つまみの製作  轆轤(ろくろ)加工

 木を回転させ、そこに刃物を当てれば回転体ができ、木のお椀やつまみができます。

 木工を始めた頃、つまみは松本でやっておられた”ろくろ屋”さんに頼んで作ってもらっていました。

 使う数が少なくてもある程度の数を頼まざるをえないこと(2個や3個の注文では、今の僕でさえそれにかかる製作時間を考えると「ちょっとな〜」と思います)、紙の上に描いたモノと頼んで実際に図面通り!にできあがったモノが微妙に違うという、それこそ靴の上から痒いところを掻くようなもどかしさ。

 ある時、知り合いの仕事場でろくろの機械を見て、自分で作れるものならということで、一大決心の末、機械を購入しました。

 今では、つまみだけでなく、椅子やテーブルの足、丸い小箱、小さなお盆、木の皿、ボタン、ペンダント、、、などなど、必要に応じていろいろ作っています。ただ、専門に作っている木地師の方のように、高等テクニックを駆使して作ったり、全く同じものをいくつも作るという技術(腕)は、残念ながらありません。

1)轆轤の機械(木工旋盤) 白い箱がスイッチと回転スピードのコントローラー。右は各種バイト(削る為の刃物)で柄は自分でろくろで作ります。 

  

2)バイト刃先の製作(バイトの先端をグラインダーで、つまみの形にあわせ整形します) 

  

3)木取り つまみにする木は、できるだけ年輪幅が小さく(これは作る人の好みにもよります)、木も素直なところを選びます。

昇降盤という機械で細く挽き割り、必要なサイズの角材を作ります。

  

4)昇降盤を45度の角度に傾け、角材の角を切り落とし、8角形にします。

  

5)いよいよ加工開始。まずは8角形から丸棒にします。右は加工風景で、バイトをしっかり持ち、少しずつ削ります。

  

6)最初はつまみのホゾに当たる部分を削り(左)、次に、先に加工したバイトを当て、つまみの側部分を削ります。

  

7)木工用紙ヤスリ(単にペーパーと言っています)をそっと当てて、木の表面をきれいにした後、一個一個切り離します。

 次にチャックという工具につまみのホゾ部分をはさみ込み、つまみの先端を丸く削り、ペーパーを当てれば、、、

  

8)ようやく、食えない”つまみ”の完成です。

 あくまでこれは、本で見たり、実際に製作しながら考えた僕個人のやり方で、作り方は十人十色です。

 もっとうまい作り方が見つかれば(それを考えるのが楽しくもあるのですが)、どんどん変わってゆきますし、簡単で、楽、かつ正確に作る方法がありましたら、是非、教えていただきたいので、よろしくお願いします。