2019.10.13.  


 みなさままいどお世話になります。
 台風19号、関東東北に随分被害がでました。被災地の方々に心からお見舞いを申し上げます。幸いなことに松本は何でもなかったです。そこ千曲川だろ大丈夫か?とご心配いただいた方もいらっしゃいましたがいいえここは千曲川とは別流の犀川という川のそのまた支流の薄川という川の流域です。薄川は、松本最東部の美ヶ原山塊を源流として西に流れて松本市内で上高地を源流とする梓川と合流し、北に流れて北アルプスを源流とする高瀬川と合流し山あいをぬってから千曲川と合流し、そのうち信濃川と名を変えて日本海に注ぎ込みます。うーむしつこいな。でも被害はなかったものの、薄川の濁流は怖かったです。
 さて、ぶどうです。明日残り最後の60房を収穫します。何が残っているかというと下の4種類。思うような色づきになかなかならなくて予定通りの収穫がかなわなかった品種たちです。


 (左) 昭平紅。完全に失敗でした。房が大きくなりすぎ。陽のあたらない房の裏側がまっ黄っ黄。糖度も思うように上がらず、今年は×でした。2回のジベ処理とか房づくりとか摘粒にたくさんの課題を残してくれたぞこのやろう。
 (右) 伊豆錦。今年は色のつくぶどう(赤とか黒)の着色が全般に悪い年でした。この人がその典型のひとり。黒くならない紫ぶどう。本来の味を引き出すことができませんでした。
 
 
 (左) ウインク。今ごろになってやっと完熟状態。粒の付け根まで紫黒色になるのに随分日数がかかりました。めちゃ美味い。自分好みの食感。でももう遅いわ。
 (右) サニードルチェ。やはり赤系ぶどうは天候に敏感です。房づくりから誘引から葉っぱの管理からやるべきことは全て丁寧にやったのですが、満足には至らず。しかしこのサクサクとした食感はなかなかいいです。

 満足といえば、今年は翠峰が大当たりでした。一生懸命やった甲斐がありました。400ちょっいの房がほぼパーフェクト。これは嬉しかったです。満足も大満足。9月中になくなってしまったので写真がない!。がんばって写真撮っときゃよかった。シャインマスカットも同様。満足ではありませんが去年の反省をある程度は生かすことができて自分はそれほどの大バカではなかったことを証明できたことが嬉しいです。うーむしつこいな。黄華もまあまあ。しかし房が大くなりすぎて本来の食味の点では△か。今年実力を見せてくれたのがバラディ。しかし熟期が遅いことが難点。それから雄宝。こいつなかなかやるぞ。それから颯爽と大粒種前半戦の主役に躍り出たのがナガノパープル。熟期が早くて他のぶどうと揃えられないことが少々困るけれどこれだけ美味しければそんな文句は言ってはいけない。9月20日ごろまでのレインボーセットや4種セットにはたいてい入れましたがこれがまた美味い!!。毎年まいどまいどのお客さまで初めてこのぶどうを食べて絶賛していただいた方も随分いらっしゃいましたぜ。どちらかというと作るのがイヤな“キライ系ぶどう”だったのですが今年の出来を見て気持ちが変わりました。わたくし事ですが、ナガノパープルがあんまり美味しいので黄華とともに冷蔵庫に何房か保存して連日数粒をポリポリと食べておりました。さすがにそのうちになくなってしまい、じゃあ巨峰を食べよかと思って巨峰を食べたら、ん..............1?、なに!?、この面倒くささは一体何!?、皮が残るのが面倒くさい!、と実感しました。タネなしぶどうに慣れるとタネありぶどうは食べられなくなる、皮ごと食べられるぶどうに慣れると皮の食べられないぶどうは食べられなくなる、という消費者様のニーズを身をもって体験しました。

 (左) 第1巨峰園。もうスッカラカン。先日、お礼肥をやったところで、ただ今来年への力を蓄え中。
 (右) Seven's葡萄園。これはシャイン。収穫忘れが1房くらいないかなと見渡してみたけれどやっぱりスッカラカン。

 とにかく、ヤレヤレです。10月に入ってからハワーレベルを徐々に落としてきているのですが、明日でホントにぶどう終わりです。そのうち今年の総括をゆっくりやらせていただきます。