2024.8.14. 

 まいどこんにちは。8月1日からデラ姫の収穫を始めてデラ姫は今日でちょうど半分。2ヵ月に渡るぶどうシーズンの1/4が終わったところです。連日きついぜ。今日のぶどう通信のテーマは喜・怒・哀・楽。最近感じるいろんなことを支離滅裂に並べ述べます。行き着くところは安西光義監督(スラムダンク)の「あきらめたらそこで試合終了だよ。」「日に日に成長が見て取れる。こんな楽しみは他にない(桜木花道)。」「君たちは、強い。」というセリフ。一体何のこっちゃ!?。なかがわ葡萄園のバカ園主の独り言なんて聞いてもつまらないという方はどうぞスルーしてください。それがフツーです。

   自宅作業場でダンボールのぶどう箱を組み立てている最中に突如現れたサントリープレミアムモルツ1箱。

   テーマその1。喜。
 自分は産地の次代のぶどうの担い手を育成することを仕事のひとつにしています。新規就農4年目のKくんがまいど~!!と言って昨日夕方持ってきてくれたのがこのビール缶。ビールがうれしいだけでなく、次代の中心的な担い手候補として着々と歩みを進めるKくんの頼もししい姿を見ることがうれしいです。違うKくんも1か月位前にビールを持ってきてくれました。はじめはオドオド気味だった彼の姿も今ではすっかり頼もしい。
 4-5年前のコロナ禍の中でキャンパスに行きたくても行けなかった信大陸上部のMくんが当時うちのぶどう園でずっとバイトをしてました。信州大学陸上部は単独では全日本駅伝や出雲駅伝に出る力が足らないのですが彼は選抜チームの一員として毎年どこかの大会に出場しています。その彼も今は大学院1年生。長距離やめてどこかに就職するのかと思ったら、お正月のニューイヤー駅伝で走ることを目標に、ある強豪実業団入社を目指して今合宿に行ってます。若い人たちが自分の目標目指してがんばる姿を見ることはとてもうれしいことです。
 信大生といえば今長崎の病院で研修医としてがんばっているNくんがいます。うちでバイトしている時の彼の姿は、何だか40年前の自分の姿(私は彼ほど賢くはありませなでしたが。)を見ているようで、私にとってNくんはかわいくてかわいくて仕方がない存在でした。去年の秋、「彼女にプレゼントする」と言って三色ぶどうを買いにきた彼のはにかみ具合がたまらなくかわいかった。その彼は今は長崎県。彼にとって私なんぞは学生時代にバイトしに行った先のぶどう屋の通りすがりのただのおとっつぁんという存在だと思っていたのですが、その彼から電話がかかってきたことがありました。珍しいなどうしたんだ?ぶどうの注文か??と思ったら彼の口から出た言葉。「ナカガワさんの声が聞きたくて電話かけました」だとさ。うれしくて、かわいくて、スマホで雑談しながらもワタクシの目はウルウル。
 松本市農業委員会の委員としてこの8月から3期目(7年目)を迎えています。7年前にはテキトーなお小遣い稼ぎのつもりで引き受けた仕事(失礼!!)でしたが3期目となると役職がついて回ります。はじめは上から4番目のポストが内定していたのですが、いろいろ経緯があってこのたび会長代理職を拝命することになりました。これはえらいことだ。でも、この役職どうにか引き受けてくれと言われて悪い気はしません。でもはっきり言ってこの8月9月、スケジュールがもう圧迫されてます。仕方ない、報酬もわずかながらとはいえ上がるし、やることやってやるよという気持ちです。うそ。

 テーマその2。。 
 こちらSeven's葡萄園。8月9日。数十羽(?)、数百羽(??)のカラスが集団で襲いかかってきました。甚大すぎる被害。

   
  (左) ぶどう園全園に袋の残骸が散らばっています。ゴミ拾いがようやくあとピオーネだけになりました。
(右) 壊滅的な被害はシャインマスカット。300房以上はもう売り物にならないレベルです。怒りしかない!!。

   
   (左) つまりこういうこと。
 (右) 枝から軸が伸びて房がついています。その軸につかまって逆さ状態で房を食いちぎっています。房は大丈夫でも軸がボロボロな房は数知れず。

   
   (左) 半分なくなった黄華。
 (右) もともと今日、防水シートを地面に敷く予定にしていました。これはナガノパープル。房がない木に防水シート敷くことほど空しいものはない!!。この木、150房程度ありましたが、半分になってしまった!!。
 被害の全容はまだ明らかではありませんが、重度中度軽度全部含めたら1,000房近くやられているのではないか!?。ぶどうの1/6です。おそらく、ほんの一瞬(というかほんの数分かせいぜい数十分)の出来事だったはずです。カラス被害はイナゴやバッタ被害と同等です。もちろん、カラス被害は想定していました。去年のぶどう通信593によるとカラスの出没は8月20日ごろのはずでした。でもこんなに早く来襲するとは!!。それにもともと西面と北面は暴風ネットかけてあります。上部は棚面空いたところにテグスをあらかじめ張っていました。東面(右の写真)の土手部分にはテグスを4重に張っていました。ところがなんとそのテグスがあちこちで切れていました。テグスに引っかかって暴れまわったところにすき間ができてそこから集団での乱入を許してしまったようです。デラ姫の収穫箱詰め発送とご注文の整理整頓と返信作業をこなしながら何とか時間を作って今日の午後、ようやく片付けが終わったところです。ふぅ.......。レインボーお試しセットには今年は立派なシャインを入れられるなと思っていたのですが、そうはいかなくなりました。半分なくなったこの黄華のようなシャインやナガノパープルが入ります。レインボーお試しセットは1級品~3級品、試作ぶどう、ハネ出しぶどう詰め合わせとしていますが、3級品とはこのことです。がっくり..........。

 テーマその3。
 ワタクシ事ですが、いよいよ帰省する実家が無くなることになりました。
 
   
   1970年の小学4年の夏休みに大阪万博に行かなかった理由に、この家の新築工事がありました。長年住み慣れ親しんだ所沢の我が実家がいよいよ人の手に渡り、取り壊されることになりました。7月の終わりに無理やり3日間の休暇を取って別れを告げに行ってきました。
 (左) 茶の間の柱は背比べの鉛筆の傷だらけ。我が子や甥に姪たち、つまり父母にとっての孫たちが昔ここに賑やかに集まったときの記憶と記録。
 (右) 2階のワタクシの部屋。奥は兄の部屋。受験勉強したのはこの部屋、天才秀才バカを聞いて笑いころげた(ぶどう通信597)もこの部屋でした。サヨウナラ.........。
 住まいを替えた母が、今までのお礼にということでご近所にわがデラ姫を贈りました。依頼主は母であるにかかわらず、隣家のWさんから今日ワタクシに電話がありました。Wのおとっつぁんは「今までありがとうありがとう」の連呼。ワタクシの目はもう涙でいっぱい....。

 テーマその4。
 頭にくること腹立つこと悲しいことってのは出来事としてはとってもわかりやすいです。でも日ごろフツーにやっていること、当たり前にやるべきことをやれることってのは実はとてもシアワセな出来事なんだってことを思うと、喜怒哀楽を相殺したら喜と楽は絶妙なバランスで怒と哀を上回ることに気づきます。兄が言ってました。「人間死んじまったらいいことも悪いこともない。生きていればそりゃぁ悪いこともあるけどいいこともある」。うーむ兄の言葉にしては健気すぎる。明日もデラ姫の収穫一生懸命やってきます。あっ、もうその明日になってしもた..。それではおやすみなさい。