際に、中央地区町会連合会長名で、
 1、規制区域の設定については、必要最小限にすること。
 2、活性化を優先すべき商業地域への規制は将来を見通したものにすること。
 
3、私権(財産価値)の侵害を配慮すること。
   等の意見が提出され、現在の規制が決められた経過がある。
  また、建設予定地の周辺には、先ごろ縄手に建設されたマンションも含めて高さ30m前後の建物が多数ある。
  さらに、松本城天守閣から南方面の眺望景観などを総合的に判断して、本市の象徴である松本城の高(29.4m)より低くするように要請したもの。
  仮に今回の計画をそのまま放置し、事業者への要請を怠れば45.6mのマンションの建築確認が提出され、条例に基づく近隣住民との話合いがもたれたとしても法律的には阻止することができない状況にあった。

 経過 については、
 事業者への低層化を要請の前に、堆元の皆様と相談するため中央地区町会長会の開催をお願いし、開催が予定されていたが、松本神社例祭のため変更したいとの話があり延期となった。
  このため、町会長会は、市が事業者へ要請文を提出した翌日の7月20日の開催となった。
  ここで、市から天守閣の高さ以下するように事業者へ要請したことを報告したが、これについて出席されていた町会長からは特に異論がなかった。
  また、22日の町会長会にも市職員が参加して皆様の意見を伺っています。
  さらに、7月23日に提出された中央地区連合町会長と小柳町町会長からの陳情書によると「現存する建築物より高い建物は認めるべきでない。」とあります。 さらに、
  7月30日の陳情書にも「マンションの建設に反対ではない」とあります。
  これらの文面からしても、29.4mという高さについてはご理解いただいているものと考えています。
  市議会に対しましても、要請文を提出する前の7月12日に開催された建設委員協議会において、お城の高さ以下に建築計画の変更を要請する旨の報告をして来た。
                                   以上

 問題提起されている争点はこうだ。
  「29.4m」を業者に示したことについて、「29.4mまでは認める」という申し入れであり、しかも勝手にやったもの。
  景観基本計画策定市民会議がひらかれ、検討中の最中でもあり、そうした機関等への相談があってしかるべきだというもの。

 これに関しては、13日の建設委員会でも、陳情の審査が行われる。

 今、手元に今回の答弁の冒頭にある平成12年9月21日付けの市長への「松本城の景観を守るため 周辺地域での建築物の高さ規制についての報告書」のコピーがある。  
  中央地区町会連合会会長名で出されたその報告書には、

 私ども中央地区町会連合会では、松本市の象徴であり、市民の宝である『松本城』の景観を守り、周辺地域との調和を図りながらの街づくりを進め、大切な景観を、時代の波に押し流されることなく守り育て、後世に引き継ぐことを責務と考え、地元住民を交え何回かの会合・勉強会を開き協議を重ねて参りました。
  その結果、『松本城の景観は是非とも守らなければならない』との全員の意思統一ができ賛同を得ましたことを、ここにご報告いたします。
  有賀市長に置かれましては、民主的行政手腕を発揮され、100年の大計を誤らない施策を講じられますことを、切にお願い申し上げます。
  尚 協議を重ねるなかで、細部について幾つかの要望・慎重論がでましたので、別紙にてご報告いたします。  

 と書かれ、 冒頭の答弁の「1、」「2,」「3、」の3項目に加え、
 「4、市庁舎の老朽時に高さ規制を理由とした他地区への移転は行わないこと。」
  が書かれている。  

 いずれ、ご紹介したいと思うが、現在の地元町会の関係者の間でも、「必要最小限に」「活性化を優先すべき商業地域への規制は」「私権(財産価値)の侵害を配慮すること」の3点に関連して、複雑な思いの交錯の中、意見の完全一致は現在でも得られていないという話が伝わってきている。
  関連記事は 8月11日付け日誌  

 資料を揃えて、検討を加えて、委員会に臨みたい。

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9月10日(月)  

  「順調」なスタート   タウンスニーカー西コース 
  

 9月定例市議会 一般質問初日。
 8月1日から運行開始したタウンスニーカー西コース。  1便あたりの平均乗車人員が、12.5人であることが本会議の答弁で明らかにされた。

 去る9月5日付け「市民タイムス」では、「健闘」と報じられ、松本電気鉄道が目標とした1便あたりの目標乗車人員 11、12人に対して、8,7人との記事で、少し心配したり、又コースのことを考えると「さもありなん」と思ったりしたが、目標を達成していることで正直、安堵の気持ちだ。(市民タイムスには、事実誤認があった。)
  (実にわれながら勝手なものだ。失礼)

 詳しくは、 開設から1カ月間、合計465便の延利用者数は5824人に達し、1便あたりの平均乗車人員は12.5人、「順調」なスタートを切っているとのこと。
  利用者の傾向としては、当初の見込みどおり、買い物や通院の利用者を中心とする生活路線としての性格が強く、休日よりも平日の利用が多くなっているという。
  コースについて、国道158号以南の渚地区の皆さんから、旧上高地線を通して欲しいの要望については、先日の説明会の記事でお伝えしたところだが、それに対しては、 「運行路線の変更については、まだ運行が開始されたばかりですので、まずは利用者の拡大を含む西コースの定着が大切だと認識している。その上で、ルートに関する要望内容や、利用見通し、運行時間等を総合的に考慮しながら、松本電鉄とも協議するなど、柔軟に対応してまいりたい。」  と答弁があった。

 関連の 7月20日の記事は、ここをクリック

 又、当初心配されていた渋滞との関係で、1周40分が守られているかに関しても、
  「現在のところ当初に想定した範囲内であり、開設から1カ月間に運行したすべての便は、40分周回の定時性が確保された、と松本電鉄から報告を受けている。」
  とのことだ。

 私もまだ残念ながら一度も乗っていない。
  乗った上で、改めて地域の皆さんとも懇談しながら要望を挙げていきたいと思います。

     (南風原陸軍病院跡 (その2) を 以下発信しました。)

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9月5日(水)  

  再就職を祝って 
  

 今日は、午後から長野市議選挙応援に行って来た。
  長野市から帰って来て夕方、携帯電話から長男の採用が決まったとの連絡を受けた。  
  先週、面接を行い、今日の午後にその事務所から連絡をいただくことになっていたのだ。

 とりあえず、良かった。  

 青年の雇用問題については、先の6月の議会でも取り上げた。  
  採用時の契約に反して、休みはない。時給も生活が出来るには程遠い金額。そして残業は当たり前。労働基準法に違反して、その残業代は払われない。  
  「この時期、仕事があることだけでも喜ばなければならない。」と青年に言わせて、無権利状態が常態化している実態は、実に凄まじいものがある。  
  そして、長男も例外ではなかった。

 「残業について、割り増し時給で払ってほしいとは言えない。それでは確かに今の会社がだめになってしまうことはわかる。でも夕食を挟む残業のときはせめてその夕食の補償ぐらいはしてほしい。」
  「定額でいいから、月額定額で、ちょうど携帯電話のパケット定額の使い放題のようでもいいから、残業代をつけてほしい。」  
  議会質問で紹介したこの部分は、実は、長男が語った言葉だった。

 名古屋で働き、新たな夢の実現に向け、松本に帰ってきていた長男だったが、新年に入って、某デザイン会社に就職が出来た。
  しかし、その働かせられぶりは、全国で報じられている青年労働者の無権利状態とまったく同じものだった。  
  毎週毎週、自動車関係の企業が地方紙へ掲載する全面広告を任せられ、7時過ぎに夕食に帰ってきて、1時間ほど仮眠をした後、10時過ぎにまた会社に出かけていったことも、何度かあった。  
  ロゴマークのデザインでも、社内の先輩の作品を「抑えて、採用」されたこともあり、自信と誇りを悪労働条件の上に乗せる形で、意欲的に働いてきた。  
  しかし、無権利、使い捨ての極めつけは、このお盆の時期だった。
  お盆休みが約束されていたにもかかわらず、その約束は破棄され、お盆が終わる17日まで休みなしで働かされた。
 そして、「明日から会社に来なくていい。」と解雇されたのだ。  
  お盆の時期、クライアントも休みのため、時間に追われる仕事があったわけでもなく、残務整理のための出勤といっても過言でなかったという。
  今月に入って、8月の給与明細が送られてきた。
  「8月中は、有給休暇扱いをする。」といいながら、実際にはその8月の基本給、決して多くない金額から、4万円もカットしてあった。
 しかも、解雇であるにもかかわらず、離職票には、「依願退職」となったいた。 
  身内の問題だからと看過できない実にひどい話だった。 通常ならば、有給休暇分の給与はもちろん、解雇通告から確か1ヶ月の給与が支払われて当然だ。  

 長男だけの問題でなく、今の青年に共通するものとして、再就職が一応決まって、「発信解禁」が出されたので、思い切って紹介することにした。  
  採用が決まったときに、「お父さんも喜んでくれるでしょう。よろしく伝えてください。」といわれたようだ。
  その会社の関係者の方とは、まったく面識がないが、私の仕事が、再就職の障害にはならなかったことは、正直ほっとした。    

 6月議会では、
  「このように無権利状態で働いている青年労働者がいることをどのようにお考えか、派遣など非正規労働者の実態を調査し、特に青年の中にふえ続けている派遣労働の実態、派遣業者と派遣先企業に対して青年の使い捨ては許さない、そういう立場から体制をとって調査指導が必要ではないか。」 
  と求めたが、その後の調査が必要だ。

 ところで、先月このHPページのトップのリニューアルがされ、中学時代「元バスケ部」の選手が登場しているが、これも長男の「アルバイト」作品だ。  
  近々、ブログ化への準備も行っているところだった。

 夜、ささやかな再就職のお祝いを行い、事務所の泊まり勤務に入った。

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9月4日(火)  

  所得格差が過去最大に 
  

 先月24日、厚生労働省が、2004年の世帯ごとの所得格差が過去最大更新していることを発表した。

      しんぶん赤旗の記事は、ここをクリック
 
  全国のジニ係数での結果だが、この間、松本市の「ジニ係数」ということで、昨年の6月に発信したが、職員の皆さんのご協力を頂き、2007年の松本市のデータがそろったので、早速グラフにしてみた。  

 

 ベースにしたデータは、ここをクリック

 もちろん昨年の日誌でもお伝えしたように、正確に言えばこの経済指標のジニ係数とは違うが、それに近似したもの(勝手にそう思っているのだが・・)として、括弧をつけて、松本市の「ジニ係数」を出してきたものだが、その結果からも、2004年は、急激に上昇し、昨年(06年)から今年にかけて、この「ジニ係数」でも、記録を更新していることがわかる。

   この「ジニ係数」に関しては、関連の日誌(6月7日)をクリックして見てください。
    
 問題は、こうした所得格差の拡大の一方、負担および負担増の割合とその分布が、どうなっているかが問題。
  その点に関しては、今後の調査が必要だ。

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