2025.3.20. 

 まいどこんばんは。春間近の松本です。昨日はまた雪。ぶどうにとっては水分補給の意味でいい雪でした。世の中今日は春分の日で祝日ですが農業者の場合は雨雪の日が休日になるので今日もわっせわっせとフィールドで仕事してきました。

 
   こちら第1デラウェア園。皮むき作業あと3本。常念岳左の肩越しに槍ヶ岳の頂上がくっきりと見えました。

 
   Seven's葡萄園では今大工事を行っています。23aの園内上部に防鳥網を設置。ここ数年カラス被害がいよいよ我慢できないレベルになってきたのでその対策です。ハシボソカラスの横暴にはこっちも神経やられます(昨年=ぶどう通信627、1昨年=ぶどう通信593)。今年はカラス一羽の侵入も許さないように、ぶどう園の上部と側面を全て防鳥ネットと防風ネットで覆います。

 
   高騰するばかりの資材費を少しでも抑えるために、廃園となったぶどう園から持ってきたコンクリート柱(略してコン柱=コンチュウ)をここで流用しています。棚上1mを確保するために土台部は微妙に高さ調節しています。太柱と極太柱をジョイント(右)。コン柱を一定の長さに切断するのも大変ですが、実はこれ、2本のコン柱の中央部に穴をあけて鉄筋で補強するというスゴ技を使っています。このあたり安易にやろうと思ったらホームセンターで売っている単管パイプを使えばいいのですが、強度と耐久性を重視すると絶対コン柱がいいというアドバイスでこうしています。超・プロ仕様です。

 
   Seven's葡萄園のナガノパープル。皮剥き後。水を吸い上げてきました。寒い冬を乗り越えて、ちょっとした感動の瞬間です。

 先日、松本市主催の「松本市観光事業情報共有会」という会議に農業界代表(?)の立場で参加してきました。近年の松本城では外国人観光客の姿がとみに目につきます。調査によると令和6年は来訪客数国籍別でタイ、台湾、オーストラリア、中国、アメリカ、香港、シンガポール、イギリス、インドネシア、フランス・・・・・・の順だそうです。ランキング1位がタイというのが意外でした。他にもオランダ、ドイツ、イスラエルなんかがランキングされていて松本城はなかなかに国際色豊かです。
 会議の中で「信飛トレイル」のPRがありました。信州松本と飛騨高山を繋ぐウォーキングトレイルの整備についてです。これはいい!!と即座に思いました。自然、文化、歴史、古道、体験、自己探求、地域住民、持続可能、未来・・・・・がkeyワード。ありきたりの観光のその先を行く、来訪者と地域の繋がりのひとつのあり方として大いに共鳴しました。みなさん是非注目してください。
 

 ついでにもうひとつ。バカ文にて失礼します。世の中に氾濫する音(余計な雑音、人工音)について。 
 先日新聞でさだまさしの「音楽は神の言語」という題のコラムを読みました。世の中には音楽の無駄遣いが多すぎて気が滅入ることがある。日頃あらゆるところにBGMが流れているけれど、もっと静かにしてもいいんじゃないかという内容。仕事柄普段音に囲まれていると、耳を音から解放してあげることが何よりの喜びで、そういう場所がさだまさしにとってはゴルフコースなんだそうです。静寂の中の空の音、風の音、鳥の声、木々の葉擦れ、同伴者の声が一様に美しく聞こえてきて精神が解放されるという趣旨でした。
 同感です。世の中、余計な音や声(とりわけ人工の)が多すぎる、音量も大きすぎる、無くても済む音声はできるだけ無くしてもっと静かにならんか??、と日頃から自分も思っています。身近なところでいくつか例を上げます。
 ① 松本市全域に響き渡る極大音量の防災訓練その他放送。遠方まで聞こえることとか聴力が弱い人を基準に想定しているのでしょう。でも必要なことだからこれは納得。文句は言いません。しかしSeven'sぶどう園のすぐ近くにスピーカーがあるもんだから、この大音量はきついです。後でキーンと耳鳴りがします。隣の小学校の音楽室から聞こえてくる子供たちの合唱が天使の声に聞こえます。(余談ですが、去年から山辺地域にぶどう新規就農で入った大卒女子がいます。購入した中古軽トラのナンバーが10-04でした。なんじゃそのナンバーは?と聞いたところ、天使(10-04)ですという答えが返ってきました。可愛すぎる!。)
 ⓶ 山間部の静寂を破る救急車や消防車のサイレン。遠くまで聞こえすぎ。交通量の多い町中じゃないんだし、もう少し音量下げてもいいと思う。それに「火の元に注意しましょう」のアナウンスは時節柄ごもっともですが、雨雪なのに「ただいま乾燥注意報が出ています。火の元には十分注意しましょう...」の自動音声のセンスには呆れる。
 ③ 松本浅間温泉のよく行く日帰り入浴施設。館内入るとまずは大音量BGMがお出迎え。場違い感たっぷり。脱衣所も浴室もトイレも休憩室もところ構わず。聞こえるのはお湯の流れる音だけであとはまったりゆったり時を過ごしたいという期待はいつも裏切られます。休憩室でゴロゴロする時もいかにもこれをよく聴けといわんばかりの耳障りな電子ピアノがこれでもかと聞こえてきます。外に出たところでああやっと静かなところに来たとほっとします。BGMを否定はしませんが、聴こえなくていいのならもっと閑かにして欲しいと願うばかりです。BGMもう少し小さくていいかと思いますよとやんわり言ったことがあるのですが次に行った時はやっぱり大音量でした。回転を早くするために入ったら早く出ろということでしょうか.....。オーナーや従業員はきっと音楽が嫌いな人なんでしょうね。
 ④ 何年か前に訪ねた下諏訪温泉奥座敷の旅館の日帰り入浴。先客誰もいない空いているラッキー!と思ったのもつかの間。入浴料支払って浴場まで歩く途中で巨大音量ロックサウンド!。サービスのつもりなのでしょうが、かなり間違えているような気がする.....。
 ⑤ JR松本駅東口エスカレーターの自動音声。これはひどい。「黄色い線の内側に.......」を延々と繰り返す自動音声。始発から終電まで喋っとんのやろか?。ひと昔ふた昔前の合成音声は聞くに堪えないゲテモノレベル。私の記憶ではこの自動音声20年以上一言一句変わっていない。松本駅に初めて来る人でこの違和感(?)に気づく人多いと思う。誰も何も言わないのだろうか?。駅員さんも何も思わないのだろうか?。すでに松本駅の風景になりきっているということだろうか。
 ⑥ 極めつけは松本発新宿行き上り特急あずさの車内アナウンス。松本を出て途中いくつか停車して甲府、八王子、立川、新宿というルートです。この特急の車内放送の騒音レベルがなかなかのものです。松本発車後にまずは「この電車は特急あずさ●●号新宿行き......」の男声の日本語自動放送を延々と。続いて同じ内容で女声の英語自動放送。続いて全く同じ内容を念を推すように車掌氏がマイクで車内放送。同じ話を3つ聞いているうちに次の塩尻に着いてしまうという構図。そして塩尻発車後はまた同じの3つ。岡谷出たらまた同じ3つ。上諏訪出たらまた3つ。茅野出たらまた3つ.....。こうして松本出てから甲府に着くまでのおよそ1時間のうちの20分以上はこの車内放送を聞き続けていなくてはいけません。スピーカーに近い車内の中央付近に座席をとればこれは拷問に近いです。なので長年の経験から耳栓が必携です。そこで停車駅が少ない特急あずさ(松本➡上諏訪➡茅野➡甲府➡八王子➡立川➡新宿)を選べば耳栓は不用なのですがこの特急あずさにはとんでもない自動音声が待ち構えています(笑)。松本発車後のいつもの案内放送に加えて「尚、この列車は停車駅の少ない特急です。お乗り間違えのないようにご注意ください」とのそんなことまで心配してくれなくてもいいレベルの内容が加わります。上諏訪発車後も同様。ところが茅野発車後と甲府発車後と八王子発車後にもこの「この列車は停車駅が少ない.............」という自動音声放送が流れてくることには恐れ入谷の鬼子母神(古い..)。その放送の必要の無さを感じないセンスに脳天がひっくり返ります(笑)。自分はいつも立川で下車するのですが、立川発車後にもこの自動放送が流れてくるのでしょうか....。それは知らない..。次は終点新宿なのに。
 ⑦ 都心の大ターミナル駅のめちゃくちゃホーム放送。例えば夕方ラッシュ時の新宿駅8番9番ホーム。上りホームと下りホームで同時に違う自動放送。そこにホーム担当駅員さんのマイク放送が自動放送よりもこっちをよく聞けと言わんばかりに割り込んでくる。最大で同時に4つの放送が大音量で鳴り響く。危険防止とか注意喚起のためにとは理解しますが、マイクで放送する時は自動音声止めるとかいうデリカシーはないものだろうか。
 ⑧ まだいくつかあるけれどしつこいのでもうやめる......。

 この冬は左メニューの「大人男子のclassic」をけっこう頻繁に更新しています。無駄な音を削ぎ落して、極上の音のみを至上の高みにまで追及していくとこうなるという自分の体験です。今はA.スクリャービンにはまっています。ちょっと怪しすぎるけれど..。