8月31日(木) 

 2つ続いたテレビ番組 
  

 「純情きらり」。  
  今日は、冬吾が、桜子に、「村山槐多って、知ってるか?」と次のように村山槐多(むらやま・かいた)の詩を紹介し、「今になってこの詩の意味がわかってきた。」と述べた場面だ。  

 神よ 神よ この夜を 平安に過ごさすねたまえ   
  我を捨てこのまま この腕のまま この心のまま   
  この夜を 越させて下さい   
  明日一日 このままに おいて下さい   
  描きかけの絵を 明日も続ける事の出来ますように  

 同じマロニエ荘にいて、画家を目指していたヤスジのところに、赤紙が来た。
 「死んで絵がかけなくなることがおっかねえ。」  冬吾は、そう語った。

 私が、村山槐多という画家をはじめて知ったのは、無言館の館長の窪島誠一郎氏の講演の中だったと思う。  
  「無言館」の中には、「あともう少し、もう少し絵を描いて行きたい。」と出征のギリギリまで、キャンバスに向かって書き上げた作品も紹介されていた。  

 まさに、その場面が描かれた。
  そして、桜子の音楽が描かれた。  

 音楽には人をいやす力がある。     
  人をつなげていく力がある。

 この作品のテーマには、戦争とともに、その中での絵や、音楽、芸術の力も描かれている。
  芸術には、人を生きさす力がある。 そしてそれが人々を通じて絆をつくっていく。  

 ジャズもその一つだ。  

 ニュースの後、番組は、上原ひろみの特集となった。
  「上原ひろみ」
  初めて聞く名前だった。  
  そして、すぐに始まった番組の演奏は、まさに人の気持ちを釘付けにするそれそのものだった。
 
  
 

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8月27日(日) 

 千葉真子選手 現役引退 
  

 北海道マラソンが行なわれ、千葉真子選手が出場した。
  6月25日日誌で、「乗鞍天空マラソン」のことをお伝えしたが、実はそのとき千葉選手とのツーショット写真を撮っていた。  
  千葉選手と並ぶとあまりに自分の不恰好さが目立つので、公開できるものではないが、現役時代の千葉選手との記念の写真ということになる。  

 今回千葉選手は、結果は残念なものとなったが、乗鞍でのあいさつの中では、確か「北海道マラソン向けての調整中です。この間3度勝っている大会です。」と語っていたように思う。  



  千葉選手のマラソンでの優勝は、いずれもこの大会だったが、昨年まで2連勝中だった。
 「皆さんに元気を与えられるようなマラソンの選手になりたいです。」と語ってレースにでて、私も思わず手を出して年に似合わずハイタッチをしてしまったのだが、 今回は、右腕に「ありがとう」と書いて完走、「おなかいっぱい走りました。満足です」とレース後語っていたというが、引退の表明は、25日に行われた札幌での記者会見の場だった。  
  理由は語らなかったようだが、少なくとも乗鞍では、そんな印象はまったくなかった。  

 ニュース記事によれば、持病も悪化し、「2年前から、これが最後のレースと思って走ってきた。一生懸命やることが好きで続けてきたのに、一生懸命やるほど痛みが出てしまった」と語ったようだ。  

 千葉真子選手の公式サイトは、ここをクリック

  「今回で、がんばるマラソンに一区切りつけます」とも語ったようだが、マラソンを通じて是非今度は、「生きる元気を与えられる」ようになってもらえたらと思う。

 これまで熱烈なファンというわけではなく、笑顔と独特な甲高い声が印象の選手だったが、印象深い選手となった。
 
  
 

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8月29日(火) 

 9月補正予算  続報 
  

 9月補正予算の説明資料の中に、 「市制施行100周年に向けての環境整備など経済対策に繋がる事業一覧表」がある。
  昨日のお伝えした、いわゆる「足元工事費」関連事業(3事業総額9515万円)もこの中にまとめられているのだが、 このほかにも、公共事業としては、
・公衆トイレの改修費 (中心市街地13ヶ所、駅前記念公園、あがたの森公園) 1,118万円
・河川維持補修費  350万円  
     が載っている。

 そして、更にいわばソフト事業として、 以下の4本の商工関連の事業が組まれた。

地場産業振興ものづくり伝承事業     108万円
健光ツーリズム事業               36万円       
産学共同研究助成金            100万円
観光とまちづくり関連団体連携推進事業  196万円                  
                     合計  440万円

 以下、関係者からの取材に基づいて事業内容を紹介します。

 1、ものづくり伝承事業
  松本には、城下町としての伝統に育まれたのもの、地方の庶民文化に根ざしたもの、気候・風土の中で育った特産品、伝産品が多く、職人魂によって継承が図られてきましたが、近年は、後継不足や消費低迷などから、その継承が困難になりつつあります。 そうした状況に鑑み、昨年来、取り組んできたものづくり伝承塾基礎調査結果の分析に基づき、具体的に、ものづくり伝承事業に着手するものです。 中身は、特産品、伝産品について、周知、PRを図るためのインターネットからの発信の充実、「特産品、名工、名匠ガイドブック」の発行、ものづくり伝承塾を開校し、その中での後継者発掘、育成事業、趣味・副業としての伝承等に取り組むための予算を計上したものです。

 2、健光ツーリズム事業
  温泉等を利用した健康(ヘルスツーリズム)事業は、1〜2泊の比較的短期のものがこれまで傾向です。 これに対して、新年度からの事業展開を予定している「健光ツーリズム事業」は、信州大学医学部、松本大学人問健康学部(19年度スタート)との学官連携のもとに、5泊6日と合宿スクイルの形態をとり、健康増進のための様々なバリエーショシを用意。 バードウォッチング、スターウォッチング、自然観察、或るいは、多様な文化プログラムなどの提供が可能で、日常活動の中で、より実践可能な健康増準のためのライフスタルの提案が可能と考えます。 大自然の宝庫「奈川」で、ネオンから隔絶されこの事業を実施することが、より効果を高めると考えられます。 食生活の提案の中で、松本地域産の食材(りんご、発芽玄米など)を取り入れ、ツアー終了後も、参加者に食材の提供をはかるなど、地場産業の振興も視野に入れています。 今回の補正は、来年度からの本絡実施を目指して、2泊3日で実施するモデル事業に取り組むための経費です。 なお、「健光」とは、健康と観光から作った造語です。

  3、産学共同研究助成金
  市内の中小企業等が大学・公設試験研究機関等と連携して行う研究・技術開発に要する経費に対して、助成金を交付するものです。 補助率は、2分の1、上限は100万円。 大企業と違って、中小企業の場合、研究開発費など研究開発への投資は難しい状況で、そのことが大企業の下請に留まり、その影響を受けやすい体質の一因となっていると考えられ、共同研究によって、独自技術あるいは特許等が取得できば、企業の体質強化、地場産業の発展にもつながると考えています。 産学連携については、企業と大学等のマッチング、定例の研究を開催してきましたが、産学速携を一層後押しする意味で、新に助成制度を設けたものです。

 4、観光とまちづくり関連団体連携推進事業
  「観光に磨きをかけるまちづくり」を実現するため、第1弾として昨年度「観光ホスピタリティカレッジ」を創設し、受け入れ体制の整備を図ってきているが、今回、第2弾として「点から面へ 個から連携へ」をテーマに行政や民間の垣根を越えて取組むための組織づくりを行うため、市負担金を増額するもの。 事業主体は、観光ホスピタリティカレッジ運営委員会
  事業内容
1)コーディネーターの選任
2)会議等の開催(連撹会議3回、意見交換会5回、講座5回、シンポジウム1回
3)テキスト等の作成(「都市観光でまちづくり」100冊、その他会議資料)

  いずれも、昨年の経済環境委員会の審議・活動の中で、かかわってきたことに関連している。
  金額は、決して大きいとはいえないが、期待される中身だ。
 
  
 

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8月28日(月) 

 「足元工事費」を、 9515万円 増額補正 
  

 9月4日開会の9月議会に関しての議会運営委員会が開かれた。
  総額38億7379万円の補正予算。
  内、一般会計は、25億8070万円の補正増。

 7月の豪雨災害の復旧関係は、11億5906万円だ。
  それに加えて、いくつかの特徴点がある。

 1つは、いわゆる「足元工事費」と言われる公共事業費が9515万円盛られている。
  この「足元工事費」とは、町会などから毎年要望されている道路の舗装修理費、側溝整備費など小規模事業費で、市制施行100周年に向けての環境整備など経済対策に繋がる事業の一部として組まれている。  
  大型の公共事業ではないこの足元工事費は、地元業者の仕事確保にも繋がる有効なもので、何度か増額を要望して生きたもの。   
  今年度の当初予算でも、例年に比べ約1億円の増額が行なわれたが、これで約2億円の増額となる。  
  関係者に聞けば、水害がなければ、さらに予算化を検討していたという。

 2つ目は、放課後児童クラブ(学童クラブ)建設事業費として、旭、山辺、寿の3小学校区の実施設計、地質調査の予算が、748万円組まれている。  
  建設は、来年度(H19)に予定されている。  
  現在、今後の事業のあり方に関しての「放課後児童クラブ代表者会」が、児童育成クラブの代表者も加えて、7月28日の第1回の会議以来、既に8月24日で、第3回目を迎えてえいるが、この話し合いは注目される。
 「予算がないから出来ない。」という事ではなく、本格的な3Kプランの位置付けとして、今までの学童クラブの良いものを継承する取り組みとなることを大いに期待する。  
  これに関しては、取材次第お伝えします。  
9月議会では、当然予算に関連して、教育民生委員会で審査が行なわれます。

 その他にも、注目点は、指定管理者制度を採用し、昨年度から民間企業へ完全民間委託した「ウェエルネスうつくし」について、1年を待たずして「赤字」になったということで、管理委託料を「1068万円」増額する予算が組まれている。
 私たちは、この「ウェエルネスうつくし」の民間委託に関しては、問題点の指摘をし、反対をしてきた経過がある。  
  詳細は、後日お伝えします。

  尚、今回の補正予算で、2億3170万円の市債=借金が行なわれるが、当初予算編成方針で確認されている、公債費における元金償還額は、越えていない。
 
  
 

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8月26日(土) 

 「サンポートホール高松」 リポートその2 
  

 芸術監督はいるか 自主事業は? その他の売りは何か 

 説明をしてもらった1500人収容の大ホールでは、舞台上で、今晩行なわれるピアノコンサート用に、音響反射板の設定や、引き続いてピアノ調律が行なわれていた。

 芸術監督制度は採っておらず、プロデューサーが一人、嘱託職員として財団が1年契約で雇用している。
  常勤で週40時間以上勤務し、自主事業についての企画・提案を行い、財団の理事会の席で年間計画が決定される。
  人件費は、月33万円ほどとのこと。(社会保険料などは除く、詳細は後ほど

  財団が、毎年公募して採用、継続雇用は妨げない。
 説明してくれた職員は、
  「全国では、肩書きですごい方を雇っているところもあるが、私たちでは、比較的安い人件費で、『こき使っている』状況。出来れば複数体制にしたい。」と語っていた。  
  全国で、芸術監督という制度で運営しているところは、どのくらいあるのか調査の必要がある。

 自主事業は、年間14、5本 予算は、高松市からの収入が、約2000万円。
  チケットなどの事業収入が、 約2000万円 あわせて4000万円。
  そのほかに市からの受託事業費の予算が約2000万円。 合計、年間約6000万円で事業を展開している。

 そして、最後にその職員は、この施設のいわば「売り」の部分に案内してくれた。
  一つは、舞台と同じ規模をもつ練習場。(これは松本市にもある。)  
  そして、もう一つは、時間当たり使用料が一番安いところで200円という、防音設備のついた練習場だ。

 もともと、倉庫にする予定の場所だったが、今では、高校生などが音楽の練習場として使い、若者の居場所にもなっているとのことだった。  
  案内されたその場には、ドラムセット、キーボードが置かれていた。
  また、既にその部屋の左右では、練習が行なわれていた。  
  9時から22時までが利用時間だが、実際には、8時から23時まで利用できる。
 茅野市にある「チノチノランド」という感じだ。

 「こうした施設の建設費を使用料で回収するということは、もともと無理な事。50年もたてば、どうせ壊さなければならないんだから、それなら、その間に市民の人にどれだけ使ってもらえるかという形での還元が大事。」  
  実に印象的な言葉だった。

 資料に拠れば、こうした練習場は9室、会議室は、13室あり、利用率も練習室76%、会議室は70%。 そしてその他にも市民ギャラリーがあり、その利用率は、68%。 (分母はいずれも355日)
  来場者は、練習室 31484人、会議室 76553人、市民ギャラリー 12349人の利用だ。  

 まつもと市民芸術館の数字は確認していないが、少なくとも文化芸術の振興の条件整備として、こうした場所は実に重要だ。  
  まつもと市民芸術館内には、現在、防災センターが同居している。  
  既に、この防災センターに関しては、何度も指摘してきた。
  いずれ別の場所に移転という事になると思うが、この空間こそこうした利用にあてるべきだ。提案が必要だ。

 引き続き詳しい資料を取り寄せて分析したい。
 
  
 

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8月25日(金) その2

 サンポートホール高松 
  

 ここ「サンポートホール高松」の起工は、H13年8月、そしてオープンは、2年前のH16年5月20日。  
  まつもと市民芸術館は、起工が平成13年11月、そして竣工式、完成記念式典、舞台開きが、同じく2年前のH16年3月21日だから、本当にほぼ同じ時期に出来たものと言える。  

 先日の22日の日誌では、設計者が同じ伊東豊雄氏と勘違いしたが、(既に日誌は変更済み)基本構想の段階で、本杉省三日大教授(当時は、助教授)が係わっているということが共通点だ。  
  私自身個人的には、出発が同じだった作品として、いわゆるハードのみならず運営においても関心が高かったものだ。
 今回、機会が出来たので、短時間だったが財団の関係者にはご無理を言って視察をお願いした。

 「サンポートホール高松」のHPは、ここをクリック  

 まず建物に関して。

 総事業費は、191億円。  
  松本市とは違って、香川県、高松市、それに民間が加わり、大成建設グループが建設したものを、マンションのように買い取る形で、その金額が191億円という事だ。  
  設計は、松田平田設計が行なったようになっているが、劇場計画に、本杉省三氏が企画・設計時に関わり、空間創造研究所が、設計・施工時にかかわっている。  
  どうやら、基本構想時に、共通だった本杉氏は、松本市は、伊東豊雄氏になり、高松の場合は、その後も関わったようだ。  
  その結果ということもないのかもしれないが、出来上がった作品は、大ホール1500席という席数の違いだけでなく、居住性も高松の方がゆったりしている。
  そして全体の色合いも私にとっては実に落ち着いたものだ。  

 また、バリアフリーという点では、車椅子利用者へは同伴者が横に座れるスペースの確保、また動線の確保にも違いが見られる。  
  トイレについて言えば、男女の比率が、便器の数でほぼ同数かないしは女性のほうが多く、面積比で同じくして、結果的に女性のトイレ数が少なくなるということはなく、またなかもゆったりしていた。
  オストメイトの方の利用も可。授乳もできるようになっている。  

 残響時間に関して言うと、落成時 70%の入場者のもとで1.7秒と、「正直ちょっとがっかり」の結果だったが、設計者にお聞きすると内装の木が乾くと、2秒ぐらいになるという。
  また、コンベンション使用時には、壁の中に仕組まれている布切れを出し入れする事で、調整が出来るという仕様になっている。  

 大ホールの稼働率は、初年度は、86%とかなり高い。  
  利用の形態は、「コンサートホール」として造っていることもあり、  コンサート利用が3分の一 コンベンション3分の一 そして、残る3分の一を演劇、日舞などの発表会で使っている。との事だ。  

 (もしかすれば、香川県民ホールと使い分けがされているのかもしれない。)  

 以下次回に続く
 
  
 

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8月25日(金)

 朝5時から開いていた玉藻公園 
  

 高松市には、ご存知の通り全国3大公園の一つ、栗林公園がある。  
  そして、それと並んで有名なのが玉藻公園だ。

  この玉藻公園は、高松城の城址公園にもなっている。  
  そして、海の水を取り入れた全国でも唯一のお城高松城は、玉藻城とも呼ばれている。  

 いつものように、朝5時に起き、ジョギングにでた。  
  高松駅は、線路そのものの終点でもあるが、その線路の延長線上に玉藻公園がある。  
  入り口らしきものがあり、そのゲートが少しずれているように見えたので、それでもと思い近づいてみた。  
 
  なんと、入り口が開いているではないか。  
  そして、入り口の案内所には、女性の人が、甲斐甲斐しく竹箒で掃除をしていた。  
  まさか、こんな時間からと思いながら、その人に聞いてみると、入場の準備をしているとのことだった。  

 話を聞いてみると事情は、こうだ。
  「議会で議員が、栗林公園は、朝5時半から開いている。玉藻も同じようにあけるようにと発言があった。それ以来、ここも朝から開くようになった。それにしても指定管理制度になって、その提案後、われわれも朝は、たとえ一人も来なくてもここの入り口を開けることになった。」  というものだった。
  「行政は議員に言われると・・・」とも言っていたが、なるほどと思った。  

 確かに人件費のことを考えたら、これだけ早くあけることには疑問があると思うのは、この方だけではないだろう。  
  でも最近は、ホテルの宿泊客が少しづつだが、訪れるようになったという。  

 私は、お金を持ち合わせていなかったので、帰ろうかと思ったら、「お金は後でもいいから入って行き」といわれ、お言葉に甘えて中に入った。  
  ところが、もう一つの出入り口は、7時まで開かない事が判り、結局、入り口に戻る事になった。  
  そして、「入り口」を出た後、早速ホテルに戻り、200円の入場料を持って、戻った。
  「持ってこなくてもよかったのに。」とも言われたが、入場券とパンフレットをもらって、その場を後にした。  

 実は、もう一つ見たいところがあった。
  それは、香川県民ホールだ。
  このホールは、資料に拠れば、
  「昭和63(1988)年に本館・グランドホール(2001席)を中心とした本格的な芸術文化ホールとしてオープン。 平成9年 (1997年)には、アクトホール(807席)を中心とした北館がオープンし、大小2つのホールと各種練習室、会議室を備えた県内舞台芸術の拠点施設とし て、国内外の優れた舞台芸術の公演をはじめ、県民の創作活動の発表、練習や全国規模の学会・大会、各種会議等に幅広く利用されています。」 とある。  
 
  もちろん、中は見ることが出来なかったが、「舞台芸術の拠点施設」と書いているように、入り口付近には、10月10日(火)に 歌劇「フィガロの結婚」全4幕 の上演を案内するポスターが貼られていた。  

 香川県民ホールのHPは、ここをクリック

 今日は、確認できないだろうが、サンポートホール高松の大ホールの席数が約1500である事からして、席数のこと、2つの施設のすみ分けなどはどうなっているのか、関心が生まれた。
 
  そして、「ことでん」の線路に沿ってしばらく南下したあと、引き返してホテルに着いたのは、ほぼ7時ころだった。
 
  
 

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8月23日(水)

 自公小泉政権にもとでの格差と貧困の広がりのなかでの勝利 
  

 視察1日目。 東大阪市の視察の主なテーマは、2つあった。

 1つは、行政改革の実態。
  そして、もう一つは、先月7月2日投票で行われた市長選挙で、長尾淳三共産党員市長が返り咲いたそのときの状況をお聞きしたかった事だ。  

 中津川市議団も一緒だったが、中津川市でも、7年前から4年間「与党」として活動してきた経験があり、そんな点では問題意識に共通点が多かった。  
  財政再建団体については、今回の知事選挙の中でも夕張市のことが話題となったが、東大阪市では、昭和61年にまさに危機的な財政状況に陥り、それ以来そこからの脱却のため、「市民サービスの維持向上を基本としながら、主として人件費総量抑制を方針に、職員800人削減計画や職員適正化計画などにより平成14年度末で1275名の職員削減の取り組みを行なう」など、いわば「先進的」に、「行政改革」を行なってきた自治体だ。  

 そもそもなぜ再建団体に陥る寸前の事態になった原因の分析は、今回文章としては確認できなかったが、今から8年前の時点で、「不正・腐敗にまみれた」市政であった事は間違いない。また、東大阪の場合には、同和行政が横たわっていたことも指摘されてきていた。  

  注) 財政再建団体(正式には準用財政再建団体)とは、地方財政再建促進特別措置法(再建法)に基づき、赤字額が標準財政規模の5%(都道府県)または20%(市区町村)を超えた破産状態になり、総務大臣に申請し指定を受けた地方自治体のこと。  

 そんな中で、1998年長尾淳三氏が初当選し、共産党員市長が誕生した。 用意された資料を見ると、昭和61年度の経常収支比率は、なんと105.2%で、100%を越えていた。 長尾氏の初当選の前年の平成9年度でも、96.1%と変わりない状況であった。
  そんな中で、「行政改革」がすすめられてきたのだが、それからの長尾市政の4年間とその後の松見市政の4年間を経て、今回の返り咲きとなった。

 教訓の引き出しは、これから精査が必要だが、ひとつだけ注目されるのは、国保会計の問題だった。
  東大阪の場合、H10年度の時点での国保会計の赤字は「180億」と全国でも札幌市とワーアウトを競う状況であったという。
  そんな中、当然、保健税の引き上げも行なわれたが、一般会計からの補てんもそれから毎年8億円を4年間(第一次財政再建計画期間)、そしてさらにその後の4年間(第二次)は、4億円ずつこれからの分析が必要だが、参考に出来る点は、現地の議員団にもお聞きしてみたい。  

 いずれにしても、今後の東大阪市との窓口が出来た。  

 さて、今度の市長選挙に関係しては、興味深い話があった。  

 長尾市長返り咲きの勝因を、2人の候補者を立てた「自民の分裂」、公明党・創価学会の「簡単に自民党には勝たせない」という思惑などが働いた結果だけと見るのは、皮相だが、「相手が転ぶ、そして政治の変動、わが党の奮闘、強運も加えての何一つかけても勝てなかった選挙」であった点の話は、納得できるものだった。  
  とりわけ、自公小泉政権にもとでの格差と貧困の広がり、それに加えての松見現市政の市民サービスの切捨て路線にたいする市民の怒りがやはりなんと言っても勝利の最大の要因と言えたようだ。
  6月からの地方税の増税の通知が、市民に届けられる中で、自民陣営からは、納付通知の発送を投票日(7月2日)以降に伸ばせられないかと、本気での働きかけがあったようだ。

  自公政権の国民いじめ、負担増の政治から、市民を守る政治という点で、早速9月議会に向けた具体的な政策をお聞きしたところ、 介護保険料の段階のきざみを8段階にして、年収150万円までの方の減免対策を検討しているとのことだった。
  尚、「150万円」というのは、最低生活費「111万円」に加え、家賃分24万円(月額2万円)を加え、それに世帯加算15万円を加え、150万円という。 (詳細は、改めて確認する予定です。)

  その他、与党、ないしは与党的立場をとる上での教訓に関しても、貴重なお話をお聞きする事が出来た。
 
  
 

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8月22日(火)

 「サンポートホール高松」に視察に行ってきます。 
  

 東大阪市、倉敷市、高松市へ視察に行ってきます。
 
  視察項目は、以下の通りです。

  (1)東大阪市(大阪府)(人口:510千人)
  @行政改革について
  A主要事業(政策)について

 (2)倉敷市(岡山県)(人口:469千人)
  @歴史を生かしたまちづくり〔都市再生整備計画〕
  A倉敷科学センターの運営について

 (3)高松市(香川県)(人口:426千人)
  @ サンポートホール高松の運営について

 ご承知の通り、東大阪市は、先月7月2日、共産党員の長尾淳三氏が、返り咲いたところです。  
  今回は、中津川の共産党議員団と一緒に視察という初めての経験でもあります。  
  テーマは、いろいろありますが、特にこの4年間と長尾市政の4年間について、特に格差社会の中での、市民生活をどう守るか。とりわけ低所得者、高齢者対策に関してお聞きしたいと思っています。    

 倉敷市は、科学センターについて、松本市の教育文化センターの運営に関して、関係者が視察をしたという事もあって行くことにしました。  

 そして、今回の目玉の一つが、高松市の「サンポートホール高松」です。
 松本市の場合、「現地改築可能性調査」が行なわれ、基本構想段階から、日大の本杉省三教授がかかわってきたが、このホールも、企画、設計の段階から同じ本杉教授がかかわっている。
  そして、竣工もほぼ同じ時期でした。
  任期2年の「まつもと市民芸術館運営審議会」も今月で23回目を迎え、いよいよ来月の24回を最後に、運営について提言書をまとめ、菅谷市長に提出する予定になっています。
  しかし、先月26日の22回の会議に出された提言書の素案を見ると、 もっとも根本的なテーマである芸術館のあり方、それとの関係での芸術監督制度に関しては、それぞれ、「明確な方向性を見出せない。」「現時点では結論付ける事が出来ない。」 となっています。
  高松市はどうなっているか。
  建物そのものの視察とともに見てきたいと思います。
 
  
 

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8月18日(金)

 新たに、9717人の高齢者に市民税負担増 
  

 先日7月21日の行なった申し入れにたいして、順次回答が寄せられている。

  7月21日の緊急申し入れは、ここをクリック

 今年度(H18年度)からの公的年金等控除額変更、老年者控除廃止、高齢者の住民税非課税限度額の廃止 の3つの税制改定の結果、松本市内の高齢者の住民税の負担増=増税の実態が明らかになった。   

 回答の文書は、ここをクリック  

 昨年まで、非課税だった市内の高齢者の内、この3つの改定の結果、新たに9717人が、課税対象者となり、負担増となっている。

 表の右下の5億7148万4800円の市民負担増は、他に定率減税の廃止分も含まれるので、全額が高齢者の負担増とはいえないまでも、ななりの部分(4億円を越えるか)は、高齢者からのしかも低所得者からの増税分だ。  

 参考)日本共産党の国会議員団の「高齢者への大増税の中止を求める申し入れ」は、ここをクリック
     「3つ」の税制改定の説明が、下のほうにあります。

 「三位一体の改革」で、補助金カット分の税源委譲としての増税と、さらにこの結果、自主財源が増えたという事での地方交付税の削減という形で、市民負担増と地方自治体いじめの実態そのものが、数字で明らかになった。  

 この結果の、国保税や介護保険料への波及については、回答は、これからだ。

 

 詳細は、順次お伝えします。
 
  
 

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8月19日(土)

 「新自由主義」とは何か 
  

 今年1月に行なわれた第24回党大会は、新自由主義について、次のように規定してその本質を明らかにした。

 小泉内閣が、「構造改革」としてすすめてきた「新自由主義」の経済路線――大企業の利潤追求を最優先にし、規制緩和万能、市場原理主義、弱肉強食をすすめる経済路線  

 「新自由主義」とは何か
  同名の著作 友寄英隆著(新日本出版社)は、しんぶん赤旗に連載された記事に加えて出版された本だが、「はじめに」の部分で、 「本書は、経済理論の立場から『新自由主義』を考察したもの」 と紹介されているが、今までの情報、自らの考えをまとめるには実に参考になる本だ。

  「新自由主義」政策のもとで、格差が拡大するのはなぜか。 本書は、次のように述べている。  最近、大企業は、賃金を徹底的に抑制しながら、株への配当性向を大幅に引き上げており、2006年3月期決算では上場企業の配当総額は過去最高の5兆7000億円を越えると言われています。  (P39)  

 大企業が、これだけの儲けを上げているのに、その儲けは結局どこに「還元」されているのか。  
  誰もが疑問に感じる点だが、なぜ格差が拡大するのかよくわかる。 (続く)
 
  
 

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8月18日(金)

 松本市のジニ係数 (2) 
  

 職員の皆さんのご協力をいただき、18年度の最新の資料をいただき、それに基づき、18年度のジニ係数の計算をした。

 新しい年次推移のグラフは、ここをクリック  
    関連の記事は、5月20日付けの日誌

 18年度は、17年度の0.369591から0.379897と0.38に近づいた。
  グラフを見ればわかるが、今までになく「1」に近づく上昇率が高くなっている。
 
  
 

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8月15日(火)

 戦後の国際公約に反する不名誉な行為 
  

 昨夜は、事務所の泊まりの日。
  そして、今朝はいつものように5時起きで、しんぶん赤旗の配達員との連絡の仕事に入った。  

 テレビをつけると早速、小泉首相の靖国参拝問題が報じられていた。
  「今日、参拝するか。焦点となっている。」から、「今日、参拝する事になりました。」という報道に変わるのに、そんなに時間は要しなかった。  
  そして、テレビは総理官邸から車に乗り込む小泉首相の姿を伝えていた。

  とうとう小泉首相が終戦の日に、靖国参拝をしたのだ。  

 言いたい事は山ほどあるが、実に無責任な態度、そして世界にたいする不名誉な行為だ。
  アジアのみならず、これまで苦労して築き上げてきた世界における日本の地位そのものを台無しにする行為。

 10時から行なった松本駅前での街頭宣伝で、私は、この問題「いよいよ日本の国民の全体としてこのことを正面から見つめるべき時がきた」ことを訴えた。

 小泉純一郎氏は、「公約」を持ち出したが、日本が戦後の出発点として国際的に公約した「名誉ある地位」と絶対的に矛盾するもの。
  自民党総裁選挙が行われ、いわゆる靖国派の人物が目されているが、国際公約違反の責任を本人でなく、後任者が負うことになる。
  戦後政治のほとんどの期間、政権政党であった自民党そのものの存在が問われて当然だ。

 さて、午前11時58分から、H8年以来毎年行なわれ今年で11回目を迎える松本市平和祈念式典が行なわれた。  
  市長の式辞に続き、渡辺議長は

  「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」

  と、日本国憲法の前文の一部を紹介しながら挨拶をおこなった。
  私の記憶では、11回の祈念式典の中で日本国憲法が朗読されたのは、はじめてことだったと思う。

  ところで、式典の合間、なんと言っても靖国参拝問題が話題となった。
  私の隣に座っていた議員も、さすがに「今後の外交を考えると慎むべき行為だった。」と語った。

 が、一方で南山議員に聞いたところ、ある議員は、「テレビ画面を正座して拝んだ。」という。  
  新聞報道では、官邸筋は、事前に民間業者を使って、「終戦の日の参拝の是非」の世論調査を行なっていたという。  

 改めて、日本の国民の全体としてこのことを正面から見つめるべき時が来ていることを感じる。
 
  
 

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8月11日(金)

 「『砂防ダムがあれば、今度の災害は起きなかった』とは、絶対、申しません。」!? 
  

 夜、9月10日、長野市のビックハットで行なわれる赤旗信州秋まつりの実行委員会の会議をしている最中に、2度ほど電話とメールが入った。  
  今、NHKで「村井仁新知事に問う」という番組が行なわれているが、見ているかという内容だった。  

 あまりに中身が事実と違うので、何度もNHKに電話とメールを送ったとその人は言っていたが、録画したテープを見てみた。
 この間指摘してきた、福祉政策の分野でも、村井氏の特別養護老人ホームを作るという政策の非現実性について、ゲストの金子勝氏からかなり突っ込まれている部分があったが、その部分はいずれお伝えするとして、脱ダムに関しても村井仁氏は重大な発言をしていた。

 どうする「脱ダム」 と画面にテロップが入り、脱ダム問題が話題になった場面では、まず村井氏は次のように述べた。
(敬称略 いずれも要旨)   

 村井仁)
  率直にいって大変な問題。意見が割れていることは。承知している ある程度技術的、科学的な事実に基づいて、議論を進めていくことが大事。脱ダムとかダムありとかの先入観を持って対応するつもりはありません。  
  ダムに拠らないという選択をしたわけですかが、それに代わる安全大丈夫と言う結論がでてきていない。 そのあたりを踏まえまして、総合的対策を国ともよく相談してやる。

 続いて、
  「先月19、20日の県内の水害については、村井さんは、選挙戦の中で『公共工事の削減がこうした結果を招いた』と訴えてきたわけですが、・・」とのアナウンサーの質問について村井仁氏は、以下のように答え、スタジオの参加者も含めて次のようなやりとりが行なわれた。

 村井仁)
  端的にいうと、長野県は山地、水源地。 雨、大雪が降る。土地が崩れるのが当たり前。先祖からいたわりいたわりいろいろな形でやってきた。それは先祖伝来の話。 というような意味で、県土をどう維持かが大事。そういう意味では必要な公共工事はやるべきだと思う。

 湊地区住民)
  新知事さんには、ぜひ崩れた現場を出来るだけ早く見ていただき、いまの森がどうなっているかはっきりわかる。そこから新しい情報が、現場を見れば、県内はいたるところで山国。いたるところで起こりうることが十分想定される。 新堰堤を出来るだけ早く築いてもらうと同時に山はカラマツで根が張っていない。今は風倒木となって転がり、草がまつわりついてダムになってたまっている。 地域としては森を出来るだけ早く整備してほしい。県も力を貸していただきたい。協同して地域も力を発揮したい。 きれいになった山に、ブナなど広葉樹を植えてしっかりした水瓶にしていきたい。

 村井仁)
  私も湊地区、川西東地区の現場を胸の痛む思いで土石流の現場を見せていただいた。 さっき7000箇所といいましたが、長野県は実際は、崩れやすい場所が16000箇所ある。だんだん手入れしてきたが、5年前の数字で覚えているのですが94箇所の砂防ダムを田中知事が「脱ダム」の一連の流れで止めた。あの時怖い事をなさるなと思った。 あれをやっていたら、今度の災害が起きなかったとは、絶対、申しません。 7000箇所なんですから。  しかし、そのうちの今度崩れたところはすべてマークされていた場所なんですね。それも一つの現実なんです。  H7年に姫川が、大荒れに荒れた事がある。そのときに空中写真を見て愕然とした。 砂防堰堤入れたところはピタと止まっているが、そうでない沢は、みんな崩れていた。そしておとなしい姫川が濁流になりまして、大糸線の南小谷から北のほうが全部崩れてしまった。 あれほどの被害を及ぼすものだという事を認識しましたし。そういう県土に住んでいるんだと言うことを冷厳な事実として抑えていなければいけないと思います。

 金子勝)
  私は参加者の方とは意見が対立しているように思えます。 そもそも山が崩れような森林の崩壊についてはどのように考えるのか。  
  (「ちょっと待ってください。」あわてて村井仁氏口を挟む)
  実際に砂防ダムもたまるとまた土石流を生むので、永遠に建たて続けなければならない 終わらない公共事業なんです。 今言われた方は、実際に山はカラマツで今弱っている。国有、民間もほとんど成り立たない。  林業成り立ちませんから、一旦手を入れた山は、ほっておけば余計保水力が落ちますよね。過疎化進んでいる中山間地でそういう問題になったら、砂防ダムだけ永遠に作るという話なんでしょうか。

 村井仁)
  砂防ダムの話は、県土の維持からやむを得ない選択肢と考えます。 そうゆうことは申し上げた上で、山の問題は非常に誤解されている。 確かに針葉樹は保水力が落ちている事は事実。広葉樹にしていかなければならないわけですが、実は山仕事は、木曽の出身で父が山林技師で多少知っているつもりですが。 山林仕事は、機械化がされていないに近い。傾斜地における山仕事は、人力に頼るしかない。 これがものすごいネックだ。 山に手を入れると簡単に言うが、植えても対応できない、干ばつ、枝打ちも出来ない。これどうするか。本当に長野県だけの問題ではない

 金子勝)
  それを林業としてやろうとするから成り立たないんであって、 広葉樹の中に針葉樹を植える(実際には針葉樹の中に広葉樹を植える針広混交林のことをさすか?)やり方、 林業としてではなく、自然環境として山を維持する。秋田でもやっている。 間伐は要らないので出来るやり方。全国各地で広がっている 逆に砂防ダムを作れば、伐採をした後どうなるのか 土石が出来、流木がたまり、押し流し海岸線を全部埋める例は九州 青森 島根で起きている。 ちゃんとした全体的な治水対策なしで砂防ダム一本でだけでやろうとすれば、永遠に続けなければ出来ないという事なんです。それをどうするのかという事なんです。

 村井仁)
  そこは一つのご意見だと思いが、緑のダムを作ることは、大変美しい言葉ですが、現実は、大変コストがかかる問題で、性はない。

 金子勝)
  そのとき過疎化でつぶれていくんです。

 村井仁)
  率直に申し上げて、現段階では答えがでていないんじゃないですか。 田中知事は、地すべりがおきた所からは、都会に出て行って住んでほしいと言っている。

 金子勝)
  それは、田中知事は森林整備事業もやっているですから、反面しか言っていない。

   注) 金子勝氏 については、ここをクリック

 
  少し長くなったが、ほぼ全文をお伝えした。
  会議中、なぜ何度も番組を見た人がメールをよこしたのかよくわかるものだった。  

 アナウンサーも質問したように、村井仁氏は、選挙中の訴えと今日のテレビとでは、明らかに今度の諏訪地域の水害に関する発言は変わっている。
  明確に第一声では、
 昨日お伝えしたように
  「県内ではこの6年間、理念を優先させ、手立てが講じられなかった。それが知事選直前に明らかになった。まさに、天の戒めだ。」
  と天罰が下ったとまで田中知事を批判していた。
  まさか今日になって「そんなことは言ってはいない」とでも言うつもりではあるまい。

 そして、治山治水政策に関しての村井仁氏と田中康夫氏の違いは、金子勝氏の発言を通じてだが、実によくわかる中身だ。
  田中康夫氏が出席していたら、どんな展開になっていたか。
  こうした政策論争こそ、選挙中に行なわれるべきだった。

 それにしても、選挙が終わり、結果がでれば何でもありは通用しない。
 
  
 

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8月10日(木)

 岡谷市の水害と「脱ダム」との関係について、村井仁氏は・・ 
  

 今度の知事選挙では、告示日前の18〜19日の豪雨による水害が発生した事もあり、防災問題が急遽「争点」になった感があった。
 田中康夫氏は、現職知事として豪雨被害の対策にあたり、選挙活動の事実上の第一声は、7月29日の松本駅が最初だった。  
  それに対し、村井仁氏は、先日もお伝えしたように、 20日の第一声で、
  「水害は、この6年間、理念を優先させ、手立てが講じられなかった『天の戒め』」
  と、直接田中知事の「脱ダム」を槍玉に挙げた。  

 詳細は、以下の通り。
  「岡谷市で土砂災害のあった場所は全国に30万ヶ所あるといわれる危険個所。他県では未然に被害を防ぐ作業をしているが、県内ではこの6年間、理念を優先させ、手立てが講じられなかった。それが知事選直前に明らかになった。まさに、天の戒めだ。」 (朝日新聞 第一声)  

 そしてさらに正午過ぎに、岡谷市を訪れた際も、
  「(田中県政は、)公共事業を削ることに熱心で、防災がなおざりにされた」ときびしく批判し、(市民タイムスより)、田中康夫氏の失政を指摘した。

  しかし、この間の田中県政との関係で、村井仁氏の指摘は、的確なものなのでしょうか。
  それとも、災害を絶好の機会としての為にする議論だったのでしょうか。

 それは、村井仁氏のこの選挙中の発言のトーンダウンに決着が見えるようです。

 今回の岡谷市の土石流災害は、岡谷市長が「岡谷市政始まって以来の災害」と述べていましたが、ここ百年ぐらいの間災害が一回も起きたことのない、誰も災害なんて起こるとは思ってもみなかった小さな沢筋でおきた土石流でした。
  しかも、その土砂量は、1996年の小谷村蒲原沢のそれをも上回るものでした。

  それに関して、ジャーナリストの伊藤洋一氏は、「実はこの地区での砂防ダム建設は国から話があって、予算も下りていたのだそうです。それを断った現知事の姿勢を問う声もでているようです。その辺が6日の知事選でどう出るかです。」と、実しやかな話を、8月1日付けHP日誌を通じて選挙中に流しました。  
  この件に関しては、県の土木部砂防チームの担当職員は、 「岡谷市の湊地区からは一切砂防ダムの陳情はこの間なかった。」ことが確認されています。
 8月3日に日本共産党の県議団事務局が、伊藤洋一氏に、「この話を聞かれたのはどなたからからなのでしょうか」と質したところ、回答もないまま、4日の朝には、こっそりHPからこの部分が削られていた事実もあります。  

 現在の氏のHPは、ここをクリック (一番下にあります。)  

 明白に、事実と違う事だったのです。

 そして、その後の論戦に関しては、 7月31日に発表された「11の政策」では、

  「6、社会基盤整備による安全で安心の地域づくり 安全で安心して住める地域づくりのため、治山・治水・砂防の減災対策をはじめ生活道路の整備や中山間地の農業生産基盤の整備。 「脱ダム宣言」に伴う迷走した利水・治水対策については、安全で実現性のある対策を地域住民とともに早期に再検討。」

  と述べ、

 朝日新聞(8月4日付け)のアンケートにおいては、 公共事業の欄では、
  「これまでの『脱ダム宣言』や治水対策をどう評価しますか。今後、公共事業の改革をどう進めていきますか。」の設問にたいして

  「安全で安心して暮らせる郷土をつくらなくてはならないという意味で、必要な事業も一律に否定されるべきではないでしょう。まさにその地に根ざして暮らす方々、その地で命を育んでいらっしゃる方々のご意見を伺いながら、必要なものは必要、無駄なものは無駄とメリハリをつけた事業の推進をしていくことが大切と考えます。」
  と語っています。

 普通、選挙中のアンケートは、私の経験でも、回答の締め切りは、告示日後の一定の時限です。

 ちなみにこの項目にたいする田中康夫氏の回答は、

  「『脱ダム』宣言は、中央のゼネコンにお金が吸い取られる箱モノ的大型公共事業から、地域でできる仕事は地域の力で進める地域密着型公共事業へと転換する宣言です。既に入札制度改革などで公共事業のあり方が地元業者優先へと変わっています。 治水対策も、大型ダムに拠らず河川改修・遊水池などを組み合わせて促進します。」

 ところが、投票日前前日の8月4日(金)、松本駅前で行なわれた街頭宣伝で、村井仁氏は、直接水害に関連しての話ではなかったが、補助金との関係で、思わず 「たとえば砂防ダムを入れる事は、長野県にとっても大切な仕事なんですが、脱ダム宣言でみんな断ってしまった。」 と触れています。   

 松本駅前で私が録音し、テープお越しした演説の内容は、ここをクリック

 詳細に関しては、私もさらに精査しなければならないが、今回の水害が教えた治水対策の教訓と脱ダムとの関係で言えば、村井仁氏も、当初のような勢いで「脱ダム」「田中」批判で突っ走ることは出来なかった事は明白だ。

 その後の岡谷市の関係者に確かめれば、「脱ダム」失政論は、早計であることがわかったのかもしれない。

  ウソで論戦は成り立たない。
 

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8月9日(水)

 「財政赤字は、地域の宝」 
  

 財政問題に関する村井仁氏の発言の変遷を見てみた。

 本格的な政策論戦としてはじめて行われたのは、松本市では7月16日県松本文化会館で行われたJC主催の討論会だ。
  そこでの村井仁氏の発言は次の通りだ。  (少し長いが、そのまま引用する。)
  「財政の赤字と言うものですね。あまりに過度に心配しすぎてはいけないと思う。いろいろなものを活用しながらやっていく事ができるはず。 たとえば、岡山県は長い事赤字比率が19.9%ですか、20%になると財政再建団体に落ちてしまうのですが、そこでづっと張り付いている。 石井知事に尋ねた事があるのですが、『20にならなければいいんですよ。そこで一生懸命積極的な策をやっているんですよ。』が印象的だった。 借金減らしは確かに大切なんですけれども、そのために地域経済全体が縮小してしまってはいけないと思う。 財政赤字という問題は、決してあっていけない問題ではないんです。 ある程度積極的に経済全体が地域経済全体が発展する形になっているならば、必ず生きるんです。 長野オリンピックで、たしかにかなり大きな赤字を作った。累積赤字は事実であります。 それを生かしていくという発想こそが、つくった資産を生かしていくという発想こそが大切だ。スキーがちょっと人気がなくなってしまったが、それは残念なことだが、しかし、新しい資産を持っているそれを生かす工夫が大切。 財政赤字ばかり別に恐れる必要はない。 財政赤字はそれは一方で資産になっているわけで、この地域の宝ものでもある。 という逆転の発想がいる。家計と国、地方自治体の財政は違う。」

 いわゆる、「借金は地方の宝」発言として注目されたものだ。

 次に、翌17日に信濃毎日新聞が行った「対論」の場。 
  そこでは、
  「県の負債を減らし財政再建を進めたことが田中さんの一番の売りのようだが、ある程度の債務は、世代を超え公共財の負担を担うために当然の仕組みだ。たとえば道路を造れば相当長持ちするから、後の世代もメリットを受ける。その意味ではある程度の借金は設けてよい。」
  と語っている。
  論調の基調にさほど変化はない。 ただ表現の仕方に慎重さが感じられる。

 そして、告示日の第一声。
  直接財政問題に関しては触れなかったが、関連して次のように述べていた。

  「岡谷市で土砂災害のあった場所は全国に30万ヶ所あるといわれる危険個所。他県では未然に被害を防ぐ作業をしているが、県内ではこの6年間、理念を優先させ、手立てが講じられなかった。それが知事選直前に明らかになった。まさに、天の戒めだ。」 (朝日新聞 第一声)

 「脱ダム」問題にも関連する発言だが、考え方は伝わってくる。

 そして 24日 松本市で行われた県測量設計業協会主催の時局講演会では、
  「(田中氏は)公共事業を減らすことにこだわり、防災関係の仕事をしていない。 一言で言えば県民の財産づくりを怠ってきた。 (市民タイムス25日付より)

  ところがこれまでの主張のニュアンスが明らかに変わり始めたのは、市民タイムスのアンケートに答えての次の発言だ。

  「田中知事が赤字を減少させたという方法や考え方には異論がありますが、実際に赤字を減らしたことは大いに評価したいと思います。 異論というのは起債の償還年度を迎えたに過ぎないということや、歳出をしないことにしているからということです。 歳出を減らした実績はありがたく継承させていただいて、これからは歳入を増やすことで財政再建を進めます。」  (市民タイムス28日付け)

 そして、文書とにして政策を初めて発表したのが7月31日。
  発表された 県政改革の主な課題 11項目 中 財政問題に対しては、
 
  「4、財政の健全化 経済活性化による税収の確保とともに、歳出削減に努め、真に必要な事業への予算の重点配分。県債残高の減少による安定的な財政運営。」  
  と明記された。  

 この点は、以前の日誌でも指摘したことだが、こうして調べてみるとその変遷ぶるがよくわかる。

 さらに8月4日付 朝日新聞に発表されたアンケートへの回答では、 「これからは歳入を増やすことで財政再建を進めたい。歳入、つまり税収を増やすには県内企業を元気にしなければならないと考えます。 県内企業を元気にして経済の活性化図ることによって、県税収入の増加や、更には国庫補助金の活用を行い歳入増加を目指したい。」  

 国庫補助金の活用で借金が増えることは間違いないが、そのことには直接触れていない。

 (以下続く)
 

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8月8日(火)

 支離滅裂な村井氏の発言・「政策」 
  

 村井仁氏は、当選が決定した直後のマスコミのインタビューに次のように答えていた。

  「田中県政の評価するべき点というものが、理念の提示ということであるならば、それを充分に咀嚼(そしゃく)し、そしてそのような期待をお寄せいただいた方々の期待にこたえるべくいわゆる改革を決して後戻りさせない努力というのをしっかりやって参らなければならない。」  
  「福祉・少子高齢化の問題は、いささか手法の違いはあるにせよ、そういった問題もきちんと対応させていただく。」

  「改革を決して後戻りさせない」努力を行なうという宣言は、明らかに、前回田中氏を支援していた運動員、支持者を意識してのコメントである。  
  また、田中康夫氏を抑えたものの、「61万」に対し、「53万」は、冷厳な事実だった。

  ところで、「超田中」とも、「以前の県政に戻すと言う意図で私を担いでいる人はがっかりする。」(告示日第一声)とまで言っていた村井氏。
  「反田中」だけを全面に打ち出す事は出来ず、「『旧体制』のイメージを打ち消し、無党派層を取り込む事が陣営の課題」(朝日)であった事もあり、村井陣営の「本音」との矛盾もあり、村井氏のこの選挙戦を通じての一連の発言等をかなり時間がかかったが精査してみた。  

 一言で言うと、矛盾を抱え、ウソも平気、そして実に支離滅裂な発言で終始し、一貫性のない政策抜きの選挙であった事がよくわかる中身だった。  

 以下、いくつかそれをご紹介したい。

 まず、投票日翌日の記者会見。
  「『田中色』を一掃」 「『田中色』の濃い政策をほぼ全面否定」(朝日)とマスコミは報じたが、まさにそうした中身だ。

  「開かれた田中県政」の象徴であったガラス張りの知事室は廃止。
  「脱ダム宣言」に関しては、
  「国交省は(ダムの)代替案がないと指摘している。『脱ダム』が住民に満足を与えたかは疑問」とダム建設の検討に入る考えを示唆した。(朝日)  

 確かに、「ガラス張り」にして、視覚的に透明性「のみ」を示すものであるならば、それは必要ないかもしれない。
 しかし、田中知事のそれは、視覚的なものだけではなかった。  
  いずれにしても、「脱ダム」も含めて、咀嚼でなく、最初から結論ありきの中身だ。
  既にこれからの「村井県政」のこれからを十分に示唆している。

  「改革をあともどりさせない」は、間違いなく県民の世論となった。
  しかし、その村井氏の「改革」の意味については、まったく明確でなかった。
  そしてまさにそれは、小泉首相の「郵政民営化」選挙の時の、まさに「改革をあともどりさせない」に共通する事がわかった。  
  長野県で進んだこの6年間の県政改革を指していない。
  それは、次の村井氏の主張で明確だ。  

 「日本は大きな改革の中にいる。それは国だけの問題でなく都道府県、各市町村に係わる大改革なのです。 長野県の現状に危機感を抱いている。 (その)改革に乗り遅れない、改革を先取りできる長野県を作るために立候補した。」  

 これは、7月27日付け 市民タイムスの「政策アンケート」に答えている部分だ。

 田中康夫氏は、選挙結果が明確になった時点で、
 「社会福祉、地方を切り捨ててきた日本の政治の中で、(私のすすめてきた県政は)国の施策とは対極に位置するものだった。」 と述べている。
  確かにその通りだ。
  村井氏は昨年秋まで自民党の衆議院議員として、地方交付税の削減など地方いじめ、今日大問題になっているお年寄りの住民税大増税や介護保険・医療保険の改悪、・自立支援法などの改悪や悪法を決めてきた人です。
  そして大蔵政務次官、衆議院大蔵委員長、金融再生総括政務次官、内閣府副大臣金融担当と国の金融政策にかかわっていました。

 今度の選挙は、自民党の国会議員として、そして内閣の閣僚として、これまでの進めてきた「改革」=小泉構造改革を「後戻りさせない」と聞こえるのは、私だけでしょうか。
  私たちは、自民党県政の復活は許さない立場で、今回田中氏当選のために力を尽くしたが、今度の選挙はそうした意味があった。
 「改革の後戻りはイヤ」という県民の声をうまく利用したといえる。

 支離滅裂さについては、「福祉政策」が象徴的だ。
  以下それを見てみると

●8月4日付 朝日新聞アンケート  
  福祉に関して: 「高齢者を施設に隔離するのでなく、宅幼老所のような形をとるのはすばらしいことと思います。ただこうした生活に密着した分野であればこそ、市町村や地域で自らに適した対応が出来るように県が支援する事が大切になってくる。」

●発表された「11の政策」では、
  「2、高齢者が安心して暮らせる福祉施策の推進 すべての人が、ともに助け台い、ともに生きるよろこびを感じる地域社会づくり。地域の実情に応じて特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の社会福祉施設の整備による入所侍機者の解消。」

●冒頭に紹介したように、当選後
  「福祉・少子高齢化の問題は、いささか手法の違いはあるにせよ、そういった問題もきちんと対応させていただく。」

  (以下次回に続く)

  尚、6日付日誌は、当初発表したものを何度か試行錯誤して書き換えた。
  これも実践が十分でなかったことの表れだろうと反省している。
  また、田中康夫氏の第一声については、選挙が終わったので、全文 (ここをクリック) 明らかにしたいと思います。
 

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8月6日(日)

 人心を集められなかった選挙 
  

 田中康夫氏の敗北が決まった。
  間違いなく「身近になり」、改革が進んだ長野県政であったが、「田中県政」1期目の2年間、そして2期目のしばらくの間と違って、最近は、改革の前進面で正直見えない部分が多かった。
 それどころか、マスコミを通じて報じられる事は、本人の責任に属する事もあり、田中康夫氏の弱点がことさら強調されてきた。
  そんな中で、今回の選挙では、これまでの県政改革とこれからの長野県政のあり方、地方自治体のあり方についての十分な政策論戦が展開されないままの選挙戦だった。

  田中氏、村井氏の発表した文書について少しく触れてはきた。
  政策・公約に関して言うと 田中氏のそれも体系的なものはなく、立候補の表明を遅らせ、結果として自らの理念・政策を浸透させるには時間的にも不十分だった。
  また村井氏のそれは、発表はされたものの具体性にかけ、「田中康夫氏でなければ、誰でもいい」という経過と組織や首長の支援を受けたという中で、候補者が1本化された中で、最初は「反田中」として「市町村が主役の輝く長野県へ」が、論戦の基調だったが、選挙戦の展開のなかで明らかに変って来た。  

 私たち共産党は、党としては、田中康夫氏を支援せず、「自主投票」で臨むが、古い県政への後戻りは許さず、「いいことは伸ばす」「悪い事はただす」の立場をつらぬくという今度の知事選挙での、選択の基準と党の態度を明らかにし、これからの長野県政のあり方としてその政策を「提言」という形で発表、中盤では、党の態度をさらに明確にして知事選挙をたたかった。  
  全戸に配布した民主長野の8月号外では、「自民党県政はゴメンです」とより明確にその立場を明らかにし、「県民にあたたかい県政を」という形での政策を掲げ、県委員長が記者会見を行ったこともお伝えしてきた通りです。  

 しかし、こうした方針は実際は初めての経験でもあり、戸惑いやためらいも生まれ、運動量も含めてその活動は不十分な結果に終わってしまった。
  それは、今日の対話の中でも明確だった。

  「ビラを見て、共産党は『田中』とわかったので入れてきた。」という人もいれば、
  一方で、
  「そうだったんですか。自主投票という事だったので・・。でもわかりました。」 という方が少なくなかったことにも明確だった。
  どんな場合でも共産党の態度が、重要な判断基準となっていることが十分に解ると同時に、正しく理解し、より解りやすく伝える事の大切さを実感する選挙だった。

  「これから投票に行くところです。村井さんって、元に戻っちゃうということなんですよね。」という方もいれば、
  「後戻りさせてはならないというのは、その通りだが、私は、今回誰に入れたかは、悪いが言えない。」という事を正直に言う方もいた。
  さらに「政策以前の問題だよ。」という声に代表されるように、田中康夫氏にたいする人物評価は、実にきびしいものがあった。

 私が思うに十分な政策論戦が行なわれない中、投票日を迎え、 「県政のあともどりはいや」は、県民の世論となったが、田中康夫氏は、人心を集める事が出来なかった選挙だったといえる。
 
 そんな中でも、
今回の選挙の経過を候補者の発言・文書、私たちの活動など振返得る事で、今度の選挙戦がどんな風に展開され、私たちが改革を前に進めるために力を尽くした結果がどうであったかを見ることができると思う。
 

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8月2日(水)

 田中氏、村井氏の政策の違いを見る 
  

 マスコミのアンケートによれば、新知事に力を入れてほしい事は、「保健医療・福祉の充実」がトップだ。
 これについての2人の政策を比較検討してみた。

  田中康夫氏:

  自宅から遠く離れた巨大な老人施設よりも、ふるさとの原風景の中で暮らしたい。 県独自の支援で民家を改修し、お年寄りの願いを叶える宅幼老所(コモンズハウス)は、この春、県下295ヶ所に。運営主体はNPOだけでなく建設業からも。在宅介護する家族を支援するタイムケア制度も創設へ。本県独自の地域福祉が充実します。
●0歳から3歳までのお子さんもお年寄りと一緒に仲良く過こす、身近な宅幼老所(コモンズハウス)。
● 商店街や集落の使われていない仕舞た屋(しもたや)を有効活用して、軽い認知症のお年寄りもお世話する、本県独自のデイサービス事業です。
●集落単位で子育て支援の輪が広がり、今や宅幼老所は県下295ヶ所となりました。
●地域密着型の福祉は、世代を超えた人々の絆(きずな)です。次年度には目標の400ヶ所が達成です。
●在宅高齢者の家族を介護疲れから解放しようと、半日、1日単位でヘルパーを無料派遣するタイムケア制度も、障害者福祉に続いて導入準備中です。
                         (法定1号より)

 村井仁氏:

  2、高齢者が安心して暮らせる福祉施策の推進  
  すべての人が、ともに助け台い、ともに生きるよろこびを感じる地域社会づくり。地域の実情に応じて特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の社会福祉施設の整備による入所侍機者の解消。                 
                        (「県政改革の主な課題」 11項目より)

 ボリュームに差があるのは、ご了解ください。

 さて、この政策、一言で言って、 田中氏のそれは、在宅にシフトしている国の施策との関係で、在宅介護への具体的な支援と地域福祉の充実が特徴で具体性、現実性と実現性がある。
  それにたいして、村井氏のものは、「地域社会づくり」に関しては具体性がなく、また「入所侍機者の解消」策は、いわば「一昔前」の「施設福祉の整備による解決」が特徴で、現実性と実現性に乏しくその違いは明らかだ。
  現在の厚労省の路線、改定された介護保険制度との関係から見ても、施設建設が進み、それのよって入所侍機者の解消が進むとは思われない。
  国の路線と改定介護保険の見なおしに対する「対決の決意、姿勢」が見られない以上実現性がないといわれても仕方がない。

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8月1日(火)

 発表された村井仁氏の政策 
  

 知事選挙も終盤を迎えた。
  昨日は、飯田市の飯田文化会館で合同個人演説会行なわれ、村井仁氏も政策を発表したようだ。

  「県政改革の主な主題」として、11項目上げられているが、詳細な検討は、後刻行なうとしてまずはご紹介します。

 全文は、ここをクリック

 それにしても、注目点の一つは、「4、財政の健全化」の部分だ。    

 「県債残高の減少による安定的な財政運営」は、
 
これまでの 「借金を減らす必要はない。財政再建団体に落ち入らぬよう公債比率20にならぬよう、岡山県のように19.9を保てばよい。長野県の借金は、インフラ整備の結果だ、借金=地域の宝という、逆転の発想が必要」

 などの主張とは明らかに異なってきている。

  また、税収確保のための「経済活性化」とあるが、その活性化をどう進めるのかが見当たらない。

 尚、7月29日の田中氏の松本駅前朝8時からの訴えのテープ起こしは完了しましたが、このHP上での発表は、公職選挙法に触れる可能性があるので、メールをお寄せいただいたご希望の方にお送りする方式をとります。
 また、リモートサイトには、「tanakayasuodaiissei060729.htm 」 というファイル名でUPだけはしてあります。
 よろしくお願いします。

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