平成17年 12月 定例会-12月12日

 質問)
  次に、学童保育に関連してお聞きします。  
  子供をめぐる事故が多発しています。しかも学校からの帰宅の時間帯にこうした事件に巻き込まれる。
  放課後、働く父母が実に安心して預けられる施設としての学童クラブの必要性を改めて実感するのは私だけではないと思います。  
  私は、たまたま鎌田小学校区内に住んでおります。鎌田小学校区では学内に1つ、そして19号線を渡って西側に児童センターがあり、大きく国道を分けて2カ所の放課後児童対策が行われています。
  学校内にクラブがあることの、こうした施設があることのよさは、移動することなく安心して放課後が、親が迎えに来るまで過ごせるということです。
  また、学校から離れていて、自宅に近いところにそうした施設があることも安心の1つでしょう。  
  学童保育の問題は、私はこの間何度もこの議会で取り上げてきました。
  私たちは、この学童保育については、放課後安心して預けられる保育施設の位置づけをまず明確にし、児童育成クラブと児童館、児童センターの一本化を前提とせず、放課後児童健全育成事業を行うこと、こういう申し入れを行いました。
  松本市には、それぞれの時代に学童クラブのつくり運動の時期から、いろいろな形で現在まで放課後児童育成事業が行われ、名称も、そして運営形態もさまざま、幾種も残っております。
  そして、そのおのおのが行政からの支援形態の違いで父母や指導員の負担に違いがあるものの、いずれにしても今日までその役割をしっかり果たしてきています。
  実に長い歴史であり、いわば松本型と言っていいものです。  
  その形態の1つである、学校の敷地内にあり、施設は公設、運営は地域の運営委員会方式で行われている旭町小学校の児童育成クラブの問題が現在、建物が老朽化し、狭隘化の中で建てかえを迫られています。
  この問題は、いわば松本市の歴史が持つ象徴的なケースだと思います。  
  まず、直面しているこの旭町の問題に関してお聞きします。旭町の関係者は、現地の敷地内に自力で施設改修を計画されているようですが、市としてこれについてはどうするのか、その考えをお聞きしたいと思います。

 ◎健康福祉部長(和田孝一) 答弁
 次に、学童クラブに関するご質問にお答えいたします。  
  旭児童育成クラブは、市が学校内に建設し、無償貸与した建物を使い、昭和54年4月に発足し、放課後児童健全育成事業を実施しております。
  建設後26年が経過しているとともに、47.5uの建物に現在75名の児童が登録、利用しており、老朽化と狭隘化のため施設の改修が急務であり、旭児童育成クラブ運営委員会で施設の建てかえを計画しているとお聞きしております。
  現在、旭町小学校通学区域にあります元町、また南郷児童館は建物も狭く、学校から遠いため放課後児童健全育成事業を実施しておらず、この区域の留守家庭児童は旭児童育成クラブを利用しております。
  このような現状を考えますと、本市としましては児童館、児童センターと児童育成クラブの一本化方針ではありますが、旭児童育成クラブ運営委員会の現地改築案も選択肢の1つとして検討してまいりたいと考えております。

 2回目質問)
  学童保育については、1つ問題提起と提案をします。
  先ほども言いました放課後児童健全育成事業に関しては、この間、私は何度も取り上げてきた経過があります。
  子育て費用のことでは、運営形態の違いによる父母負担の格差の問題及びその解消が大事だということを言ってまいりました。この問題では、残念ながら、根本的な解決という点では足踏み状態というのが今の現状ですけれども、こうした問題が時間の経過の中で何度も何度も出てくる。
  結局のところは父母負担の問題で、この問題が顕在化してくる。これが何を意味するかということです。 今回は旭町小学校に出たと。
  学校敷地内に建設されている学童クラブは、既に築10年以上経過しているものがほとんどです。しかも、そのときに財政難からほとんどが中古のプレハブ、いわばプレハブの材料代はただでもらって、建設だけにお金を父母負担で出して建てたという経過があります。
  これから第2、第3の旭町が続いてきます。そのときに、この対応をどうするのかと。
  先ほどの答弁では、学内での建設も1つの選択肢と、その前の大前提が一本化の方針ではありますがということでしたけれども、重要なことは、これらの問題がいつまでたっても出てくるところに根本的な解決が行われていない。
  では、その問題は何なのかと。
  一本化の方針というのがやはり今のこうした問題の解決を阻んでいる、このことの一番の証明だと思うんです。  
  ですから、これからの放課後児童健全育成事業を展開するに当たっては、一本化の方針は現状に合わせて、今ある問題点を解決する上でどうするかという解決の方策を検討する上でも、この一本化の方針の見直しの時期が既に来ている。
  このことでは見直しで新たな方向に踏み出すことが必要だと思います。  
  児童センターの中で登録児対策を行うという提案がありました。
  地域の要望でも確かにあります。既に希望児童が予想を超えて集まってしまっている、こういう現状もあります。
  そして、父母負担に差があっても学校敷地内であることが一番安心という人たちは、確かにバザーなどの保護者会のいろいろな行事、苦労はあっても母親同士、親同士の触れ合いの中で子供の成長をともに見守り、悩んだり、また指導員の皆さんとの協働で充実した保育が行われている。
  一方で、児童センターにも近くにあるということで預けている方がいらっしゃいます。  
  そうした一連の松本市のいわば松本型の放課後児童対策、保護者はもちろん、それを見守っているおじいちゃん、おばあちゃんの協力も得て、実に有意義な子育てセンターとしての役割を学童クラブが果たしている、これも実際のところです。
  問題は、こうした全国に誇れる学童保育の歴史と伝統、実践の数々は、現にそれを必要とする関係者がいるからです。
  ぜひそれを言葉は言い過ぎかもしれませんが、無理やりに一本化という方針で進めようとしても、実際にはすべての小学校区でそういう方法がとれないことがはっきりしているわけです。
  重ねて、こうした長い歴史を持つ、そして地域の運営委員会の方々、それから父母会など、それこそこの間、協働で進めてきた、しかも子供たちの安心のためのという目的のために役割を分担し、その役割を果たしている学童保育の事業に、いわば真の意味での協働の方針を確立する必要がある、このことを今、提案したいと思います。  
  重ねて、一本化の方針の見直しを求めることを強く要望したいと思います。
  旭町に関しては、先ほどそういう方針が出ました。ぜひ現場の実情に応じて進めていってもらいたい。できれば、財政負担の軽減等もこれからでも対応を求めたいというふうに思います。