7月31日(土) 

  「最後まで慌てなかった。」「最後まで信じていた。」     


 アジアカップ2004CHINA 日本対ヨルダン戦。
子ども達が、ビデオにとりながら、見ているところに帰って来た。
  結局、PK戦が終わる最後まで、見ることになった。

  たたかいが終わったあとの監督ジーコ氏のコメントがとても納得できたのでそのままご紹介します。

  ■ジーコ監督、試合直後のコメント
 本当に最後まで信じた執念の勝利。最後まで慌てなかったが、90分、120分で決められなかったのが惜しかった。PK戦で2つ外しても、最後まで信じていた。あとは落ち着き、これに尽きる。準決勝のバーレーン戦は切り替えてしっかり行く。 これがサッカー。まさに何が起こるか分からない。スタッフ、選手関係なく、全員がひとつのボールに信念を乗り移らせた。相手は2つのPKで勝ったという気持ちになったと思うが、最後の一球まであきらめず、この勝利を引き寄せた。これからさらに気を引き締めてやっていく。今日のPK戦のときに相手の選手は、われわれが外すたびにおどけてみたり、自分たちの勝利をアピールしたりしていた。あれはやってはいけないこと。わたしも絶対自分のチームにはやらせない。互いの尊重あってこそのスポーツ。その結果、彼らは家に帰らなければいけなくなった。

  ところで、中国の重慶でのこのアジアカップ。
  日本の選手に対するブーイングのことが、大きな問題となっている。
 最近サッカーの試合の中継を見ることが多くなってきたが、試合開始前のはじめから見れる時にいつも注目しているのが、「君が代」が流れるときの日本代表選手たちの口元だ。
 誰とは言う必要はないと思うが、明らかに意思を持って口元を閉ざしている選手がいる。
 その選手の思いは知る由のないが、日本の中国への侵略戦争の歴史の清算が終わっていない中で、複雑な思いでセレモニーに参加している選手がいることがわかる。
 そんな中、「君が代」に対するブーイングは、理解できるにしても、プレー中、日本側がボールを取り、攻撃を開始すると同時に始まる日本選手に対するブーイングは、認められない。

 ブーイング【booing】:
  観客・聴衆などが不満・不服の意を表すこと。また、その時の声。

  ルールに反した行為があったときに起こるならまだしも、日本ボールの度に、そしてあげくの果てに、試合に日本が勝ったことまで、ブーイングの対象になるのは、スポーツの世界とは無縁だ。残念な気持ちだ。

 日本の侵略戦争の歴史と重慶の歴史を改めて調べてみた。

 1938年2月から1943年8月までの6年間に、日本軍は一万機余りの爆撃機、戦闘機を出撃させて重慶を爆撃し、3万人近くの人を死傷させた。
  六・五大隧道虐殺事件を例にとると、わずか一回の爆撃で3000人近くの人を死亡させた。
  重慶に対し長期にわたって激しい爆撃が繰り返され、昼夜兼行で爆撃を行い、不意打ちの襲撃をしたり、爆弾、焼夷弾、毒ガス弾、細菌爆弾を使用したり、あらゆる卑劣な手段をとった。
  その規模の大きさ、残酷さ、それによって生じる損失の大きさは、世界空襲史にも前例がありません。

 
選手もそうした歴史を思い知るべきだという主張だとすれば、少し方法が違うのではないかと思う。
 日本の侵略戦争の歴史を、なかったことのようなことを主張する勢力や教科書のことが改めて問題になっている。
 歴代の日本政府が、ちゃんとした戦争の清算と戦後の反省の態度を取らずに、靖国参拝など繰り返すことに責任がある。
 選手には、どこの国であろうとフェアーな中でプレーをさせてあげたい。
 
 かなり前だが、オリンピックの表彰台で、ある選手が、自らの国の国歌が流れているときに、確か拳を突き上げて抗議の意思表示をしていた事を思い出した。

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7月30日(金) 

  フライングしたら、スタートラインに戻るのがルール     


 合併問題での対話集会「菅谷市長と語ろう会」には、「ニュートラル」で臨むことを明らかにしていた菅谷市長が、21日の入山辺での「語ろう会」で、「周辺から合併を求められて、果たして断れるか。」という趣旨の発言をし、マスコミの取材に対して、「いずれ合併の方向に行かざるを得ないのかなと思っている。」と答えたと報じられている。
  「松本市としての判断は、あくまで、対話集会後」と断りながらの発言ではあるが、明らかなフライングだ。

 27日に行われた臨時議会の提案説明の場でも、
  「周辺の村の意向を無視できない。」とも発言している。
  マスコミからは、「合併は必要」と初見解 とも報じられた。

 菅谷市長は、5月臨時議会での所信表明で合併問題については次のように発言していた。
  「今日まで、合併を前提に話が進められてきておりますが、私は、合併については、まず合併ありきではなく、市民の皆さまのお考えを第一に考えなければならない。」
  「もう少し判断材料を提供し、市民の皆さまのご意見を直接お聞きしたうえで、判断してまいりたい。」
  「いずれにしましても、合併が真に市民の皆さまの利益につながるか否かを総合的かつ慎重に判断し、将来にわたり、無駄を省いた財政運営をしていくことが重要と考えております。」

 そして次の事態も進行している。

  1、20日(松原会場)から始まった「語ろう会」。 初日の翌21日に、関係課長が集められ、合併に向けた意思統一を行い、関係課(総務部、財政部など)の職員に、合併に向けた準備を行うように伝達されたという。
  2、さらに、8月4日には、各部庶務担当係長の合併に関する会議が予定されている。
 菅谷市長当選後から7月末まで、中断してきた合併に向けた作業を「再開する」方向を事務レベルで、先行確認す る。  四賀村はともかく、西部地域に関しては、条例の整備など実務レベルでの作業を間に合わせるには、半年かか る作業を、12月議会までに行わなければ間に合わなくなるというのが、その理由のようだが。

  すでに「結論ありき」で、進められるのでは、「語ろう会」の意味もなくなるだろう。
  フライングして、そのままゴールに駆け込むやり方は、ルール違反だ。

  フライング【flying】:
  競走・競泳などの際、スタートの合図以前に飛び出すこと。許容の規定回数を越すと出場権を失う。

  フライングは、スタートライン=原点に戻るのがルールだ。

  今晩の「語ろう会」から、今までの資料に加えて、「1市4村」の概要、人口等、組織等、財政、などの指標の資料(A4裏表)が新たに配布されるようになったようだ。

     資料は、ここをクリック

  配布されたことは、もちろん歓迎だ。
  しかしまだまだわからないこと、明らかにしてくれないことが多すぎはしないか。

  たとえば、この資料にも、出されていないが、国保・介護関係の指標は次のようになっている。

     国保・介護関係の指標は、ここをクリック

  この分野での調製方針では、当面各市村の制度を継続し、いずれ、松本市に統一するということのようだ。
 このように、行政サービスの質と量、負担の違いは、調整方針では、いずれも先送りされているのが実態だ。

   これでは、どんな新松本市になるのか、わからない。
  (国保と介護の分析は、月曜日に、職員にご協力いただいて調査結果公表します。)

  新たは判断材料というが、このほかにも、
  特例債事業の事業費を含めた全貌、
  財政シミュレーションと言うが、4村の「財政シミュレーション」は、議会にも明らかにされていない。

  などなど、わからないだらけで、「これでは判断できない。」というのが、率直な市民の声だ。
  こうした市民の思いも含めて、ただ合併「賛成」「反対」声を集約することを目的としたか「語ろう会」では、最初の目的からも、市民の願いからも外れてしまうのではないだろうか。

  行政主導で、結論を押し付けるようなやり方は避けるべきだ。

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7月27日(火) 

  奈川、安曇、梓川村関係の合併特例債事業は全部で51項目     


 昨日(26日)行われた松本西部任意合併協議会に、奈川、安曇、梓川村関係の合併特例債事業が発表された。
  既に、四賀村との関係での21項目に関しては、お伝えしてあったが、これで合併特例債217億円を使っての総事業の概要が明らかになった。
  (尚、協議会では提案されただけで、決定は次回の協議会以降ということになった。)

  それによると、奈川、安曇、梓川村関係の事業数は、51項目で以下の通りです。

  電子自治体システム整備事業(行政手続電子化の推進)
  自動交付機設置事業(行政手続電子化の推進)
  情報通信基盤整備事業(情報通信インフラの整備)
  庁舎改築事業
  奈川の自然学校整備事業
  旧ゴミ焼却施設解体及びストックヤード整備事業
  葬祭施設整備事業(墓園・葬祭センターの整備推進)
  (仮称)松本西部広域公園整備事業
  高齢者共同住宅建設事業
  庁舎改築事業(障害者対応改築)
  地区福祉ひろば整備事業
 
介護老人福祉施設建設事業
  水中ウォーキング施設整備事業
  ディサービスセンター改築事業
  児童館(センター)建設事業
  校内LAN整備事業
  梓川小・中学校施設整備事業
  生涯学習センター施設整備事業
  畜産基盤再編成総合整備事業(草地更新)
  生産振興総合対策事業(花き畜産施設整備)
  奈川ブランド確立事業(そば加工施設整備)
  農道整備事業(寄合渡上ノ原線)
  農業基本台帳システム整備
  体験農園整備事業(観光体験型農業の推進)
  奈川安曇林道整備事業
  月夜沢林道整備事業
  作業道整備事業
  林道開設(西山南線)事業
  上高地村営食堂宿舎改築事業
  上高地村営ホテル修善事業
  上高地村営ホテル従業員宿舎改築事業
  上高地村営徳沢ロッジ改築事業
 
上高地マイカー規制対策事業
  上高地生活環境(電力)改築事業
  焼岳小屋改修事業
  乗鞍高原観光地再構築事業
  白骨温泉駐車場整備事業
  奈川の温泉施設再構築事業
  奈川村内イメージアップ事業(観光施設整備)
  アップル公園(農業公園)の整備事業
  地上波デジタル対応地域情報通信網整備事業
  奈川村営バス事業
  公共路線のない地域での福祉バス運行事業
 
JR大糸線沿線パークアンドライド整備事業
  梓川アップルライン整備事業(梓川橋〜三郷村及び下角〜小室地籍)
  リバーサイドライン整備事業
  (仮称)松本西部広域公園アクセス道路整備事業
  奈川村道整備事業
  除雪体制整備事業
  梓川村道1−8号線東通り整備事業
  デジタル地域防災無線情報通信網整備事業

  それにしても、事業費の発表はいつになったら明らかになるのだろうか。
  こうした資料こそ、「語ろう会」の場に説明があってしかるべきだ。

  尚、どの村に関する事業かについては、わかりづらいので、以前にもこのHPで掲載した松本・西部新市将来構想のなかで記載されている、合併特例債対象事業一覧を紹介します。

   一覧はここをクリック

  この事業一覧から選ばれたのが、今回の合併特例債対象事業です。

 尚、借金217億の全事業も再掲載します。  ここをクリックしてください。

 (28日から、3日間 東北方面へ、教育民生委員会の視察に出かけます。しばらくお休みです。)

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7月25日(日) 

  「新松本市」で240人の人員の削減      


 合併に当たって確認されている新市建設計画の中では、240人減らす事だけが計画されているのです。
  しかも実は、関係者にお聞きすると、実は240人ではなく、250人と言うことです。
  合併後の「新松本市」の人口が、22万4055人(H15年3月末時点での1市4村の住民基本台帳人口の合計)になるとして、人口の類似する地方公共団体の平均的職員定員管理診断表に基づくと、職員超過数は、計算すると250人になるのです。
  「240人」は実は、間違っていて、250人が正確。
  ここにも、合併を急ぐがゆえの資料ミスが出ている。
 途中で気がついたのだろうが、それを訂正することはいまのところしていないが、将来必ず「250」になる事は間違いない。
 
  こうしたいい加減さも問題だが、さらに重大なのは、いま決まっているのは、人員削減を行うということだけで、どの分野から何人削減するかの計画は明確でない点だ。
 それこそ、合併の成果を上げる、最大のメリットのために、人員を240人削減すると言っても過言でない。

 では、実際に、どの分野での削減の可能性が大きいかといえば、先ほどの「類似する地方公共団体の平均的職員定員管理診断表」によれば、松本市の場合、人員が超過している主な部署は、ほぼ多い順に上げると 保育園 給食センター 農業分野 公民館関係 環境保全 社会教育施設 保健師 老人福祉施設 支所・出張所 まさに「まず削減ありき」で、実際にどんな松本市を創るのか。
  福祉分野でのサービスは、どうなるのか。
  6月議会で、私の保健師の増員を求める質問に対して、前向きととれる答弁があったが、保健師の配置計画はどうなるのか。
  などなど、疑問や心配事がたくさんあります。

  「資料」には、合併した場合、「医療福祉等の行政サービスの質は、落ちません。」とかかれていますが、その保障はどこにあるのでしょうか。

  さて、同じく「資料」のこのページでは、  

 税金は上がりません。
 施設使用料等の負担も、増えません。
 将来にわたって、過重な負担を残しません。

 ということも言われていますが、果たしてその保障はどこにあるのでしょうか。

  ここに、市側が発表した財政シミュレーションから作成したグラフがあります。
  経常収支比率の推移を予測したグラフです。

  グラフは、ここをクリック

  経常収支比率は、収入に対する、人件費・公債費(借金返済額)などの必ず必要な経常経費の割合を表わす一つの指標ですが、 グラフで、明確なのは、合併しない場合でも、松本市の経常収支比率が、市民会館の改築に140億円、100億円を超える美術館などの借金返済のピークになるH19年度は、以前議会で問題にした「80%」ラインを平然と超える予想が出されています。

  そして、合併をした場合のそれも、同じように高い数値を示しています。
  人員を250人削減しても、これだけ将来にわたって負担が大きくなることは、このグラフからも明らかです。

 この辺の問題点の議論や意見交換が真摯に行われて初めて、合併の是非を判断できるのではないでしょうか。
 ある職員が、「語ろう会」の席では、難しい数字や資料を出してもわからないから、今回の「資料」にしたといっていますが、  この「資料」では、よくわからないから、質問すらできない。これが参加者の実際の声なき「声」です。

  また、質問しても答えてもらえなかったという声も聞こえてきます。

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7月24日(土) 

  合併すれば、地方交付税は、自立より少なくなる     


 「菅谷市長と語ろう会」の「資料」に、「地方交付税は今後も減少」という説明が行われ、合併後 16年後以降も引き続き、合併したほうが、「自立」よりも地方交付税は常に上回るかのような説明が行われている。
  あまりにも単純化、デフォルメされたこの資料。
  実際のところはどうなのだろうか。調査してみた。
  資料は、ここをクリック

  三位一体改革で地方交付税の削減がどうなるのかその見通しは不透明なものがあり、予測が難しい面もあるが、少なくとも同じ条件で考えた場合、16年後くらいには、逆転するのではないか。
  松本市の発表した財政シミュレーションの資料からも、15年後のH32年には、ほぼ同じくらいになり、その後は逆転する可能性が大きい。

  松本市が発表した財政シミュレーションに拠る グラフは、ここをクリック

  広報ながのけんNo14の(2003年5月24日付け)にも同じようなグラフが掲載されている。
   広報ながのけんNo14 はここをクリック   (PDFで少し時間がかかります)

  なぜならば、人口規模が大きい自治体ほど、そして、大幅な職員の削減を行った自治体ほど、地方交付税は少なくなるのだ。
 
そして、もともと合併が地方交付税などの国から地方への予算の削減を目的としたものであることを考えると、合併しても減らなければ意味がない。
  このことを考えると間違いなく逆転するはずだ。

  しかも、昨日付け日誌で検証したように 「借金総額217億円の7割=約152億円は交付税で来るから、全事業の新松本市の負担は65億円で済む。」 との関係で見ると(もっとも比較する事ではないかもしれないが・・・)
  H17年から32年までの16年間の差額のトータルは、私の計算にまちがいがなければ、約148億で、152億円に及ばない事がわかる。

  ここも、合併しても果たして財政的に有利であるとはいえない一つの発見がある。

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7月23日(金) 

  合併特例債について     


 四賀村、西部地域との合併に際して、「新松本市のまちづくりのため」の新たな借金が、今回の合併特例債。
  新たに、約217億円借金して、これから10年間で総額228億円の事業を行うと説明されていますが、そんな借金をしても財政は大丈夫なのでしょうか? また、全て必要な事業なのでしょうか。

  「明るい会」主催の合併問題の学習会の席で、率直な質問がありました。
 
  この合併特例債については、「菅谷市長と語ろう会」の資料の中で、何箇所かで説明がされていますが、これもよくわからないという疑問も寄せられています。

  その1番目が、どうゆう事業のための借金なのかという点です。
  「資料」の中には、村ごとに1項目ほどしか書かれていませんが、全貌は、まだ明らかにされていません。
 「 資料」では、トンネルが総事業費80億円とあるだけで、そのほかはどれだけの事業にどれだけのお金が使われ、積み上げ合計で「217億円の借金」という中身は、まだ公開されていません。
  四賀村に関しては、21項目が発表されていますが、それについても事業ごとの金額は不明です。
  26日(月)の西部合併協議会の場で、奈川、安曇、梓川村に関する項目が確認されるようですが、四賀村同様金額についてはすぐには明らかにできないようです。
  なぜかという疑問があります。

  最大の関心事のひとつでもあるこの合併特例債に関する事項。
  直ちに明らかにしてほしいものです。 早急な公開を求め、こうしたことも「語ろう会」でその全貌を明らかにすべきです。

  次に、借金返済は地方交付税で見てくれるというが、本当にそうなのかという点です。
  市民会館の改築の際にも、「145億円のうち、約40億円は、地方交付税で見てくれるから、松本市は100億円だけ負担すればよい。40億円は実質的に補助金。」との説明に対し、「本当にそうなのか。」と疑問がでたことは、ご承知の通りです。
 今回の合併特例債に関しても、また同じことが書かれています。

  松本・四賀トンネルの総事業費は、80億円。
  半分は、国庫補助金から、そして残りの40億の内、95%の38億円を借金(合併特例債)でまかなう。
  そうすれば、その借金の返済金のうち26億6000万円は、「地方交付税で見てくれる」から、新松本市の負担分は、13億4000万ですむ。
  同じく、「借金総額217億円の7割=約152億円は交付税で来るから、全事業の新松本市の負担は65億円で済む。」
  これも同様です。

  ポイントは、地方交付税で見てくれるという借金返済分は、本当に国からお金が来るのかという事です。

  そう簡単ではない。それが結論です。
  実際に、お金は全額こない。 それが、今の地方交付税制度なのです。
 グラフをご覧ください。
  この間の「交付税で見てくれる」という借金の中で、毎年の返済に際して地方交付税に算入されている総額と実際に交付されてきている地方交付税(普通交付税)の額との関係を示したのが、このグラフです。

   グラフは、ここをクリック

 お解りの通り、「交付税で見てくれる」はずの借金返済金の総額すら交付されていないことがわかります。
 
  そして、さらに、この地方交付税をこれから縮小しようというのが、合併とともに進められている「三位一体改革」です。

  全国各地で、この合併特例債を使って、「見てくれる額」がどれだけの金額に跳ね上がるのでしょうか。
  額は間違いなく増える一方で、交付税の枠は、逆に小さくなる。
 さらに心配な事です。

 「地方交付税で見てくれる」といっても、補助金のように全額確実に来る保障はないのです。

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7月21日(水) 

  押し付け合併の本質を見抜いた上での議論が必要ではないだろうか。     


 松本市・四賀村新市建設計画(素案)が、20日開催された市町村合併対策特別委員会で報告された。
 素案とは言うものの、実際には、ほぼ決定の中身。
  合併特例債を使う上で必須な計画である。
 同時に、松本市・四賀村新市建設計画施設体系表(素案)も公表された。
 いずれも、7月12日に開催された第9回松本市・四賀村合併協議会で決定されたものだ。

 これによると、 四賀村との合併に際して、以下の項目が、合併特例債を使っての事業として明記されている。

 電子自治体システム整備事業(行政手続電子化の推進)
 情報通信基盤整備事業(情報通信インフラの整備)
 公共施設改修事業(庁舎の整備)
 浄水施設改良事業(大沢、月沢、会吉)
 上水道集中監視装置導入事業
 多機能総合福祉施設設置事業(地域福祉社会構築の拠点施設の整備)
 地区福祉ひろば整備事業
 社会福祉施設整備事業
 小中学校内LAN整備事業
 小学校大規模改造(耐震補強)事業
 村民体育館改修事業
 村民グランド整備事業
 サブグランド整備事業
 四賀地域歴史資料館(合併記念館)設置事業
 クラインガルテン設置事業
 農業基本台帳システム整備事業
 宿泊施設統合整備事業
 情報通信格差是正事業(情報通信インフラの整備)
 廃止路線代替バス運行事業
 松本・四賀直結道路整備事業
 デジタル地域防災無線情報通信網整備事業
 
   の以上の21事業だ。

 そのうち、最優先課題として注目されているのが、言うまでもなく下から2番目の「松本・四賀直結道路=トンネル」事業だ。
 「トンネルを作るための合併」  「トンネルができなければ、合併はしない。」と関係者のトップが言い切ってはばからない中身はご承知の通り。

 現在行われている「菅谷市長と語ろう会」に配布されている資料(以下「資料」と略)のP15に記載されている。
  総事業費80億円  内、国庫補助で40億円を取り込み、残りの「40億円」について合併特例債を使う。
  (尚、国庫補助の取り込みができなければ、このトンネル建設は行わないことが確認されている。)

  各々21事業に関して、どれだけの事業費を見込んでいるか現在の段階では(20日の特別委員会)明らかにされていないが、既に積み上げられて、四賀村との合併関係分の新たな借金(合併特例債)は明確になった。
 奈川村、安曇村、梓川村に関するこうした合併関係分の新たな借金の事業も、既にほぼ決定され、今回の1市4村の合併に際しての借金額の合計が、217億円になる事が明らかにされている。  詳細は26日(月)の西部合併協議会で確認されるようだ。

 財政難といいながら、向こう10年間の間に、新たに217億円の借金を行い、「5つの力を1つに結集し、輝かしい新市を共に築きましょう。」のスローガンの下に「梓川連携軸田園都市構想」を「資料」は明らかにしている。

  でもちょっと待てよと言いたい。
 この構想は、本当にこの財政難の中で実現可能なものなのか。
 そもそも、現在の財政難を引き起こした原因はなんだったのか。
  世界でも異常な公共事業優先の日本の財政運営。
 「50兆円の公共事業に対して、社会保障に20兆円」と言うことは、バブル期の状況。 現在は、「40兆の公共事業と25兆の社会保障」という関係になってきているが、  「新松本市」で、向こう10年間に217億円の新たな事業展開、同じような事が、全国各地で展開される。
  バブル期の再来と思うのは私だけだろうか。
  しかも、この借金は、地方交付税で、「70%をみてくれる。」 まさに、地方交付税が地域のサービスの向上のために使われると言う本来の役割から、 借金の返済金は、地方交付税でみてあげるから、地方での借金をどんどん行って事業展開を行ってきたまさにバブル期と同じ轍ではないか。
  そして、そのバブル期の破綻の結果が小泉構造改革の結果とあわせて今日の事態を招いているのに、また同じやり方で、「絵に描いた都市像」の建設に向かおうと言うのか。
 さらに、「三位一体の改革」の中で、地方交付税の総額そのものが減らされる中で、そうでなくても「みてくれる」といった借金返済分の額すら、地方交付税が松本市に交付されていない中で、借金をすれば、その分は結局地方の負担となる仕組みである。

  何のための合併か。
  財政難の中での「地方の再生、分権の受け皿」としてすすめられているが、本当に地方のための施策と言えるだろうか。
 こんどの合併では、H18年から5年間で、まず130人の職員削減を行い、さらにH32年までに110人(一説には120人と言う話もある。)あわせて、240人の削減を行う。
 それによる財政効果は、人件費削減で225億円。他の合併に関する負担増を控除して、新たな行政サービスにまわる財源が、105億円とかかれている。
 H32年単年度でも、6億円の財政効果がある。(「資料」P12)
  合併の最大のメリットが、人員削減による財政効果と言われているが、このメリットは、実にメリットと言えるものなのか。
 マンパワーこそ、福祉・サービスの原点といわれる中で、最大のデメリットでもあるのだ。

  では、何のための合併か。
  「自治体の行財政の基盤を強化し、自立能力の向上」などと、地方のためと強調されているが、その実は、

 大手の企業、ゼネコンに仕事を短期間に提供する。
 地方交付税を削減し、地方に渡す財源を減らしてもやっていける「小さな皿」=受け皿づくりと福祉の後退。
  
  という、今度の国の誘導=押し付け合併の姿が見えてくる。

 さまざまな現象から本質を見抜く力が求められる。

  もともと、儲けの再生を狙う、財界戦略が横たわってのこんどの合併。
 仮に財政基盤が「安定した」として、10年15年後に、財界はまた新たな儲け再生の戦略を展開してくるに決まっている。
 それは、この間の国の地方潰しの政策を見れば明らかである。
  その先に道州制がある。
  「生かさず、殺さず」の財界戦略が、はっきりと見えてくるではないか。
  喜びも苦しみも分かち合う度量、地域愛を強調するのであれば、国の悪政に屈し、財界戦略に住民をさらすのでなく、市町村合併を見直し、オルタナティブ(選択肢)の提示が必要ではないか。

 「菅谷市長と語ろう会」は、8月いっぱい続く。

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7月18日(日) 

  全ての子どもの健全な成長を願って     


 「全記録」と言うには、少し物足りなさを感じたが、草薙厚子著「少年A 矯正2500日 全記録」を、土日の学童クラブのキャンプを終えた後、とり急ぎ読んだ。

 「酒鬼薔薇聖人」

  既に記憶も薄れがちのこの事件だったが、佐世保での小学校の事件とも重なり、妻が読み終えたので、私に回ってきた。
 筆者は、東京少年鑑別所法務教官の経験があり、そうした経歴にかかわっての著作であるが、少年Aに関して、鑑定医による精神鑑定結果が掲載されている。
  その部分を引用すると

  ロールシャッハテストでは、
  「共感力に乏しく、他者の存在や価値を認めようとせず、対人間関係に不安・緊張が強く見られ、人間関係の維持が困難である。」
  TAT(絵画統覚テスト)では、
  「他者に対する被害感が強く、裏腹に強い攻撃性と完全な支配性を持つ」 結果、 「未分化な性衝動と攻撃性との結合により、持続的かつ強固なサディズムがかねてから成立しており、本件の非行の重要な要因となった」 と判断された
  と紹介されている。
  そして、それをベースに行われた矯正教育に関する経過=「全記録」がこの著作だ。

  あとがきの中で、著者は、次のようにまとめている。
  「日本を震撼させた神戸連続児童殺傷事件。多くのマスコミは、依然としてインパクトの強い表現で、猟奇的な現象だけを取り上げようとする。私は少年Aの問題を、矯正教育を中心に、親子のコミュニケーション、犯罪心理学、社会学、少年法など、様々な観点から検証したつもりだ。この本が少年の教育に携わっている人たちに、少しでも参考になればと願っている。」

 同世代の子どもを持つ親としては、日々の「事件」の連続の中で、以前ほどには、「我が子に限って」という思いで、こうした事態を見ている人は少なくなっていると思う。
  日々起こる事象にたいして、その本質を見抜く力を養う上で、この本は役に立った。
  事件当初、TVに出ていた「解説者」が、「性的サディズム」という言葉をそれこそ乱用し、少年法の「改正」を力説していたのを思い出す。
  なぜあれほどまでにあの言葉を乱用していたのかが判ると、
  同時に、物事の分析の正しさと本質の理解との違いを改めて認識させられる機会となった。

  「少年A」この子を生んで・・  父と母 痛恨の手記  という文庫本も出版され、今手元にある。
  いずれ、妻が読み終えた時点で、私のところに廻ってくると思う。
  読み終わった時点で、またこのHPに感想を書こうと思う。

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7月17日(土) 

  合併問題を原点から考える良い機会に     


 7月20日から行われる「菅谷市長と語ろう会」の日程が明らかになりました。
  そして、各会場でパワーポイントを使って行われる説明資料のも入手できました。

   資料は、ここをクリック

  その中に、次のようなページがあります。

  松本市の合併への姿勢
  1、「まず、合併ありき」ではありません。
  2、 関係町村住民の合併に対する意思を尊重します。 3 
  3、合併に対する市民の皆様の声を直接お聞きして合併の是非について判断をし、議会と相談した上で、最終的     な決定をしたいと考えています。
  そのため、市内30地区で、「市長と語ろう会」を開催する中で、市民の皆様の意思を把握させていただきます。

  いよいよ、松本市としての合併の是非についての議論が開始されます。

  「菅谷市長と語ろう会」の日程は、ここをクリック

 松本市が合併という選択をしなければならない理由は何なのか、その原点からの吟味が必要と考えます。
  合併はしませんという選択もあるわけです。

  合併した場合のメリット、デメリットは、「市長と語ろう会」の資料に一定のものがありますが、それだけではなく
  松本市が合併しない場合のメリット、デメリットを考える中で、この問題の本質が見えてくるような気がします。  

 少しづつ、調査検討結果を公開したいと思います。

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7月13日(火) 

  参議院選挙を終えて     


 こんどの選挙、ご協力、ご支援、ご支持いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
  結果は、文字通り残念なものでした。

 今回は、6年前の1998年の参議院選挙の改選の選挙。
  比例区で8人、選挙区で7人が当選、史上最高の15議席を獲得、一番躍進した選挙から6年後のたたかいだった。
  昨年の衆議院選挙の後退の結果を受けて、「総選挙での到達点をリアルに直視し、それを土台に着実に前進をはかる」という方針で臨み、比例区では「610万票」=5人の絶対目標を掲げ、7人の選挙区での議席確保への挑戦のたたかいでした。
 
  比例票の結果(得票数と得票率)を見ると、

 01年 参議院 432万9210  7.91%
 03年 総選挙 458万6172  7.76%
 04年 参議院 436万2574  7.80%

 98年 参議院選挙での、約820万票 得票率で14.6%という過去最高の成果から比べると、前回(01年)が、最近ではボトムの約半減の結果、そして、昨年の衆議院では、踏ん張った中身だったが、今回は、まだ腰を上げるというところまで行かなかった。
  立ち上がるには、反動も必要だ。
  ためてまず立ち上がることが必要。
  そしてもう一度「坂を上る」ということだと思う。

 松本市の結果を見ると、
    01年 参議院 8582
    03年 総選挙 9615
    04年 参議院  9007
       ほぼ全国的な傾向といえる。

  今回の選挙は、「話ごたえ」という点は、今までになく反応がある選挙だったが、その場で即、「わかりました。がんばってください。」という結果にはならず、「検討させてもらいます。」という人が多かったのが特徴だった。
  今回、私としても、炎天下での全戸配布に徹底した。
  最近では、最高枚数配った法定チラシは、1号、2号とも読んでいただければ、納得していただけるものとの確信があったからだ。
 そして、配布した地域に夕方から電話をして、 チラシの中身で、対話すると、時間はかかったが最後まで、こちらの話を聞いてもらえる例がほとんどだった。
  他党派が、ほとんど全戸配布をしなかった選挙も珍しい。
  部分的に、民主党が法定チラシを配布していたのが確認できたが、3号まで出た内、2号は新聞折込だったようだ。
  自民も新聞折込、公明党は、昨年11月はあれほど「100年安心年金プラン」を配ったが、今回は見当たらなかった。
  昨年の衆議院選挙時は、財界がそれこそ表に出て、2大政党制の仕組みづくりを仕掛けた。
  今回は、その本格的な「2大政党論」の2度目の国政選挙だったが、昨年の最初と違って、自民党の支持率の更なる低下、小泉人気の3年経っての「賞味期限切れ」の中で、「政権交代で日本を変える」「政治を変える」というキーワードが、民主へ票がながれるという結果を生んだのは間違いない。
  あるマスコミは、出口調査の結果を、「共産支持層は、前回参議院比例区では、81%が共産に投票したが、今回は79%に減少、民主党に流出」と報じたが、そうした事実を裏付けるひとつのデータだろうと思う。

  選挙の結果に対する分析は、これからも必要だし、反省点と教訓は明確にしなければならないと思いますが、 「こんなときこそ、共産党が伸びなかったら、あの戦前の二の舞になる。」と激励してくれた方の声が印象的だ。
  消費税の問題、年金の問題、憲法9条のこと、「財界主役、アメリカ言いなり」の政治の問題など、昨年の11月以来の2大政党制の解明などについても、対話ができた人々が増えたことは、確信となる中身だ。

 遅くも3年後には、また選挙がある。
  力を溜めて、臨みたい。
  引き続くご支援、ご支持
をよろしくお願い致します。

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7月6日(火) 

  まさに逆累進の「第2の所得税」     


 「応能負担の原則」 を辞書で引くと次のように書いてある。

  応能負担の原則=「租税は各人の能力に応じて平等に負担されるべき、という租税立法上の原則」(「知恵蔵」2004)  

 税法では、所得税では、高所得者には高い負担、低所得者には低い負担を課す。
  これが税法での「平等」=経済民主主義である。

 ところが、この経済民主主義の原則を破る、逆累進の消費税に、政治の財源を求めようとする動きがはっきりしてきた。
自民、公明、民主にとどまらず社民党までもが、消費税を社会保障の財源として考え、「引き上げる」という発言、主旨を言い始めたのだ。
  消費税値上げ反対、消費税に頼らない年金社会保障の確立の政策をきちっと述べている政党は、日本共産党だけになった。

 今度の選挙は、実に政治のあり方そのものが問われる選挙になり、くらしの問題、年金問題を通じて、政党の姿、その立脚点が鮮明になってきた選挙だ。
 誰のために、何をしようとしているのかという政党の本質があらわになってきたといえる。

 赤旗の記事を2つご紹介します。
 ぜひご覧下さい。  ここをクリック

 所得税、法人税の税率が、上に薄くなり、累進性が甘くなってきている。
  まさに、消費税は、逆累進の庶民いじめの「第2の所得税」になってきている。
 しかも所得のない人から集める悪税だ。
  2つのグラフを見ればはっきりわかる。

 そして、その「第2の所得税」の税収が、消費税が導入されて16年間で148兆円、一方で、おなじ時期に大企業などが払う法人税は、145兆円減った。
  消費税は、企業減税の穴埋めに消えて、「社会保障、福祉のため」でなかったことは、一目瞭然だ。
 日本共産党の法定1号のチラシのここ部分での対話は、少し話が長くなっても、最後まで聞いてくれる人が多い。
そして、「値上げしなくても何とかできませんか。」の思いに、私たちの政策は新鮮に映っていると思う。

 17年目に入った消費税。確かに現在子育て中の世代にとっては、ほぼ生まれた頃から消費税世代だ。
  若い子育て世代のお母さんが、「ジュージュー」フライパンで炒め物をする音をさせながらも話を聞いてくれる。
  そしてその食事の準備の時間も、夜7時半前後の方が少なくない。
  長時間労働の実態がそうした電話の向こうでの暮らしぶりから「聞こえてくる」。

  どれだけ、多くの有権者と対話ができるか。こんどの選挙の結果を左右することになるだろう。
  最後まで、力を尽くし、対話できた皆さんと共に力をあわせて政治を変えたいと思う。

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7月5日(月) 

  国保税の減免規程ができました。     


 「国民健康保険税の減免に関する規程の見直しについて」
保険課の関係者から説明がありました。
  6月議会の国保税の引き上げの条例案の審議の際に、私たち日本共産党がその実施を求めてきたものです。

 今までの減免に関する規程は、「生活困窮による減免」と「災害等による減免」と記されていたが、実際には、申請利用者もなく、実効性にかけるものでした。
 今回は、

 対象者の中に、

 生活困窮による減免については、
  「前年所得の合計額が500万円以下の世帯で、疾病・失業・倒産等により、今年度の推定所得が5割以上減少すると見込まれるもの。」
  災害等による減免については、
  「前年所得の合計額が700万円以下の世帯で、地震、火災等により家屋の価格の3割以上の損害を受けた者」
  「盗難、横領等により世帯の財産について3割以上の損害があった者」
  「債務の返済等のため、すべての財産がなくなった者」
  とその対象者を明記、
  いずれも減免の割合を、
「所得の減少割合、損害の割合に応じて、2割から、10割を減免する」
  というものです。

 減免率の詳細は、ここをクリック

 参議院選挙の毎日の打ち合わせの後、教育民生委員ということで、南山議員と共にその説明を受けた。
 中身の詳細の検討は、いずれ行う必要があるが、長年求めてきたものが、また一つ実現した。
 実際に実効あるものであるかどうかは、今後の検証にゆだねる事になるだろう。

 H16年度の国保税の徴収から、実施される。
  詳細は、7月15日付、「広報まつもと」に掲載予定とのことです。

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