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2024.1.23. | |
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まいどこんばんは。今日でRainbow葡萄園の剪定作業が終わりました。全部で9本。長中梢剪定自然形仕立てのぶどう木たちなので、人間の都合でなくぶどうの木にとって一番いいようにと考えての剪定でした。なのでしゃがんで下から上を見て考える時間が長いです。考えるということは、ぶどう木たちと対話することです。「おいおまえ、どうしてほしい??」とか。静かな、しかし満ち足りた時間と空間です。以下、園主様とぶどう木たちとの対話の一部をご紹介します。なお、園主様は一番えらい人なので、ぶどう木たちを「おい」「こら」「おまえ」呼ばわりしています。 | |
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「おい紅ちゃん。去年はすごくよかったなぁ。今年も頼むよ。」 「はいわかりました。」 「そやけど紅ちゃん、枝が太くて長すぎる。枝切って地面に引きづり下ろすの大変だったぞ。」 「ちょっと肥料のもらいすぎかもしれません。窒素系はいらないです。」 「そうだな。それと紅ちゃん枝折れすぎ。風吹きゃ折れるし誘引したら折れるし触ったら折れる。それどうにかならんか?」 「そうなんです。それ私の弱点なんです。悪く思わないでください。」 「悪くは言わない。今年の枝折れは80本までは許す。それ以上は痛々しくて見ていられない。なんとかこらえてくれ。」 「できる限りがんばります。」 |
![]() 紅 環 |
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![]() 西の翠峰 |
「おーいすいほう。去年は割れなくてよかったなぁ。今年はどうする?。割れる?」 「そんなことおらわがらね。」 「それとおまえ相変わらず返し枝がないんだよ。剪定しずらいぞ。ちゃんと全部発芽しろ。」 「そんなこといわれてもおらわがらね。」 「2回目のジベ処理をやらないで1回処理にしたり2回目をフルメット処理にしたりとかいろいろやってみてなんとかおまえのスタイルみたいなものが出来上がってきたな。今年もそれでいくか。」 「そんなむずかしいこといわれてもおらわがらね。」 「まあいい。全部園主様に任せておけ。いいようにしてやるから。今年も房は3センチ、1ジベは12.5、2ジベはF5、その後は6-30、袋は緑20、全部で250想定でいく。いいな。」 「なんのこといってんのかおらわがらね。」 |
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「おいウィンクさんよ。去年は色ついたなそこそこに。よかったな。褒めてやるよ。お客さんも喜んでた。本領発揮だった。改めて礼を言う。今年も頼むよ。」 「ありがとうございます。一昨年が最悪だったので今回はほっとしています。園主様のおかげです。」 「房づくりの時に摘蕾グシでゴシゴシやったな。あれは大変だった。700房以上。半日以上かかったぞ。真剣だった。でもあれで摘粒がずいぶん楽になった。結果オーライでホントによかった。」 「他の人たちとくらべて特別に手間をかけていただいてすごくうれしいです。」 「今年は昭平さんとマニ子に同じことをやってみようと思っている。後回しにはしないから心配しないでいい。」 「ありがとうございます。 ...あと、それと、あの・・」 「どした?」 「アタシの子供がここに来るって噂を聞いたんですけれど本当ですか?」 「うん最後に教える...。」 |
![]() ウィンク |
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![]() サニードルチェ2 |
「こらドル子、去年房余っちゃったな。房作りすぎたな。疲れただろ。ごめんよ。」 「はい。ちょっと疲れました。枝数が少し多かったと思います。根本に一番近いところの太い枝をバッサリ切ってほしかったのをそうしてくれてありがとうございました。」 「うん、そう思っていると思ってた。それとウィンクと重なるところでどうしてもおまえが負けちゃっているのが気にかかっていた。どうだこの剪定。なかなかいいだろ。」 「園主様ならこうしてくれるだろうとワタシずっと思っていました。」 「ドル子とは以心電信だな。」 「漢字が違います。伝心じゃないですか。」 「創始相愛とも言う。」 「それも感じが違います。相思じゃないですか。」 「おまえも間違えてる。漢字だろ。」 |
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「おーいすいほう。あっちの翠峰とはまともな話ができない。あいつ頭おかしいわ。こっちが疲れる。君は大丈夫だよな。」 「はい、僕は大丈夫です。」 「さすがに枝が太くなって混みあってきたからな。太枝切ってどうださっぱりしたろう。何しろ一筆書きがもうできなくなりそうだった。」 「はい。ロン毛スパイラルがスポーツ刈りになったみたいでとても新鮮です。」 「こっちから紅子、あっちからマニ子が迫ってきて場所がちょっと狭いけどまぁこらえてくれ。今年もいい房頼む。」 「はい、わかりました。病原菌感染の不安だけは取り除いてください。」 「うんわかった。できるだけのことはする。今年も頼むよ。何しろ君には信者がいる。」 「わかりました。僕は園主様を信頼しています。」 「よろしい。」 |
![]() 東の翠峰 |
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![]() マニキュアフィンガー |
「こらマニ子。大木になりそうだなおまえ。1年に一体何メートル伸びるんだ。ウィンクさんや翠峰さんのところに領空侵犯するなよ。」 「はい。でも自分も自分がすぐにこんなに大きくなるとは思ってもいませんでした。皆さんにご迷惑おかけします......。」 「あと、房も粒もデカすぎ。そんなに大きくならなくてもいい。そのかわりもっと赤くなれ。つけ根まで赤く赤く。いいな。それから実割れに気をつけろ。何しろおまえの姿形、すごく目立つから。目立つならかっこよく目立て。いいな。それと、秀品安定生産のためには、まずはおまえの性根にかかっている。性格悪い奴はここでは生きていけない。紅子さんとかドル子さんとかいいお手本がいるんだからしっかり見習え。わからないことや困ったことは自分で抱えず先輩に聞け。いいな。」」 「はい、努力します。あの.....それから・・・、消毒はきっちりお願いします。アタシ雨に弱いので。」 「わかった。今まで以上にやってやるよ。でもな、おまえの病気、それだけが原因じゃないと思っている。たぶん、もともと粒が多すぎなんだよ。3センチの中に200粒くらいついてるんじゃないか??。なので今年はウィンクさんみたいに摘蕾グシでゴシゴシやってやろうかと思っている。」 「嫡雷串って何ですかそれ。ゴシゴシって、なんだか怖いです......。」 |
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「おうい昭平さん。どうやってもうまくいかない。難しい人だねあなたは。誰も作っていない珍しいぶどうだから何とかしたいのだが..。」 「ジベレリン1回処理は間違ってないと思います。それ以外は私には何とも.......」 「実は去年の9月にな、幻のぶどうと言われているあなたを見せてくださいと知らない人から電話がかかってきた。」 「それでどうされました?」 「あなたを見せるのみっともないから断わった..。」 「そんなことがあったんですね。」 「ちゃんと赤くなること、変な病気もらわないこと、割れても最小限にとどめること。今年の目標にしましょう。」 「そうですね。よろしくお願いします。私ももっとかっこよく目立ちたいですから。」 |
![]() 昭 平 紅 |
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![]() サニードルチェ3 |
「ドル子、おまえすごくいい。おまえ大好きだよ。LOVEだよ。真っ赤になるし色っぽいし。あっちのドル子とは台木が違うからかな。それにどうだ!、昭平さんとバカベイの間の狭いところにいたのをこうやって広くしてやった。どや、これ、いいだろ。」 「はい。すごくゆったりスペースができてゆっくりくつろげます。」 「くつろがれちゃ困る。しっかり働け。」 「かしこまりました。あの、ひとつ質問してもいいですか。」 「何だ?」 「ここにすごい方がいらっしゃるって聞いたんですけど、どんな方ですか?。」 「うん。あとでみんなに言う。」 「ドキドキ.....。」 |
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おい、バカベイ。おまえには愛想が尽きた。もう我慢ならん。おまえ半分にしてやった。ザマアミロ。少しは懲りたかこのやろう。」 「................。」 「せっかくレインボー贈答セット入りにしてやろうとこっちはがんばってるのに、なんだその様は。」 「...............。」 「ふん、とうとう喋らなくなったな。もうおまえとは縁切る。来年全部伐採してやる。悔しかったら最後に花咲かせてみろ。」 「..............。」 「何とか言え。」 「おいら元々中国生まれの中国育ちなんだからそれをここで作ろうとしたのが間違ってたんじゃないのか。無理に種無しなんかにするし..。」 「やっと喋ったな。まぁいい。おまえのかわりはいくらでもいるから。」 「................(我的心在哭泣)。」 |
![]() 貝甲干(ベイジャーガン) |
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