町会連合会との懇談会に向けて
日本共産党・しがの風
会派代表 池田国昭
発言3分という短い時間の中で松本市の将来像についてという大きなテーマをいただきました。
さらにまた、道路、合併、都市内分権、地震対策など具体的な課題もいただきました。
そこで、まずはじめに、市民のみなさんの暮らしぶりについてです。
いまや、「毎月1日は、値上げの日」と言われるまでになりました。 ガソリンだけでなく、生活必需品まで値上げの連続。
給料も年金も減らされ、高齢者のみなさんを狙う、税金の引き上げ、介護保険料、後期高齢者医療保険の徴収など、連続的な住民負担増の中で、日々の生活費を貯金に回す人が今あらためて増えているとのことです。
青年層に限らず、いわゆるワーキングプア問題も実に深刻な事態です。
購買力がこれほどまでに低下して、市民の暮らしぶりが日に日に大変になり、実に生き難くなっている中で、景気が良くなるはずはありません。
こうした背景には、間違いなく国の政治があります。
松本市の活性化、松本市政の今後については、こうした国の政治と無関係で語れないことは明らかです。
そうした点を踏まえて以下、提起された具体的な課題にも触れながらお話したいと思います。
これまでは、松本市の将来像といえば、街づくり、産業、観光、など、いわゆるハード的ことが語られ、公共事業の展開で、経済の活性化を図ることと関連して語られてきました。
大規模な中央西の区画整理がおこなわれましたが、予想されたような効果を生んでいません。増えたのは借金返済でした。
これからは、いわばソフト面で、つきなみですが、安心して暮らせる、子育てできる都市づくりこそが重要になると思います。
日本の経済も外需頼みでは、一部の企業の収益は伸びても、国民の暮らしぶり一向に上向かない。とうとう戦後最長と言われてきた平成の「好」景気も終わりを告げました。
何よりも大切なのは、市民のみなさんのくらし、懐を暖めることに重点を置いた対策です。
それには、国の政治で負担ばかり増えている市民のみなさんの負担を、市政としていかに軽減するか。ここに思い切った予算を使うことが、結局は暮しやすい松本市を作ると同時に、地域経済も潤うことになると思います。
そうした意味では、「健康寿命延伸都市松本」の創造、市長はそれまでの3Kプランに加えて、これを国際的なモデル目指して取り組むといっていますが、こうしたまちづくりに加えて、具体的な負担軽減策が松本市の将来にとっては、実に重要だと思います。
道路の問題で言えば、これからは、原油の値上げと環境問題との関連も含めて明らかに車の数が減る中で、計画された高速道路の計画の見直し、現道の整備などが求められると思います。
合併に頼らずとも、周辺の町村がやっていけるような、地方交付税の増額など国の施策の変更が必要です。
市民との協働ということが、言葉としてもかなり定着してきました。 全国にも誇れる松本市の町会のみなさんの果たす役割は、これから実に重要になります。
民間企業で、これまでの臨時・ハケン労働の見直しが進みつつあります。行政の正規職員を減らして、人件費を削減して安上がりに事業を展開するのでなく、町会へはその役割にふさわしい予算付けが、結局安心して暮らせる地域づくり、活性化につながります。
これからは、人づくり、地域づくりに投資する施策があらゆる意味で重要になると思います。
最後に、先日おこなわれた、松本市101年シンポジウム『超少子高齢社会と松本の未来』での松谷明彦政策研究大学院大学教授の講演に関連して、菅谷市長は次のように記者会見で述べました。
「松谷先生からは、工業誘致はもう駄目だとはっきり言われた。労働生産人口が減少し、労働力が高齢化し、都会から地方にくることはない時代になるので、むしろ各都市の地場産業の育成、独特のものを作る仕事を大事にし、それを伸ばしていくことだと言われた。
松本の場合、もちろん外からの誘致も大事だが、これからは製品の質を向上させ、品質の良いものを作り、職人的で豊かな地場産業の育成を改めて考えていく必要がある。」
この発言に私は実に注目しています。
工場誘致については、立ち止まって考え直すことが必要です。
地場産業といえば、農業問題は実に重要な課題です。
「国際競争力で、勝てない分野は、海外で生産して輸入すればよい」というこれまでのやり方が破綻しました。
食料自給率の向上のために、農家の方が作り続けられるだけの米や農産物の価格保障の抜本的充実、多様な農業経営をすべて担い手として支援、地産地消の推進などは、国の政策ではもちろん、この6月議会でも取り上げましたが、松本市でも具体的に取り組むことが重要だと思います。
以上
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