6月30日(金)

 矛盾を解決し、さらに発展の方向に 
  

 松本市総合計画「新たなる松本のまちづくり」。
  その実現に向け、第8次基本計画が策定されているが、その各施策を横断的に先導する重点施策として、「リーディングプロジェクト」の視点が設定されている。
  向こう5年間を見通す第8次基本計画では、総合計画で定めた「将来のまちの姿」を6つの「政策の柱」とし、この政策の柱ごとに3つの「主要施策目標」を定め、これに加えて、「初めての取り組み」として「リーディングプロジェクト」の視点を設定し、「政策の柱」を縦糸に、「リーディングプロジェクト」を横糸として、施策推進を図ることの説明がされている。

 そういえば、縦糸横糸といえばと菅谷市長が、「10のまちづくり」と「3Kプラン」を縦糸横糸の関係とし、新しい「松本織り」をつくる構想を発表したが、この菅谷市長構想の「松本織り」と総合計画での「織物」との関係はどうなっているのか。
  実は、この総合計画を策定する際、この関係について質問をした経過がある。
  答弁では、総合計画は、市長が誰であるかに関係なくつくられるべきもので、菅谷市長の構想を含むものとの説明があったが、正直わかりづらさは否めない。

 今までの総合計画は、あらかじめ行政側が作ったいわばたたき台を、「100人委員会」の委員に検討してもらうと言う策定経過を取ったが、今回の場合はほぼはじめから市民参画の形で作られたその違いとも思われるが、そのためいろいろな意見、考え方が盛り込まれている。

 それはともかく、総合計画の「子育て支援策」の部分を見直してみた。
 「政策の柱2 いつでも健康ではつらつと生きるまち」の内、基本施策目標2の「誰でも安心して、楽しんで子育てができる環境整備をめざす」の中に、「児童館・児童センターの改築事業」と「放課後児童健全育成事業」が主な取り組みの中入っているが、今回の「見直し」方針以前のものだ。

 「リーディングプロジェクト」の部分でも、「最重点プラン 笑顔あふれる子育てのまちプロジェクト」の中で、児童館児童センターの施設整備の推進が、うたわれているだけだ。  

 今回の「放課後児童健全育成事業の見直し」に関しては、触れられていない。
  だからこそ、今回の「見直し」に関しては、改めての市民参画の協働作業での事業展開が必要だ。  

 ところで、実に残念なニュースがマスコミで報道された。  
  児童育成クラブに対する委託料(=補助金)は、児童数に応じて、以下のように定められている。
 (1年から4年生対象)  

 10人以上19人以下  113万4000円  
 20人以上35人以下  168万6000円
 36人以上70人以下  264万3000円
 70人以上        360万    円

 見ての通り、4つのランクによって、委託料に、約100万円ぐらいの違いがあるのだが、児童数に関して申請と実態が違っていた。
  こうした事は許されるはずもなく、委託料の差額返還は当然のことだろう。  
  市内の児童育成クラブは、この委託料と月々1万円から1万3000円の保育料と、後は、バザーなどの資金活動でどこも毎年毎年ぎりぎりで運営してきた。  
  運営委員会の財政基盤は、まさに脆弱で、それらはほとんどすべて父母会の奮闘で今日まで運営されてきた。
 「委託料」とはいいながら、実際には「補助金」事業でしかなかったこの事業を、これから公設公営で行う今回の「見直し」は、こうしたこの事業のいわば根本的な矛盾も解決してくれるだろうことに期待したい。  

  いろいろな矛盾は、前進の原動力だ。  
  この事態にも松本市はしっかり正面から取り組み、負の遺産も引き継ぎ、教訓として事業の発展を期す必要がある。

 

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6月28日(水)

 本末転倒の議論 
  

 高校改革プランの「実施計画」が決定され、来年度(H19年度)実施に向け、募集停止の既成事実の積み上げで、事実上廃止してしまおうという県教委の強引な姿勢が伝わってきています。  
  それに対し、共産党県議団が提出した「高等学校設置条例等の改正提案」が焦点となっています。  

  マスコミ報道では、提出された当初松本市出身の萩原議長も、成立に向け前向き検討をしている方向が伝えられました。  
 
  今回共産党が提出した条例改正提案の内容は、 高等学校等の設置条例に、

  (廃止) 第3条高等(養護・ろう・盲)学校を廃止もしくは.廃止につながる募集停止を行なう場合は、議会において出席議員の3分の2以上の者の同意を得なければならない。

  の条項を加えるというもので、既成事実の積み上げで、生徒を居なくさせた結果として廃止する事を防止し、しかも、廃止議決には、「3分の2以上の者の同意」が必要とする中身にするものだ。
  地方自治法244条の2第2項に、 「特に重要な公の施設を廃止するときは出席議員の3分の2以上の同意を得なければならない」 と定められているところに根拠がある。
  詳細は、ここをクリック

 もともと、県議団が表明しているように、私たちも高校の統廃合の一切を認めないという立場をとらないが、今回の高校改革プランの「実施計画」のやり方は、一言で言って強引過ぎる。
  そして、今日、県教委の指示の元に、対象高等学校のホームページすべてに来年から統合して新しい高校になることが書き加えられていることが判明したという。 たとえば妻の母校である大町北高校のHPを見ると・・・こちらをクリック

 実は、15日に行なわれた教育民生委員会で、高校改革プランの「実施計画」の平成19年度実施を見送ることを求める請願の審査が行なわれた。
  結果は、「否決」となり、本会議でも同様に否決されたが、そのときの議論が重要だった。
  委員会では、こうした請願が行なわれる際には、「理事者側の見解」が事前に発言される。

 松本市の教育委員会は、その見解を次のように述べた。
 
  「筑摩高校では、すでに実施計画に則り、19年度に向けた対応がされており、当請願に記載の「19年度実施を撤回した場合」、混乱が生じることになりはしないかと思料する。 本日の報道にもこの段階では遅く、混乱を招きかねないとの声がある。 ただし、筑摩高校在学生をはじめ、中学校などの関係者には十分な説明をし、理解を得ていただく必要がある。 生徒数の減少や多様化が進み、今後さらに生徒数の減少が見込まれる。 高校改革は必要なこと。 是非、在校生や受験期を迎えている皆さん方が混乱をきたすことのないように進めていただきたい。 」
  と結局のところ、この請願は、ふさわしくない旨見解を述べた。  

 それに対し、南山議員は、「その見解は、本末転倒そのものである。」事を鋭く指摘した。  
  私も、同感だった。  
  混乱を持ち込んでいるのは、強引な実施を押し付けていることにその原因が在るのであって、この請願の採択が、混乱を招くかの言い分は、正に本末転倒そのものだ。  

 もともと、今回の取り組みには、強引さが目立つ。
  現議会では、県教委が、今度の条例改正案に対して、「執行権の侵害の疑いあり」との関係文書を各議員に配っているようだが、果たしてどうだろうか。

 県議会の動向を注目したい。

 (注 実際の提案は、「3分の2以上」でなく、「過半数」に修正されて提案された。29日記す)

 

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6月27日(火)

 第2次 旧4村地区 管内視察    教育民生委員会 
  

 5月26日に続き、2回目の管内視察が行われた。
  四賀、梓川、安曇、奈川の順に廻ったが、全部で12施設、いわば「超特急」での施設見学となった。  

 四賀地区では、会田病院のほか旧村役場内の図書館、福祉ひろば、つどいのひろば、そして、会田中学校と4つの小学校を廻る。  
  四賀地区にある、4つの小学校の子どもの数は、今年5月現在、錦部99人、会田79人、中川70人、五常39人 の合計287人。
  そして会田中学には163人の子どもが通っている。  
  それが、既に平成23年には、小学生で199人となる見通し。  
  結果として、中学校もいずれこのまま行くと100人を切る事になる。  
  保育園は3つのため、地域によっては、一緒に通っていた保育園児が、分かれて小学校に通うところも出ています。

 建築年度でいうと、一番古いのが、会田小学校で古い校舎は昭和8年。  
  昭和44年に作られた鉄筋コンクリート2F建て校舎は、バッテリー方式の建築。  
  木造の校舎の2階の部屋を支えるための鉄の支柱が見られる教室も確認された。  

 新基準で建設された中川、五常の除いて、耐震診断は、やっと現在行なわれているところで、危機管理という点では、遅れていると言える。  
  四校での給食は、すべてが自校給食。 今後この四校をこのまま残すか、それとも統合するのか。当面の課題となっている。
  それにしても、会田小学校は、自分が通った小学校の思い出に似ている建物でなつかしい感じがしたが、しかし、会田中学校の校舎と比べれば、まさに雲泥の差だ。

 その会田中学校は、外観はこれまでも見たことがあったが、中に入ったのは初めてだった。
  「超豪華」建物といわれていたが、たしかに本校舎と体育館の玄関、外観はまさに豪華そのものだったが、建物の中は、その言葉とはまったく別のものだった。
  教室の中までは、入らなかったので解らなかったが、廊下の壁は、石膏ボード、天井はそれこそプレハブ教室の天井板。
  「鉛筆でつつくとすぐに穴が開いてしまうほど」との事だった。 実際にそうした結果になったのだろう。
 
確かに、指のこぶしで壁をたたいてみると、実に弱弱しく、太鼓のような響きだ。

 見学を終えて、玄関に戻ってきたが、吹き抜けの壁の上には、この玄関を飾る5種類の大理石などの石版がかなり高い位置に並べて飾ってあったが、何か違うだろうという感じを持った。
  そうは言っても、校舎のすべてを玄関並のグレードで統一する事は出来ず、結果として予算が限られている中、そのしわ寄せが、子ども達の日常の生活空間に及んだという感じだ。
  本校舎の玄関は、中世バロック調の神殿風、そして体育館の玄関ポーチはイオニア式柱とその威容は確認できたが、小学校との落差の大きさを改めて見ることとなった。
  何を優先した税金の使い方か、その事も考えさせられる。

 新市のなかで、一番新しい中学校と、一番古い小学校を同時に見る視察となった。

 午後、奈川小中学校も視察した。
  この学校は昭和43年建築、体育館は翌S44年建築だったが、この体育館が誠に斬新なもので、ほぼ全面ガラスの今でも通用するようなデザインのものだ。  
  校舎の設計とも、東京の業者が行なったとの事だったが、その結果、屋根に傾斜がなく積雪時には、大変苦労しているという。  
  現在、小学校51人、中学校24人の子どもが通っているが、なんと6年後には、小学校入学予定者は、わずかに1人の見通しという。  
  図書館に案内されたが、子どもたちは、一人平均年間100冊の本を読むという。 中には、その倍の200冊を読む子どももいるという。

 25日に続いて、安曇地域にも足を踏み入れた。

 学校の視察だけではなかったが、4村が加わった新松本市、改めて広くなった事を実感させられる一日だった。

 

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6月25日(日)

 第1回信州乗鞍天空マラソン 
  

 1週間前から天気が心配された。  
  週間天気予報では、最初は、降水確率70%の見込みで推移したが、金曜日になり晴れ、そして前日の土曜日の予報では曇りに変わり、当日を迎えた。  
  そうした意味では、絶好のマラソン日和となった。  

 第1回信州乗鞍天空マラソン。  
  既に20回を重ね、3500人以上が参加し、8月に開催される「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」の経験を生かし、関係者が準備した今回の大会。  
  コースは、乗鞍・三本滝レストハウスをスタート・ゴールに、大雪渓を折り返し地点とする往復23kmの「ハーフマラソン」。  
  コースの特徴は、なんと言っても、行きは登りのみ、帰りは下りのみの標高差1800mから2700mを往復する高所のコース。  高さも標高差も他にないもの。
  ゲストランナーにマラソン選手の千葉真子(まさこ)さんを迎えたいわば「プレイベント」ととして企画された今度のレース。 アンケート用紙には、「来年は、フルマラソンを考えていますが、参加されますか。」の項目もあった。
  乗鞍高原を自然に優しい健康づくりの場、体験してもらう場として、プロには高地トレーニングが出来る場所としてアピールする狙いもある。
  締め切りまで、332人がエントリー。キャンセルが多少あったものの、当日受付者を入れ、参加者は約330人、うち県内140人残り290人が県外からの参加者だった。  
  大会閉会式後、「また今度の大会でお会いしましよう。」と声を掛け合う人々がいたが、こうした県外の方々は、全国を「はしご」して、レースを楽しんでいる事がよく分かる。  
  前日の土曜日には、千葉真子のランニング教室も企画され、それには、100人ぐらいの方が参加したという。  
  そうすると前泊の方が100人を越える事になる。  観光戦略としても、重要な挑戦だ。
  当初、250人が定員だったが、そうした意味では、「プレイベントとしては成功だった。」と関係者は語っていた。  

 さて、今日の私だが、とにかく「レース」と名のつくものとしては、初めての挑戦。
  ゼッケン番号は、「219」。   
  沿道には、5kmおきの給水地点だけでなく、旅館・民宿の関係者がほぼ1km置きに、待機して、安全の確保と声援を送ってくれていた。  
  折り返し地点の大雪渓では、バナナ、おやきなどのサービスも行なわれ、広域連合の救急車、救急・援護車も待機していた。  
  そうした皆さんのお世話になり、私も何とか一度も歩くことなくゴールを迎える事が出来た。  
 
  私は、走ると言うより、「歩いて登っている」状況だったが、途中で、既に早い人は、下りを駆け下りていた。
  男子の1位の選手は、1時間31分だったという。
  その記録は、バスが、大雪渓まで、登って往復して帰ってくる時間よりも早い記録だそうだ。

 駆け下りてくる千葉選手が確認できた。
  開会式のとき、千葉選手が、「皆さんに元気を与えられるようなマラソンの選手になりたいです。帰りには全員のみなさんと行き会うことが出来ると思います。もし余裕がある方は、『ハイタッチ』をしましょう。」と高く右手を上げて挨拶をしていたが、私は決して余裕はありませんでしたが、その事を思い出し、思わず右手を上げ、差し出した。

 千葉真子選手の紹介は、ここをクリック
  (企業の宣伝のサイトではありますが・・・)
 
  美鈴湖や塩尻峠など何度か登ったことがあったが、標高では比べ物にならない高さ。
  空気の薄さは、70%と言われましたが、やはり年齢も加算してかなり苦しいトライとなりました。  
  途中、下ばかり見る時間が増えて、発見したのですが、道路と側溝の間の隙間に、いくつもタンポポが、花をつけていました。  
  それでも、雪渓から吹く風はさわやかで、その雪渓とともに見える、槍ケ岳や穂高連峰は文字通り絶景そのものです。
 また、押し寄せる波のように連なる山々の姿は、一瞬の静けさを与えてくれました。
 
  さすがに、帰りは、右足の古傷がひびいて、ただ足を出して下るという感じでした。  それでも、関係者の皆さんのご協力をいただき、完走することが出来ました。
  主催者の乗鞍高原観光アソシエーションのみなさん、そして関係者のみなさんたいへんお疲れ様でした。  
  ありがとうございました。

 

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6月24日(土)

 「方丈記」と「純情きらり」 
  

 いつものように、NHKの朝ドラは、毎日欠かさず見るようにしている。
今は、「純情きらり」。そして今週は、 第12週 「絆(きずな)が試されるとき」。

ジャズとピアノが好きな、宮アあおい演じる主人公の有森桜子(ありもりさくらこ)。
たまたま、TVで3億円の強盗犯人を演じる作品の主人公でもある宮アあおいに魅力を感じながら、今回も見続けている。
その桜子が目指す東京音楽学校の教授が、自らの意に反して軍歌の作曲を求められる頃から、戦争の匂いが漂う設定となったが、今週はまさに戦争下の人々の心が試される設定となってきた。
そして、姉の「笛子」が「冬吾」と婚約したあたりから、家族に弾圧が加えられ始める。

そして、複線があるのだが、「冬吾」が別れを告げる際に残した手紙に、この「方丈記」の一説がつづられ、その部分を、視学官が見守る中、「防人の歌」を教材に、政府の軍国方針への「服従」の証としての授業をするはずが、その「防人の歌」を聞き、出征する兄を思って泣き出した生徒を前に、途中から「方丈記」をその教材に換え、「悲しく思ってなぜいけない。自分らしく生きてください。どんなことがあってもどんな世の中になっても自分の考えや気持ちを変えないで生きてください。」と最後の授業を終えるシーンだが、率直なところ「方丈記」が、反戦の詩となるとは思っても見なかった。

もともと国語は苦手の私だが、鴨長明の「方丈記」は、仏教的無常観を詠ったもので、世の中のはかなさを描いたものとしてだけ教わった記憶しかなかった。

有名な書き出しについて言えば、大学時代に、弁証法を習ったときに、自分なりにただ物事を固定的に見てはならないということで、「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」
を勝手に思い出したぐらいのものでしかなかったため、なおさらだった。

 果たしてどんな作品だったか。改めて読み直すことになったが、読み返してみたが、やはり直接の反戦の詩でないことは、私の浅い読み方かもしれないがわかる。
 歴史的背景もそうしたものではないと思う。
 サイトで探し出した「方丈記」の全文は、ここをクリック

しかし、事の本質は、どんな教材を使おうとも、「愛する」とか「悲しむ気持ち」など、人間の内心にかかわることへの強制があってはならないことという点では、「火の山―山猿記」を原作としたこの作品。
原作家の津島佑子、脚本家の浅野妙子の両名に少しく興味を覚えた。

 

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6月21日(水)

 「トンネルに代わる代替案は、トンネルをおいて他になし」 に答える 
  

 議会の閉会にあたり、菅谷市長は最後の挨拶の中で、「四賀トンネル問題」に関連しては、次のように述べた。
  「懸案となっております事項につきましては、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 特に、『松本・四賀直結道路』に代わる施策に関しましては、一定の整理ができたところで、今議会終了後の早い段階で、議会にご相談し、併せて地元の皆様のご意見をお聞きしたいと申しあげました。
  しかし、総務委員協議会等でいただきました、議員の皆様からのご意見等を踏まえ、今後は、『この直結道路』に代わる施策につきましては、引き続き、検討を重ねた上で、議会並びに地元にご報告、ご協議を申しあげてまいりたいと考えております。」

 少し解説すれば、6月5日の開会日には、
  「なお、『この直結道路』に代わる施策につきましても検討を進め、その内容や今後の進め方につきまして、一定の整理ができた段階で、議会にもご報告、ご協議を申しあげてまいります。」
  と述べ、 その後、一般質問初日には、議員の質問に答え、
  「今議会終了後の早い段階」と述べたが、最終日には「早い段階」の部分は、落とした形で、議会を閉じた。
  その落とした理由は、議会中に開かれた総務委員協議会で、 「必ずしも『早い段階』にこだわらずに、取り組むべきではないか。」などの発言をする議員がいた事を受けて、表現を変更したようだ。

 詳細については、今の段階で私は委員でないのでわからないが、そうした経過を踏まえての結果となった。
  しかし、協議会では、一方で、やるべき事は、直ちに行なうことも要望確認され、たとえば、大口沢交差点の改良などは、直ちに取り組みを開始する旨了承されたという。

 市長としては、この複雑な事態の経過に即しての発言となったのだろう。 しかし、この状態を膠着させてはいけない。
 どう打開するのか。  
  「トンネルに代わる代替案は、トンネルをおいて他になし」を主張し、話し合いを拒否する皆さんに対しては、「わかりました。それではトンネルに替わる代替案はありません。」とはっきりさせることが必要だ。
  この間の四賀地域審議会、四賀地区住民説明会での参加者のこうした発言に対する回答として、この際明確にする必要がある。
 それ以外に、事態が進展する道はない。
 四賀地区のすべての人がこうした立場をとっているわけではないはずだ。  
  そして、四賀地区の危機管理対策等、松本市長として行なう施策は別物として進めることが合理的であることが、「断念」以来、この議会までの実践を通じても明らかになったと思う。

 私たちも、今後は具体的に施策の提案をして行きたいと思う。
  いくつかあるが、緊急性のあるものとして、まずその一つは、143号の改良だ。
  いわゆる「大口沢の大曲」と、現在橋の工事中の小谷橋と中谷橋の間の「カーブの逆傾斜」の解消は、直ちに着手すべきだ。  
  カーブは、普通は、Rの中心点に向かって、道が傾いているのに、この箇所は逆になっている。  
  その結果、車が道路から落ちていると聞く。ましてや冬場の凍結道路となれば、直ちに対応が必要だ。

 

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6月19日(月)

 「新らたな『学童』潰しが始まっているのですか?」 
  

 15日の議会終了後、何本も電話が入ってきた。
  表題の方は、帰宅すると今日突然入ってきた電話だった。
  やはり、市の方針は、表向きはわかるが、「不安で信じられない。」というものだった。

 既報の「放課後児童健全育成事業の見直しについて」は、私たちは放課後児童対策を「3K」の子育て支援策の一環として、松本市が責任を負う形で、公設・公営で行なう立場に踏み切った点を評価し、今後、保育の質の問題、現在の学童の指導員の雇用や身分保障の問題、200人を越える需要が見込まれる中での運営のあり方についてなど、重要な不安材料、懸案事項は、これからの関係者との話し合いの中で、納得と合意を前提に進めることを確認して、この方針を歓迎する態度を明らかにしました。
  それは、何よりも当時から求められていた留守家庭児童(当時は、「鍵っ子」とも言われた。)の放課後の生活の場の保障を、本当ならば行政が行なうべきところを、町会長、民生委員、学校長、PTA会長など地元関係者で作られた運営委員会に「補助金」を出す形で肩代わりさせていたものを、市の責任で直接行なうという点が、いままでと大きく転換された最も重要な見直しの中身だからです。

 この間の学童保育の運営は、運営委員会の方々のご協力をいただき、父母会は、財政的な脆弱さをカンパ、バザー活動などを通じて、そして、指導員の皆さんには、そうした台所状況をご理解いただいたうえで、不十分な身分保障のなかでも、長年ご苦労を重ねてきた経過があります。
  学校の敷地内の建物は、その多くが父母の負担で、800万円前後で建てた物です。 その建物も子ども達の増加で、増築、改築を繰り返し、さらに老朽化も加わり、これからの見通しが危ういという状況のクラブも少なくありませんでした。
  それでも、「いくら財政的には大変でも、本当に安心して働け、子ども達の成長も保障される学童を残して行きたい。」の気持ちで、これまで学童クラブは、引き続き主に毎年の父母会と役員の皆さんの苦労に支えられ運営されてきました。
  それに対して、この間前市長時代、松本市は、学童クラブに対して、児童館・児童センターに「一本化」する事に同意するならば、市の責任で学童保育を行いますという方針が出されていました。
  それを今回は、これまでの学童クラブの取り組み・実績を認めた上で、その良さを継承する事を前提に、公設・公営で学校敷地内で(隣接の土地を含む)、建物も市の責任で建て、進めるというのです。
  確かに、現在学校敷地内で行なわれている学童クラブを、児童センターではなく学校敷地内に、登録児対策と一緒にするいうのは、「場所」が児童センターでないだけで、「一本化」には変わりがないではないか、どこが違うのかと思われるのも現象面としては仕方のないことかもしれません。  
  しかし、それは、個別の学童が、児童センターへの「一本化」の条件を呑むか、飲まないかの今までの方針と、今後松本市の放課後児童育成事業を、市の責任で、全面的に展開する。 そのために関係各者の皆さんと今後話し合いを進めながら事業展開するというのでは、市の方針に従うのか、それとも協働の営みとして、今後のあり方を検討するのかでは、明らかに大きな違いがあります。
 私は、そう思うのですが、いかがでしょうか。

 15日に行なわれた教育民生委員協議会では、以下のようなやりとりがありました。

Q:現在の指導員の今後の採用は、身分保障は、どうなるのか?運営委員会はそうするのか?
A:今後話し合いをしていく。 運営委員会は、存続する。

Q:施設の基準面積等は、どうするのか?
A:基準は考えていかなければならない。

Q:関係者との常設的な話し合いの場を、全市的に持つ事については?
A:今は、運営委員会を窓口にあらゆる話し合いをして行きたい。 その中身は、もろもろの問題がでてくるから、真摯に話し合って行きたい。

Q、個別の運営委員会との話し合いの積み上げだけでなく、全市的に投げかけて協働の取り組みが必要ではないか。
A:当面、個別の取り組みでよいとは考えているが、必要があって、全市的に話し合いをしたいということであれば、なんら拒むものではないし、そうした話し合いをしたいと思っている。 相手は学童クラブだけではなくて、児童センターの方が圧倒的な子どもが来ているので、その子供さんに対しても、その運営委員会、その保護者に対しても同じように話し合いをしていきたい。

  という事が確認されています。

 関係する個別学童クラブとの話し合いは、緊急に解決が求めらている事への対応として必要ですが、それと平行して、各種団体との懇談会もすぐに必要です。
  いわば、松本市の学童保育のあり方というべく、検討委員会をすぐに立ち上げて、そうした話し合いでの内容も踏まえることが、個別の学童間問題の解決という店で、相乗効果を発揮する事が出来るでしょう。
  「200人超」問題は、いわば松本市の市政史上初めての取り組み、挑戦にもなる課題です。

 これこそは、関係者の知恵と力の発揮のしどころです。
  そして、これこそ新しい「松本市の協働」作業になるでしょう。
 すべては、これからです。

 電話の方とは、そうしたお話をした。

 続きは、後に)

 

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6月18日(日)

 「後世の"審判"受ける偽り」 
  

 日刊「しんぶん赤旗」の本日付のスポーツ欄に、注目すべき記事が載っていた。
  「しんぶん赤旗」W杯現地取材チームの一員である和泉民郎記者の「鼓動」という囲み記事だ。  
  それによると、15日に行われたイングランド対トリニダード・トバゴ戦でのクラウチ選手のヘディングシュートは、相手DFの、後ろで束ねた長い髪を引っ張り、ジャンプできないようにしていたアンフェアーな行為だったという。

 「後世の"審判"受ける偽り」と題された記事の全文は、ここをクリック  

 この記事の中身は、知る限り、現在まで国内のどの放送局もマスコミも報じない中身だった。
  確かに、一般紙に載っている写真も、ほとんどはブラインドとなって、この記事の指摘の中身はわからないものだが、事務所にあった16日付の信毎夕刊に載っている写真は、この記事の中身が見て取れる角度から写されている。
  その写真については、ここをクリック  

 又、同じくスポーツナビの写真もある。
 その写真は、下記のアドレスで見れます。
  http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/wcup/06germany/photo/0615/04.html

 4年前と違って、今回のW杯は、可能な限り、HDDに録画してあるので、あとで確認してみようと思う。

  実は、この記事に関心を持った理由は、もう一つあった。
  日本人で今回のW杯の主審を務める上川徹さんの試合でもあった点だ。 上川徹さんについては、以前NHKが、にんげんドキュメント「もうひとつのワールドカップ〜審判・上川徹の挑戦〜」の番組で伝えていたが、たまたま我が家では、この番組を次男も交えて見ていた。
 赤旗でも以下の記事が、上川さんのことを報じている。
  その記事は、ここをクリック  

 そうした意味では、実に複雑な思いにさせられた。    

 「審判に気づかれないように、やるのもプロの技だ。」という声も出るだろうが、次男に、このニュースを見せると即座に「フェアープレイじゃない。」と反応した。  
  皆さんは、どんな感想をお持ちだろうか。

 ところで、今晩はいよいよクロアチア戦が行われる。
  夜は、事務所の泊まりなので、一人でテレビ観戦ということになる。
  「あきらめない!」に期待したい。

 

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6月15日(木)

 記念すべき画期的で歴史的な瞬間 
  

 15:19。
  思わず時計を見て、ノートに記録をしてしまった。
  教育民生委員長は、「放課後児童健全育成事業の見直しについては、出されたいろいろな要望を踏まえて、了承した。」とまとめた。
  「補助金」ではなく、学童保育が、公設・公営として、行政が直接かかわる、責任を持つ事を決めた、ある意味歴史的な瞬間となったからだ。

  いわゆる「つくり運動」から始まった私の学童保育・学童クラブとのかかわり。
  現在24歳の長男が、小学校へ入学する前から、そして三男が6年生最後の今年の春まで現役の父母として約20年間の年月を経ての結果だ。
  この結果を聞いた関係者の一人は、
  「市長が掲げる『3K』の内の文字通りの子育て支援そのものだ。地域の運営委員会や父母会任せでなく、市が乗り出す事が必要だった。良い結果だ。」と語った。

 私が議員に初当選したのは昭和62年の4月。
  そして、この学童保育問題をはじめて一般質問で取り上げたのは、平成元年(昭和64年)の12月13日の本会議。 (それまでに、委員会では取り上げてきたが、)
  そのときの会議録が、いま手元にある。

 委員会終了後、図書室に行って、探し出しコピーしてきた。

  「共働き家庭、母子・父子家庭で働く親の権利を守り家族全体の生活を守ること。
  そして学童の放課後の生活を守ること。これらを基本的な要求に松本市の学童保育運動は、いまから12年前の1977年、松本市に産休明け乳児保育と学童保育をつくる会が結成、翌年2ヶ所でクラブが発足しました。
  以来今日まで留守家庭の父母の真剣な努力と行政の施策によって15の小学校区で実施、並柳、島立児童センターを加えると、17の小学校区で留守家庭児童対策が行なわれています。
  ここまで発展してきた学童保育運動ですが、常にやむにやまれぬ父母の事情から、学童クラブが先につくられ、行政対応が常に後追いということが重なって、今日少なくない問題を抱えています。・・・」

  と質問は始まっています。
  それ以来、本会議、委員会、決算特別委員会の場で何度この学童保育問題を取り上げてきたか、記憶では回数はわからない。
  しかし、ある意味ライフワークとしてこの学童保育問題は、一貫して解決すべき課題として位置づけ、その時々の問題解決のために、提案を含めて取り上げ、発言してきた。

 歴代の市長3人、そして健康福祉部長(社会部長 当時)課長、そして、教育委員会の関係者など、何人もの方と侃々諤々論戦を繰り返してきた。
  時には、喧々囂々となった場面もあることを記憶する。
  そうした意味で、実に感慨深い日となった。
  (そんなこともあってか、まとまりのない発言をしてしまったかもしれなかった。)

 委員会終了後、 「共産党の池田さんが言ってきたことだから、反対しなくてはいけないと思ったが、」と、本音ともいえることを言ってきた議員もいた。  
  この約20年間の中では、実はそうした「動き」や「力」が働いて、解決を遅らせてきた原因にもなっていると思われる場面がいくつもあったが、今回はこの議員さんも含めて委員会の総意として「了承」となったのだ。

 今回の方針転換は、誰もが今までの方針であった「児童センターへの一本化」が、今ある問題を解決する方法としては、見直さなければ事態を打開できない点で、時の流れを必要としたが、議会でも全員で一致できたという事が何よりも大切だと思う。
 関係者の皆さんのこれまでの取り組みと努力、ご協力には、かなりの苦労があった事は、十二分に伝わってくる。

 さて、問題はこれからだ。
  公設・公営で行うと言っても、
「不安が残る。」
「10年前ならともかく、いまさらの感がぬぐえない。」
「市役所のいう事は、いつも信用できない。この方針事態は良い事だが、何か裏があるように思えて仕方がない。」
  これが、正直なこれまで、学童保育にそれこそライフワークでかかわってきた方々の偽りのない気持ちの一部だ。  

 確かに、これまで、かなり以前までの市側の「対応」の中には、こうした思いをさせるに十分なだけのものがあったことは、偽りのない気持ちとして私も十分理解できる。
  これで問題が解決したわけでない事はもちろんのことである。
  いよいよ、本格的に、松本市の子育て支援策としての放課後児童対策をどうするのか。
  緊急に解決が求められていることもあるが、それはそれとして直ちに合意を得て対応するとして、少し時間をかけて、昨年の12月議会で提案したようにこれまでかかわってきた関係者の「協働の取り組み」の力を発揮して、前進することが必要と思う。

 委員会では、南山議員とともに、今後考えられる問題点などの指摘と、その解決の方向等に関して発言したが、課題はたくさんある。
  たとえば、いままで学童クラブで行なわれてきた「保育の質」が低下しないか。
  どうすれば、誰もが安心して預けられる内容に出来るか。
  現在、寿小学校区では、児童センターの「登録児」が、170人超、学童クラブが約30人、それを合わせて、「200人を越える子ども達を抱える」学童保育の姿は、私も想像できない。
  果たして、これだけの人数規模に見合う施設と保育内容とは。

 などなど関係者の知恵を合わせることが不可欠だ。
  その際、最初から「行政はそこまでは出来ません。」という姿勢でなく、重ねて言うが、「協働」の解決に向けての営みが一番重要となる。

 

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6月13日(火)

 学童保育の見直し案が提案されます 
  

 一般質問2日目。  
  行政改革に関連して、「事業仕分け」の手法の導入を求める質問が公明党議員から行なわれた。
  それに対しては、「先進自治体の状況等を参考に、さらに研究していきたい。」旨答弁があったが、この「事業仕分け」は、民間シンクタンクの「構想日本」が提唱しているもので、 検討を要する重要な問題だ。  
  (詳細は、いずれ)

 ところで、本会議終了後に、各議員宛のポストに、「放課後児童健全育成事業の見直しについて」が、協議事項として、15日の教育民生委員会に提案される主旨の文書が配られていた。  
  見直しの中身は、 「放課後児童健全育成事業は、公設・公営の放課後児童クラブとして、学校敷地内へ施設を建設するとともに、学童クラブを統合し、実施することとします。」  となっている。

 放課後児童健全育成事業とは、私たちが使い慣れている名称でいう「学童保育」と、現在児童館・児童センター内で行なわれている「登録児対策」をさすが、これまでは、「学童保育はやめて、登録児対策に一本化する」が方針であったが、この方針の根本的な転換となる中身で、この間、学童クラブの関係者や私たち日本共産党も求めてきた中身に基本的には沿った内容となっている。  
  直近では、私が昨年の12月議会に取り上げている経過がある。
   その質問については、ここをクリック
 

 詳細は、15日の委員会での協議後にお伝えするが、基本的には学童関係者の願いが実現した方向だが、いろいろな不安や課題が多い事は明らかだ。
 
  提案されている協議事項の「放課後児童健全育成事業の見直しについて」は、ここをクリック

 追伸) 6月議会速報「こんにちは 日本共産党松本市議団です」を発行します。  
    速報は、ここをクリック 
  事務局の三村さんの協力を得て、昨日の議会質問、答弁の内容を伝えています。

 

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6月12日(月)  その2

 保険税軽減世帯には、必ず通常の保険証を発行、
  1カ月単位の短期被保険者証の発行は、止める。     国民健康保険  

  

 国民健康保険の「資格証明書」及び「短期被保険者証」に関して、今年の2月議会、「市民の健康を守るという観点から、交付基準については、見直しを行う。」 との答弁があった事をお伝えした。
  その見直しの内容が、今議会の答弁で明らかにされた。

  「資格証明書」については、
・「世帯員に乳幼児(0歳〜6歳)がいる者、母子世帯の者」には、資格証明書は発行しない。
・ 資格証明書の有効期間は10月1日から翌年9月30日の1年.間ですが、次年度更新時期には、これに代えて短期被保険者証を交付する。 すなわち、同一世帯に対して、2年度間に渡っての資格証明書の発行はしない。

  「短期被保険者証」については、
・「世帯員に乳幼児(0歳〜6歳)がいる者、母子世帯の者」及び、国の定める法定減免対象者(6割、4割軽減世帯)には、短期被保険者証は発行せず、通常の被保険者証を交付する。
・ 有効期間は、原則的に1カ月単位の短期被保険者証をやめ、3カ月、6ヵ月、9ヵ月単位の被保険者証を交付する。

  この交付基準は、いずれも平成18年10月の資格証明書・短期被保険証更新時から適用する。
  また、こうした交付基準の見直しにより資格証明書、短期被保険者証の発行数は、概算で約1,000件が減少する見込みとの事。

  見直し基準に関しては、ここをクリック  

 松本市は、今年の4月30日現在で、
  資格証明書は、     67件
  短期被保険者証は、 2383件  
  発行されているが、これが約1000世帯分減る見通しという事になる。

 果たして、これで、「健康は何よりも大切」というものさしに照らして十分かどうかの検証は当然必要だが、いずれにしてもこの面でも、改善が図られた。

  (詳細は、後日)

 

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6月12日(月)

 「貸付金額は、当面の生活に困らないように対応する」  くらしの資金 
  

 6月議会一般質問。 日本共産党からは、倉橋、南山議員が質問にたった。
  格差社会が進行し、生活保護を申請する世帯が増えている。
  生活困窮者が来所した際の窓口の対応と保護費支給までの生活費の保障についての対策に対し、健康福祉部長は次のように答弁した。

  「生活保護制度は、生活に困窮された方々に対して憲法第25条に規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する最後の砦であると同時に、その方々に生活面の自立を支援する制度です。」

  「本市の窓口の対応についてですが、生活に困窮する方が窓口に来られた場合は、生活保護制度の主旨・目的を理解していただくように説明をするとともに、他法他制度の活用なども含め、相談者にとって最良の方法を共に考えております。 また、申請の意思が明らかな場合は、申請をしていただき、法定期限である14日以内に調査を行ない、速やかに決定をするように努めております。」

  「次に保護費支給までの生活保障についてですが、保護申請から保護費が手元に渡るまでの間の生活に困窮している方につきましては、社会福祉協議会が行っている「くらしの資金貸付制度」を活用しております。 貸付金額につきましては、困窮の度合いや世帯構成等その方の状況に応じて、当面の生活に困らないように社会福祉協議会と連携を図り対応してまいります。」

  「本市の生活保護世帯は長期の不況を背景に、平成7年度を底として微増傾向に転じ、平成10年度から世帯・人員とも更に増加傾向となっています。 生活保護を必要としている方は速やかに保護をするとともに、保護した世帯につきましては、生活を立て直し自立していただくように支援してまいります。」

 先月の5月24日、教育民生委員会で、「くらしの資金」については、「貸し出し上限額(5万円)の増額も含めて、制度の充実を考えて行きたい。」との意向が表明されたが、早速本会議で正式に、制度を運営している社会福祉協議会と連携を図り、「困窮の度合いや世帯構成等その方の状況に応じて、当面の生活に困らないよう」貸し出し金額の増額を考える答弁された。

 これで、また一歩だが貴重な前進方向に踏み出した。
 ( これまでは、既にお伝えしたように、3万円が事実上の限度額となっていた。)

 

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6月7日(水)

 松本市の「ジニ係数」 
  

 毎年発表される「市税概要」という冊子がある。
  その資料から、松本市のジニ係数の経年変化を調べてみた。
 (ジニ係数については、この下にある5月20日付けの日誌をご覧下さい。) 

 この冊子には、年度ごとの課税所得の状況を示すデータが掲載されている。
  そのデータ中から、所得金額については、国の発表するジニ係数では、「当初所得」となっているが、今回の場合は、資料中、「納税義務者数」と「総所得金額等(山林所得含)」を使って、ジニ係数の計算方式により、エクセルを駆使して、数値を出してみた。
 
  その年次推移のグラフは、ここをクリック
  (そうした意味では、「ジニ係数」というのが正確なのかもしれない。)

 グラフを見ると解るが、先日の日誌でお伝えしているように、日本全体とは違って、経年変化は一様ではないことがわかるが、傾向として「1」に近づいていると言え、格差の広がりを確認できる。  
  尚、たとえば、8年度、12年度など下がっているのはなぜなのか、独自の分析の必要性を感じるが、とりあえず発表する事にした。  

 さて、今議会で、格差社会の問題を一般質問では、倉橋議員のほかにもう一人の議員が取り上げる。
 いままで、税負担、社会保障の負担ではいずれも「低所得者対策」ということが求められたが、いまやそれだけにはとどまらない「貧困者対策」とでもいうのが正確なのかそうした観点からの問題の把握が必要だ。

 

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6月8日(木)

 ジーコと愛国心教育 
  

 以前にもご紹介した事があるが、しんぶん赤旗に、毎週木曜日に「こどもとスポーツ」という連載がある。
  昨夜は、事務所の泊まりの日で、朝一番に赤旗のこの記事を読んだ。
  タイトルは、表題どおり「ジーコと愛国心教育」。  
  そのまま、皆さんにご紹介したいと思います。     ここをクリック

 また、今日のしんぶんには、先日お伝えした志位委員長の講演「教育基本法改定のどこが問題か」のテキスト版も発信されている。
  競争じゃなくて助け合いのフィンランドの教育が、日本の教育基本法を参考にしたという興味深い話も紹介されている。
  テキスト版は、ここをクリック 

  いよいよWカップは、2日後に迫った。 次男がサッカーに夢中になってから、早4年が経ったという事だ。

 6月議会準備と重なるが、寝不足にならないようにしたい。

 

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6月6日(火)

 国策に従う人間づくりが狙い  教育基本法改定 
  

 日本共産党本部ビル大会議場で、教育基本法改悪反対の演説会が行なわれた。
  「教育基本法改定のどこが問題か」と題して、志位委員長が講演を行い、わたしたちも地区委員会でCS通信の中継を見た。  
  党本部では、第二会場も含めて約800人が参加したが、CS通信の他、インターネットでも同時中継され、全国でどれだけの人達が、同時に視聴したか。  明日のしんぶん赤旗で発表されるだろう。  

 インターネットの録画中継は、ここをクリック

 志位委員長は、教育基本法を全面的に作り変える狙いが、「海外で戦争をする国」「弱肉強食の経済社会」づくり――この二つの国策に従う人間をつくることにあること。
  特に、二つ目の狙いに関連して、日本の政府・財界は、教育の世界をいっそう競争本位にして、子どもたちを早い時期から「負け組・勝ち組」に分け、弱肉強食の経済社会に順応する、従う人間をつくること、格差社会を支える人間づくりを狙っていることを、次のように二人の人物の発言を紹介して明らかにしました。

  一人は、元教育課程審議会会長で改定を推進した作家の三浦朱門氏。
  「出来ぬものは出来ぬままで結構。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることにばかりに注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける」
  「100人に一人でいい。やがて彼らは国を引っ張っていきます。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養ってもらえばいいんです。」  
  エリートだけ育てればいい。後はそのエリートに従う従順な実直な精神を養ってもらえれば良いんです。という事です。  これが、20項目の「徳目」の中身だ。

 もう一人は、教育改革国民会議で座長を務めたノーベル物理学賞受賞者の、江崎 玲於奈氏。
 「ある種の能力が備わっていないものがいくらやってもね。いずれ就学時に遺伝子検査を行ない、それぞれの子どもの遺伝情報に見合った教育をしていく形になりますよ。」  
  人間の能力は、遺伝で決まる。ヒトラーばりの優生学に結びついている考え方。

 正に、お国のための人づくりの狙いが明確だ。
  この問題。
  基本法改定前から、既に先取り的に学習指導要領で、「日の丸・君が代」を強制したり、「愛国心通知表」として教育の現場には取り入れられている地域があるが、松本市の現状はどうであるのか。
  今6月議会では、南山議員がこの問題を取り上げて質問する。

 今日、正午に今議会の質問の通告が締め切られたが、この教育基本法問題を取り上げるのは、南山議員だけである事がわかる。  

 質問者と質問項目の一覧は、ここをクリック

 抽選の結果、倉橋、南山議員の質問は、12日(月)の午後3時過ぎからの予定となった。  
  是非、傍聴にお出掛けください。

 

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6月5日(月)

 危機管理に関する施策は、直ちに具体化が求められる 
  

 6月定例議会。
  開会にあたり菅谷市長は、 「市長就任3年目の初めての定例会となりますことから、提案説明に先立ちまして、冒頭、松本市が、現在抱えております懸案事項等につきまして、若干申しあげたい。」と挨拶を始めた。  
 
  その冒頭で、「松本・四賀直結道路」について、
  「(住民説明会が、)4時間近くにわたり開催されましたが、せっかくの対話集会にもかかわらず、実り少ない残念な結果となった。」
  「当日会場に足を運んだ四賀地区の皆さんの多くが、旧四賀村の将来の財政基盤の弱体化や住民サービスへの懸念から、合併を選択したのではなく、もし、ただ単に『松本・四賀直結道路』の実現のみを期待して、合併したということであるなら、そうした皆様方には、平成の合併の本来的な意義を改めて考えていただきたいと思う。」
   と述べ、
  「なお、『この直結道路』に代わる施策につきましても検討を進め、その内容や今後の進め方につきまして、一定の整理ができた段階で、議会にもご報告、ご協議を申しあげてまいります。」  
  と結んだ。  

 去る5月29日の定例記者会見では、「(代案については)場合によっては6月議会以降になることもやむを得ないかというふうに思っております。やはり拙速な形でやるべきではないだろう。」  
  と、述べていたことからすると、6月議会開会時には、間に合わなかったが、今後「一定の整理ができた段階で」いつでも明らかにすると私には取れた。またその必要があるだろう。    

 先日行なわれた審議会や説明会の中身が、必ずしも四賀地域の皆さんの現時点での意向を表すといえない事は明らかではあるが、事態の本質を良識を持って理解していただくのに時間は必要だ。
  しかし、「生命の危機管理に必要なこと、行政としてやらなきゃいけないことはあろうかと思います。これは粛々と、進めていきたい。」 これも、記者会見での市長の発言だが、正にその通りだ。

  「トンネルに代わるもの」という事になれば、「トンネル断念は承服できない。」以上、事態は進まないのが現状だが、危機管理に関する施策は、日々の危機管理という観点からも、それとは関係なく、直ちに具体化が求められる事を否定する方はいないだろう。

 そのほか、市長は、以下の項目

・市役所庁舎の耐震補強工事の進捗状況について
・ 「3Kプラン」の子育て支援に関連して
・ 市制施行100周年の取組みについて

 について、議案の提案説明の前に、報告した。      全文は、ここをクリック

 議会は、12日(月)〜14日(水)の3日間、一般質問が行なわれる。
  今回、私たち議員団は、倉橋、南山両議員が質問を予定している。

 

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6月4日(日)

 牽強付会(けんきょうふかい)の極み 
  

 先週の日曜日(28日)に行われた、四賀地区住民への説明会の様子が4時間にわたって再放送された。
 
  菅谷市長は、

 5月17日に行われた松本市四賀地域審議会では、「きちんと耳を傾けていただけず、残念ながら、『認めがたい』との集約」となったが、本日は、四賀地区の将来を見据えた「建設的な対話」を節にお願いする。  

 と開会の挨拶で述べ、説明会は始まった。  
  しかし、理事者の説明が終わった後のそれは、
  「そんな話じゃねえーわ」
  「うそをつくな」
  「嘘つきだ。裏切りだ。」
  「バカ」
  「市長、答えねえなら辞めろ」
   など、「野次と怒号」と言う言葉があるが、まさにそうした展開となった。
  発言中の部長に対しても、「(発言を)やめろテメー」という罵声までが飛び交った。  

 理事者の事実の経過の説明に嘘はなく、市長の決断にいたるまでのその取り組みに公平さを欠いたものはない。
 
  放映された中身は、 そのことを十重承知しながら、ただ保身のためだけの醜態を演じる監督が、配られた資料を丸めたメガホンを持ち、あらかじめ自ら用意したシナリオ通りに、一部の人たちを出演させ、語らせる演出そのもので、17日に行われた松本市四賀地域審議会以上のものだったことが、改めて伝わってきた。  

 「監督」が蓋し至言であることは、28日が済んだ後、四賀地域の方から私に寄せられた電話の話で裏付けられた。
 どうやら、28日を前に、「80人程」の「出演者」が、監督の後援会長名で松茸山荘に召集され、野次も含めて、各々の台詞の打ち合わせ行ったらしいことが、さっそく伝わってきたのだ。  
  テレビで見ると、明らかに「召集されなかった」参加者には、この異様な雰囲気に最初から戸惑いの様子が見て取れる。  
  またしても、仕組まれてしまった説明会となった。  

 そして、その「監督」が最後に「総仕上げ」としてあらかじめ用意し、語った台詞は、まさに牽強付会それそのものだ。
 その監督は、次のように語った。

  「私は最後ですから、3分間といわないで下さい。まず市長さんが本当に誠心誠意、市民に語ろう会で説明した。四賀直結道路の財源内訳を説明した。総事業費は80億円、うち半分の40億円は国庫補助金、残り40億円の95%の38億円を合併特例債、5%は2億円。これで事業を開始しますと言い切っております。市長さんがこれをやりますと市民に説明なさってます。 (以下続く) 」

 しかし、この説明は、合併前に行われた旧松本市の30地区の「市長と語ろう会」での資料の1部分だけを意図的に取り出しただけの物です。
  「まちづくりのために要望されている事業」として、松本市も含めて旧4村から出された事業が紹介される中で、確かに松本・四賀直結道路建設事業が紹介され、合併特例債の説明に続き、「松本・四賀直結道路の財源内訳」を説明している資料はありますが、台詞のように建設することを説明しているものではありません。  
  この台詞の出処が、「語ろう会」で使われた資料であることは、 「緑で示した最初の2億円と合併特例債の地方交付税措置を除く11億4000万円の合計13億4000万円が市の負担分」と発言していることからも明らかです。

 「語ろう会」で使われたその資料の部分は、ここをクリック
  「緑で示した」2億円の部分から確認できます。  

 それを、今日に至っても、最後の語りの中で、自らの保身の為に使っているわけです。
  この間の発言のそのほとんど同じく、まさに自らに都合のいいものだけを引っ張り出してくる手法以外の何者でもありません。

  「怪文書」の場面は、またしても登場しました。
  今回は、審議会長名の市長宛の文書を、発行元を消して「怪文書」扱いしたのは誰だ。 その責任を追及するというところに重点が置かれた演出だ。
  しかし、発行元を消したことは実に公平なものだ。その点は実に明白だ。
  行政からの独立性を持たせるために第三者機関として設置した研究会に対して、「地域審議会」という行政機関一部が、その行政機関として意見を言うとすれば、それこそ公平性を欠く行政からの圧力になりかねない。
  一市民からの声とは違うのだ。
  だからこそ、文書は、公文書として扱い、研究会には、一地域住民の声として紹介し、研究会として正式な議題とし、検討課題とした判断は、実に正しい。
  その点は、明確な点だ。何のやましさもないものだ。  

 そんなことのやり取りで、ほとんどの時間が費やされてしまった。

 この日の説明会には、「別の代わる施策の基本的な考え方等」 ということで、「資料5」が出されたが、「対案もねえじゃねえか。バカ」という野次も飛び、実質的な話し合いには至らなかった。  

 資料5 はここをクリック  

 まさに、「やくざの世界」との感想も寄せられた。

 しかし、この状態で膠着させてはならない。
  市長が確か先の記者会見で述べたとおり、 「危機管理上、とりわけ人命に関わることで、やるべきことは、直ちにやることが大切」だ。
  市民の安全・健康守るための危機管理・施策を遅らせてはならない。  

  明日5日は、6月議会の開会日だ。  
  市長の提案説明が注目される。

 

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6月1日(木)

 米沢城に続き、全国で2例目の逆茂木(さかもぎ)跡   松本城 
  

 先月26日の教育民生委員会の管内視察で、土井尻の松本城総掘の土塁の発掘現場を見たが、今日改めてその現場を訪れてみた。
 住所は、大手2丁目54番1号。場所は、西堀通りから、NTTに抜ける道沿いにある。  
  前回よりも発掘が進み、逆茂木の様子は、さらに分かりやすくなっていた。  

 本日撮ってきた写真は、ここをクリック

 逆茂木[さかもぎ]・乱杭[らんぐい]は、先を尖らせた杭(乱杭)や、鋭い枝の付いた木を斜めにたくさん立てて(逆茂木)、敵の侵入を防ぐバリケードの役割をはたしていたと考えられているものだが、お城の総掘りの立ち上がり部分の逆茂木の発掘は、米沢市の米沢城に続き、全国でもたった2例目で、かなり貴重なものだ。

 米沢城の発掘の様子は、ここをクリック  

 城の逆茂木については、東京国立博物館に所蔵されている「大阪冬の陣屏風」にその様子が描かれている。  
  この図については、ここをクリック 
   (中央部分に、大きく鍵型に堀の周りに配置されているのがわかる。)

 土塁の保存状況は極めて良好(土塁の面積東西6m×南北12m 72u)で、5月16日には文化庁文化財調査官が現地調査を行い、松本城築城当時(1593年〜1594年)に築かれたと推定され、城郭構成上極めて資料的価値の高いものとしての評価を得ている。
  国の史跡指定の見込みがあり、国からの指導を受けて、発掘が行なわれてきた。
  今後の対応としては、土塁の所有者と協議し、関係用地を取得して保存整備を行なうことが確認されている。

 なお、6月18日(日)には、現地の一般公開も検討されている。

 

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