2023.4.20.   

 まいどこんばんは。大粒種も発芽です。
 やや早めの発芽はいいのですが、4月下旬の遅霜被害がおっかないです。遅霜(=早朝の気温0℃前後による霜発生)に遭遇するとせっかくのぶどう芽が死んでしまいます。長野県では早くもモモやナシに相当の被害が出ているそうです。なので結構緊張の日々です。

   
   (左) シャインマスカット。9本のシャインたち、成木になってきました。シャインは今や日本全国で作られていますが、花穂に花が咲かないとか成熟期に粒がへこむとかの異常症状が頻発しているようです。日曜農業的素人レベルでも割と簡単に作れるぶどうのはずなんですが、実はそうではないかもということが現れてきているようです。出来上がりとして本物レベルと素人レベルの差がはっきりと出てくるぶどうです。
 (右) ブラックビート。レインボーセット構成員の一人としてなくてはならない人です。ブラックホールのごとく吸い込まれそうなほどの真っ黒な色が魅力です。美味いんだこれが。雨が降ると一発で裂果して全滅の憂き目に遭うことはわかっているのでジベレリン処理は1回だけです。房や粒を大きくはしません。あとはカラス。袋の上にさらに頑丈な塩ビ笠をかけているので近年はカラス被害はそれほどありません。

   
   (左) ナガノパープル。不思議なことにブラックビートやピオーネの隣にあるのにカラス被害がほとんど無いのは何故??。課題は粒肥大と雨による裂果の間のどこをとるかのバランスの判断。去年は粒が小さすぎました。露地ぶどうの難しいところです。ぶどうをお金にかえていろいろと稼がないといけない事情があるので今年はちょっと大きめに作ってみます。
 (右) 黄華。知名度が低いので市場要請的にシャインに完璧に負けています。でも本物の黄華は本物のシャインと同レベルに“美味しい”です。デラウェアやシャインや巨峰はぶどうの系統的には日本系アメリカ系の混種というか雑種。黄華の血統は純粋にヨーロッパ系です。シャインみたいにあちこちで父親になったり母親になったりしないところがかえって高貴な血統を伺わせてくれてうれしいです。

   
   (左) ピオーネ。ジューシーという表現がピッタリ。美味しく仕上がればホントに“美味しい”です。加減をひとつ間違えれば黒くならない赤蒸れぶどうとなります。毎年同じことをやってもその年の気象条件によってできあがりに随分差ができます。ぶどうの世界は奥深いです。
 (右) オリエンタルスター。シャインの子供は何十人もいるけれどシャインの兄弟は実はこの人だけ。遺伝子を増殖することに余念のないシャインと違ってこの人は子を作らず、地味です。でもその地味さ加減が玄人通のぶどうと言われる所以です。巨峰やピオーネ等黒系ぶどうの中で特有のオーラを放ちます。

   
   (左) 貝甲干と書いてベイジャーガンと呼びます。なかがわ葡萄園のバカぶどうです。レインボーセットのすき間埋めとしての存在からレインボーセットの主役へとステップアップしてくれよと長年言い続けているのですが肝心の本人にどうもその意志がないことがわかってきたので園主としてはもう諦めています。そんなに糖度があるわけでもなく特に美味しいというわけでもなく、輪切りにして野菜と混ぜてサラダの一品にして食べるというのが正しい消費方です。
 (右) ウィンク。思えば2年連続、アウトでした。1房1,000円として、2年連続で50万円がパーだったことになります。今年は倍返しを狙うべく、ちょっと違う作り方をやってみます。何しろ15年経つレベルのぶどう木になるとなかなか替えがきかないのでレインボーぶどう園はこれでやるしかないです。なかがわ葡萄園のこのぶどうを目当てのお客様もいるし、倍帰しというより3倍返しを狙います今年は。

   
   (左) 紅環。えっ!?、他のぶどう種類と比べて発芽が早い早い!。9月下旬~10月上旬の主役の1人。ちょっとの風で枝がすぐ折れることが難点。6月の数日間で枝が半分(=つまり房が半分)になってしまった年がありました。今年はどうなるか。黄華に近い血統です。当たり年になればメチャメチャ美味しいです。
 (右) 一昨日、デラウェア産地一帯の共同散水施設の試験散水。故障個所がないかとかチェック。たまたま寒い日だったのでびしょ濡れになって極寒。