2月28日(火)

 まず、不毛な議論からの脱却が肝要   「四賀トンネル」問題の論点を整理する   
  

 「四賀トンネル」問題に関しては、2月18日日誌で、市民討論会が行なわれたことをお伝えしたが、菅谷市長は、2月定例議会提案説明の中では、次のように述べた。
 
  「次に松本・四賀直結道路の市民意向確認状況について申しあげます。
  意向確認につきましては、第三者機関である、松本・四賀直結道路市民意向確認研究会の意向確認プロセスに従い、昨年10月の四賀地区における住民意見交換会を皮切りに、四賀地区での住民アンケート、及び市内全域でのアンケートの結果を踏まえ、去る2月18日には、広く市民のご意見を直接お聞きするため、長野県松本文化会館におきまして、市民討論会が開催されました。
  『みんなが納得できる課題解決策は?』という当日のテーマに従って、多くの市民が傍聴されるなか、討論者の皆さんにより、活発な討論がなされたとの報告を受けております。
  これまでも、再三申しあげておりますように、3月下旬には、研究会から意向確認結果の分析、評価の報告をいただく予定でありますので、その報告を参考に、議会ともご相談しながら判断をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申しあげます。」

  いよいよ、松本・四賀直結道路市民意向確認研究会も、3月13日(月)の第9回(Mウィング)、3月23日(木)の第10回(松本市役所)の2回を残すのみとなった。
  そして、市長に対して報告書が出される段取りだ。 そして、
  市長の決断は、新年度にづれこむといわれている。  
  われわれとしても、報告書の中身に、実に注目している。 必要ならば、コメントも出さなければならないと考えている。

  ところで、ここへ来てこの問題での動きがあわただしくなってきた。
  その一つが、旧四賀村の皆さんを中心とした2月議会に向けた2つの請願書の提出の動きだ。
  1つは、元四賀村議員が全員名前を連ねた請願書で、「松本・四賀直結道路の整備」への取り組み促進を求めるもので、すでに議会開会後、早速「紹介議員」を募る動きがあったので解った。  
  そして、もう1つはこの間何度か私の日誌に登場している旧四賀村幹部職員を中心とした「4000人署名目標」の請願書だ。  
  この請願書の現物はまだ見ていないが、伝わってくる話によれば、 その中身は、
  松本・四賀直結道路は、「条件」であり、「約束」事項である。
  第11回松本市四賀村合併協議会の席上、菅谷市長が確約し、新市建設計画が整い、その計画は、各々の議会での決議事項である。建設の促進を。」
  というもの。

 そのほかにも、2月15日付けで、各市会議員あてに「松本市政の舵取り役、議員諸氏に訴える」という文書が届けられた。
  その中身は、先ほど紹介したH16年10月7日(木)に行なわれた第11回松本市四賀村合併協議会の会議録の一部を引用、紹介し、

 「仔細に検討した結果、直結道路の建設は協議会の中で、しっかり確認されていた」もの、いわば合併の「条件」である。
  松本市(市議会を含めて)は今、「直結道路は合併の条件ではない。」というように動いているといわれるが、それは恥ずべき重大な背信行為である。
  後世の厳しい審判に耐え得るような判断をしてくださるよう切にお願いする。

 という内容だ。

 今、この問題は、市民の皆さんの意向の確認のプロセスが行なわれているわけだが、 どうも、「市民の皆さまのお考えを広くお聞きした上で、この道路構想の実現の是非を判断したい」という市長の意向とは異なり、
  「賛成」派は、「合併の条件であり、約束だから」建設が当然。
  それに対し、「反対」ないしはどちらかといえば反対の立場から、市長へ公開質問状を出し、「建設は合併条件ではない」ことで、対抗する動きや、
 この合併は当初から「ボタンのかけちがい。」「合併特例債目当ての合併」だから、特例債を使った公共事業は認められない、
  とも取れる声などが目立つ事態になっている。
 
  そして、「条件だ。いや違う。」という、こうした議論の傾向は、議会でも実は、意向確認の取り組みが確認されてからの昨年の6月議会本会議で、すでに行なわれていたのだ。
  以下、少し紹介すれば、(要約)

  「今なぜ住民の意向調査なのか。そのための検討機関設置なのかどうしても腑に落ちない。
  市長自身も必要性を口にし、あと残された大きな課題は、国庫補助がつくのかどうかだけだと受けとめているのは旧四賀村民だけではなく、旧松本市民も大勢いる。  
  私は、最初は余り賛成できず、国道143号の拡幅改良整備やスノーシェッドの設置、刈谷原トンネルの拡幅整備か複合トンネル化などでよいのではと思っていたが、旧四賀村の村を挙げての要望と前有賀市長の前向きな姿勢、そして菅谷市長の国庫補助の条件つき肯定発言で実施が確定的になったと考えていた。  
  工事のための調査や基本構想すらもできていない現時点での住民意向調査は、ともすれば、反対のための反対、事業をやらないための手段とも見えるのではないかと心配する。  
  新市建設計画にものせ、合併の最大の問題とも言われてきたこの建設事業をいまだほとんど白紙の状態で住民に意向調査することは無理ではないかと思われる」
  というものだ。

 しかし、今度の問題は、「合併条件だから作る。」「いや条件ではない。」だけを論点に、問題の組み立てをすることほどおろかなことはないと(今までは少し遠慮してきたが・・)敢えて申し上げたい。  
  では、お聞きするが、「合併条件」派の方々は、「条件でない」ことの経過の証明の確認ができれば、そのことで建設の断念をするとでも言うのだろうか。そうではないはずだ。
 また、さかんに「条件でない」ことの証明に明け暮れる行為は、結局のところ建設否定の立場からの論理でしかない。  このようにいずれの主張も、その不毛さ加減はすぐにわかることだろう。
 早く、その段階からは脱していくことが求められる。

 「条件であろうとなかろうとそんなことはどうでもいいことじゃないか。今の『80億』のトンネルで、本当に効果が期待されるのか。でなければ仮に事業費が100億を越えようとも、そのことを明確にして検討すれば良いではないか。いいかんげんにして欲しいが率直なところだ。」

 市の職員の話だが、まさにその通りだ。

 第11回の合併協議会の会議録が、先ほど紹介した一連の動きの中で、取り上げられているが、その議事録のいわば部分だけ取り上げて、「条件としての証左」にしようとするやり方はあまりに意図的であり、無理がある。
  それは、菅谷市長が、当選し、有賀元市長に替わって合併協議会に参加するようになってからの合併協議にかかわる理事者会(非公開)を含めた一連の会議、記者会見、議会答弁、
  また以前にも紹介したが四賀地域での元四賀村幹部職員らを前にしての、「市長と語ろう会」での、「直結道路は、合併の条件でははないことを確認しています。そうですね、中島さん。」という呼びかけに、中島氏はただ下を向いていたなど、一連の発言や会議での確認合意事項の積み上げの上に明白です。
 必要ならば、全てを明らかにすればよい。

 たとえば、第10回の合併協議会での、議事録P13の中ほどの
  「そこで(2)要望事務事業については、合併後それぞれ実施計画の策定段階において個別に事務内容、事業費、特定財源等に関して検討・精査することとしていますということでございますので、この内容につきましては、合併後の松本市の、新松本市の実施計画策定段階で内容の精査をしていくという、そういう内容でございます。」
 の部分を見れば、合意事項の中身は明白です。
 そうゆう私も、少しくどくなりすぎた。この「条件」問題は、私の方からは、もうこれきりにしなければならない。

  第10回合併協議会の議事録は、ここをクリック (P13を見てください。)
     (なお協議会の全体の会議録の一覧は、ここをクリック )

  四賀地域の住民の皆さんの願いをどうしたら、そしてどこまで叶えることができるのかの段階、論点整理の方向に早く進むことが求められる。

 

 

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2月27日(月)

 2月議会開会   
  

 あわただしい中で、2月議会の開会を迎えた。
  会期は、17日間の3月15日まで。 今回の議会は、通称「予算議会」といわれ、来年度予算案が審議される。
  市長は提案説明の中で、2年間を振り返りながら引き続くまちづくりに向けた自らの施政方針演説を約1時間にわたって行なった。 (詳細は後日)
  私たちも菅谷市政の折り返し点に立ってという観点からの分析を進めていたところだったが、市長の想い、今度の予算案も含めていずれ文章にして発表する予定だ。

 一般質問は、3月6、7、8日の3日間、委員会審査は、9、10日の2日間。
  そして、予算説明会は、明日28日、1日、2日の3日間行なわれる。
  今回の一般質問は、澤田、犬飼議員が担当する。

 さて、今日は、懸案事項であった懲罰特別委員会の報告、採択が行なわれ、該当議員による陳謝文の朗読が行なわれた。
  朗読された陳謝文の全文は、ここをクリック

  「混乱させることが、作戦だから、素直に読み上げることはしないだろう。」という見方が大方だったが、「拍子抜けしてしまった。」という感想が、本会議終了後、議員の口々から漏れた。

 

 

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2月25日(土)

 イナバウアーと金メダル   
  

 荒川静香選手が、自分らしさを最後まで追求した「イナバウアー」。
  ネットで調べてみると、1958〜1959年に西ドイツのフィギュアスケーターであるイナ・バウアー選手が世界選手権で初めて使った技で、当時は上体をそらすことはなく、どうやら足元エッジ技だったようだ。
  海外のネットを探していたら、イナ・バウアー選手の写真が見つかった。
  その写真はここをクリック

 そして、この上体を優雅に反らす「アラカワ」とも呼ぶべき技は、しきりと新採点方式では、得点にならないことが報じられていた。
  それでも、荒川選手は、自分らしさの表現としてこだわった。
  夜放映されたNHKの特集番組では、勝負に勝つには、4つの分野でレベル4の技をどう取り入れるか、またそれをボーナス点がつく後半で以下に取り入れるかが、決定的であったことを報じたが、それで改めて今回の勝負のポイントが良くわかった。
  その上で、素人目には、コーエン、スルツカヤいずれの選手も転倒した時点で、荒川選手の金メダルが確定したものと思っていたが、どうやら分析には、さらに奥深いものがあった。

  NHKの番組を見る限りでは、そこまで解らなかったわけだが、興味深い分析は次のものだ。
  結論の一端を語れば、SPが終わった時点で、すでに勝負が決まっていたと言うものだ。
  それは、仮にコーエン、スルツカヤが転倒しなくても、そして完璧に技をこなしていたとしても、追いつかなかったと言うものだ。
  (もちろん荒川選手が、大きな失敗をしていれば別だが・・)

 無断だが、リンクを貼り付けるが、次の中身だ

 イナバウアーにこだわって、そして自分らしさを忘れずにスピンでのレベル4を追求した荒川選手の金メダルの価値の大きさを改めて知ることになった。

 おまけ:まったくの素人の私だったが、ジャンプの種類を解説した次のサイトは大いに参考になった。

 

 

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2月23日(木)

 2年前の「財政シミュレーション」と来年度予算案   
  

 「新松本市財政シミュレーション」と「合併による投資可能額比較表」が手元にある。(以下「資料」という。)
  これらの「資料」は、一昨年の合併の結論を出す直前に、私たち議員団も求めて発表された資料だ。

 この資料の狙いは、合併特例債を、借り入れ可能限度額の70%(=217億円)を借り入れた場合、H32年までの見通しを示す中で、「合併することによる財政効果」を示す資料だ。
  注目点はいくつかある。
  一つは、予算総額だ。

  この資料によると、平成18年度予算は、870億8800万円となっている。
  今回発表されたH18年度予算案は、812億3000万円。  その差額は、58億5800万円。
  この分析はこれから行なうとして、
  もう一つの注目点は、市債発行額と公債費の関係だ。  
  この時点では、まだ、H18年度の予算編成方針で初めて打ち出された「一般会計における市債発行額を元金償還額の範囲内に抑える」ことは、その前提にない。  
  事実、この資料によれば、H18年度は、市債借入額を134億0300万、公債費は115億7200万円(そのうち元金償還額は、89億8000万円)。  
  元金償還額を借入額が、44億2300万超えるものとなっている。
  そして、この「資料」の見通しは、H21年までは、市債借入額が元金償還額を越える形で作られている。

 考察しなければならない点がいくつかある。  
  1つは、合併による財政効果は、国の「三位一体改革」によってどれほどまでに予想より少なくなっているのか。  
  その問題もさることながら、財政的に見て、何よりも合併特例債をどれだけ使えて、どれだけこれから「新市建設計画」が実施に移されるのかという事だ。  

 四賀地区に限らず、旧4村の合併した地域の皆さんからの要望が確認されている中で、それがどれだけ実行に移せるのか。
  しかも、合併特例債は、ざっくり言えば、合併後10年間(H27年)までしか使えない。

 聞こえてくる話として、
 
「四賀トンネルは、『80億』ではできないことは、重々承知している。そんなことはどうでもいいのだ。まず作ることを確認するには、金額は少ないほうがいい。だから『80』でいいんだ。そして作ることが決まれば、それから金額が増えることはぜんぜんかまわない。」 という事がある。
  まさに、「小さく生んで、大きく育てる。」か。
  そして、松本市の負担額は、「補助金」と「交付税への算入」で、僅かの金額で済むというには、確かに『80』のままのほうがいいのかもしれない。

 しかし、慎重に検討しなければいけない「論点」の一つにこの、将来の財政見通し問題は不可欠だ。

 

 

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2月21日(火)

 障害者福祉医療の所得制限の廃止   06年度予算案を見る(その2)   
  

 乳幼児医療費無料の制度に関しては、昨日お伝えしたように就学前まで所得制限が廃止されましたが、実は、今年の1月18日の教育民生委員協議会の時点までは、「0歳から3歳まで」という提案でした。  
  それが、予算編成の最終段階で、「就学前」まで拡大されました。

  そして、昨日お伝えすべきでしたが、障害者に対する福祉医療でも所得制限が、次の対象者に限定ですが、廃止されました。
  「身体障害者手帳1級・2級、療育手帳A1及び精神障害者保健福祉手帳1級(通院のみ)」

  これは、合併に伴って、すでに安曇・奈川・梓川地区で行なわれていたものを、旧松本市、旧四賀村まで拡大したもので、いわば合併に伴って、「サービスは高いほうに」合わせたものです。    

 06年度予算案に関しては、順次お伝えしますが、今度の予算案の大きな特徴の一つに、民生費の全体に占める割合が、いよいよ4分の1を越えて、25.3%になったことが上げられます。  
  2番目は、公債費の13.8%、次が土木費の13.6%ですから、抜けてのトップです。  
  この間の予算の経過の詳細に関しては、手元に資料がなく分析が必要ですが、民生費が25%を超えたのは、確か初めてです。  

 明日(22日)は、防犯条例に関して、武蔵野市へ視察に行ってきます。

 

 

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2月20日(月)

 乳幼児福祉医療費(0歳から就学前)における所得制限の廃止   
  

 2006年度予算案が発表された。
  「市長公約の『新たなる松本のまちづくり(菅谷市政10のまちづくり) 』を実現するため、基本計画の着実な推進を図るとともに、『3Kプラン』を最重点施策として事業を厳選し、将来を見据えた「暮らしてみたい・暮らしていたい街づくり」を目指した」(平成18年度当初予算編成方針)ものだ。

 発表された「当初予算案の概要」も、この方針に沿って、
  「10のまちづくり」の各々の縦糸の中に織り込まれている横糸の「3Kプラン」は何か、を解りやすく説明する方式を取っている。
  「平成18年度当初予算案の概要」は、ここをクリック

 一般会計の総額は、812億3000万円で、そのうち「10の縦糸3つの横糸」で織りあがった「暮らしてみたい・暮らしていたい街づくり」に該当する予算は、総額で約25%にあたる201億1058万円(保育料の値下げは、予算上では△1280万だが、明らかにプラス要素だ。)。

 目につくものをそれこそアットランダムに、いくつか紹介すれば、

・危機管理・防災センター調査研究
・災害時医療救護活動マニュアルの策定(県下初)
・ 四賀地区での放課後児童健全育成事業の開始
・ がん検診受診率アップ5ヵ年計画策定 (今年を、「がん撲滅元年」と位置づける)
地域の足確保のための「地域新交通システム」構築研究
・ 小学校適応指導・学習指導改善教員の3名市単での配置

 などなど、他にもあるが 「菅谷カラー模様」が浮き出る中身となっている。

  障害を持つ人たちへの対策も、県の制度に上乗せするものの他、障害者の就労促進策など市が単独で行なうなどは、きめ細やかな部分だ。

  いちだんと光るものとしては、「乳幼児福祉医療費(0歳から就学前)における所得制限の廃止 9754万円」が上げられる。
  これは、当初予算編成方針の中で、「新規事業や大きな制度改正を伴う事業について、その目的・効果・事業費などを予算要求時点で市民に公表し、よせられた意見や感想を参考にしながら、開かれた予算編成を行なう」としていたこととも関連して、注目できる。  
  寄せられた意見の中には、「所得制限は残すべき」というものもあったが、「所得制限の必要性については認識していますが、廃止してほしい旨の市民要望も多いことから、子育て支援や重度障害者への支援充実を図るため、所得制限の一部を廃止するものです。」と対応しての予算付けだ。  
  詳細は、「寄せられたご意見・ご感想への対応」をご覧下さい。ここをクリック

 「市民負担」との関係で言うと、 国保会計には、引き続き5億0200万円の一般会計からの繰り入れを行なう。
  しかし、介護保険料については、基準額は、3250円から4590円と上げ幅41%大幅な引き上げとなるなどの問題点も含まれている。

  「一般会計における市債発行額を元金償還額の範囲内に抑え、市債残高が平成17年度末時点より減少していくよう道筋をつけます。」(予算編成方針案) については、借金額70億0790万円に対して、元金償還額は92億6085万円で、その差額の22億5295万円が、借金残高から減る初めての予算となりました。  

  「農林業・商工業の振興や観光に磨きをかける施策の推進により地域経済の活性化に努め、税源基盤の強化を図る」(同上)点では、今までの「経済部」分野を、「農林部」と「商工観光部」の2つに分けて編成、農業分野では、農業担い手育成、地産地消の推進に力を入れる予算となっています。
 (経済部を分ける事に関しては、議員団としても申し入れをしてきた経過がある。)

 余談だが、懸案(?)であった鎌田小学校の大規模改修事業も、第一期工事費(3億6654万円)が計上、いよいよ(やっと?)新年度から工事が開始されることになる。

 時間がないので、詳細な分析は、今後になります。

 

 

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2月18日(土)

 「みんなが納得できる課題解決策は?」  四賀トンネル意向確認市民討論会に参加して   
  

 午後1時から、県民文化会館で、「四賀地区住民と松本市全域の市民の意向調査結果を踏まえた上で、異なる意見を持つ人も出来るだけ満足できるような課題解決方策を提案し合い、市民のより深い意向の確認」のため、テーマを「みんなが納得できる課題解決策は?」と題しての市民討論会が行なわれた。
  賛成、反対の立場の意見のぶつかり合いではなく、「課題解決方策を提案し合う」という、いわば、始めての企画で、私もどうした展開となるのか見守った。

 最初、13人の討論者が、自らの提案を述べたが、それについては、市のHPに掲載されている。
  13人の方のお名前と意見は、ここをクリック
 (その他に、応募したが討論者に選ばれなかった方の意見は、ここをクリック

 全員の提案発表が終わり、休憩を挟んで、村上委員長は、(あくまで私のメモでは、)次の12点にわたって、論点整理を行い、その各々に関して、討論参加者の発言を求めた。

 村上委員長がまとめた12の論点整理
  (同じものとしてもよいものもあるが、発言でまとめた順にそのまま列記してみると)

1、合併の条件であるかどうか。認識の違いがある。法律の専門家に聞いてみたらどうか。
2、チラシ、意見広告の内容と市の広報の内容が違う。情報の共有化が必要。
3、要望事業の全体の順位付けを全市の全体の計画の中で見直したほうがよい。
4、四賀には、市有林がある。これを財源としていかせるのではないか。
5、松本空港へのアクセス。地域の活性化につながる。
6、借金の返済は、年間6000万円くらい(6150万円)。このくらいの負担なら可能ではないかの声。
7、特例債:国の後押しがあるので建設が得策、今こそやるべきだ。
8、豊富な市有林を生かした、子どもに自然の体験をさせる良い機会となる。
9、どうゆう条件が整えば、OKなのか。それともおよそ建設はありえないのか。
10、何ができれば、建設してもいいのか。
11、143号の改良ではいけないのか。
12、救急は、明科地区は豊科消防署の管内で、トンネルは関係ない。という声もあるが
      
 これに対しては、賛成、反対などの立場からの「反論」が展開された。

  討論が終えた後、村上委員長は最後に次のように、まとめを行なった。(要旨)

  「13人の討論者にいろんな意見をたたかわせてもらった。
  まだまだ討論者の方は、不完全燃焼かと思いますが、研究会としてはこの抱える問題の深さ大きさをつくづく感じられた討論会だった。
  一つは、旧四賀地区の方が、合併の条件、約束だといっているが、いずれにせよ松本市民になったことを生かしたいという気持ちがあること。
  一方、旧松本市民の人も、四賀地区の方もせっかく来たのだからみんなで仲良くやっていこうという気持ちはある。
  お互いトンネルを作る作らないは別にして、何とか共存、仲良くやっていく道はないのか、全体として新しい松本の市民としてやっていく道はないのかそれを模索されている感じはする。  
  松本市民が、四賀地区の皆さんを迎え入れて何とかやって行きたいという気持ちの一つの現れに、アンケートの結果がある。
  全市のアンケートをやったら、だいたい「賛成」は出るわけはないではないか。人口比からいって、賛成なんかあるわけないじゃないかとという意見が夏にはあった。  
  しかし、四賀地区の方も驚かれたと思いますが、50%の人は使わないといっているのに、32%の人は賛成している。
  四賀地区の人と何とかやっていこうという気持ちの表れだ。  
  そうは言っても、トンネルが合併の条件であったかどうかは、われわれもわからない部分もある。
  合併特例債のことも、まだわからない部分があることがよくわかった。
  それから、ごく基本的な事実として、救急体制、消防車の出動態勢は現在はどうなっているのか、今はこうなっているが、トンネルができた場合はどうなるのか。基本的なことはわっていないことがわかった。
  この問題を、大きさとともに、いろんな意見が、反対派のほうからは対案が出され、そして反論が出ているが、この間のアンケート結果も、そうしたものを踏まえて、できるだけ正確でありのままの事態を市長に報告するしかない。
  最終的には市長が決めることだが、それに対する一つの情報を提供することがわれわれの仕事と本日改めて思った。
  以上です。」    
  とまとめた。

 初めての取り組みで、企画する側もそして討論参加者にも戸惑いがあった事は否めない結果だと思う。  
  それは、論点整理の部分でも、討論者の発言の中にも感じられた。  
  ご尽力いただいた村上委員長を研究会の皆さんには、まことに申し訳ないが、たとえば 「合併の条件であったのかどうか」は、既に決着済みのことだ。  
  菅谷市長が、四賀村を代表した当時の村長に、条件でないことを明言し、村長も納得して合併に至っていることは、紛れもない事実だからだ。  
  ただ、そうした事実が正確に村民の方に当時の村長から伝えられなかったから、混乱が生まれているのであって、すでにそのことはこの間の四賀地区のアンケートでも明らかになっている。
 「問題の深さ」を語るものではあっても、論点ではない。

 また、そもそもトンネルをはじめてとした、4村の「要望事項」は、全て、実施するかどうかの検討の対象となっているわけで、中でもトンネルに関しては、事業規模が大きいから本日までの意向確認のプロセスであったはずだ。  
  いわば、「条件であったのかどうか」は、やるやらないの意向とは直接関係ない。  
 合併した四村に限らず、旧市内も含めて地域要望が出てくれば、それを実施するかしないかの検討は当たり前のことで、四賀地区のトンネルも住民要望であるからこそ検討の対象となっているのだ。
  また、短縮時間のことに関して言えば、
  菅谷市長が一昨年の7月、「語ろう会」最初の松原会場での「本郷消防署が搬送する時間では、26分も短縮される」発言は、これを最後に繰り返されていない。
  そして、短縮時間に関しては、今回の意向確認の際、発表された資料で明白なように、
「短縮効果は、既存道路と比べ距離で2〜3km 程度」
「時間短縮は、短縮距離から数分程度と想定されます」
  と明確になっている。  
  仮に、明科からと本郷からを比べた場合の数字が「26」だとしても、それは同じことだ。
  これも決着がついている問題だ。
  また、「救急車、消防車の出動態勢」は、明科からも本郷からも、四賀地域の場所により、より近いほうから、そのときに応じて出動しているのだ。
 合併特例債に関して言えば、補助金とは違って、あくまで交付税の計算の際に、「算入」されるだけのものだ。

 それよりも大事な事は、新市建設計画の中で、要望事項であることは間違いないこの「四賀トンネル」が、果たして「悲願として」四賀住民の皆さんが望んでいるような結果をもたらすかどうかの検討ではないだろうか。  
 トンネルができれば、ある程度の効果がでるのは当たり前だ。
 問題は、
仮に作ったとして、どんなトンネルになり、どうした効果が期待できるのか。  それが、何よりも四賀地区の住民の皆さんの願いに叶うものなのかどうかの検討が重要ではないかと思う。
 作っては見たものの、思ったものと違うではないかが一番いけないことだ。

 それには、検討しなければならない関門がある。

 その1つは、現在検討中の判断材料としての「80億」という総事業費の枠に関してだ。  
  この枠があることによって、かなり急勾配のアクセスと歩道のつかないトンネルになるという点だ。  
  これで、安全や時間短縮というテーマが、どれだけ思ったようにクリアーできるのかどうか。どれだけの効果が期待できるのか。  
  また、住民の皆さんの願いに叶うトンネルという事になると、80億ではおそらくおさまらないという問題がでてくると思われるが、これに関しての四賀地区の皆さんの声が聞こえてこないが大丈夫かという点だ。  
  討論の中でもでていたが、作っては見たが、「こんなはずではなかった」が一番の無駄な公共事業という事になる。
 事業費規模がさらに大きくなった場合、市民の意向には当然変化が出るはずだ。  

 2つには、討論の中でも出されていたが、合併特例債にしろ、借金に変りはない。
  新たな借金を抱えて今後の松本市の財政運営を考えた場合、「借金を増やさず、確実に減らしていく」ことを確認した予算編成方針との関係で、他の「民生の分野の緊急課題」である、議論でも出ていたが、たとえば四賀地区の水道事業の改良費などのことを考えると果たして予算付けが可能なのかという点だ。

  こうした点のほうが、「論点」だと思われるが、違うだろうか。

  もちろん、重要な論点にふれた議論も行なわれてはいたが、冒頭に書いた、今回の討論会のテーマとの関係で、この企画は、その目的を達成できたのか改めて考えさせられる中身だった。

 (今日の発信に関しても、再び考えるとして、引き続きお伝えしたいと思います。)

 

 

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2月16日(木)

 横浜市 ハマちゃんバス −西区おでかけサポートバス−   
  

 議員団の巡回バスの視察で、一日目の横浜市。

  「2000万円。そんなに赤字だなんて考えられなかった。」
  「今までは、買い物をして重いものを抱えながら歩いて帰る毎日だった。腕が痛くなったので医者にいくと、『テニスをやっているのですか、テニスひじですね』といわれた。下りも怖い。買い物をして自宅に帰るのに自転車が重すぎてだめ。本当にこのバスはありがたい。」
  「重い牛乳などは、生協に注文して届けてもらっていたが、バスがなくなると本当に困る。」

 横浜市西区役所で、 横浜市の「ハマちゃんバス」説明してもらった後、実際にその「ハマちゃんバス」に乗って、駅まで来た。
  利用者の皆さんとお話をしてみると、こんな会話になった。

  松本市のタウンスニーカーと同じ小型ノンステップバス「日野ポンチョ」のバス。
  座席は、12名の19人乗りバス。 料金は、大人210円、子ども110円。
  松本と比べ、料金は2倍、それでもほとんどいつも満員であると言う。
  実際にわれわれが乗ったときも、ほとんど乗る人降りる人のバランスがよく、「満席」状態だった。

 横浜市といっても、いわゆるランドマークタワーのある「みなと未来」地区は、埋め立てで平坦だが、少し内陸(?)に入ると、まさに日本のサンフランシスコという感じ。
  最大勾配は、20%というところが、3箇所連続する地元の皆さんの間では、「3つこぶラクダ坂」と言われるところを実際に走ってきた。  
  だから、買い物を抱えて歩くと「テニスひじ」となるのだ。
  そして、地域の皆さんの利用が多いバス。
  横浜市の交通局が委託を受けて事業展開している。
  おそらく雪は降らないからいいのだろうが、こんなところを車が走るのかというところを、この「ハマちゃんバス」は、20分間隔で走って、地域の皆さんの足となっている。
  国の補助金を使って、2年間だけ試験的に運営しているが、約2000万円(正確には、1916万円)の赤字で、今後の運営については、効率的な運行形態や費用負担のあり方を地域の皆さんと検討することになっているところだった。

  詳細は、松本に帰ってから報告します。

 

 

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2月15日(水)

 陳謝文を確認     第8回懲罰特別委員会   
  

 昨日14日(火)、午前10時から行なわれた懲罰特別委員会。
 13日(月)第7回で、発言に関し、「事実無根」かどうか、「全面的に誤り」かどうか。
  そして、最後に、今後の決意表明として、「お誓い申し上げます。」と含めるのかどうか などが焦点となったことをお伝えしたが、 結局、「襲われたという私の発言は誤りであり」、と発言部分を「襲われた」に限定し、 「お誓い申し上げます。」は削除された。
  しかし、「議会の品位を汚す」という部分は残された。

 上條議員が処分要求書で「議会の品位を損なう」と使った意味は、 1月6日の私の質問に対して、「本会議場において、事実無根のことをあるがごとく、言うなれば誣告的な発言というのは、議会の品位を著しく傷つけるというふうに考えますので、そのように品位という言葉を使った。」と上條議員自身が答えたことに明確なように、あくまでこの「発言」に関するもので、私としては、ここで議会の品位という言葉を使うことには、違和感があった。
  今回、問題とされたのは、発言のことだけであり、 それは、「議会人としての見識と良識にかけた行為」で十分である。
  「議会の品位」という言葉を使うのにはまったく値しない。 俗っぽい言葉で、誤解を恐れずに言えば、こんなところで「議会の品位」を使うべきでない、まったくもったいない話だと思えてきたからだ。

 懲罰特別委員会の発足の時には、「4つの選択肢全てを視野に入れて」と考えたが、結局、議員個人として侮辱を受けたことの処分要求書に沿うことで、「陳謝文」という懲罰になった。
  初めての懲罰特別委員会の経験、貴重な教訓を得た会議だった。

  陳謝文全文は、20日の議会運営委員会で、明らかになります。
  また詳しいこの間の委員会での議論の経過もいずれ明らかになります。

  明日、あさってと2日間巡回バスに関して、横浜市と四日市市に視察に行ってきます。
  帰るのは、17日の夕方となります。


 

 

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2月14日(火)

 「レスキューコール」をすべての隊員に   
  

 松本広域連合2月定例会は、黙祷から始まった。
  昨年暮れの殉職事故以来初めての定例会であり、事前に私のほうからも議長に申し入れを行なってもいた事だった。  

 今回も、昨年の12月議会に続き、消防行政について一般質問を行なった。

 松本広域連合始まって以来の広域連合の職員の方が殉職されるという痛ましい事故。
  一人の方がお亡くなりになる、一人の人間の命が失われるという事は実に重大なことです。  
  いつも危険と隣り合わせの任務という点では、「偶発的な事故」ではなく、いつでも最悪の事態はありうる事ということの再認識を迫られた今回の事故。
  いわば門外漢である私が、本日質問で取り上げ、お聞きすることは、もしかすれば遠慮しなければならないことだったかもしれないが、広域連合の議会として取り上げないわけにはいかないことでもあった。
  教訓を明らかにし、今後の対策を明確にしなければならない責務が、議員としてもある。
  そして前回のお伝えしたが、先の議会で、指揮隊に関連して、前回の会議録を読みなおす中で、前回指摘したことが少なからず該当しているのではないかという思いにもかられたという点のあった。

  ( 昨年の11月議会での発言は、ここをクリック )

 「まことに恐縮ですが、十分な準備をせず臨む中で、関係各位の皆さんへの配慮が足りずに、私の発言でご迷惑やご心痛を与えることがございましたら、あらかじめお許しを頂けたら幸いです。」と前置きして、質問の本題に入った。

 消防局の任務と言えば、消火、救命、救急に重点があるという認識に陥りがちだが、もうひとつ絶対に忘れてはならないものに、消防職員や消防団員の皆さんの安全管理という点だ。
  全国的にも、殉職事故が起きる中、消防庁もそうした事故を防ぐ意味から、昨年6月13日付け「消防消131号」「消防力の基準等の一部改正について」を出している。
  その中に、「5、指揮隊の配置の基準」という部分があるが、 その中では 指揮隊に関しては、

  「災害現場において指揮活動を行なうため、指揮車を配置する」
  「指揮車に搭乗する指揮隊の隊員の数は、指揮車1台につき3人以上」
  「指揮車に搭乗する指揮隊の隊員のうち、一人は消防司令長又は消防司令とする」
   となっている。

 今回の塩尻の場合は、指揮隊長として殉職した職員の方は、当時は「司令補」で、非番の隊員1名を伴って、しかも現場に「指揮車」ではなく、「レスキュー車」にのって出動している。
  本会議でも、発言したが、 「いわば、このことをもって、単純に今回の事態を招いた背景にあると単純に一面的に主張することは本位ではない。」が、教訓は、一連の消防庁から出されている「基準」に即した立場からの分析が必要ではないか。
  確かに、塩尻署に勤務する職員数が29人で、3交代制を取っている中、職員体制の基準に満たないことは明らかだ。

 このことを指摘した。(詳細はいずれ)

  そして、私はもう一つ具体的に、「レスキューコール」をすべての隊員に携帯させることを提案した。
  この「レスキューコール」とは、災害時に隊員が腰につけ、「20秒間、動かなかった場合に、信号が発信される。」(消防長答弁)装置で、全国では既に配置している消防署が少なくない。
 「もしこれがあれば、もしかすれば、役に立ったのでは」と思うのは私だけではないだろう。
 指揮隊長(当事者)の行方がわからなくなってから、井戸に落ちたことを確認するまで、それなりの時間が経過していたはずだ。  
  そして、全体の消火活動を指揮する立場の人が、消防団員を含めた職員全員の安全管理を行なえる体制があったなら、「その発信」をキャッチできたはずだ。  
  菅谷連合長は、「消防資材、装備の検討をする。」 、消防長は、「レスキューコールについては、検討する」と答弁があったが、役立つものとの判断ができれば、すぐにでも配備を求めたい。

 そのほか、
  労働安全衛生法との関連で、安全衛生委員会の設置のこと。
  また、各市町村の消防団員への「教訓」の徹底。
  を求めました。

 (詳細は、次回)

 

 

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2月13日(月)

 「陳謝文」 多数決は避けなければならない    第7回懲罰特別委員会   
  

 出された正副委員長の素々案に基づいて、会派からの提案を受け、いよいよ本日「陳謝文」の作成を行なう段取りだったが、出されてきたものは、会派の提案を並記したものだった。
  ある会派のものと私たち共産党の提出したものを、いわば両極端のものとしてこの際紹介します。  

 陳謝文(案)は、ここをクリック

 私たちの案は、今回の「処分要求書」に沿い、必要かつ十分なものという観点から、なるべく簡潔に、そしてこの間の懲罰特別委員会の議論の到達点に沿っての内容に限定して作成したものだ。
  別の会派案中、議場外のことに関しては、「懲罰の対象とならない」ことは明白なので、たとえば、HPの部分のくだりなどは、懲罰特別委員会の審議とも関係ないので、含めない方向で、すぐ確認されたが、焦点は、発言に関し、「事実無根」かどうか、「全面的に誤り」かどうか。そして、最後に、今後の決意表明として、「お誓い申し上げます。」と含めるのかどうか などが焦点となった。

  この際、いわば何でも言わそうというのが、「陳謝」ではない。 今回の懲罰特別委員会は、上條議員から出された「処分要求書」に関して議論したわけで、確認事項は、「襲われたという事実は確認できないこと」と、「処分要求書は、妥当」という事だ。
  そして、問題とされているのは、「許されない発言」という事だ。

 今回の場合は、出された「処分要求書」が、この中身である以上、ある意味「感情的に」、行動に関してまで許されないことに言及できないし、するべきでない。

 そうした議論を踏まえて、改めて、正副委員長が原案(これは今の段階では公表しませんが・・)を出してきたが、「どうしても」の委員の意向が、まだ残っているもので、残念ながらこの議論の争点をクリアーするものではなかった。  

 審議の過程では、多数決でという方向まで提案されたが、(ここでこの言葉はいいかどうか時間がないので後ほどの吟味が必要だが、)多数決はなじまない。  

 私は、時間が欲しいという事で、延会を提案し、明日午前10時再開という事になった。

  明日は、午後1時から、広域連合議会もおこなわれる。

 

 

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2月11日(土)

 お世話になった可知先生が退官   
  

 信州大学理学部数学科可知偉行先生の退官式典に出席してきた。  
  現在では、正式には「理学部数理・自然情報科学科」と呼ぶのだが、やはり私には「数学科の先生」だ。
  名称の変更に関しては、「情報」という言葉がはやりで、予算との関係でも有利になるので、という話を聞いたことがあった。

  卒業生の中で、私は変わり者の一人なので、「卒業後の進路」というテーマで、長野県政に関して、脱ダム宣言にかかわって、1年生を前に「講義」をしたことがある。
  受講し、感想文を書けばそれだけで単位が取れる授業だったが、私にとっても貴重な経験だった。

  私は、いわば、数学科始まって以来の「政治教室」の最初で最後の卒業生だとも言われ、在学中から既に赤旗の仕事もしていたので、「特別待遇」で卒業させてもらったようだ。
  久しぶりに、講義を受けることになったが、板書された字は、なつかしいものだった。

 講義の中身は、図形に関するもので、1月19日に行なわれた最後の講義を再現したものだという。
  トーラスとか、メービウスの帯、クラインの壺などは皆さんもお聞きになったことがあると思います。
  数学的には、添付したPDFを見てもらえ解ると思いますが、講義では、「メービウスの帯」の帯をはさみで、2等分、3等分した際どうなるのかの実験が行なわれた。
  2等分のことは知っていたが、3等分は初めて。
  実験結果と図形上での解説講義は、久しぶりに大学当時を思い出した。

 添付したPDFには、「次の問題を解いてみよう」があるが、これはその最終講義の際の演習問題だ。
  その中で、No24が話題となった。

   添付したPDFはここをクリック (後半部分のなかには、問題になっていないものもありますが・・・)
  皆さんも説いてみてください。  ちなみに熊の色は、「白」です。

 テニスが好きな先生で、テニス協会の役員もしている。
  浅間温泉のテニスコートのオムニ化のことは以前から頼まれ、体育課にお願いしておいたが、いよいよ来年度実施されることになった。
  4月1日から6月にかけて、ナイター部分の6コートの工事が始るようになっている。
  講義が終わった後、やはりこのことが話題になり、報告したら「作るだけでなく、コートの管理を含めての予算化はしっかり頼むぞ。」ということを改めて託された。  

 可知先生には、数学科に入学してから、卒業時の「可知ゼミ」まで、本当にお世話になった。
  今後も、週1回は、大学に非常勤講師として授業を持つという。
  これからも体を大切に、いつまでも若々しく、そして誰にもわかる数学の話をしてもらえたらと思う。
  本当にお世話になり、ありがとうございました。
  これからもよろしくお願いします。


 

 

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2月8日(水)

 「防犯条例」に関する議論は、はじまったばかりだ。   
  

 「防犯条例」の制定に関する協議では、  正式な議案ではないので、多数決での採択は行わないが、委員10人中、8人の委員が制定を求めたため、委員長として、「報告を受けた」とまとめた。  
  協議事項として出され、質疑の中で、問題点や不合理な点など明らかになり、また条例の必要性に関しては、納得できる根拠を示せなかったにもかかわらず、条例制定に向け、2月議会に条例案の提案の方向が事実上確認された。

  協議の上で結論を出すという姿勢についていえば、理事者、および賛成した議員からは、はじめから最後まで、そうした点は感じられず、いわば最初から「条例制定ありき」でしかなかった。  
  それは、議論が始まったばかりなのに、「集約を求める」という「いつもの委員発言」にも現れていたが、委員長としてそれは認めず、全員の発言を求めた。
  私も途中委員長職務を副委員長に譲り、質疑、意見表明を行った。   

 以下議論の経過を紹介すると(順不同)

パブリック・コメントで寄せられた意見については、
  「条例制定に反対の声があったが、条例制定という方針を変更するには至らないという判断だ。」

公表に関しては、
最初「公開条例で見ることができる」としていたが、最後には「HPを通じて、寄せられた意見については、要旨を公表していきたい。」ことが明らかになった。

  監視社会となることを問題とする意見が寄せられていることについては、
  「人権侵害の懸念はある。これは、条例制定したいずれの都市でも、課題となっている。 しかし、十分な話し合い、常識の範囲での運用であれば、大丈夫と考える。」
 
  「市民の責務」が、規定されていることによる問題点に関しては、
  「一字一句を見ると、心配な点はあると思うが、行政と市民が取り組まなければならないこと。」

  この条例を新しくどうしても制定しなければ、今後行政として取り組みができないことはあるのか?
  の質問に対しては、
  何度か繰り返し問いただしたが、結局最後まで、その質問への直説答弁はなく、
  「条例がなくても、この間新たに、青色パトロール、小学校を中心とした見守り隊などの活動を行なってきている。条例を背景に取り組んで行きたい。」
  「防犯対策を積極的にすすめるために、裏付けを与える、基本となる条例、防犯に対する基本条例が必要」をただただ繰り返すのみに終始、 最後の方では、何度か 「見解の相違という事で片付けたくはないが・・・」と言う答弁が行なわれた。
  結局質問に対しては、答えられなかったというのが実情だろう。  

 積極的な防犯活動を行う上で、今回の条例が「不可欠」ならばともかく、それがなくてもできること。またすでに現に行われていること。  
  また、逆に、条例を制定することにより「人権侵害につながる懸念はある」ことを認めるならば、
  そして、すべての市民全員に係わることである中身にしては、周知の方法も時間も十分でないことが明確な中では、少なくとも2月議会での制定は、今日の協議での質疑のやり取りの結果からは、あまりに無理があることだけは、今日の議論を冷静に聞いていた方ならば、誰もが認めざるを得ない事だろう。

 今度の件を通じて、パブリックコメントに関して、その運用に関する規定(=内規)が必要なことが明確になった。
  現在までの状況では、いわゆる「形だけ」となり、実際に寄せられた市民の意見は、事前にことを協議する際に、詳しい紹介すらされず、ただ「尊重します」という扱いだけ受けてお終いとなっている。  

 今回のパブコメは、「四賀直結道路の意向確認とは違うので」という理事者からの答弁もあったが、これでは、「理事者に都合の悪い意見は、はじめからその運命が決まっていた」ことになり、41通のほとんどがその扱いとなった。
 パブコメを提案し、その実施を委員長として求めたその責任はどうなるのかという事にもなる。  
 
  市民からの意見が寄せられ、問題点の指摘があり、議論はやっと始ったばかりというのが現在だ。
  寄せられた意見の扱い方、などパブコメに関する誰もが納得できるルール作りが今後肝心だ。


 

 

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2月7日(火)

 タウンスニーカー「西コース」具体化に期待する   
  

 6日(月)に行なわれた定例庁議の場で、政策部から「地域新交通システム研究会の設置について」の報告がされ、松本市内全域の地域交通システムのあり方の研究・具体化がいよいよ始った。  

 タウンスニーカー100円バスに関しては、03年の市会議員の選挙の際に、私は「100円バスのルート拡大」を公約として掲げ、本会議をはじめ機会あるごとにその実施を求めてきた経過がある。  
  そして、昨年4月1日の合併に伴い、旧4村をはじめ、全市的な「足の確保」の問題は重要な課題となっており、「早速検討をはじめる」との議会答弁が行なわれてきた。  

 庁議に出された資料によると、

  「公共交通機.関の空白地帯に居住する高齢者など市民の移動手段についての対応策を講ずるなど、市内全域を視野に入れた地域交通システムのあり方を研究するため、職員による地域新交通システム研究会を設置する」

 庁議に出された「公共交通機.関の空白地帯」に関する資料は、ここをクリック  (PDF かなり重いです)

 現状の認識と課題に関しては、

(1)中心市街地は、バス路線等について比較的充実していますが、バス路線が松本駅前ターミナルを中心に放射状に伸びていることから、郊外に向かうほど空白地帯が大きくなります。また、一日の本数や運行時間などで利便性に欠ける部分もあります。
(2)合併により市域が広がったことにより、地区間の横断移動ということも今後の課題となることから、市内全域を対象に地域交通のあり方を検討する必要が出ています。」
  と確認、

 研究会は、
 支所・出張所職員(20地区)、本庁関係課職員(市民生活課、福祉計画課、高齢福祉課、計画課、交通安全課)、  の職員で構成、
  事務局は、政策部が担当する。

 研究内容は、

ア) 各地区ごとの地域内公共交通機関の実態(路線、本数、時間など)
イ) 利用状況等(乗降者の実態、利用の時間帯など)
ウ) 車を運転しない高齢者等のアンケート調査などによる意見の吸い上げ
エ) 先進地の事例の研究(デマンド交通システムなど)
オ) 地区毎(あるいは一定エリア毎)に、可能な交通システムの研究
  などで、
  全市的な路線空白地域に関しての検討に加え、 オ)の部分で、タウンスニーカー「西コース」は検討されることになるようです。

  ご承知の通り、タウンスニーカー100円バスは、すでに「北」、「東」、「南」がすでに松本駅から発着しており、駅の西口からの方面が残されたコース(=西コース)となっています。
  詳細は、ここをクリック

 第1回研究会は、昨日すでに行なわれ、今後、月1回程度の開催を重ね、
2月〜6月頃 住民の皆様の協力をいただいて実態調査等を行い、
6月〜9月頃 各地区でのあり方の研究を行い、
10月頃 研究成果の報告を行い、以降、庁内での施策検討を行なう。
  尚、調査の中で緊急に取り組む必要がある地区においては、研究と並行して実施計画37号で検討していきます。
  とある。  

 何度か議会で取り上げる中で、「西コース」に関しては、市内バス業者が「採算が取れるかどうか」が鍵を握るとされてきたが、  いずれにしても、タウンスニーカー「西コース」に関しては、現在整備が進んでいる西口の駅前広場の設計の中には、路線バスのほかにタウンスニーカーの発着場所が計画されています。  
  市制100周年の来年度中には、何とか実施の方向で、「早速コース作りなど、関係町会への課題の投げかけ」を、早急に行なうことを改めて求めたいと思います。  
  すでに、行政側からは、関係業者に、一つの「コース案」の提案がされているとも聞きます。  

 尚、私たち議員団は、来週の16、17日の2日間、横浜市(コミュニティバス運行について)と三重県四日市(生活バスよっかいち について)へ地域バスに関する視察を予定しています。

  また、22日には、生活安全条例に関して武蔵野市を訪問することも予定しています。

 明日8日には、「松本市防犯に関する条例(案)」についての協議が、午後1時半から行われます。

 

 

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2月6日(月)

 「陳謝」を求めることを確認    第6回懲罰特別委員会  
  

 午後1時半から、第6回懲罰特別委員会が開かれ、懲罰の種類について議論がされ、多数決で、「陳謝」を求めることを確認、陳謝文については、次回までに検討することになった。

  吉江議員に対する懲罰に関しては、
  「昨年の(吉江議員に対する)問責決議は、事実上の戒告に当たるので、今回は2回目と言うことで、一ランクあげて陳謝。」
  「内容的には、出席停止、除名にも当たる中身だが、今回は、陳謝。」
  「本当は、もっと重くしたいところだが陳謝どまりかな。」
  など意見。
  また、この間の吉江議員の一連の行動、たとえば、逆に「侮辱に対する処置請求書」を出し上條議員に謝罪を求めた行為、警察に被害届けを出し、昨年暮れには実際に何人かの議員が事情聴取を受けたり、HPで議会での発言の中身を発信するなどの行為を含めれば、「出席停止か、ないしは除名」しかないという発言をする意見も出されたが、採決の結果「出席停止か、ないしは除名」の提案をした議員を除いて、賛成多数で、「陳謝」と言うことに決まりました。

 (「出席停止か、ないしは除名」を主張した議員は、最後までそのことに固執した。採決を行なうのにその選択肢に、「ないしは」という曖昧な表現が含まれているものが、どうして採決の対象となるのか。そのことを指摘したが、それでも提案者はあくまでそのことにこだわり続けた。大事な事を決定する際に、自らの結論すら明確にできないことの無責任さと滑稽さにどうやら気がつかない態度には、まったく「閉口頓首」、あきれ果てた。)

 私は、今回の上條議員から出された処分要求書に基づく懲罰として、処分要求者が求める「名誉回復」には、本人の発言による訂正と謝罪が不可欠という性格の問題であることから、「陳謝が妥当」と発言した。  
  一般的には、地方自治法に定められている4つの懲罰の種類には、「ランク付け」があり、軽重の順として、「戒告」「陳謝」「出席停止」「除名」というのが、通例、「定説」であるが、今回の場合は、この「軽重」にこだわるのではなく、出された「処分要求書」に沿った結論を出すのが筋と考えたからだ。  
  たとえば、議会での行動として、議長の制止に従わなかったり、議会ルールを侵すなどの行為の場合は、その内容に応じて「ランク付け」で判断して、議会として「裁断」することで解決する場合がある。  
  しかし、今回の場合は、相手の議員がいるわけで、この間議会内外で、その議員に対して謝罪、反省の経過があるのならともかく、そうしたことが見受けられない中では、直接本人から正式に陳謝させることがやはり筋であり、それこそが、処分要求書に沿った結論になると考えるからだ。  

 後は、陳謝文を、どうするのかという事に尽きる。

  「陳謝」という事で、結論が出た時点で、正副委員長の「素々案」としての陳謝文(案)が提案された。  
  文書に関して、「訴訟と言う事態も考えれば、あらかじめ委員会として弁護士の協力を仰ぐ必要がある」との意見も出たが、それは議会としての責任を自ら放棄することにつながることは明らかで、その点を私のほうから指摘することで、その提案はすぐに却下された。

 委員会は、正副委員長から提案された「素々案」を持ち帰り、検討し、その結果を持ち寄ることになった。

 次回の委員会は、2月13日(月)午後1時半から行なわれる。  
  予定としては、2月議会の冒頭で、委員長報告が行なえるように準備する方向が確認された。


 

 

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2月3日(金)

 「格差社会」の問題は、どこまで追及されるか   
  

 TVでも、「格差社会」のことがとりあげられるようになった。
  「格差が出るのは別に悪いこととは思っていない。」
  「成功者に対するねたみ、そねみの感情をもたないで。」
  いずれも、小泉首相の国会での発言だ。
 TVでも、「国会で格差社会のことが焦点になってきた」と報じ始めた。

  「日本は資本主義の世の中だから、社会主義の選択したわけではないのだから格差が出るのは当たり前。」(主旨)

 この発言は、これもなんとなくTV放映の中で聞こえたもので、誰の発言だか調査が必要だが、言い得て妙な感じがした。  

 小泉首相が登場して、約5年。 昨年の総選挙では、「改革を止めるな」の一言で選挙が行なわれ、若者の支持も得た中での「大勝」だったわけだが、「勝ち組」の象徴としての「ホリエモン」の逮捕で、明らかに変化が起きて来ている。
 昨年の段階では、私たちも、「安心」「負担」「協働」をキーワードに、市政分析も行なったわけだが、国民の暮らしの実態との関係で、「負担」からさらに発展させて「格差」の問題を多方面から分析することが必要となっている。  
  2月6日(月)には、定例庁議が行なわれ、菅谷市長の記者会見が行なわれる。  
  来年度の予算編成、施政方針に関しても何らかの発表が行なわれるはずだ。

 3週間後の27日(月)からは、2月議会(予算議会)が開会される。

 

 

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2月1日(水)

 「景気回復」は何を意味するか、正確に捉える必要がある   
  

 早いもので、1月も終わり、暦は2月に変った。
  少し、1月の新年会などでの「あいさつ」を振り返ってみることにした。

 一昨日(30日)は、松本商店街連盟の新年会にお招きいただいたが、これでほぼ新年会は終わりになる。
  経済環境委員長として、今までになく多くの新年会に出席する機会が増えたが、年頭の関心事である「今年の景気の動向」に関しては、ほとんどの皆さんがあいさつの中で、「景気は回復してきている」と話を切り出していたのが特徴だ。
  それでも、商店主や経営者の皆さんは、慎重に 「しかし、まだまだその実感は感じられないところでは在りますが、この景気の風を確実に受け、今年はよい年になりますように」と語っていたことも特徴だ。
 
庶民の感覚、ご商売をしている皆さんからすれば、その実感はまだ正直感じられないと敏感だ。  

 去る16日に行なわれた、毎年恒例の松本市議会が行なう経済懇談会においては、講師の日銀松本支店長松永氏は、
  「全国的にも、長野県内に於いても景気は上向きになる」と断言、
  「戦後最大といわれた『いざなぎ景気』を抜くのではないか」との「観測」まで述べていた。

 また、29日(日)に行なわれた松本商工親和会連合会の新年会を前にして行なわれた講演会で、村井仁元衆議院議員は、全体としては少し理解に苦しむ面もあったが、その中で
  「(小泉首相は)改革は何もしていない。小渕、橋本首相がやろうとしたことを止めただけ。景気は良くなっているといわれているが、それは小渕、橋本首相が進めてきた結果が、タイムラグで、今少しよくなっているだけ。 地方がよくなっていないのは当然だ。『勝ち組』が儲かっただけ。東京は今ものすごい景気。ルイビトンというファッションメーカーがあるが、日本にはいくつもの専門店がある。東京という都市に2つも3つも専門店があるのは日本だけ。 世界中の売り上げの半分は、この日本でのものだ。」
  と紹介していたことを思い出す。

 確かに、政府発表の資料によれば、「景気は回復しつつある。」といえるようだ。
  しかし今回の「景気回復」は何を意味するか。このことを正確に捉える必要がある。  
 
そのことは、今年を、政治を変えていく上で重要な年にできるかどうかにつながると思う。

 たしかに、景気循環の基本的指標を企業利潤の動向という面でとらえるならば、 大企業経営の面では、経常利益の連続的増益、損益分岐点比率の低下(改善)、株価の上昇などの面で、景気回復を示す兆候が明確に現れているようだ。  
  また、各種の統計を組み合わした政府の「景気動向指数」では、景気は、2002年1月いらい、2度の短期的な停滞期(「踊り場」)をはさみながら、05年12月までで47ヵ月の長期の回復過程にあることになっています。  
  これが、「景気が回復している」と言う「根拠」ではあるのだが、問題は、国民の暮らしの実態との関係でどうなっているかだろう。  

 手元に、「経済」の2月号がある。
  非常に興味深い論文や資料が並んでいるわけだが、その中でも、次の資料は今度の景気回復が、一握りの大企業・大銀行の景気回復の事態を示す一つの資料となっている。

 以下引用すると、
 
  大企業の経常利益の動向をみると、二〇〇二年以後、急激に増大しており、最近の水準はバブル絶頂期のほぼ二倍になっています。
  こうした大企業の増益の最大の要因は、いうまでもなく九八年ごろから本格化した全産業でのリストラ・入減らしと賃金の切り下げによる「固定コスト削減効果」でした。
  そのために、大企業製造業の売上高経常利益率は、二〇〇四年度には五・六%となり、一九七四年以降の、三〇年間で最高の水準にまで達しています。

 大企業の経常利益の急速な回復については、次の三点を指摘しておく必要があります。
  一つは、経常利益から法人税などの税金を差し引いた純利益(当期利益)は、経常利益よりももっと増え方が激しいということです。
  表1は、一九九〇年と二〇〇五年の純利益について、比較可能な上位一〇社の経常利益の伸び率と純利益の伸び率を比べてみたものです。
  平均すると、経常利益が二・八倍なのにたいし、純利益は三・八倍に増えています。 こうした純利益の憎加は、不良債務処理などによる減損処理が一段落し特別損失が減ってきていることもありますが、なりよりも大きい要因は、九〇年代以降に法人税率の引き下げをはじめ、さまざまな名目での企業減税をおこなってきたためです。

 その資料(表1)はここをクリック  

 引用は、ここまでだが、続いて、雑誌「経済」は、

  二つ目は、 「資本市場でのバブル的現象。株価は、小泉内閣発足後、一時は日経平均が7000円台にまで落ち込みましたが、〇五年一二月には1万5000円台に回復し、株式売買高は、すでにバブル時を超える水準にまで膨れ上がってきていること。」

 三つ目に、「大企業の巨額な純利潤の一部が株式配当などをとおして、少数の高額資産家などの階層に滴り落ちる現象があらわれていること。」
  と書いている。

 論文は、さらに続くわけだが、ここまで読んでもすでに、今度の景気回復の実態が、
 
「一握りの大企業・大銀行の景気回復がすすむ反面で、大多数の中小企業、勤労者にとっては、景気回復とはほど遠い経営苦・就職難、家計不安が続いている」という「景気循環二極化の現象が経過的な特徴としてだけではなく、日本独占資本主義の新たな段階の資本蓄積条件として恒常化しつつある」ことがわかり、 そして、さらに 「一握りの巨大企業だけが一人勝ちする資本蓄積のあり方は、国民経済の持続的な再生産にとっては、それ自体として大きな矛盾をはらんでいる。」ことを指摘している。  

 実に解りやすい説明であるとともに、この1ヶ月の冒頭に紹介した関係者の「あいさつ」、講演などは、それを裏付けるものであることがわかる。  

 そういえば、昨年12月11日付けの日曜版に、
  「トヨタは3年連続1兆円の大もうけを上げているのに、豊田市の法人市民税は、120億円減収」という記事が載っていた。  

 詳細は、ここをクリック
  (日本共産党デンソー支部のHPをお借りしました。中ほどに、この記事が載っています。)  

 国の法人税だけでなく、地方の法人市民税も少なくなる仕組みが、こうした「二極化」を加速しているのだ。
 そして、その上、今度はこの法人税の目減り分を、消費税率の引き上げで、さらにさらにその「二極化」を加速させようというのだ。   

 間違いなく、今年はそうした政治の実態が明らかになる年だ。
  松本協立病院の具志堅院長が述べたように、今年は「ワクワクする年」にしたいと改めて思った。

 

 

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2月2日(木)

 4回転ジャンプ成功の決め手は、跳躍の高さ   
  

 パソコンに向かって作業をしていると、次男が近づいてきて、トリノオリンピックの日程の確認に来た。
  場所を譲ると手馴れてクリックして、
  「来週からはじまるんだ。前期試験(9日)が終わってからだ。ミキティは、23日か。27時という事は、何時?」
  画面を見ながら、そんなことをつぶやいていった。
  いたって、気楽なものだ。  
  それにしても、受験勉強というものを少しずつだがはじめている。  本人の希望が時間との関係で、叶うものかかなり心配ではある。

 さて、そのフィギュアスケートに関して、興味深い記事が手元にある。
  民青新聞の1月16日付の「氷も溶かす熱いたたかい」という特集だ。

  「トリノではここをチェック」 と題して、安藤美姫の4回転ジャンプを取り上げていた。
 
以下、引用すると

  ジャンプ成功の是非を決めるのは、跳躍の高さ。
  本田武史選手の跳躍幅は3.1bと長く飛ぶ。
 
名古屋大学の池上康男教授は、「成功すればダイナミックですが、力が横に流れるため着地は不安定になってしまう」という。
  一方、長野オリンピックの金メダリスト、イリヤ・クーリック選手の跳躍幅は2.5b(下図)。
  池上教授は、「ジャンプするさいのエネルギーを、上に飛びあがる力に転換し、着地を安定させているのです」(日本テレビ「ザ・.ワイド」1月4日放送)という。
  女子で世界初の4回転ジャンプを成功させた安藤美姫選手の跳躍幅は、クーリック選手よりさら.に短く1.9b(下図)。練習では、跳躍の高さも41.8aから46,6aに伸び、空中での余裕も増したことで4回転ジャンプに成功している。
  実力が発揮されたら、トリノでの4回転ジャンプも夢じゃないかも…。

 下図という部分は、テレビ画面をそのまま伝えている。
  その部分は、ここをクリック  

 実に興味深い中身だが、残念ながら私はそのテレビを見ることができなかった。
  これで、改めてオリンピックを見る楽しみが一つ増えた。

 

 

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