平成18年松本市議会6月定例会市長提案説明
本日ここに、平成18年松本市議会6月定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様方にはおそろいでご出席をいただき、厚く御礼を申しあげます。
さて、今期定例会は、私の任期の折り返しであります、市長就任3年目の初めての定例会となりますことから、提案説明に先立ちまして、冒頭、松本市が、現在抱えております懸案事項等につきまして、若干申しあげたいと存じます。
まず、「松本・四賀直結道路」について、 申しあげます。
去る5月17日の「松本市四賀地域審議会」への説明に引き続き、5月28日には、四賀支所ピナスホールにおきまして、「松本・四賀直結道路」に関する説明会を開催し、地元四賀地区の住民の皆様に、「市道としての直結道路」の建設を断念したことにつきまして、ご説明をさせていただきましたので、その概要をご報告いたします。
当日は、四賀地区の住民の皆様を始め、多くの市民の方々のご出席をいただき、私からこれまでの経緯や苦渋の選択に至った思いをご説明させていただきました。
とりわけ、「この直結道路」の取扱いの事実経過などにつきまして、わかりやすい資料を改めて作成し、会場の皆さんにお配りしたうえで、説明を行うなど、四賀地区の皆様に、正しくご理解いただけるよう、努めたところでございます。
また、「この直結道路」に代わる別の施策につきましては、「松本・四賀直結道路市民意向確認研究会」の調査報告書で提案された事柄も含め、新市の体制の確立や公平性の確保などの観点に立ち、「危機管理の充実」、「交通ア.クセスの利便性の向上」、「四賀の風土や歴史を生かした美し地域づくり」の視点から、現時点における市としての検討項目をお示しして、住民の皆様からの建設的なご意見やご提言を賜りたいと、お願いを申しあげました。
しかし、出席された皆さんからは、「直結道路の建設は、合併の前提条件であり、今からでも、断念を撤回すべきだ。」、「建設しないのなら、四賀地区は、松本市からの離脱もあり得る。」、「四賀地区住民にとっては、直結道路の建設をあきらめるわけにはいかない。」などといった、批判的な意見に終始し、私ども、市側の説明に、野次と怒号が飛び交うなど、冷静さを欠く異常な雰囲気の中、4時間近くにわたり開催されましたが、せっかくの対話集会にもかかわらず、実り少ない残念な結果となりました。
私は、この集会を通じ、少なくとも、当日会場に足を運んだ四賀地区の皆さんの多くが、旧四賀村の将来の財政基盤の弱体化や住民サービスへの懸念から、合併を選択したのではなく、もし、ただ単に「松本・四賀直結道路」の実現のみを期待して、合併したということであるなら、そうした皆様方には、平成の合併の本来的な意義を改めて考えていただきたいと思うものであります。
しかし、私といたしましては、「松本・四賀直結道路」につきましては、不退転の覚悟で決断をいたし、また、議会における集約をいただいておりますので、今後も時間を掛けて、市民の皆様のご理解を得られるよう、さらに努めてまいる所存でございます。
なお、「この直結道路」に代わる施策につきましても検討を進め、その内容や今後の進め方につきまして、一定の整理ができた段階で、議会にもご報告、ご協議を申しあげてまいります。
次に、市役所庁舎の耐震補強工事の進捗状況について 申しあげます。
昨年度、実施をいたしました、庁舎の耐震診断の結果をもとに、日々、利用される多くの市民の皆様や職員の安全確保を図るため、現在、耐震補強工事の基本設計を行っております。
この7月末までには、具体的な工法や工程につきまして、方針が決定できる見通しでありますので、決定した時点で、改めて議会にもご報告を申しあげてまいりたいと考えております。
さらに、議会からのご指摘も踏まえ、基本設計に引き続き、早急に実施設計を完了させ、できる限り早い時期に工事が終了できるよう、努めてまいります。
また、補強工事が完了するまでの間、万が一の地震に備えるために導入をいたします「緊急地震速報システム」につきましては、その設置工事が既に完了いたしまして、現在、稼働に向けて関係機関と調整中でございます。
なお、今議会で、平成17年度の一般会計補正予算の専決処分をご報告申しあげておりますが、この補正予算のなかで、庁舎の補強工事の財源に充てるため、庁舎整備基金に5億1,300万円を新たに積み立てております。
次に、「3Kプラン」のひとつであります、子育て支援に関連して 申しあげます。
松本市では、次世代育成支援対策推進法に基づき、体系的な子育て支援体制を確立するため、平成17年4月に策定しました、次世代育成支援行動計画について、合併4地区の行動計画を取り入れ、本年4月、新たな行動計画を策定いたしました。
この行動計画のなかで、特に力を入れておりますのは、在宅で乳幼児を育てておられる保護者への支援を強化し、孤立感や不安感を解消するための施策を、より一層充実することでございます。
具体的な事業について申しあげますと、昨年度から実施しております、「つどいの広場」事業は、歩いて行ける距離に、気軽に参加し、遊び仲間をつくりながら、時には相談もできるというような、楽しい子育ての環境を提供するものでございます。
今年度は、昨年度から6カ所増やし、11カ所で事業を行っておりまして、新たに事業を開始した地域でも、子育て中の保護者の皆さんに大変喜ばれ、好評をいただいております。
さらに、児童虐待などの要保護児童への対応につきまして、去る4月20日、市内の小中学校や、児童福祉団体など21団体にご参加をいただき、児童虐待の防止や早期発見を目指し、新たに「松本市要保護児童対策地域協議会」を発足いたしました。
松本市におきましては、一昨年の12月、幼い子ども2人が生命を落とすという痛ましい事件が起こりました。 その後、関係機関と要保護児童対策のネットワークの構築に向けて検討を重ねてまいりましたが、全国的にも児童虐待の件数が増加傾向にあり、松本市においても同様でございますので、今回の協議会の設置を機に、関係機関の連携をより密接に適切な対応を図ってまいります。
また、最近、幼い子どもが被害者となる悲惨な事件が全国各地で相次いで起こっておりますが、松本市では決してこのようなことが起こらないよう、市民の皆様を始め、関係機関のご協力を得ながら万全を期してまいります。
次に、市制施行100周年の取組みについて 申しあげます。
明治40年の市制施行以来、平成19年5月1日に松本市は満100周年という大きな節目の年を迎えます。
この節目の年に、市民が主役、市民総参加の記念事業を実施するため、平成15年から、市民意識調査、市民懇談会などの準備を開始し、平成17年5月には、この記念事業の基本計画を策定いたしました。
この基本計画を受け、昨年7月には、「松本市市制施行100周年記念事業実行委員会」が設立され、市民の皆様のご意見やご要望を取り入れながら、個々の事業の実現性や有効性について検討を重ねていただき、本年4月には、記念事業の実施計画を作成していただきました。
今後は、「輝くひと きらめく未来 100彩まつもと」のテーマに沿って、次代を担う子どもたちが夢や希望を持ち、生涯の思い出に残るような記念事業になるよう、職員ともども一丸となって、準備を進めてまいりますので、市民の皆様並びに議員の皆様の一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげます。
また、記念事業の内容につきましては、議会のご指摘を受け、松本市の地域特性を生かし、地域経済の活性化につながるような文化イベントを、目下、検討中でございますが、成案した段階で、改めて議会にご相談を申しあげてまいります。
なお、市制施行100周年を目途に進めてまいりました、アルプス公園整備事業、松本駅周辺や(仮称)平田駅周辺の交通施設整備事業などの関連事業につきましては、いずれも予定どおり、年度内の完成を目指し、鋭意努力をしてまいります。
それでは、ただいま上程されました議案につきましてご説明を申しあげます。
本日提案申しあげました議案は、条例4件、契約3件、道路2件のほか、急を要し専決処分をいたしました、予算11件の計20件となっております。
まず始めに、条例についてでございますが、都市公園の新設に伴う都市公園条例の改正のほか、公共下水道事業の計画の見直しに伴う条例改正、地方公務員災害補償法の改正等に伴う議員その他非常勤職員の公務災害等に関する条例改正、国の施行令の改正に伴い、消防団員の処遇を改善するための条例改正を提出しております。
その他の議案といたしましては、契約案件といたしまして、(仮称)平田駅周辺の整備に伴う、都市計画道路平田野溝線の「こ線橋」新設工事、年次計画で実施いたします、山辺小学校及び鎌田小学校の大規模改造事業の工事請負契約の締結3件のほか、道路関係2件をそれぞれ提出しております。
また、報告案件といたしまして、まず、去る3月24日付けで専決処分をいたしました、事務事業の精算に伴い、予算措置が必要となりました経費を中心に編成をした、平成17年度の一般会計及び地域排水施設事業など、8つの特別会計の補正予算の報告をいたしております。
全会計の補正額は、2億3,844万円の減額で、補正後の予算規模は、1,620億7,139万8千円となりまして、前年同期と比較いたしますと、13.2%の増となっております.
そのほか、制度上繰上充用が必要な、老人保健及び城山保健医療施設事業の2つの特別会計につきまして、去る5月24日付けで専決処分をした平成18年度の補正予算について、報告を申しあげております。
また、議案以外のものといたしましては、平成17年度の繰越明許費繰越計算書等の繰越2件、松本市が資本金等の2分の1以上を出資しております法人の事業計画等11件を報告いたしております。
以上、本日提案いたしました議案等についてご説明を申しあげましたので、よろしくご審議を賜りますようお願い申しあげます。
(以上)
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