9月24日(金) 

  合併問題だけが強調され、公約違反の声まで生まれることは、お互いに不幸なこと      


 9月議会が閉会した。
  日本共産党は、補正予算に賛成(合併関連を除く)、合併関連では、法定合併協議会の設置条例と関連予算に反対、市民から求められていた合併の是非について住民投票を求める請願に賛成の立場から、私が日本共産党を代表して、採決の前に討論を行った。

   私の討論は、ここをクリック
   (少し加筆、修正を加えました。)

 なお、一度目の登壇で、原稿から抜け落ちた部分があったので、再度登壇して追加した。
  原稿をめくった時点で、見落とした部分だが、ある意味では、一番言いたかった部分でもあったので改めて発言した。

 松本市の本会議中継では、2回に分けて収録されていますが、(後半の部分は、採決の前にあります。)原稿ではいっしょに記載してあります。

 松本市のHPの議会中継は、ここをクリック 
 一番最後のほうにあります。

  (しばらくPCが故障して、発信が遅れました。)

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9月17日(金) 

  行政の効率だけを考えた合併は、住民生活の潤いをなくす      


 波田町で住民投票を求める運動を起こした際、松本西部任意合併協議会委員を務めていた議会代表の委員1名と住民代表2名の方の連盟で発行された6月15日付のチラシを目にすることができた。
  「合併はまだ決まっていません。波田町の運命は町民の一票で!!」
  と題されたこのチラシ。町内に6000枚配布されたという。
  実に重要なことが書いてあるチラシだ。

  「2、今、行われている合併協議会には町民の声は届いていません!! 任意合併協議会は役所がまとめた合意事項を市町村長が決めて、議会にはかり、協議会は追認する形式であり、民意をくみ取る場がありません。」

  これに関しては、以下の事実が、辞職した関係者から伝わってきている。

  西部任意合併協議会を辞職した3人の委員のうち、議会代表の委員は、町の合併対策特別委員会の委員長を務めていた方だ。

  ・づっと協議の進め方には疑問を持った来た。どこかで決められたものが、レールに乗せられどんどんと進められたのが合併協議だった。
  ・ すべて義務局の提案を追認する進め方、合併協議会はまさに追認のための機関でしかなかった。
 
・波田町の合併協議会委員9人のうち、町長、助役、収入役などの3人を除く、6人は、ほとんど知らなかったことがあった。時間がないという事で、どんどん進められた。
 ・協議会で常に意見を言うのは、波田町の委員であったが、その意見は、常に無視され軽んじられ、明らかに上下関係のある中でしか進められなかった。
  ・波田町は、松本に頼っている町。山形のように断る勇気はなかった。 これだけお世話になっているのに・・・ 合併研究委員会(合併対策委員会の前身)時代から松本から「圧力」があった。 松本市の助役(当時)からも電話があり、合併しなければ、「知らないよ」とも言われたこともあった。
  ・ 波田町では、今後10年間の総合計画(H174月1日から始まる)の策定の年であったが、有賀市長が、田園都市構想を打ち出し今回の合併に関しても、梓川連携軸構想を出してきた。そんな経過のなか、もう総合計画はいらないという議論になった。
  ・ しかし波田町の今後を考えたとき、町の「総合計画」と合併後の「梓川連携軸構想」との関係は、矛盾が大きくなった。

 などなど、 合併協議が、まさに合併のための各町村の施策の違いのすり合わせのみに費やされ、地域づくりをどうするのかの議論がほとんどされていなかったことを物語っている。

 安曇村でも、同じようなことが言われた。
  「村の村有林をどうするのか。この財産を地域のために使えるのかどうか。 将来の地域の子供たちのために手入れをしてきたものである。 財産区制度などを活用できないか。」
  この点に関しての協議が行われてきた経過は、私の調査の範囲では見られない。
  おそらく、「合併後に決める」事項に分類されているのだろうか。

  波田町での、「総合計画」と「梓川連携軸構想」の矛盾が広がったことに現れているように、いずれにしても、地域づくりという点での協議が、地域の住民を交えて行われてこなかったことの現われだ。
  合併の是非もさることながら、地域づくりさえ議論されずに、この間の任意合併協議会は、前松本市長が会長のもとにどんどんと進められほぼ9割以上協議が成立し、そしていよいよ合併に向けて法定合併協議会に進むと言う。
 しかも、2回の開催で、合併を決めてしまう。
 これでは、自律しても合併しても、ほとんど市民や住民が知らされない中での合併になることだけは明らかだ。

 2回しか開かないただのセレモニーとなるような法定合併協議会の運営には反対である。
  法定合併協議会での、十分な協議を強く求める。

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9月16日(木) 

  「今日初めて合併の話をしてもらった。本当によかった。」
  「村民の合併の意思の確認がされていない。」
     


 県のまちづくり支援室の出前講座「市町村合併を考える」が、安曇村乗鞍高原「ふれあいパーク乗鞍」で行われた。
 夜7時からの開催だったが、50人を超える村民の方々が集まり、県総務部市町村課まちづくり支援室の林宏行氏の話を聞いた。

  時間がないので全体を系統的にまとめられないが、その一部を紹介すると

・ 合併する場合でも自律を選択する場合でも、地域がどうなるのかその不安を解消することが大切。
・ アンケートや住民投票はそれが目的ではなく、どんな地域づくりをするのかを描いて選択することが大事。
・ 合併を選択する場合は、地域の声をどういう方法で届けるのかその仕組みを協議することが重要。
・ バブル後の負債などの問題、財政力の問題、高齢化、少子化問題も合併だけで好転するわけではない。
・ 仮に合併する場合、合併協議で重要な点は以下の3点
  1、 お互いの自治を尊重し、生かすこと
  2、 「対等な自治」は違いを認め合うこと
  3、 顔の見える合併協議を を基本に地域づくりの協議を行うこと。
    すべて新市にあわせるというものではない。
・ 地域づくりは、合併するにしても自律を選ぶ場合でも、みんなでよかったねといえる選択が肝心。

  などなどの話が、55ページにも及ぶ資料と12ページの合併に関するQ&Aをベースに行われた。
  私もこの講座は初めて聞いたが、松本市の「語ろう会」での資料説明とはまったく違い、実に地方自治のあり方、地域づくりの問題の視点など改めて考えさせられる講座だった。

 そうした感想は、どうやら私だけでなく、
 「役場では、話し合ってもらえない。今日初めて合併の話をしてもらった。 本当によかった。今まで役場は何をしてきたのか。」
  「合併の意思の確認がされていない。『合併ありき』、役場主導で懇談会で決められた。ちょっとまてよという感じだ。」  
  など参加者から感想にもはっきりと現れている。

  どうやら、参加者の話を総合すると、地域の将来をどうするかの視点での話し合いは行われてこなかったことがよくわかる。

 今日の集会は、市町村合併について住民投票を推進する会(代表 奥田春美さんほか4名)主催で行われたもの。
  すでに15日に、村役場に地方自治法に基づく住民投票条例制定の直接請求手続きに入るための申請を済ませている。
  参加者は明らかに50人は越えていたが、直接請求に必要な有権者の50分の1にあたる人数は、37人ですむという。
  今日の参加者がその比率でいかに多いかがよくわかる。

  (続きは、後で)

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9月15日(水) 

  当たり前と言えばそれまでだが、重要な市長答弁      


 議会本会議最終日、 議案第16号 西部合併協議会の設置について 質疑を行った。
  「万一、合併意思に変化があったと関係村から報告があった場合は、市議会および関係村と十分相談させていただく。」
 おそらく、前市長からは期待できない答弁だ。

 法定合併協議会は、合併に向け、合併特例債を使う事業を盛り込んだ新市建設計画を定め、最終的に合併向かう上で設置が必要なもの。
 ところが、今回のその設置のための条例案は、大きな問題がある。
  条例案では、設置が10月4日。
  そして合併の調印式が、22日か24日。
  松本市の議会での議決は、10月28日。
  この予定を定め、会議は4日と19日の2回しか開かないというもの。

  実に性急なやり方だ。
  来年4月1日に合併するという期限だけは断固譲らず、それの向けて逆算して、12月の県議会に間に合わせるためのスケジュール。
 合併特例法が改正され、来年の3月31日までに、県に合併の申請を済ませておけば、合併特例法の合併支援策は、そのまま使える。
  そして、事実この法律改正を受けて、今まで3月31日合併の「予定」を、4月1日に変更した経過がある。
  まだ時間はあるのだ。
 
  安曇村でも運動が始まった。
 安曇村の合併に関する意思確認は、住民懇談会での確認だけで、村民の総意の結果ではない。
  梓川村でも、改めて合併特例債を使っての事業が明らかになる中で、住民説明会が行われている。
 四賀村からも、あらたな声を聞いている。

 住民の新たな動きが生まれてきている。

 それらを受けて、私は以下(趣旨)市長に質問した。

  「市長は、関係町村の住民の合併に関する意思を尊重すると言うことを表明してきたが、 その後松本市でも住民投票を求める運動が起きつつある。 先日開かれた任意合併協議会の中で、梓川村の委員が地域自治組織についてよくわからないから時間をかけての議論を望むという発言があった。 安曇村でも、住民投票を求める運動が始まった。 こうした中、今度の議案第16号の法定合併協議会は、合併の時期は来年4月1日と決め動かさず、10月4日に発足、19日に2回目の会議を開くだけで、22日か24には合併の調印に持ち込むというやり方について、これでいいのか。 期限は変更せず突き進むのか。住民の声は無視することにならないか。」

  それに対する市長答弁は、

  「4村住民の合併意思に変化がないと現時点では考えています。 ただし、万一合併意思に変化があったと関係村から報告があった場合は、その背景やその対応について、市議会および関係村と十分相談させていただく中で、判断する必要があると考えております。」

 詳細は、ここをクリック
   (一番下にあります)  

 当たり前だが、大事な答弁だ。
  (取り急ぎ報告まで)

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9月13日(月) 

  「語ろう会」の結果をありのままに見ることの重要性      


 一般質問初日、犬飼議員の
「統計学上有効といえるのか。」の質問に対し、

「『1030』については、判断にたる参加者数であるという事である。自由参加を求め、どの会場に参加してもよいことなど誰もが参加しやすい環境作りに配慮した。その結果2754人という参加者数。 さまざまな意見を聞くことができ、まさに松本市民の編入合併についての意見の縮図を見た思い。」
 と市長は答えた。
 
明らかに、統計学を持ち出してその科学性を強調していた以前の答弁と比べれば、トーンダウンした印象だ。
  すでにこの統計学上という点については、決着がついたといえる。
  誰が考えても、客観性を持たせるために統計学を持ち出すことでかえって怪しいものになったという印象は免れない。

  そこで次に問題になるのは、「語ろう会」の結果をどう判断するかだ。
  参加者の大多数の方々は最終的には、「受け入れてよいのではないかと考えている。」と受け止めた。
  という判断の客観性だ。

  私は、全会場を見たわけではないので、時間がかかったが、複数の方に「取材」を試みた。
 そうした人たちの話を総合すると
  その結果、 まず発言者の分類でも、懐疑的な意見と反対の意見の合計と、賛成、やや賛成という意見との関係は、明らかに拮抗している。
  発言をしなかった人も含めて会場の「雰囲気」と言う点でいっても、 「賛成、市長に共感」といえる会場の数と「意見が続出、反対の印象が強い」といえる会場の数は、確かに数会場「賛成、市長に共感」会場が上回るが、やはり、賛否が拮抗し、どちらとも判断できない会場の数のほうがいづれをも上回っているという感じだ。
  その点に関しては、9月3日の記者会見の場でも、興味あるあるマスコミの記者の発言もある。
 (詳細は、後ほど・・)

  ところで、遅ればせながらその9月3日の記者会見での市長発言の続報という事で以下紹介する。

 会見の終了間際の「52分」ぐらいから始まる。
 (時間がないので、全文紹介できないが、さわりとして・・)

  記者: (「語ろう会」に参加した市民の方は、)発言しない場合でも、意思表示したと言うことで、民意の把握は、こういう形が、基本になってくるのですか。 意思表示を把握されていると予想もしていないサイレントマジョリティの人の仕草とかで、
  市長: それは、今回の場合に手法は悪くない。 語り合う場合だから
  記者: 合併については、意思表示の場であることを知らないで座っている市民の方が、
  市長: 職員は最初からチェックするために参加したわけではない。 最初から見ておけといったわけでない。 客観的に判断するのに、どうしたらいいか一番悩む。 今回も雰囲気で決めてもいいのですか言われる。  サイエンティフィックじゃないじゃないですかといわれていますから。 そういう中でもすこしでもより客観的に、相対的に 絶対的だったら、それは数学的に違いますから、 相対的なものとして、そのファクターにどういうものを入れればいいかなと 後で、担当がこういう方法でどうかということで、参加した職員の判断もいれて 最初にやったらおかしいじゃないかということになる。
  記者: (市民は)発言をしなくても、自分の表情などで意思表示をするものとして参加していると思っているのか。
  市長:ごく一般の会議で、こういう事はある。
  記者: 雰囲気が市長の判断の最大の根拠になっているが これを最終的な、市の行政に直結するという これが菅谷市長の民意を判断する手法となるのか。
  市長:まあ、これだけではないですけれども、 今回の場合は言っているように、私は、アンケートと住民投票を決して否定していない。 判断できたから 今回は必要ないと言っている。  これに対して、そうでないよといわれたら、これはこれで、そうゆう状況があれば対応していかなければならないと考える。

  注目すべき発言である。

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9月8日(水) 

  松本民報 合併問題特集号(9月12日付) 第4弾 発行      


 急いで発表した団長談話(9月3日)をベースに、松本民報を発行した。
  今晩は事務所の宿直の日。
 
いつもの通り、事務所関係者にご協力いただき、南山議員と一緒に徹夜とまではならなかったが、完成したのは、朝方3時だった。

  松本民報 9月12日付 はここをクリック

 今回は、地方交付税の行方について、松本市が発表した資料を基に、松本・四賀トンネルを取りやめた場合に地方交付税がどうなるかの見通しのグラフも掲載した。
  それ以外にも特例債を使わなければ、明らかに自立の場合と比べ、合併した場合、地方交付税が少なくなる時期が早まる事は間違いない。

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9月7日(火) 

  「松本・四賀トンネルは、作れといっているわけではない。」菅谷市長      


 9月3日の臨時記者会見では、さらにいくつかの重要な点が改めて確認できる。

  1つは、四賀村とのトンネルに関わる次のような市長、部長の発言だ。

  菅谷市長) 四賀のトンネルは、私は最初から合併の条件ではないと言っている。 それで、もし合併を選択した状況が生まれれば、今度は市長として、四賀村の住民が松本市民になるから、救急緊急搬送のときは否定できませんよといっているだけで、作れといっているわけではない。 市長になった場合には立場上考えなければならないといっているわけですから(選挙時からの)方針転換ではない。

  記者) 
あの道路は、「語ろう会」の説明会の資料では、特例債の事業として入っているが・・、

  部長) 入っているが、一番難しいのは、県経由で(事業申請を)国に上げた場合、国庫補助が認められるかどうか。それが問題。それが受け入れられなければやりませんといっている
 
  記者) 少なくとも市がそうした申請のアクションを起こさなければ、そういうことにはならないのではないか。市として(県なり国に)働きかけるというのか。

 部長) これから議会に諮りながら、新市建設計画の添付資料ではないが、要望事項ということで、(確認)入れてある。 したがって、これから合併して、(新市の中で)実施計画を建てる中で、どういう位置づけをするか、そして認められれば、議会に図っていく。そして行動(申請)をおこしていく。

 記者) 松本市が作ろうとしてアクションを起こしていくと言うこと・・

 部長) 作ろうとしてというか、これからの経過、過程を踏んで、順位付け、本当に必要かどうかの判断、財政的になどそういうものを全て加味して判断して、実施計画の中位置づけというような事で・・

  記者)説明会の資料で、合併特例債の事業となっているが、今後削られるものもあるということですか・・

 部長)  そうゆう事もありえます。 現在はあくまで要望事項、各村からのあくまで要望事業である。

 再確認となるが、市長が「合併の条件ではない」とする意味を理解するのに、重要なコメントだ。
 四賀村との合併協議の当初では、松本・四賀直結道路(トンネル)は、「最優先課題」と位置づけられていた。いわば合併の条件だった。
 そして、四賀村では「合併すれば、トンネルはできる。」と今でも思われているし、四賀村関係者もこの点に関しては、踏み込んだ説明をしていない。
 既に建設は有賀市長時代の協議で、「確認済み事項」という認識で、「いまさら・・」というスタンスだ。
 仮に、合併しても「作らないこともありうる」ということが、四賀村の皆さんに知れ渡った場合、村民の皆さんはどう思うのだろうか。
 松本市で30箇所行われた「語ろう会」では、 トンネルなど合併特例債を使っての事業は、改めて合併後に実施するかどうか検討するものという説明を受けて、「それならば合併も仕方がないのでは」と感想を持った方も多数いる。

 市民や村民に都合の悪い事は、説明しない、発表しないということは許されない。

  四賀村では、9月13日(月)から10月16日(土)まで、27箇所で再度住民説明会が行われるという。
 「約束が違うじゃないか。」とならないように、事前の合併協議は、あいまいさを残してはならない。

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9月6日(月) 

  住民アンケート等の道まで、ここで閉ざすことはない      


 4村からの合併の申し入れを受け入れる松本市の方針を発表した、9月3日に行われた合併問題に関する臨時記者会見の席で、菅谷市長はとても重要な見解をいくつか述べている。
 既に、記者会見の様子は、松本市のHPでそのまま発信されている。
 約1時間にわたる記者会見ですが、ぜひご覧になってください。  
   臨時記者会見は、ここをクリック

 その中で、菅谷市長は次のように語っている。
 
(時間がないので、全てテキストにする作業が間に合っていない。順次お伝えしたいと思います。)  

 質問) こんどの受け入れの決定は、市民の方には納得してもらえたというふうに思うか。市民の方に納得してもらうのは、これからの活動だというふうに考えているのか。
 市長)  そうですねえ。今回の資料のですね、裏側のところの、(6)のところにですね、「合併の最終的な決定は、市長の判断にゆだねるとする」、ま私がそういうふうに言ってますが、発言に対し、拍手等で支持をされる方が圧倒的に多かった。これは、私のみならず、今回出席した市職員を含めての客観的な判断でございますが、こういう状況でありますから、今のご質問に対して、私がこうしていきたいっていう決定をした場合には、多くの市民からの支持が得られるものというふうに考えております。

 これらの見解に対して、本日行われた議員全員協議会で、私は質問してみた。

  1つは、 (6)にかかわる「合併の最終的な決定は、市長の判断にゆだねるとする」との発言に対し、拍手等で支持をされる方が圧倒的に多かった。 という部分だ。
  私が参加した会場では、こうした場面はなかったので、こうした判断を理由の一つに掲げるならば、30箇所のうち何箇所でそうした場面があったのか。質問してみた。
  即答はなかった。
  何箇所かは確認がされていない。
  そして、住民投票を求める意見が出た会場で、そうした場面があったとの回答だけだった。
  残念な回答だ。 判断の重要な項目であげてある以上、その客観性の根拠足りうるだけの「数」が欲しい。
  逆に、寿地区では、住民投票投票を行うべきだ。の意見表明に対して、拍手が出た。という話が伝わってきていることもあり、なおさらだ。

  次に市長は、こう述べている。
  記者) 統計上、世論調査等で言えば、確かに判断できる数字であるが、参加者中、発言者はごくわずか、あとは会場の雰囲気、拍手と書いてあり、そこから感じられたということだが他の村はやっている。松本市としてもやってもいいと思うが、それをあえてしない理由は、金銭面とかですか。
  市長)  金銭面は、ある意味では付随的なこと。 合併に関しての市民の意見を集約できないときは、お金の事ではない大事な問題。やらなければならない。  いまのご質問で、私もサイエンティストの端くれで今まででやってきた。そのときにオブジェクティブ(客観的な【医】本人以外の人にも認められる)で客観性をもって 反対(判定)できるかと言われたら、これは今大変厳しい、重い質問ですから、そのためには白黒つけるには、やったほうがいいのではという質問ですが、今回の推計学的な処理をする場合に、数的には、判断してよろしいと思うが、しかし問題は 参加した市民の集団が作為的な集団でない、これは統計で大きな問題で無作為ということですね。  ですから自由参加で参加してもらった集団である。   それから 統計学的に大事な事は、このサンプルに偏りはないか、ディヴィエーションですね 変位はないか、ということですね。 それから、たとえば年齢構成、性別構成、それから思想信条が偏った集団の場合に、大きな問題を起こす。 そういう意味では、今回は、語ろう会は、前半を合併の問題 後半を市政全般にわたる問題ということで、医療とか福祉とか文化とか教育とか環境を語ろうということで参加してもらった。  そういう意味で、私は偏りはない、一般市民の方々が集まってもらったと考える。 その中で2750人の方を総合しますと全体的にどう考えているかというときに、客観的な材料をもとに判断して、今回の場合は大多数の方が、合併を希望する4村を受け入れても良いもの判断できた。改めて住民投票等をしなくて良いと私は判断した。

  この点について、 「語ろう会」の参加者が、あたかも統計学上のサンプルに該当するというのであれば、市長が言うところの、年齢構成、性別構成、職業などはどうなっているのかについて、次に聞いてみた。

 答弁は、こうだ。

  年齢構成、職業とは、調べていない。
  男女比は、男性61対女性29 ということだった。  
  それに加えて、統計学上のサンプルの「的確性」を証明しようと、 「全ての市民に参加をお知らせし、自由に参加してもらった。 そういう点では、「投票権の平等性」にも合致する。」 との新概念を持ち出して、統計学上の妥当性を主張しようとしたが、あまりにも、頓珍漢な議論であったので、あえて反論は差し控えた。

  松本市の有権者の男女比率は、ご承知の通り女性の方が多い。
  とすれば、今回の参加者の比率が、大きく逆転しているこのことだけでも、今回の「語ろう会」の参加者が、その数が、「1030」を超えているからといって、統計学上の「サンプル」になるかどうか、十分条件どころか必要条件すらクリアーできていない。 これだけでもうこの議論は、おしまいなのだ。

  私は、そうしたことを根拠の一つに、 いわば、「科学的結論」から住民アンケートなどを必要ないと結論づける事の取り消しを求めた。
 この一文があると、今後一切必要ないということにつながる。
  (法定協議会への移行に関しては、否定をしなかった。)
 合併の協議を打ち切る結論でなく、4村の申し入れを受け入れ、合併協議を行うことに反対はしない。
 法定合併協議会でも、議会でも合併の是非に関しては、最終的には採決を取るのだ。
 そのときまでに、まだ市民的に判断を下す機会を閉ざしてはならない。

 菅谷市長になり、合併問題は有賀市長時代とはかなり違ったものとして、協議が進められてきた。
 四賀村とのトンネルが、「合併条件でない。」というのもその一つだ。  市長も言っているように、「トンネルを作れといっているわけでない。市長という立場上、(その必要性を検討)考えなければならないといっている。」だけなのだ。
 しかし、このことは、四賀村との合併協議の中で、「トンネルは最優先課題」と位置づけられたはじめのときとは明らかに違ってきている事だ。
 これから、4村の協議の中で、何が起こるかわからない。  「語ろう会」を開いた今回の時期と今後状況が変わってくることはいくらでもありうる。 アンケート等の必要性も出てくる可能性もある。
 私は、まだ、資料が十分でない中、市民は「合併問題はまだわからない。」ということが率直なところと思っている。

 今日の議員全員協議会の質問では、私の真意が言い尽くせなかったように思う。
  わたしは、今回の語ろう会を否定するつもりはない。
  統計学上を持ち出せば、「語ろう会」で判断を出すことには、はじめから問題がある。
  そんな事を言ったら、はじめからどちらに結論が出ようとも「それはだめだ。」ということになる。
 統計学上からすれば、住民投票、アンケートに比べ、「語ろう会」には、民意の反映という点では、はじめから、不十分さがある。
  そのことを言ったら、それこそ無責任だ。
  「語ろう会」での結果をどう見るかがやはり基本だ。
  感触、「風」、雰囲気、拍手 なども判断の材料になる。
  「語ろう会」での結果は大いに参考資料に市長は判断していいと思う。
  しかし、今回の問題は、そうした「語ろう会」のいわば限界を度外し、「語ろう会」の「参加者数」を根拠に、学問性、客観性を装い、統計学まで持ち出して、別の結論を導き出している点だ。
 
  出している結論は、繰り返すが、次の通りだ。
  (少し文章の順序、表現は変えてある。)
  1、「語ろう会」の参加者の大多数の方々は、「受け入れても良い」と考えている。  (もちろんこの結論に対しても、私も疑問を持っている。特に「多数」でなく、「大多数」という点については率直に言えば、かなり無理があると思う。 この「語ろう会」の中身は、さらに吟味が必要だ。)
  2、「語ろう会」の参加者の「大多数」が、「良い」と考えているから、従いまして、受け入れることにしたいと判断する。  なお、今回の対話集会(=「語ろう会」)の統計学的適切性や判断材料の客観性などから、住民アンケートや住民投票により市民の意見集約を改めて行うことは必要ないものと判断する。

 問題は、「語ろう会」を、統計学上いわばサンプル数など統計学を持ち出して「適切」として、アンケート等を一切排除している点だ。
 「語ろう会」での「雰囲気など」の結論に、統計学上の結論を与えるわけにはいかない。
 この結論に無理があるといっているのだ。
 そして、この結論は、今後のアンケート等の否定につながる。
  それとも、事態が変われば、まだアンケートなどは考えるのかということを聞きたかった。
 (尚、市長は、臨時記者会見の後半の方で、それに関してのコメントをしている。)  

 「語ろう会」の実態からして、市民に十分に資料が提供されたといえないことは、誰が見ても明らかだ。
 30箇所の開催の中で、資料が加わったり、誤解を与えないように書き換えられたり、数字が変わったり の事実を見れば、同じ条件で30箇所が開かれなかった。
 仮に、資料が誤っていれば、判断材料が変わってくる。

 こうゆう事も考慮すれば、「語ろう会」ので結果も変わりうる。
 そんなこともあって、住民アンケートなどを求める市民の声がある。

 そうした点を考えれば、「市民が主役」の将来のことまで、ここで決定拘束する事は、禍根を残す事になる。

 少し理屈っぽくなってしまったが・・・

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9月3日(金) 

  合併の是非は、まだ「わからない。疑問だ。」が市民の声です。
            とりわけ科学者には、道理にかなった判断が求められる
     


 午前11時からの緊急の記者会見で、菅谷市長が、松本市として合併を希望している4村を受け入れる決定を発表した。
 午後1時半から行われた、市町村合併対策特別委員会に出席した菅谷市長は、冒頭の挨拶の中で、次のように語った。

 「「『菅谷市長と語ろう会』をふまえての合併受入れの是非について」の協議をお願いするわけでございまして、特に合併受入れの是非につきまして、方針を決定いたしましたので本日、私から委員の皆さまに、その方針について申しあげたいと存じます。
  それでは、合併の受入れの是非についてでございますが、私は、市町村合併につきましては、まず、合併ありきではなく、関係町村住民の合併に対する意思を尊重するとともに、市民の皆さまに、合併に関する具体的な資料を提示し、十分な説明をしたうえで、市民の皆さまから直接意見をお聞きしたいと考えました。
  そこで、合併の受入れの是非を市民の皆さまから直接お聞きするため、市内全30地区で「菅谷市長と語ろう会」を7月20日から 8月31日までの間に開催いたしました。
  「市長と語ろう会」では、総数 2,7 5 4 人の市民の皆さまと直接顔を会わせ、膝を交えながら、合併問題に対する市民の皆さまのご意見をお伺いさせていただきました。
  その結果、参加者の大多数の方々が、「松本市との合併を希望する4村を受け入れてもよいのではないかと考えている。」と受け止めましたし、また、「市長と語ろう会」に参加した市の職員の各会場における雰囲気に関する意見も同じであったことから、本日、臨時部長会議を開催し、「松本市は、本市への編入合併を望んでいる四賀村、安曇村、奈川村及び梓川村を受け入れることとしたい。」と方針を決定した次第でございます。
  なお、住民アンケートや住民投票により、市民の意見集約を改めて行うことは、今回の「市長と語ろう会」の参加者数から、統計学的適切性や、判断材料の客観性などから必要がないものと考えておりますので、ご理解いただきますようお願い申しあげます。
  以上、合併の受入れに対する本市の方針について、私から申しあげ、誠に申し訳ございませんが、私はこのあいさつのみで退席させていただきます。
  詳細につきましては、担当者から説明申しあげますので、慎重なご審議を賜りますなかで、議員各位のご理解と、ご協力をお願い申しあげます。」

  とだけ挨拶し、そして、他の公務に出かけた。
 議員団としては、直接市長との委員会での意見交換を想定していたが、残念ながら実現しなかった。

 ぜひ、市長に聞いてみたいこと、とりわけ、科学者としての市長にお聞きしたかったことがいくつかあった。
  そのひとつが、「統計学上」の問題だ。
  その点では、今回、 「アンケート、住民投票を改めて行うことは、「語ろう会」の参加者数から、統計学的適切性や、判断材料の客観性などから必要がない」とさらに飛躍して必要性のない根拠付けに使われた。
  でも、記者会見の場では、記者からの「統計学上での、サンプルと今回の参加者は違うのでは」の問題点の指摘に対しては、 市長は「言われれば、参加集団は厳密にいえば、無作為とは違う。」 と統計学上でいえば、厳密性に欠けることを認める発言をしている。
  ならば、道理に立って、無理をせず、誰もが納得できる根拠を持って結論を出すべきだ。
  私たちも、住民投票なり、統計学上に則った方法のアンケートの結果、市民が合併を選択したならば、それに反対するものではない。
  何よりも市民が主人公の決定が重要なのだ。
  参加した職員へのアンケートに基づいているとの説明があり、この点が、判断材料の客観性を担保しているとのことだが、「会場の雰囲気や反応をどう受け止めたか」と言う点では、今まで合併を推進してきた職員の中での「慣性の法則」ともいえるものを感じさせる。
  (これはあくまで私の直感で科学性には欠けるものだが・・・)

  いづれにしても、午後の特別委員会で、9月議会開会日の6日(月)午前中に議員全員協議会で議論できることが確認された。
  私は、特別委員会の委員ではないので、発言できず、傍聴していて、思わずその提案に対して、「賛成」と発言した。
  この不規則発言は、理事者を含めて、委員会会場の多くの人の聞くところとなった。

 夜は、事務所の泊まりだったが、事態の重要性と緊急性との関係で、南山議員や事務所の役員のご協力をいただき、時間的に議員団では検討できないため、私が責任を負うという意味で議員団長名の声明文を作成し、4日付けのしんぶん赤旗に折り込んだ。

  議員団長 池田国昭 名の 声明は、ここをクリック

  市町村合併対策特別委員会に出された資料は、ここをクリック (PDFファイル)

  いずれ、議員団での集団的議論の後、さらに充実したものを発行することになると思います。

  今晩は結局、久しぶりに事務所で徹夜ということになった。

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