2023.10.10.   

 まいどこんばんは。ぶどうシーズンが終わってヤレヤレです。2ヵ月間続いた緊張の糸が切れました。糸は一度プツンと切れるともう元には戻らないようで、ここ数日は午前中はぶどう園の草刈り、午後はお昼寝、夕方は倉庫作業場の後片づけという、ゆとりのあるまったりとした時間を過ごしています。ああシアワセな人生.........。

 第1デラウェア園。雑草がボウボウ...。1か月前に除草剤散布するか草刈りやっていればちょうど今ごろきれいなのにと毎年思うのですがちょうど1か月前などそんな余裕は全くなし。雑草に埋もれて苗木が枯れてしまう苦い経験が過去何回かあったので、春に植えた苗木にはこうしてマルチをしています。これが大正解で、雑草に埋もれることなくスクスクと成長しています。  
   
 後片づけ中の倉庫作業場。奥の壁面にこれでもかと組み立てて積んだぶどうダンボールは今はなし。手前に固めて積んであるのは、毎年使いまわしする塩ビ笠。ホチキスの針とって四方を揃えてトントンってやってきれいにまとめておきました。今年も早生デラや巨峰、ピオーネで活躍してくれました。朝晩は急に冷え込むようになリました。夜7時を過ぎたら寒くてもうここには居られない....。  


 
 さて、今年のぶどうの作柄の総括です。

 デラウェア。3万を超えるデラ姫たちがいるので8月初めからスタートできる3デラの早生デラの存在は貴重です。1デラの出来もなかなかでした。モンダイは3デラの若デラ12本。根っこが十分に張っていないことや、微量要素の吸収不足とか、猛烈な暑さと雨なし水分不足とかいろいろな悪条件が重なって推定4,000房(?)が収穫不能となりました。この悪条件をどのように克服していくかが今後の過大です。

 早生巨峰・紫玉。8月の猛暑でお盆過ぎに完熟してしまって9月までもたないと案じていましたがそうはならなくってよかった......。でもさすがに巨峰というぶどうは少々時代遅れっぽくなりつつあるので、第1巨峰園のおよそ2/3を長野県次世代ぶどうクイーンルージュにゆるやかに改植しています。あと5年たったらこの紫玉は1本だけになってしまう予定。  
 
 クイーンルージュ。長野県が誇る期待の赤系ぶどう。今年300できましたが来年は一気に1,000超えの予定。10年前のシャインマスカットがそうだったように、これから数年は高値が期待できます。ただ、思うようなきれいな赤にすることがなかなか難しいこと、裂果しやすいぶどうなのではないかとか不安のタネはいろいろあります。そのあたりはまだ誰もつくったことがないからまだ誰もわからない...。少なくとも、紫玉の後継としてお金を稼いでくれよと願うばかりなり。
 
 巨峰・高墨。そうは言っても巨峰がないわけにはいきません。昔ながらの風味ですが、美味いものは美味いです。巨峰は2,000房程度は作り続けます。安定安心信頼ってやつです。  

   ナガノパープル。今年の最優秀賞。文句なしのMVP。出来がとってもよろし。何といってもロスがほぼなし。食味抜群。積年の試行錯誤が実った感じで満足しています。しかし隣にあるピオーネはカラスが狙うのにこのぶどうは全く(下見程度にしか)狙われないのは何故に......??。
 
   黄華。今年も安定の作柄。毎年思うことですが、このぶどうは巨峰などと比べて熟期が短いことがやや難点か。9月10日ごろは「まだちょっと早いか..」って感じなのですが、油断していると9月20日ごろには「もう遅いかっ」って感じになります。なので毎年集中しておよそ1500房を一気に収穫しちゃいます。今年もそれが成功。作るのにとても手間がかかるぶどうですが、やめられないぶどうです。食味も上々。同じ緑黄色ぶどうの比較なら、自分の場合はシャインよりこの黄華が好みです。
 
   ピオーネ真っ黒。食味極上。ただし摘粒をちょっと徹底してやりすぎた感あり。もうちょっと太っててもよかったかな......。もう少し数が欲しいです。1100房では足りない...。
 
 シャインマスカット。5年前までは貴重で高値の花だったのが今ではとうとうありふれたぶどうになってしまいました。アマチュア素人生産者でもそこそこ作れてしまうので生産量増えて安くなって当然といえば当然。お隣りの中国では一房200円になり果てたそうです。油断ならないのは、作り手によって美味しい⇔美味しくないの差がかなり大きく出てくること。自分はシャインを大きく3つのグループに分けていろいろ試行錯誤しています。今年のシャイン、自分的にはまだまだ不足。修業が足りん...。
 
 ブラックビート。雨が極端に少なかったことが幸い(?)して、ほぼ裂果がなくて何とお彼岸までもつことができたシアワセぶどう。ほぼ満足。9月前半の詰め合わせセットの主役の一人でした。藤稔系統のぶどうだし、濃厚な食味。しかしナガノパープルの陰に隠れてしまって目立たないところがちょっとカワイソ。  
 
 雄宝。レインボーセットの中でこの雄宝に一番びっくらこいた、という人が何人もいました。3年ぶりに隠し玉が炸裂しました。割れないようにすればもっともっと多くの人にお届けできるのに、と思っています。2年続けて全滅だったので今年×だったら伐採しようと思っていましたが思いとどまりました。
 
 紅環。レインボーぶどう園は去年はべと病、今年は晩腐病が発生しました。極甘ぶどうなので被害がすぐでてきました。およそ100房が収穫不能に。極旨ですが課題が多く残りました。  
 
   サニードルチェ。今年も安定の出来。但し最後まで赤くなりきりませんでした。8-9月の熱射をさえぎるために意図的に棚面を明るくしなかったことが主な原因と思われますが、でもそうしないといけなかった.........。赤系ぶどうは難しいです。
 
ウインク。収穫0だった去年のリベンジを果たしました。ただ数多く作りすぎてしまってまだ100房ほど残っています。どうしよ.........(汗)。大木化してきて少ない粒数でも重さがかなり出るようになってきました。味もちょっと薄めの傾向にあり。もっとオイシイぶどうにしなければいけません。
 
翠峰。雨がなかったので裂果しなかったことはよかったけれど粒肥大が今ひとつ。粒をやや抜きすぎたか。でもそれは結果なのでどうしようもない。
 
コトピー。存在感が薄いためか、あまり印象に残らず。
 
マニキュアフィンガー。大物になるの片鱗を見せてくれました。来年への課題がみつかりました。
 
貝甲干。レインボーセットのすき間埋めにしかならないことを自他ともに認めていることだけがこいつの取柄。
 
オリエンタルスター。300房作って余りぴったりナシ。収量計算がばっちりいったことがウレシイ。

 あれ??、二種類忘れてる...。ここに何が載っていないかわかる人は相当ななかがわ葡萄園通です。ホメてあげます(笑)。 1年前のぶどう通信559を見ると、去年はいかに不作だったかがわかります。今年は、まぁ良しです。オヒマな方は去年と今年と見くらべてください。今年は、冬越せそうです。