2023.11.11.   

 まいどこんばんは。一昨日までの3日間、隠れ家に籠ってきました。毎年秋の恒例です。今年は温泉天国・中房温泉。安曇野の奥座敷にして燕岳の登山基地です。温泉に浸かること、美味しいお酒飲んで美味しいご飯食べること、文庫本1冊読むこと、のほかは何もしないまったりとした時を過ごしてきました。何もすることがないって日が年に何日かあってもいいよねってことで、ホントにほかに何にもしませんでした。ああシアワセなジンセイ.......。

(左) 安曇野から見る北アのシンボルは有明山。その向こうが燕岳です。今回の目的地は有明山の向こう、深い山あいの中。
(中) こんなところに一軒家というまさにそのもの。しかし温泉の1000年以上の歴史と明礬を生産したという300年の産業遺産と100年を越える北ア登山者のための宿泊施設としての歴史は、圧倒的なオーラと存在感を放ちます。
(右) 中房温泉招仙閣。はっきり言ってボロいです。でも、古いものがそのまま残っているってのがいいです。昭和レトロの赤い郵便ポストもナイス。
 温泉を訪ねてワクワクドキドキというのはめったにありませんが、何しろ無加水、無加温、源泉そのままダバダバかけ流し、殺菌剤投入一切なし(というかその必要なし)、湯量豊富という、全ての点において温泉のポイント最高得点。

(左) 実は元々の建物はコチラ、中房温泉ロッジ。中房温泉旅館はこの建物からはじまって歴史をかけてだんだんと建て増しされてこれらがまとまって、しかもこんな山奥で長年の風雪に耐えてきたというところに抜群の風情を感じました。
(中) さあ温泉巡りを始めよう。ロッジの中にある
大湯。タイル貼りのレトロ感が好きです。しかし熱い熱い。5分で退散。
(右)
 白滝の湯。ロッジから上り坂5分。熱い温泉が上から白滝のようにそのまま流れ落ちて湯船に注ぎ込まれていました。この開けっぴろげ感はなかなかの興奮モノでした。湯船は3段に分かれていて、一番上は熱く、一番下はけっこうぬる湯でした。

(左) 湯船へ入る扉を開ける時のドキドキ感ってのが温泉の楽しみのひとつです。不老泉。この扉を開ける瞬間は興奮しました。中に何があるんだろと..。
(中) ヒノキの湯屋造り。大きな石が絶妙に配置されていて、うーむ絶句。混浴ですがオンナはおろかオトコもいない。時間をかえて3回入りに行きました。自分一人の贅沢な時間と空間。寝てました。
(右) 
根羽の湯。南信州の根羽というところの杉のお風呂だそうです。木の香りがしました。お湯のスベスベ感が一番だった感じがしました。

どれが一番と問われたら迷わずここ。御座の湯。浴槽としては一番古いみたいです。古き良きものが何十年(?)経ってもそのままある、って感じがたまりません。硫黄のほのかな匂いと年季モノの木の風情は興奮モノです。時間をかえて合計4回入りにいきました。曇りガラスを通して差し込む光の加減が時刻と共に変化していました。

(左) 月見の湯。目隠し無しハダカ丸見えの開けっ広げ。混浴露天としての偏差値と男女が二人で入りに行く難易度は最高レベル。
(中) 
大湯の階下のお風呂は行きましたか?と宿の人に言われて、えっ!?、えっ......!?。こんなところにスバラシイお風呂がありました。重厚な造り。適温。ツルツル。寝てました。
(右) お湯の投入口は木による簡易なもの。意匠を凝らしていないところが素朴すぎて感動。熱けりゃ薄めろってことで水道蛇口(?)がありましたがこれがまた絶妙なレトロ感。

(左) 建物の裏庭(?)は温泉パラダイス。
(中) 温泉パラダイスの中心は
滝の湯。3回入りました。寝てました。
(右) 
蒸し風呂。天然サウナ風呂。温泉の水蒸気。5分持ちませんでした。

(左) あれは何だ??
(中) 
根っこ風呂。以前はここにあったケヤキの大木をくりぬいてお風呂としていたそうですが、破損したため木桶に変えたそうです。一人用お風呂。全身浸かると同時にザバ~!!っとお湯が溢れる感じが豪快かつ繊細でした。お湯のツルツル感もなかなかのもの。
(右) 
湯原の湯。宿泊者でない人(つまり燕下山者)が入れる豪快露天。実はここだけ以前に何回か来たことがあって、いつかは旅館に泊まってみたいとずっと思っていたのを今回実現したというわけです。

(左) こんな山道を歩いていかないといけないお風呂。
(中) 
菩薩の湯。ここも開けっ広げ。お湯はダバダバ豪快系。
(右) 部屋から見る景色。素朴な6畳間でしたが何もしないためにはちょうどよかったです。温泉が噴き出して湯気があがっているのが見えました。

(左) 招仙閣とロッジの間の通路。あちこちフラフラ歩いたので裏道的なところまで覚えてしまいました。ペプシ自販機の残骸(?)がレトロ。
(中) 
岩風呂。部屋から近くて広くてキレイで夜でも入れてしかも混浴で、とりあえずいつでも安心のツルツルスベスベ風呂。
(右) 
大浴場。こちらも同様。朝とりあえずひと風呂というのにちょうどよし。この後朝食とか。

お湯の注ぎ口は基本的にシンプル。竹が一番多かったかな...。

木の注ぎ口は味わいがあります。岩の注ぎ口は基本豪快系。

(左) 敷地全体が温泉の源泉地なのであちこちから湯気が上がっていました。
(中) 焼山。地面が暖かいです。
(右) 地熱で30分蒸したジャガイモ。

 地面の裂け目から源泉がゴボゴボ湧き出している箇所がいくつもありました。地球の裂け目か.....、スゴイ。不思議なことにすぐそばには沢があってそれは冷たい...。いくつもある源泉の温度は70-90度の高温で、それを適温にするための工夫がいろいろあるそうです。これは空冷式。タライの上から下に源泉を流して温度を下げる仕組みだそうです。

 そんなわけで、大変にのんびりとくつろいできました。やはり最低2泊は必要っす。それから最近はソロのお客さんが増えていると宿のスタッフが言ってました。自分と同年代と思われるオトッツァンがいました。夕食や朝食時に少し話をしましたが3泊するそうです。宿の夕食も3パターン用意をしているということで、なるほど3連泊もありだったなと思いましたよ。いい休日でした。