2019.10.25.  


 皆さままいどお世話になります。
 よく雨が降ります。ご近所の稲刈り後の田んぼはぐちゃぐちゃ。排水のいいはずのぶどう園もぬかるみで長靴でないと歩けません。山の水と川の水を引いて水場にしてある第1巨峰園では排水能力が雨量に間に合わず、排水口のところから水がダバダバに溢れかえって園内水浸し。傾斜地にある第2デラウェア園では石垣のすき間から水がピューピュー噴き出ていました。たまらんなぁと言いながらも被災地のことを考えると文句は言ってられません。
 雨をはさんで8日間ほどかけて、稲ワラの搬出搬入作業が終わりました。春に葡萄園一面にワラを敷くのですがその主な狙いは次の通り。
 ① 乾燥期の必要以上の土壌水分の蒸発を防いで土壌水分をできるだけ一定に保つ。雨が降っても降らなくても土壌水分がいつもほどほどにあるというのが理想の状態。ワラを敷いていない裸地状態で乾燥が続くと地面がひび割れたりして極度の水分不足に陥ったりすることがあります。どうもぶどうは、地中の水分量そのものではなく、水分量の過度の増減に弱いようです。そのことを黄華とピオーネ(Seven's葡萄園)で実感しています。ここは5-6年前から敷きワラをするようにしていたのですが、その年からぶどうの裂果が驚くほど減りました。
 ② 夏の強烈な日差しの照り返しをやわらげる。夏の暑さは強烈です。上を向いても下を向いてももうギラギラ。しかしワラを敷き詰めてあれば下からのギラギラ感はある程度は抑えられます。巨峰なんかはこれでずいぶん救われているような気がしています。
 ③ 雑草の抑制。敷くワラの厚さにもよりますが、裸地にくらべれば全然違います。

 ということで搬入路の長い第2デラウェア園を除く全てのぶどう園には毎年この時期に稲ワラを搬入。ところが.......。


 (左) K虎は一向に水が引かない田んぼに突入。ロールにしてあるワラは水分含んで重い重い.....。手足はびしょ濡れ。いつもだとカラカラに乾いていてホコリだらけになるくらいなのですがむしろそっちの方がマシ。しかしこんなところでもしっかり動くことができるのが4駆のK虎の実力。
 (右) こちら第3デラウェア園。搬入を終えてきれいに積んでシートを二重にかけて冬越しの準備完了。このデラ園は、3つのデラ園の中で最大面積、適度な傾斜、K虎を横づけできる作業性の良さ、若木が成木になってきたことで最大の房数、しかも早場地区とあって経済効率が最良。なかがわ葡萄園の稼ぎ頭筆頭です。
 
 
 こちら第1デラウェア園の下の段(左)と上の段(右)。ワラを運び込むのも一仕事ですがきれいに積み直すのもこれまた一仕事。ここは今年、最大房数の座を3デラに譲りわたしました。しかし、「食べてオイシイ!」度の一番はやっぱりココです。

 こちら第1巨峰園。なかがわ葡萄園のセントラルステーションです。27a(アール)ととっても広いぶどう園。3箇所ある出入口の横に稲ワラを山積み。

 (左) Rainbow葡萄園。ここは来年から実施する、ワイナリー農産物直売所収益200万円達成2ヵ年計画の中心に位置づけました。「できたぶどうをこれだけ売ってこれだけ稼ぐ」という従来の考え方を180度転換して、来年は「これだけ稼ぐためにこのぶどうは●●●房をつくる」という発想でやってみようと思います。先日、excelで来年9月の、ワイナリー直売所用2
k箱、ワタクシのお客様直行便の大粒種おまかせ4種セットとレインボーセットの収穫箱詰発送予定表と各品種の必要房数一覧表を作成しました。それによるとこのRainbow葡萄園の15種類のぶどうたちにはけっこうハードな目標が課せられることになりました。詳細は割愛しますが、「おい昭平紅、おまえ来年105房の想定だよ。真っ赤なやつが105だよ。ということは120房だよ。出来のいいやつが120だよ。ということは150の想定をしておかなくちゃいけないぞ、できるかおまえ!?」てな感じでそれぞれに語りかけてみたらところ「そりゃ無茶や」「無理です」「できるわけねーだろ」「堪忍してください」などとみんなビビッてました。まぁいいや冬に剪定やりながらゆっくり考えよう。
 (右) Seven's葡萄園。シャインマスカットの数が決定的に不足しています。第1世代シャイン3本はおよそ650房でもう増減なし。第2世代2本と第3世代4本の成木化をじっくり待つのみです。数が足らないこの先数年は、詰め合わせ用をメインとするならば単品販売は取り止めにしないといけないかもしれません。お客様のツゴーではなく自分のツゴーを優先するのがなかがわ葡萄園のバカ園主でありますどうだ文句あるか。

 (左) 昨日は地元・山辺小学校の全校持久走大会。6年生のCocoが来た来た。ガンバレ!。順位などはモンダイではない、本人がやり切った!と納得するか否かがモンダイである、と父親は思っているのですが本人がどう思っているかは..........、知らない.....。ちなみにこの道路の向こう側がSeven's葡萄園。見えるのは黄華の葉っぱです。
 (右) 実弟の元同級生で今は大学教授にして古代史研究者であり毎年デラ姫をあちこちに贈ってくれる優れた購買家でもあるN女史が紹介してくれた、自身が共著となっている最近の著作2冊をamazonで購入。章を決めて毎晩少しずつ読んでます。

 今日は一日雨でした。フィールド仕事もデスク仕事も今日はナシの終日OFFday。こんなシアワセな日が何か月ぶりかでやってきました。そこで、大町市の奥座敷、もう通いなれた葛温泉へGO!!。ナビも地図もいらないぜ。
 葛温泉に3軒ある温泉宿のうち今日は高瀬館を選択。露天も内湯も予定通りの貸し切り状態。泉質こそアルカリ性単純温泉というありふれたものですがここは何より湯量がすごい。露天も内湯もダバダバダバダバの源泉直結の大量かけ流し。熱いので加水してありますが、殺菌剤を一切投入していないところが素晴らしい。大量のお湯がどんどん入れ替わるので殺菌の必要がないということです。露天は風情満点。内湯も「あつめ」と「ぬるめ」とあります。何という贅沢か。そのへんのヘナチョコ温泉が10軒束になってかかってもかなわない、これが本物の天然温泉の実力です。1時間半ほどまったりとしてきました。

大町市内に戻って塩の道資料館。糸魚川から運んできた塩や魚の問屋だったところ。年輪を感じる柱や梁、土塀や蔵など、古の時代の雰囲気に浸ってきました。