2018.10.8.   


 まいどこんにちは。
 8月初旬からの嵐のような2か月間がようやく終わりました。ほんまに嵐やったわぁ~。疲れたわぁ~。思い返せば、いいことも悪いこともありました。どうだやったぜ!、ということもありましたが反対においおい堪忍してくれなぁということも少なからずありました。1ヵ月に1度しかぶどう通信を更新していないので、お伝えしたいことがまるでお伝えできていませんでした。だから今日は箇条書きで思いつきをいっぱい書きなぐります。支離滅裂順序滅茶苦茶はどうか堪忍しておくれぞなもし。
 
 去年あるいは平年比でよかったことなど、+(プラス)方面の出来事。
 ① 今年はドロボー被害に遭わなくて済んだ。黄華、シャインマスカット、ピオーネが主力のSeven's葡萄園。9月初旬にテントを設営。見張っているぞという意思表示が抑止力(?)を発揮したのか、今年はドロボーやってこなかった。ザマアミロ。一回くらいはほんとにテントで寝ようかなと思ったけれど結局一度も寝なかった。但し、ご近所ではドロボー被害が連発。夜のうちにシャインマスカット100房以上が盗難に遭った被害が2件発生。来年以降は地域として対策を講じる必要性が出てきました。
 ② 終わってみればデラ姫の作柄がまずまずだった。日焼けで収穫できなかった房が数千あったものの、最終的な数字を軽く試算するとまずまずかな。100点満点はあり得ないけれど、とりあえずは75点といったところか。
 ③ 今年はピオーネの出来が過去最高。ぶどうの作り手として純粋に、今年は満足。「栽培品種」のコーナーでピオーネのことをいろいろ書いていますが、今年はほぼ全てを克服。ピオーネに関してだけは、ぶどう職人として充足感があります。
 ④ 注文の返信をしない、電話に出ないという、本来お客様商売ではあるまじき態度が、いつしかなかがわ葡萄園の標準になり(?)、しかもそのことでのクレームが目に見えて減った(ホントか?)。 反対に、「忙しい時にごめんなさい」と言われる有り様で、ほんとにこちらこそごめんなさい、です。FAXやメールでのご注文後、(とりあえずは受信しましたの返信するものの)、お客様が(複雑な送料体系をものともせず)独自に金額を計算し、同時にネット送金していただくなど、こちらの手間が省けて大変ありがたいです。10月のまさに今、入金金額の確認をするのですが、大体合ってます(笑)。逆に、「送金しましたのでご確認ください」とメールなどでその都度(8月上旬から)ご連絡をいただくのですが、その確認作業が、今ようやくできるんです。ご注文の整理と収穫箱詰め発送で日頃精一杯で、入金の確認なんてどこをどうやっても後回しじゃぁ・・・・、というこちらの事情がかなりの多くの方にご理解いただけるようになってすごく助かってます。そんなわけで、8月9月中に超繁忙期に「入金を確認されたらご一報ください」だけは堪忍してください。その一報が10月となり、何やってんのこら!?とトラブルの元となりかねませんので。
 ⑤ シャインマスカットが裂果しなかった!。9月の連日の降雨と台風で、シャインマスカットが裂果を起こして1,000房全てがパーになったという生産者がいます。シャイン1,000房って言ったら100万以上でっせ。実際、シャインマスカットの多くがモノにならなかったという生産者は少なくないです。自分の場合、(シャインご注文の方はびっくりされたでしょうが)、水分吸い過ぎて超特大房で、破裂寸前でした。肝心の味もイマイチでした。薄すぎ。もっと糖度が乗らないといけません。もっとコクがないといけません。でもとりあえずはモノになったということで今年はよしとします。ドロボー被害にも遭わなかったし。但し、作り手としては、出来に全く満足していません。あんなシャインでは全く話にならぬ。心は早や、来年です。
 ⑥ 伊豆錦。うーむ、存在感がほとんどないけれど、お前のおかげでレインボーセットの品数充足としての面目が保たれた。ほめてやる。しかしお前その関取みたいな名前なんとかならんか?。安美錦と兄弟と思ってる人がおるぞ。
 ⑦ WINK。今年は小さく小さくを心がけて作りました。それでも600gはしっかり確保。どんな年でも出来が安定しているので、園主としては抜群の信頼を寄せています。
 ⑧ 黄華。ぶどう道には常道と邪道とがありますが、房数欲しさに今年は初めから邪道を選択。(何がどう邪道なの?という方にはそのヒミツをこっそり教えてあげます。)  その邪道を選択するには結果が伴わなくては意味がありませんが、おそらくお金的に結果が伴ってくる予定。だからこれで結果よしとします。
 ⑨ 山の上巨峰園。作柄イマイチだった第1巨峰園の代替としての存在価値をそれなりに果たしてくれました。リスク分散としての存在価値です。
 ⑩ 同様の意味で今年大きな貢献をしてくれたのが第2デラウェア園。Kトラ駐機地から遠いという決定的なデメリットを持つデラ園なので、行く行くはここから撤退してデラ園を2つに集約するつもりです。第1第3デラ園はこの先ずっとずっとやっていくつもりで緩やかに全園を若デラに更新中です。ところが今年7-8月のこの暴炎猛暑。1デラは水分不足のために若デラ4本がお盆前に全て萎びてパーになってしまいました。3デラの若デラも危ないところでした。ところがこの2デラは古デラ若デラ全て作柄良好。秀品率というかロスが無い割合が抜きんでていました。大規模経営にあたってはこのリスク分散という意味は重いです。
 ⑪ パソコン環境がとりあえず快適だった。去年は9月8日ごろ、さあこれからだ!という時にパソコンがフリーズ。それこそ3日3晩不眠状態で(ドロボー騒ぎとの相乗効果で)心身パニック状態になってましたが今年はそれがなかった。ヤレヤレです。
 ⑫ レインボー贈答セットとお試しセット。東京都小金井市のK子様曰く、「・・・・・.贈り主冥利を楽しませていただきました..........」。自分にとって最大の賛辞言葉です。こんなにうれしいことはありません。やる気の源泉がまさにこれです。これがあるからぶどう屋稼業をやっていられるってもんです。今年は久しぶりに「お客様の声」コーナーを更新しようかな..........。
 ⑬ 松本市農業委員としての職務。アホウみたいに忙しかったこの9月に農業委員としての半日仕事が合計5日。そのうち1回はサボリ。ちなみに10月は会議の予定がもう5つも入ってるぞ。11月は1泊2日の視察旅行もあるし....。本業を心身共に圧迫するこの副業、実際のところかなわんなぁ~と思っていたのですがそこは上手に発想を転換。「誰でもなれるわけではない」「それなりの人でないとやっていけない」と言ってくれる人も多いので、「わかったよやってやるよ」とプラス思考に頭を切り替えたところ。
 ⑭ 送料が上がったにもかかわらずお客様の件数や箱詰めしたぶどう箱の数はトータルでは減っていない(と思う)。むしろ増えているのではないかな。ありがたいことです。ただしデラ姫でも巨峰でも、比較的安価なCセットは減っています。ABセットの需要には送料はあんまり関係ないことが見てとれます。皆さまありがとうございます。

 去年あるいは平年比でよくなかったことなど、-(マイナス)方面の出来事。
 ① 何といっても暴炎凶悪猛暑。今年の7-8月の暑さは異常でした。暑い上に降雨量がほぼ0。巨峰たちが適度な大きさに膨れ上がるには相応の土壌水分が必要です。土壌乾燥状態が長く続いたことで一番影響を受けたのが第1巨峰園の巨峰たちでした。粒が小さい房が軽い.........。すきまだらけで向こう側がよく見えました。ただ小さかった分、木への負担が小さかったはずなので、来年しっかりリベンジしてもらいましょう。
 ② デラ姫。お盆前に木が一本丸ごと萎びてしまったなんて初めてのことでした。日焼けもひどかった。
 ③ レインボーぶどう園の愛しきぶどうたち。サニードルチェが今年最悪。日焼けでチリヂリ。粒も房も巨峰同様小サイズ。期待の昭平紅もアウト。紅環は着色イマイチ。クイーンニーナは全然ダメ。赤系ぶどうは難しいです。
 ④ 9月の長雨と2つの台風。翠峰が全滅でした。これについては後述。
 ⑤ 佐川急便。ぶどうの破損トラブルは今年も相変わらず。これについても後述。
 ⑥ 今年はレインボーぶどう園に晩腐病が多発。去年ほとんどなかったので油断していたとも言えます。7つのぶどう園を適期に消毒しまくることってかなり大変です。消毒マシンは容量500ℓ。その500ℓでSeven'sぶどう園とレインボーぶどう園の両方をさっさとやっていたので結果として散布量が少なすぎました。農薬散布基準250ℓのところを毎回120ℓくらいだったのでこりゃあビョーゲンキンがつくのは当たり前のこと。結果手抜きとなってしまいました。反省。来年は散布基準どおりしっかりやります。皆さまヘ。無農薬での農産物生産なんて限りなく不可能です。
 ⑦ 10月中旬~下旬と農業委員のスケジュールがちょこちょこ入っています。おかげで長期休暇がとれません。去年同様のさすらいの暴飲暴食旅行を楽しむ目論みが外れました。そのかわり今年はちょっと違うことをやります。



(左) 10月1日朝7時半の第1巨峰園。台風24号通過後です。。園内グチャグチャ。
(右) 第1巨峰園。10月3日。この日で残すところあと200房ほど。

 
(左) 三つ子のシャインマスカット。9月25日収穫。シャインマスカットの花穂先端は特異な形をしているのがけっこうフツーで、6月に花穂整形をしている時に先端が三つ又に分かれている房を発見。今年のおもしろ一番です。松本市内在住の奥様とそのお嬢様宅にもらわれていきました。
(右) 10月3日。伊那市からマロンちゃんがやってきました。Cocoroとハイタッチ!。ぶどうも好物。

今年の翠峰。猛暑と長雨のダブルパンチで全滅。レインボーセットの黄色系の主役になるはずでしたが今年はお休みでした。230房もあったんだよ。痛い、痛すぎる.......。
 
  (左) 袋の中は灼熱地獄だったのでしょう。袋の上に遮光用強力クラフト笠紙をつけてもこの有り様。手の打ちようなし。
(右) 9月15日までは大丈夫でしたがその後の雨で粒の付け根が三ヶ月状に破裂。
うーむ........、毎年安定しないことがモンダイです。去年はオール120点。今年は0点。かけた手間ひま考えると完全にマイナスです。ブラックビートや翠峰など今年裂果した品種の特徴は、全て大粒大型房であること。要は大きくしなけりゃいいんだ。大粒種は普通はジベ処理を2回やるのですが、これはひょっとして1回だけでいいのかも。そんな試行錯誤を品種ごとにいろいろやっています。ぶどう道に終わりなし。

   
  (左) 昭平紅。まるごと日焼けしている房の反対側の面です。色がキレイ。来年以降大切に大切に育てます。
(右) バラディー。毎年毎年園主においこらバカディーと呼ばれていてよほど悔しかったのか今年は本来の実力のほんの片鱗だけは見せてくれました。カリカリッとした食感がなかなかいいです。この木に必要なのはそれ相応の樹齢ということがわかりました。

(左) 10月4日、今年最後のレインボーお試しセット。10種類を無理やりぎゅうぎゅう詰め。残り物的なので彩りあまりきれいでないな。彩りのバランスも悪いし。
(右) 今年最後の巨峰Aセット。今年はボリューム感に欠ける巨峰たちでスミマセンでした。

  (左) 10月8日、Seven'sぶどう園で大発見。なんとシャインマスカットが一房残ってた!!。袋を取ってみると、いい色してる。今が一番の熟期かもしれない......。これが今年一番のシャインかもしれない。袋が葉っぱと同じ緑色なので今まで気がつきませんでした。
(右) これがモンダイの佐川急便の仕業。9月23日収穫発送、9月24日に岐阜県大垣市のK様宅へ届いた巨峰です。おいこら佐川急便よく見とけバカヤロウ。でもこれは収集や配達のドライバーさんによる仕業ではありません。中継ターミナル地において大多数を占める責任の転嫁のしようがない短期中期アルバイトのにいちゃんやオジサンのなせる業で、トラックに載せる荷物パレットへの積み下ろし時の、乱暴な放り投げ、手荒な投げ落とし、体操の1回ひねり後方1回宙返りウルトラ難度的着地技によるものと断定できます。運悪くそいつの手にかかると巨峰が一発でこうなります。ご依頼主の思い、お届け先の思い、1年かけてここまできたよという園主の思い全てが衝撃一発でパーになります。それにしてもヒドすぎるなこれは。責任者と担当者出て来い。私の耳と目に入ってくる件数だけで相当数があるので、実際のところはもっと多いはずです。お客様へ、どんどん言ってくださいね。ご依頼主から送っていただいたものなので...........と遠慮しないでくださいね。しかし、こんなのは佐川に限ったことではなく他社も同じです。経験上またはぶどう仲間から聞く話の中ではこうなる確率は他社も同じです。それに破損はぶどうに限ったことではなく、真っ二つに割れたスイカ(ヤマト)、割れた酒瓶やひっくり返ったクリスマスケーキ(ゆうパック)を園主は現に見ています。究極的には、そんなに破損を恐れるなら自分で運べ、ということになります。ちなみにこの大垣市のKさんへは佐川費用負担で同じ代品を送りました。今度はきれいなまま届いたそうです。何が違ったかと言うと、代品にはいつもの「取扱注意」という小さなシールに加えて「貴重品」という大きなシールが貼ってあったそうです。逆に言えば、「貴重品」でなければ乱暴に扱うかもしれないぞ、という隠れた意思表示なのかもしれない.........。うーむ、恐るべし宅配業界。

 と、こんなわけでどうにかぶどうシーズンが終了です。残った巨峰82房を今朝JAぶどう集荷場に持っていって、全て(シャイン一房残して)終了しました。これからしばらくは、台風で軸ごともげて袋ごと地面に散乱したぶどうたちの回収処分、草刈り、礼肥、防風防鳥網の撤去、物置や倉庫の片付けと整理整頓、伝票整理や入金確認、簿記の仕分け入力、債務整理に債権回収........等が仕事です。秋の日差しをゆったりと浴びながら、ゆっくりやります。スローダウンです。
 
 で、週末は、天気がよければあるところに出かけます。自分の健脚と集中力を試しに、です。明日はその準備じゃぁ.....。


 今日、7年ぶりに「お客様の声」コーナーを更新しました。いただいたメールからのコピペがほとんどなのでラクチン。無断転用はどうかお許しください。いいよね!?。 内容は、園主にとってうれしいものもあり、佐川を非難するものあり、いろいろです。
   (2018.10.9)