12月27日(火)

 懲罰特別委員会は、公開でやることが肝要   
  

 第1回目の懲罰特別委員会が開催された。
  今回の懲罰委員会は、12月議会の最終日、吉江健太朗議員の発言内容に対して、上條洋幹議員から「処分要求書」が出されたことにより、発足したものだが、提出者の趣旨説明と該当議員の一身上の弁明を除いて、「秘密会」で行なわれることが、賛成多数で決められた。  

 上條洋幹議員が提出した「処分要求書」、ここをクリックしてください。  

 今回の懲罰特別委員会(平成17年12月20日〜)の構成は、   
  上條徳治、中田善雄、◎小原 仁、 ○増田博志、 大久保真一、 赤羽正弘、 池田国昭、 小林繁男、 高山芳美、 黒田輝彦 (◎:委員長 ○:副委員長  定数10名 ) 
の10人だが、 反対したのは、増田博志議員、高山芳美議員、そして池田の3人。
  小原委員長を除く、残り6人の議員は賛成した。
 
  はじめから、いわば異様な雰囲気で始まったこの特別委員会。
  「秘密会で行なうべきだ」が、動議という形で、提案された。
 しかし、 提案したその議員は、物々しく「六法全書」(?)を持ち込んではいたものの、なんと会議の「非公開」と「秘密会」との区別と違いすら知らないという中身の発言だった。
  「誰が『除名』の提案をしたかがわかるようなことではいけない。」
  明らかに、密室での運営を行なおうという意図が見え見えだ。

 まず、特別委員会に関しては、「公開」が原則である。
  以前は、「非公開」が原則で、公開するかどうかを会議が始まるその都度、委員長が各委員に諮り決めてきたが、現在は本会議から付託された議案に関しては、常任会、特別委員会いずれも公開が原則となった。
  よって、マスコミ関係者はもちろん、委員会室の大きさによる人数制限はあるものの、市民の傍聴が可能となっている。
  その原則にたって、今度は「非公開とするか。」「秘密会とするか。」を委員会の開催ごとに確認決めることになるが、今回の採決の中身は、以下に説明するが、(1)(2)までは、公開、(3)(4)以降は、秘密会で行なうという中身だ。
 
  「非公開」は、傍聴は許可しないが、会議録は公開の対象となる。
  それに対し、「秘密会」は、傍聴を認めないことはもちろんだが、「作成された会議録」は永遠に封印されたまま。
  公開要求が出されてもその対象とはならない。
  その上、秘密会で議論されたことの一切を、その議論に参加した議員、必要最少限で参加した職員は、漏らしてはならない。
  漏らせばその事が懲罰の対象となるというもの。  非公開とは、質的に異なるもので、過去松本市では、昭和38年と45年の2回、懲罰特別委員会が開かれたが、秘密会でやったことは一度もなかった。  
  ですから、私が今回のようにこのHPで議会の様子を伝えることはもちろん禁止、同じ会派の議員に報告することも、身近な人へ話す事も一切が禁止となる中身だ。  

 議員を除く職員が証言する場合で、その申し出によりプライバシーを守らなければならないケースはありうることだが、「議員の発言に関して守るべきプライバシーはどこにあるのか。」と私は発言したが、それに対する「賛成」議員からの反論発言は、何もなかった。  

 松本市議会の今後のあり方に関わって、歴史的にも重要なこの問題を秘密にやらなければならないことは、何もない。
 「秘密でやるべきだ」の動議が、賛成多数で決めた後、私は、「不規則発言」して、この決定の問題点を発言したが、賛成して決めてしまった議員には、明らかに狼狽の色は隠せなかった。
 おそらく、事前の会派と会派間の打ち合わせがあったのか知らないが、あくまでその結論だけは譲れないとする窮屈さが見て取れた。  
  本当にこんな決定をして、民主的な議会が作れるというのであろうか。
 (尚、地方自治法では、本会議を秘密会にするには、「出席議員の三分の二以上の多数で議決」(地方自治法115条)となっているが、松本市の委員会条例には規定がないものの「賛成多数」で決めてよいものかも問題となる。三分の二以上という事になれば、7人の賛成が必要。この点も問題となるだろう)

  私は、「一時不再議」になるから今日は改めては言わないが、「一時不再議」は、委員会の場合は、その開催の会議が閉められれば、その効力は失いものでいいかを確認したところ、
  「その通り」という事務局の見解を確認した。
  (これで毎回の特別委員会の開催ごとに、公開の動議を出すことができることになる。)

 さて、第1回目の今日の議題は、主に今後の審査方法に関してで、手順については以下の点が確認された。

1、審査手順
(1)提出者の趣旨説明(本会議ですでに説明済ではあるが、改めて行なう) そしてそれに対する特別委員からの質疑と上條議員からの答弁
(2)該当議員(=吉江健太朗議員)の一身上の弁明 そしてそれに対する特別委員からの質疑と吉江議員からの答弁

 ここまでは「公開」、以下は「秘密会」

(3)目撃者の証言(議員、職員など現場に居合わせた者)
(4)処分要求に対する集約

  尚、第2回目は、年明けの1月6日(金)に行なわれる。

2、審査対象案件は、 「吉江健太朗議員に対する処分要求の件について」
  ・普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員はこれを議会に訴えて処分を求めることができる。(地方自治法第133条)
  ・普通地方公共団体の議会は、この法律並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。(地方自治法第134条)

3、懲罰特別委員会の審査事項
(1)「処分要求書」記載事実の検証
(2)懲罰の要否

  尚、懲罰の種類(地方自治法第135条)は、以下4ランクがある。
  いわゆる軽い順に言うと
@公開の議場における戒告
・被処分者を議長の面前に起立させ、議長が戒告文を朗読する。
・戒告又は陳謝は、議会の決めた戒告文又は陳謝文によって行なうものとする。(会議規則第115条)
A公開の議場における陳謝
・被処分者に議会の定めた陳謝文を朗読させる。
B一定期間の出席停止
・懲罰を議決した会期中における一定期間
・出席停止は10日を超えることができない。ただし、数個の懲罰事犯が併発した場合、又は既に出席を停止された者についてその停止期間内にさらに懲罰事犯が生じた場合は、この限りでない。(会議規則第116条)
C除名
・特別多数議決による。(在籍議員2/3以上出席、出席議員3/4以上同意)
・除名の宣告があったときから資格喪失
・地方自治法255条の4に基づく審決の申請を行い除名処分取消しの訴 えを提起することができる。

  私は、現場近くにいなかったので、「事実の正確な検証」はもちろん必要だが、吉江議員が発言しているような、「上條洋幹議員から吉江健太朗が突然襲われる」というそんな事件は、明らかに無かったと認識している。
 吉江議員の発言は、ここをクリック

 尚、もともとのこの件にかかわる吉江議員の最初の発言は、ここをクリック (1分47秒から始まります。)

 昨年の3月議会で、私たち日本共産党議員団は、吉江議員に対する「問責決議案」に関しては、その決議案の提出そのものに委員会では反対し、本会議では、意見を述べて「退席」と言う態度をとったが、今回の場合は、懲罰の種類(地方自治法第135条)のすべてを選択の対象としての検討が必要と考えている。  

 昨年の問責決議に関しては、ここをクリック  (3月3日、1日付け日誌になります。)

 だからこそ、秘密会でなく、堂々と公開でやることが必要なのだ。

追伸)
 
吉江議員は、昨日松本警察署に被害届けを提出、松本警察署刑事課知能犯係から、すでに議員に対する事情聴取が始まっているとの報告がありました。


 

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12月25日(日)

 よかった ミキティ  
  

 前日のショートプログラムは6位発進、今日のフリーの結果を受けても6位という結果だったので、これはトリノ切符は難しいかなと思っていたら、妻が「決まったよ」と教えてくれた。
 「厚い壁を乗り越えた」とマスコミは報じたが、私は素直によかったと思った。

  NHK杯、GPファイナルと観てきて、昨日からの全日本選手権。 順番はともかく、荒川、村主、中野、恩田、浅田、そして安藤と6人の演技は、誰もがノーミスのまれに見る戦い。
  まれに見る大混戦。 実に見ごたえのある試合だった。
  そして、ここ来て不調が続いてきた安藤美姫も、その中の一人だった。  
  それぞれ個性と技の持ち味が違う中、会場はもちろん全国のテレビを見る人々が、それぞれの立場から各選手を応援してきていることは、ひとり一人の演技が終わった後の会場の雰囲気で実によくわかった。  
  年齢制限の浅田を除いて、5人の内、誰が5輪代表に選ばれてもおかしくないくらいの日本での選考。
 よくアメリカでは、「オリンピックに出るよりも国内の選考会で勝ち抜くことのほうが難しい」という場面を陸上球技、水泳などで、見てきたが、日本の女子フィギュアスケートはまさにそれそのもの。  
  技、スピード、表現力などそれぞれの選手が、応援、肩入れするに十分な魅力を持っていたが、 頑張って欲しい、出してあげたい選手として私たち夫婦は、なんとなく意見が一致して安藤美姫を応援してきた。  

 固唾を呑むという言葉があるが、GPファイナルでは、正直見るのが辛い場面もあった。
  それでも、期待を捨てたわけではなかった。  (実に勝手なものだ。)
  誰もが、おそらく自らのスポーツ暦、現在の気持ちの実情や今までの生き方、身近な人たちへの想いなどなど重ね合わせながらの応援となるくらいの迫力のある見事な戦いであった。

  「最後の順番は、好きなので、プレッシャーはなかった。楽しく滑れた。」
  「トリノでは、4回転を飛びたい。体も休めることができますので、」
  試合後の久しぶりの作り笑顔でないコメントを聞いて、実にほっとした。

  「安藤はチャンスをもらった。」とあるマスコミは、書いたが、「悲しい笑顔」でなく心からの輝く笑顔で十分にそのチャンスを生かして欲しい。
  「切符は3つ」しかなく矛盾するようだが、誰にもチャンスがあり、そのチャンスを与えてあげたいと思う。


 

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12月24日(土)

 心からのご冥福をお祈りします  
  

 先日5日、消火中の事故でなくなった故百瀬友明消防司令長の告別式が塩尻市で行なわれた。  
  葬儀委員長の村上幸雄松本広域消防長は、葬送の辞の中で、

  「午後0時三十四分ごろ、塩尻市内で建物火災が発生、救助隊長として出動、消火活動中に建物南側にあった井戸に転落、同僚の救助隊員による救出によりドクターカーで信州大学付属病院救命救急センターに運ばれました。 この日、会議中であった私の元にあなたが井戸に転落したとの情報が入り急ぎ現場に向かいました。現場では職員が一丸となってあなたの救助活動を実施しており、まもなくして救助されたあなたはずぶぬれの状態で意識がありませんでした。わたしは何とか助かってほしいと病院への搬送を急がせました。」
  「私たち消防職員はいつでも危険と隣り合わせの中で活動しています。地域住民の皆様の安全・安心を守ることが私たちの使命であり時には身を危険にさらす事もあります。 しかし、ついこの間まで元気な姿で勤務に精励してくれていたあなたが忽然とこの世を去ってしまうとはとても信じることができず、未だ気持ちの整理ができません。」
  「あなた様のような有能な幹部職員を志半ばにして失ったことは無念であり、松本広域消防のみならず、消防行政にとって計り知れない痛手であります。」
  と述べ、
  「今後はあなた様の死を無駄にしないためにも、12月6日を忘れず、更なる安全管理の徹底を図り、二度とこのような事故が起こらぬよう最大限に努力することをここにお約束いたします。」
  と続け、 最後に
  「あらためてここに哀悼の意を表し、故百瀬友明様の御霊が安らかな眠りにつかれることを職員三八七名全員でお祈りしてお別れの言葉といたします。 合掌」と結んだ。

 続く菅谷昭広域連合長は、弔辞の中で、

  「消火活動中とはいえ、あってはならない事故により、優秀な消防職員を失いましたことは、痛惜哀悼に堪えません。ご冥福を心より申し上げます。」
  「偶発的な事故とは申せ、防ぎえず、お預かりをした百瀬様を死なせてしまいことに、松本広域消防局を統括する広域連合長として心よりお詫びを申し上げます。」
  「有能な幹部職員を失ったことは、痛恨の極みであるとともに、松本広域消防局にとりましても、その損失は計り知れないものがあります。」
  「今できることは、殉職された百瀬さんのお名前を松本広域消防局に長く刻むとともに、今回の事故を教訓に、2度とこのような悲劇が起きないよう、更なる危機管理体制の充実・強化に取り組むことをお約束します。」
  と語り、
  「改めて哀悼の意を表し、御霊が安らかな眠りにつかれますことをお祈りして、お別れの言葉とします。」
  と結んだ。

 心の痛む切ない葬送であると同時に、改めて消防行政の課題を明確にしなければならないと思った。


 

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12月20日(火)その2

 「血につながるふるさと……」 と 宮口しづえ  
  

 議会最終日、何度か休憩を繰り返した議会の最中に、澤田佐久子議員から、
  私のHPの市長発言の紹介の部分で、 「地につながるふるさと」の「地」は、「血」の間違いだよ。
  と教えてもらった。
  そして、その言葉は、藤村記念館の正面に額があるよ。
  と言うことだった。  

 澤田議員は、木曽出身で、すぐに気がついたという。
  早速調べてみると、確かに藤村記念館の朱色の額に刻まれている言葉だった。
  さらに順番は、「血につながるふるさと、心につながるふるさと、言葉につながるふるさと」と「血につながる」が最初に来ていた。

  この「血につながるふるさと……」は、藤村がふるさとを想い、ある講演会で発した言葉を、藤村を畏敬してやまなかった童話作家の宮口しづえが、ノー トに書き写したものが伝わっている言葉で、藤村の作品の中には出てこないという。

  1907年、長野県小諸生まれの宮口しづえは、松本女子師範学校を卒業後、小学校の教師を務め、新潮社が発刊した島崎藤村全集の編纂にたずさわり、自らも童話の執筆をはじめた。
  藤村の魅力に惹かれ、馬籠荒町の諏訪神社横に居を構え、生涯を終えたという。

 市長は、思わずこの言葉を紹介したのだろう。  
 私は、知らなかったので、「地につながるふるさと」と記してしまった。
  確かに、人につながるふるさという事では、血の方が自然だが、私が連想したのは、「地」だった。

 (早速、先日の日誌 14日その2 のその部分を書き換えました。)  

 童話作家の宮口しづえに関しては、まったく知らない作家だった。
  又機会があった作品や人となりに触れて見たいと思います。


 

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12月20日(火)

 「奈川診療所の医師を確保することができました。」  菅谷市長  
  

 定例議会最終日、恒例の市長の閉会にあたっての挨拶で、菅谷市長は次のように述べた。
  「県が派遣医師をとり辞めることを表明した奈川診療所の医師確保については、奈川地区の皆さんの健康と命を守ると言う観点から、松本市独自で医師確保の取り組みを進めてきたが、おかげさまでこのたび、関係機関の方々のご理解ご協力を頂き、来年度からの医師確保のめどが立ちましたのでご報告いたします。」  

 医師としてのプライドと意地をも覗かせるその発言は、議場出席者の疲れもくさくさも吹き飛ばす明るいニュースとして広がった。  

 ある議員の本会議での理不尽な行動・発言に対して、侮辱を受けた当該議員から処分要求書が出され、急遽、懲罰特別委員会が設置されるなど、この12月議会は最後までごたごたした議会だったが、夜8時半すぎ、菅谷市長の閉会にあたってのその挨拶は、暗鬱な議会を見事に希望で締めくくった。

 よる9時過ぎから始まった議会の忘年会を兼ねた懇親会の席で、菅谷市長はさらに次のようにも挨拶した。
  「私は、行政の長として、日々腐心していますが、常日頃から仕事におけるプライドと常に謙虚であるべきだと思っています。 これからも議会の皆さんと理事者ががっちりスクラムを組んで、市民のために頑張って行きたいと思います。今夜は、ゆっくりと皆さんと杯を酌み交わしたいと思います。」  

 このプライドと謙虚という言葉は、菅谷市長の著作の中に出てくる言葉だ。  
  以前このことで、日誌に紹介したことがある。   
  日誌は、ここをクリック  

 私も、今晩は職員の皆さんと最後までお話しをし、帰ってきた。

 (議会の報告は順次行ないます。)


 

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12月19日(月)

 新春の夢   
  

 テレビ松本の新春企画「松本市議会新春座談会」のテレビ録画取りが行なわれ、これも初めての経験だった。
  朝9時半から、市議会第一委員会室には、テレビカメラ2台、二つの照明が置かれ、御飾りと凧が用意され、「1月2日」の対談のセットが出来上がっていた。

  司会は、平林副議長。
  四人の常任委員会委員長が、
・新年のご挨拶、
・昨年1年間を振り返りながらの今年の課題、
・松本市の今後の課題、
・新年の夢、
  の順に座談会形式で進められた。

 合併後の新市建設、四賀直結道路問題、3Kプラン、市制100周年を「翌年」に控えて、などなど菅谷市政が1年9ヶ月経過する中で、話題が多い1年だけあって、プロデュサーからは、「過去の録画取りのなかで、一番ごく自然な座談会となりました。」との評価を頂いた。
  途中5分ほどの休憩を入れたが、とにかく終了の11時までは、緊張の連続だった。

 最後の「新年の夢」の中では、 「塩尻市、波田町、朝日村、山形村を含めた大型合併した新松本市」という夢を語る委員長もいたが、私は、きわめて個人的な夢を主に語った。
  (現在進められている「構想」の中では、「30万都市」は、どうやら織り込まれない方向と言う話を聞いているが・・)
 
 
来年2006年は、久しぶりに国政選挙も予想されず、(もちろん解散総選挙はその可能性がまったくないわけではないが)地方選挙も今年ほどはないので、一つの「大会」を目標に、少し走り続けようと考えています。
  とにかく、今年は春の梓川の選挙、そして小泉「突風」の衆議院選挙、安曇野市の明科選挙と実に大変な選挙の年だった。
  そして、2007年は、一斉地方選挙と参議院選挙の年だ。
  さすがに衰えを感じつつある体力を「維持・回復」するために、3Kの「健康づくり」にも通じる体力づくりに励む年にしたいと思います。
 すこし早いが、新春の夢を語りました。

 尚、このテレビの放映は、正月2日(月)との事です。
 
 明日は、12月定例議会の最終日だ。


 

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12月15日(木)

 「懲罰」には値しない   
  

 本会議最終日(14日)の一般質問で、
  「耐震偽装を見抜けなかった建設部長は、『懲罰』に値すると思うが・・」とその責任を問う質問があった。
  それに対する部長自身の答弁は、
  「本件は現在進行中のことであって、事案が終結になった段階で、市の懲罰委員会が開かれて、その中での判断があって、そのことの結果を待たなければ何ともいえません。」
  であった。

  この手の質問に対しては、当事者ではなく上に立つ責任者が答えるべき性格のものだ。

 質問の主旨には賛同できない。
  今回の事態で、「松本市が見抜けなかった責任」として、建設部長が「懲罰」処分に値しないことは明らかだ。
  しかし、この答弁は、すでに「懲罰」委員会が開かれることを前提としている点で、誤解を招く中身だったので、一般質問は、終結された後ではあったが、事態の正確さを期す為に「議事進行」を行なった。

 今日まで、この問題で「懲罰」委員会が開催される計画の報告もない。
  (尚、正確には、松本市には「懲罰委員会」なるものは存在せず、市の職員の行為が懲戒に値するか否かで開かれ委員会は、懲戒委員会と倫理委員会のみである。 そして、懲戒委員会は、市長を除く三役と行政委員に関しての処分を行なう場合に設置されるもので、他の職員に関しては、倫理委員会で「懲戒に値するか」のその判断が行なわれる。 私も、最初事務局に依頼して取り寄せた資料には、懲戒委員会のことしか書いてなかったので、気がつかず、発言では懲戒委員会と発言している。実際には倫理委員会のことだった。
それにしても、倫理委員会がこの問題で検討をはじめたという報告も現在までない。)

  まず、この点を正しておかないと、松本市は全国に先駆けて、倫理委員会の場で、この「責任」問題を検討することを決めたという事になり、とすれば、責任の取り方とすれば全国で初めてのケースとなる。
  又、倫理委員会の開催が予定されていることが決まっていることになると、当然のことその結果の報告が義務付けられる事となる。
 そんなこともあるので、確認の意味で「議事進行」発言した。

  結果は、部長答弁の部分で、懲罰に関する部分の全面削除と倫理委員会の責任者である助役の「今日まで、この問題に関する倫理委員会の開催予定はありません。」との発言で事態は収拾した。  

 そして、このことに関して、マスコミ1社が囲み記事を掲載した。
  私としては、事態の推移を正確にしたかったのが目的だったので、私の発言は、正規の議事録には載らないが、はじめからそれは承知の上での発言だった。
 
  尚、議事録には、載りませんが、議会での私の発言は、「お茶の間放映」という事で、松本市の公式HPで見ることが可能です。  
  その部分は、ここをクリック

 以前にもこの問題で、松本市としての責任の取り方について言及してきた経過がある。
  国交相の指示は、「構造計算過程のチェックは、認定ソフトの証明があれば省略できる」なっている。
  こうした確認事務を可能としてきた建築基準法のあり方に問題があるわけで、末端での責任だけ問題にされるとしたら、これほどまでの矛盾はない。  
  重ねて言えば、直接確認済みをおろした松本市の責任は回避できないが、やはりそうしたシステムを指示した国の責任とは質的に異なるものだ。  

 それより、第二の「姉歯」作品の存在が明らかになった。
 
一刻も早く、体制を整えて、再計算作業を行なうことこそ自治体の責任として急務だ。
  第2回「庁内建築確認事務検討委員会」は、来週の20日(火)午前中に開かれる。  
  20日は議会最終日、開会は午後からだ。
  市長の閉会の挨拶のなかでの、報告に期待する。


 

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12月14日(水) その2

 「心につながるふるさと、血につながるふるさと、言葉につながるふるさと」   
  

 「市長にとっての松本の宝と郷土愛を育む取り組みについての質問に対して」、菅谷市長は以下のように答弁した。

  「私は、市民が宝であり主役であると考えています。 したがってそのために市政は、そのまちに住むひとりひとりが、安心・安全・快適に生活することを保障し、そして、松本で暮らす人々が豊かに生きることができるまちづくりの施策を展開する必要があると思います。」

  「前段で申し上げたとおり、松本市は、全国に発信できる魅力ある自然、風土、歴史、文化に囲まれたオリジナリティを持ったまちであり、日々の暮しの中で感じられる四季のうつろい、地域の伝統行事への参加や多様な方法でのまちづくりの取組みなどを通じて、郷土愛なるものは育まれるものと考えています。」

  「これまでも私が申し上げている『市民との協働・連携による活力みなぎるまちづくり』を進めることこそが、あえて申し上げることをお許しいただけるならば、心につながるふるさと、血につながるふるさと、言葉につながるふるさとへと導く郷土愛を育む取り組みに結びつくものと信じております。」  

 菅谷市長の答弁の特徴は、以前の市長と比べ、原稿がしっかりとしている点が特徴だ。
 事前の準備、発言ぎりぎりまでの推敲が窺える中身だ。

 ところで、松本城が登場している Apple pc PowerBook のCMは、以下をクリック

 新しいPowerBook

(個人的なアドレスをお借りしました。)


 

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12月14日(水)

 「ありのままの松本を、みていただきたい。」   
  

 再来年の2007年は、松本市制100周年。
  菅谷市長は、市制100周年の記念事業に関して、基本的スタンスを明らかにし、構想に関しても以下のように触れた。
  今議会一般質問に答えたもの。

  「巨大イベントでなく、100年の月日がつくりあげた、ありのままの松本を、訪れる人々にみていただきたいが私の基本スタンス。」
  「予算規模については、実行委員会での集約や個々の事業の積み上げに基づき、イベントの必要性、妥当性の検討をしながら、市民合意の得られる範囲で計画策定を進めていきたい」

  イベントについては、
  「魅力あるイベント開催は、市内外から多くの集客が図られ、活性化や地域の振興につながるなどの『経済効果』は充分にある。 イベントは、行うこと自体が目的ではなく、当然『一過性のお祭り』であってはならず、終了後に何を残せるかが重要」

 記念事業の開催にあたっては、
  「松本市の魅力が外に発信でき、松本へ行ってみたい、再び松本を訪れたいというような「関心度効果」が高まり、松本のイメージアップにつながる場であると共に、多くの市民参加により、地域住民の連帯意識・コミュニティ意識の醸成が図られる場にしたい」と述べた。

 私たちも、先日行った市長への申し入れの中で、
  「市制100周年記念事業は、市民参加の検討委員会で計画の縮小を含めて、引き続き検討をすすめる。」
  と申し入れてきた経過がある。

  昨年の10月から、松本市市制施行100周年記念事業基本計画策定会議を始め、現在はロゴマークの人気アンケートなど、市民参加での事業計画策定の作業が行われている。
   詳細は、ここをクリック

  どうした結論が出るか。期待される。

  ところで、松本城が、マックPCの宣伝に使われていることをご存知でしょうか。
  詳細は、明日。


 

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12月13日(火)

 「百年兵を養うは、只平和を守るため」   
  

 昨日、「議事進行」をかけなかった議員が、わざわざ私のところへ結党50年特集の「自由新報」とともに、筆書きで表題の紙を届けてくれてあった。  
  もちろん紙切れの最後には、山本五十六 と記してあった。

 侵略のため、人殺しのためと言って、戦争をやったためしはない。
  常に歴史は、平和のため、自衛のためを口実に戦争は行なわれてきた。
  そして、日本の場合は、さらに「アジアの解放のため」と言って行なわれてきたのだ。
  議員は、「自分は平和主義者だ。」と言いたくて持ってきたのだろうが、馬脚を露した形だ。

 残念ながら、「兵を持たない」ことが憲法九条の真髄という事がどうもわかっていない。


 

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12月12日(月)  その2

 「司馬遼太郎」との今年2度の出会い   
  

 首相の靖国参拝に関連して、菅谷市長は2回目の答弁の中で、
  「歴史作家の司馬遼太郎氏は、生前、『いまだ昭和史を書くことは難しい。』と述べた。なぜ 第二次世界大戦に至ったかの歴史的検討は、今後も多角的立場から引き続きなされるべきものと思っています。」
  と述べた。
  実はとても気になった部分だった。

  2回目の答弁を聞いた後の私の「答弁メモ」の欄外には、「しば」とメモ書きをしてあったが、用紙の途中だったため、捲くってしまった時に見えなくなってしまった。

 今年の1月4日に 「日露戦争100年と作家の史眼″」 司馬遼太郎と松本清張の違い とこのHP日誌に、不破哲三議長の著書を引用して、書いた経過がある。
 1月4日の日誌は、ここをクリック

  このことに関連している事なので、やはり3回目に指摘すべきことだったことは反省点だ。

 年の最初と最後での、「司馬遼太郎」との出会いとなった。


 

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12月12日(月)

 首相の靖国参拝 「慎重な配慮をしたほうがよかった」   菅谷市長   
  

 午前10時からの一般質問。
  首相の靖国神社参拝に対して、菅谷市長は、
  「昨今の近隣諸国との友好関係や国際世論等を考慮すれば、首相として、もう少し慎重な配慮をしたほうがよかったのではないかと思う」
  と答弁した。(概要)   
  (詳細は後で)

 教科書問題の部分では、議場から何度もヤジが入る中での質問となった。
  発言終了後、その議員から「議事進行」がかかるかなと思っていたが、それはなかった。

 質問原稿は、ここをクリック  
  (発言とは、多少違うところがあります。)

 又、2回目の質問の中で、扶桑社の歴史教科書の教師用の「指導書」の紹介をしました。

 それについてはここをクリック
   (著作権上のこともあり、「メモ」としました。)


 

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12月11日(日)

 明日(12日)は、代表質問の日   
  

 いつものように、質問の準備に時間を費やす。
  今回の質問は、この間、議員団会議で議論してきたことをベースに組みたてた。
  通告してあったことで、発注・入札問題に関しては、もう少し検討が必要なことがわかったため、今回は見送ることにした。  

 質問は、明日12日月曜日、午前10時からです。

 今年の6月議会の時も、確か順番は1番で、初日だった。  
  最近は、くじ番1番が多い。

 質問と答弁の内容については、順次皆さんに発信できると思います。
  よろしくお願いします。


 

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12月8日(木)

 扶桑社の教科書は、侵略戦争と植民地支配をどう教えるのか   
  

 12日の質問に向けて、ほぼ1日控え室での準備に追われた。
 今回、「市長の政治姿勢について」の質問では、第一番目に、
  「戦後60年の年をしめくくるにあたって」として、  
ア 憲法の改定と首相の靖国神社参拝について  
イ 「教科書問題」について  
  取り上げることにした。  
  少しタイトルが、オーバーかなとも感じたが、12月議会は、今年最後の議会なので、 それにふさわしく準備することにした。

 議会の流れを少し説明すると、
  火曜日に質問項目を出した後、明日9日(金)の朝8時半から行なわれる部長会議(通称「対策庁議」といわれている)までに、関係する部署の職員との間で、質問内容での意見交換が行なわれる。
  職員の方は複数同席し、私の質問趣旨について聞き取りをして、帰って行く訳だが、その際新たに行政関係者が何を考え、何を悩んでいるかがよくわかる実に大事な時間帯でもある。
  時には、議論に及ぶこともある。  
  又、沈黙が長く続くこともある。  
  それでも、この時間帯がある意味、職員との「協働」の時間だと感じる場面が今回は比較的多くなった。  

 議会でのやり取りは、県議会のように「ガチンコ」勝負というやり方もあるだろうが、やはり意見交換を事前に十分行ない、「質問の主旨を正確につかまなければいけないので、」と職員の方はよく繰り返すが、まさにその通りの気がする。
 議会本会議での一発勝負よりも、質問を通じての問題の共有、認識の一致点の拡大など実に有意義な時間帯である。  
  以前までは、なるべく手の内を見せずに、スリリングにやりあう場面が多かった時もあったが、最近はこうした事前の時間の重要性を再認識させられた。

 さて、タイトルの中身だが、
  扶桑社の教科書は、P204で
   「74 大東亜戦争(太平洋戦争)」のところで、
  「日本は米英に宣戦布告し、この戦争は「自存自衛」のための戦争であると宣言した。」
  と書かれている。  
  国会でのやり取りでは、「この部分は時の政府が語ったことをそのまま載せただけ」という事ですり抜けているが、問題は実際のこの教科書の「教師用指導書」中身だ。
  指導書は、この教科書でどうやって授業を進めていくかの手引書だが、実に驚くべきことが展開されているのだ。

  子供に「この戦争の目的は何か」と質問し、「自存自衛とアジア解放」と書かせるようになっているのだ。
  そして、教師の任務に、そのようにかかれているかを確認することが挙げられている。  
  書いてあることでは言い逃れても、教える中身は明らかに「正しい戦争」となっている。

  「扶桑」を辞書で調べてみた。 

  ふ‐そう【扶桑】
〓[山海経海外東経]中国で、東海の日の出る所にあるという神木。また、その地の称。 〓〔植〕ブッソウゲの別称。
〓[南史夷貊伝下、東夷]中国の東方にあるという国。日本国の異称。扶桑国。
  と広辞苑には記されている。

 まさにアジアから見て、「日本社の教科書」となる。
 
 きょう12月8日は、天皇制政府が米英に宣戦布告し、太平洋戦争を開始した日だ。


 

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12月7日(水)

 第1回 松本市「耐震偽装」検討委員会 開かれる   
  

 第1回「庁内建築確認事務検討委員会」が午前中に開かれた。
  ホテル「エースイン松本」の責任問題に関しては、
  「国の指導に基づき適正な建築確認業務を行なってきていたが、確認済みとしたことに対し、真摯に受け止めなければならないと考える。」
  との見解をまとめた。
  再計算のためのPCシステムを導入し、1月には再計算を開始する。
  そのための人員増に関しては、次回、12月20日開催予定の第二回会議で検討する。  
  再計算の対象となる物件に関しては、「3年間3F以上」の物件で、構造計画や施工面から検討してその必要となるものに限って行なう方向だというが、市民に納得いただくには、あらかじめ選ぶことなく、すべてを対象としたほうがいい。
 再計算のための国土交通省が認めたソフトは、200を越えてあるという。  

 松本市の責任問題に関しては、 「今年6月24日、最高裁第2小法廷によって示された判決との関係が重要」との指摘を頂いた。
  この判決は、 横浜市中区のマンションの周辺住民が2002年12月、「景観が乱される」などとして、建築確認を代行した民間の指定確認検査機関を相手取り、確認の取り消しを求めた訴訟。 検査機関の確認を横浜市が行ったものとみなせるかが争われ、市は「確認をしたのは検査機関であり、市ではない」と主張したが、最高裁は建築基準法を根拠に「検査機関による確認事務は自治体の事務である」とする判断を示した。  
  建築確認の民間代行は、1998年の建築基準法改正で認められた。
  国交相などが認定した検査機関が構造計算書の検査などを代行し、確認済み証を発行。自治体は検査機関から建築主名などを記載した建築計画概要書を受け取るシステムになっている。
 しかし、実際にはそれを見ただけでは、耐震強度のチェックが適性に行なわれているかどうかなどはわからないシステムになっている。

 そして、今度の松本市のケースの場合は、民間機関が検査したのではなく、松本市が直接行なっていた。  
  しかし、問題は、以前にもお伝えしたが、国交相の指示は、「
計算過程のチェックは省略できる」なっている点だ。
 省略できるとなっていて、責任だけは、地方自治体という事に矛盾がある。
 直接確認済みをおろした松本市の責任は回避できないが、やはりそうしたシステムを指示した国の責任とは質的に異なるものと言っていいだろう。  
  そうした上にたっての各々の責任のとり方が問われる。

 

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12月6日(火)

 殉職した職員とご家族にお悔やみ申し上げます   
  

 重体だった広域消防局の職員が殉職したという報が夕方入ってきた。
  朝の新聞で、事故を知ったが、私としては複雑な思いだった。
  先日の1日の広域連合議会での質問の中で、「殉職」という言葉を使ったばかりだったからだ。
  
 午前中、消防局にお聞きしたところ、現在、信州大学で、蘇生中との報告を受けた。
 午後、消防局長から、職員が落下した井戸の写真を見せてもらった。
 穴があり、周りに低い木枠があるだけで、ふたはしたなかったようだ。

  質問内容の詳細はまだお伝えしてなかったが、

  消防局には、人的な消防力が100%に満たない中、それを補う形として「指揮隊」が配置されるようになった。  
  神戸市の火災での殉職事故をはじめ、各地で消防職員が殉職する事故が発生し、安全管理の面からの新たな体制ではあるが、一方で人員不足をカムフラージュする面も持っている。
  各消防署に指揮隊を指揮車1台に3人以上の配置基準としたものだが、消防職員の増員を図ったものではなく、消防車に乗り組む人員を削減し、指揮隊に割り振ったもので消防力の増強にはなっていない現実がある。
  要は、指揮隊の配置は、もう一隊新たな別部隊を作るもので、結局新たな任務、新たな負担を職員に負わせることとなり、関係者からは、「初動での問題が起きかねない。」との指摘がある。

  こうしたことを紹介しながら、の質問だった。
  詳細は、まだわからないし、調査が必要だが、いずれにしても心からのお悔やみを申し上げます。

  さて、12月定例議会。
  午前中の議員団会議の中で、私が代表して質問することにした。
  正午の締め切り後、抽選の結果「1番」。  
  12日月曜日午前10時から、75分の質問時間で行なわれる。

 質問項目は、ここをクリック  

 また、先日行なった「06年度政策予算要求」に加え、分野別の政策予算要求を提出した。

 2006年度政策予算要求(分野別課題)版 はここをクリック  

 「耐震偽装」に関連して、明日7日、第1回目の「建築確認事務検討委員会」が行なわれるが、それに間に合わせる意味もあって、建設部長には、口頭でも申し入れの内容をお伝えしておいた。

 

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12月5日(月)

 12月定例議会 開会   
  

 午後1時から、12月定例議会が開会、菅谷市長は提案説明の中で、懸案事項として以下の7項目にわたって説明を行なった。

1、信州まつもと空港の活性化について
2、南松本駅南側踏切りの安全対策について
3、国道158号の復旧について
4、観光戦略に関して
5、大名町の旧みずほ銀行松本大名町支店の後利用に関連して
6、耐震構造計算書偽造問題について
7、松本・四賀直結道路の市民意向確認状況について

   各々について、クリックしてみてください。
   全体は、ここをクリック

 尚、冒頭に、
「国が推し進めております国・地方財政の三位一体改革について、」
「来年度予算の編成時期を迎えて、公約に関連して、3Kプランについて」
  も説明を行なった。

 

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12月2日(金)

 「耐震偽装」問題   
  

 行政の「責任」と補償問題について考えてみた。
  責任論で言えば、直接「建築確認申請(書)の確認をおろした」以上、県や松本市に責任がないとは言えないだろう。
  しかし、法律に基づく国の「指示通り」の行為の結果である以上、国の責任とは質的に異なるものだ。

 よく、「建築確認許可がおりた。」といわれるが、実際には、松本市が「許可をおろしている」わけではない。
  もともと、この松本市の行為は、「許可行為」ではなく、あくまで「確認行為」。
  いわば、国の法律に基づいた指示通り(建築基準法の規則で定められている)の確認行為の中で、国がこの部分は審査しなくてよいという構造計算書の部分を「指示通りに除いて」、審査・確認した行為が、今回の松本市の「確認行為」だ。
  (この部分に関しては、先日アップした県の文書のフローチャートを見てください。ここをクリック

  俗に言ってどう言えばいいのか。 建築確認事務の上で言えば、「この事態を生んだ責任は国にある。が松本市に責任がないとは言えない。」と言うことになるだろうか。
  さらに、こうした偽造行為を行なった関係者の責任は当然のこと重大なことには論を待たない。
  そしてそれに関しては、別な法律で十分不十分はあるにせよ、その責任を取らせられる=罰せられることとなる。

  さて次の問題は、誰もが心配している損害賠償の問題だ。

  責任と補償能力の問題は、当然のこと分けて考える事となるだろう。  
  補償能力がない場合には、やはり国がその補償の責任を負うべきだろう。
  さて行政の責任は、これだけではすまない。  
  長野県は、当面の対策として、いち早く書類の保存期限である3年間分の物件について(3階建て以上を対象に)、建築確認申請事務としては、今まで県や市に対して「審査しなくてよい事項」として国が定めた事項について、再度審査することを方針として打ち出した。  
  そしてさらに、確認申請書類を持って申請があれば、それについても再審査すると決めた。
   県の方針については、ここをクリック

 建物所有、入居者はもちろん、周辺住民の不安をまず解消するという点では、適切な地方自治体の取るべく責任だ。  
  必要に応じての「取り壊しに関する費用負担も、行政が行なうべきだ」という主張も出ているが、ケースバイケースでそうした対応が求められるだろう。  
  それは、あくまで住民の安全・安心と立場からだ。   
  こうした観点からの松本市の「責任の取り方」は、まだいくつか考えられるだろう。

 午後1時半から、松本市も建設委員協議会が開催され、「建築設計事務所による構造計算書偽造に係る市内の建築物について」の報告がされた。
  詳細は、聞いていないが、発表された文書の中で、 「6 今後の対応」のなかで、 庁内に建設部長を長とする「建築確認事務検討委員会」について触れている。   
  委員会に出された文書は、ここをクリック

 この「検討委員会」は、昨日、12月1日に設置さ、来週7日に第2回目が開催される予定で、国及び県の指導を受け、建築確認事務の見直しの検討を行なうが、
  その中には
1、人員を含めた体制の見直し。
2、構造計算ができるPCの配備。
3、その他として、県のように、過去の再計算を行う。  
  などが含まれることが、委員会終了後、その方向性が確認されたようだ。

 とりあえず松本市が関わっている物件で、「過去3年分、3階建て以上」ということになれば、全部で127件がある。  
  この再計算は、7日を待たずに直ちに行なうことに踏み出すことが求められる。
  これが、今の時点での行政の「責任」の取り方だろう。
  この間確認できた「姉歯作品」は、1つのみだが、それだけですまないのではが住民の心配声だ。

  国会では、マンションなどの耐震強度偽装問題で衆院国土交通委員会が30日行なわれ、日本共産党の穀田恵二衆院議員は、「建築確認は民間機関が実施した場合も自治体の事務で、最終的責任は公にある」とのべ、建築確認に瑕疵(かし)があれば行政が責任を問われると指摘。国が先頭に立って、耐震強度偽装が発覚したマンション居住者らの救済に全力をあげるよう求めました。 それに対し北側一雄国土交通相は「おっしゃった趣旨で検討している」とのべました。
  と報道されている。 

  しんぶん赤旗の記事は、ここをクリック

 行政の「責任」と補償問題だけに限っての考察だったが、問題の本質的な解明はこれからになる。

 

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12月1日(木) その2

 松本消防局の「及力」について  
  

 ちょうど1年前の、昨年の11月議会に続いて、改めて松本広域圏の「消防力」に関して質問した。
  昨年の様子は、11月12日(金)の日誌をご覧下さい。  
  また、そのときの会議録は、ここをクリック

 今回は、各種消防車、消防職員の「消防力」の充足率に加え、消防力の「及力」に関しても質問した。

  「消防力」に関しては、前回の質問に加えて、最近の消防局に求められている体制づくりの内、特別救援隊の編成と指揮隊の配置との関係での現状にも触れながらの質問として組み立てた。
  十分な調査ができない中での質問だったが、改めて「消防力」の現状を認識するという点では問題提起ができたと思う。

 さて、今回新たに「及力」として質問したのは、以下の中身だ。

  「次に、圏域内の消防・救急力の及ぶ力=「及力」についてお聞きします。 火災なり、救急が発生したことにより、消防署からの到着時間で、圏域内にどれだけの違いがあるのか。  消防署からの距離や道路事情でその時間にかなりの開きがあるのではないかと懸念されます。  地域別に見て、合併前の旧自治体単位で、その現状の特徴とその対策についてお聞きします。」  

 所要時間の現状の表を頂いたので、公表します。  ここをクリック  
 (詳細の分析は、いずれ発信します。)

 これに対しては、今後の対策に関しては、本会議のその場では、明確な答弁は返ってこなかったものの、本会議終了後の議員協議会の場で、
  「新しく広域連合に加わった旧木曽郡楢川村との関係で、今後、早い時期での見直しに向け、楢川地区を含めた圏域全体の消防力の適正配置については、幹事会を中心とした事務レベルでの検討を始めている」
  との報告があった。
 現状の消防署の配置具合により、いわゆる「陸の孤島」となっている場所がある。
 この対策も急務だ。

 

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12月1日(木)

 「100%」に満たない消防力   
  

 午後1時から、松本広域連合11月定例会。
  前回に続き、松本広域消防局の「消防力」の実態について一般質問を行なった。  

 質問主旨は以下の中身です。

  「消防力の基準に関してお聞きします。 前回、広域連合圏内の消防力について、はしご自動車をはじめ、消防関連機器の充足率も、「100%」ということですが、その問題点に関しては、前回指摘した通りです。
  そんな中でも、人員に関しては、100%に満たない現状が明らかになりました。  
  まず、この現状をどう捉えるのか。 改定されたとはいえ、「消防力の基準(整備指針)」をあくまで「目標」と考えているのか。 「義務ではない。」と考えているのか見解をお聞きします。
  また、これに対する対策は、どう考えるのか。

 次に、圏域内の消防・救急力の及ぶ力=「及力」についてお聞きします。
 
火災なり、救急が発生したことにより、消防署からの到着時間で、圏域内にどれだけの違いがあるのか。  
  消防署からの距離や道路事情でその時間にかなりの開きがあるのではないかと懸念されます。  
  地域別に見て、その現状の特徴とその対策についてお聞きします。」

  なぜ、「100%」と表示するか。
  それは、この間、消防力としての必要台数を「少なくても良い」との「見直し」が行われ、阪神淡路大震災の時、全国的に問題となったこの消防力について、消防ポンプ車をはじめ、消防機器は増えていなくても、必要台数=「分母」を小さくする、現状追認として国が、基準の緩和をしたことによる「100%」と言う意味です。

  昨日の市長への「申し入れ」の準備を、南山議員とほぼ徹夜で行い、そして続く今日の一般質問という事で、正直疲れました。
  阪神淡路大震災後、話題となってほぼ10年。ところが時間が経つにつれて、忘れられているかのような全国的にも知られていないこの消防力の実態については、松本広域圏域住民はもちろん多くの人たちにしってもらいたく、質問をしました。

 日々、住民の皆さんの「生命・身体・くらし・財産」を守っている消防職員や地域消防団員の皆さんの奮闘ぶりやその実態・待遇の現状を、「のど元過ぎれば熱さを忘れることなく」という感謝の気持ちも含めての質問でした。

  (詳細は、後刻発信します。)

 

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