社会福祉協議会新年会挨拶原稿 080118
改めまして新年おめでとうございます。ご紹介いただきました池田国昭です。
昨年は、牛山議員ともども春の選挙では大変お世話になりました。 まず最初にこの場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。
さて、「偽り」に終わった昨年から、新年は「真」の年にと誰もが思う中で、お祝いの年賀状の台紙で、またしても偽りが発覚しました。「環境偽装」という新語が生まれました。
日本の経済活動に、儲けのためなら何でもありと正にモラルが欠如していることの現れです。
先日の成人式のテレビ報道の中で、あたらしく成人となられた青年が、「自分は郵便局員だが、郵便局の民営化を元に戻してほしい」と話していたことが、実に印象的でした。
ご覧になったかたもいらっしゃると思います。
「働いて暮らしていける給料がほしい。」とずばり言う青年もいました。
暮れから今年にかけて、テレビでは、環境問題と同時に「貧困と格差」を特集するものが多かったのが特徴でした。
ある市内の福祉施設の事務長の方のお話をご紹介します。
先代の経営者が、「利益は、地域の住民の皆さんにお返しすべき」が口癖で、そのことを教え込まれて最大限困っている人に手を差し伸べてきた。 先代が財産を残しておいてくれたので、今日までやりくりしてきた。
介護職に生きがいを持って、働いてくれている若い職員の給料は、良い方かと思っていたが、調べてみたら生活保護基準をわずかに上回っているに過ぎないことがわかって、唖然としたというのです。
生活保護基準以下で暮らしを強いられている人がいることを理由に、その基準を下げるというとんでもない話も許せませんが、やりがいのある仕事なのに、実際は、青年が暮らしていけない、結婚できない将来設計が出来ない状況。
障害者自立支援法の問題もしかり、そして、この4月から75歳以上の高齢者に負担と差別医療まで持ち込もうとするこの間の政治の実態。 何とかしなければ、ならない。
国会の先生方には、ぜひ現場に来てこの事態をつかんでいってほしい。
といわれました。
医療・福祉や介護、高齢者のくらしを支えるサービス、そして子育て・教育など本来ならば儲け・利潤追求とは、なじまない分野を、何でもかんでも民営化民営化で、これまで福祉分野でご苦労されている皆さん方までも、競争の真っ只中に中に押し込んでしまう。
お金のない人から福祉を取り上げ、儲からないことは、切捨てられるか、働く皆さんの大きな犠牲の下に何とか支えられて繋がれているというのが実態です。
本当に、福祉や介護の現場で、これまでの小泉「構造改革」のやり方がいよいよ行き詰まっていることをはっきりと示していると思いました。
そんな中でも、生きがいを見出し、派遣や請負で、もののように扱われても働き続ける若者たち。本日お見えの皆さん方のご家族の中にも周り方々にも、そうした青年がたくさんおいでではないでしょうか。
社会に役立つ仕事をしたい。人間らしく、暮らしていきたい。 青年だけでなく、多くの皆さんの気持ちを踏み躙る今の社会の仕組み。
いくら利潤追求の資本主義とはいえ、これほどまでに異常な経済社会は、世界の中でも日本は数少ないまれなところだと思います。
低成長の中でも、儲けが上げられるように、派遣と偽装で労働者の賃金は下げる、安くても働く人は他にいるといって、いつでも労働者を脅かす働き方のルールを作り、一方であげた莫大な企業の儲けは、労働者でなく、役員の報酬と株主への配当に回してしまう。
そしてそのお金のマネーゲームで、灯油など生活必需品が値上がりする。
今までになかった仕組みです。
下げた大企業や資産家の税金をさらに引き下げ、その一方で、国民の社会保障費の負担を増やし、さらに福祉のためだといって、消費税を引き上げる。
2大政党は、いずれもこの点では経済界の要求を入れ、政治献金をもらっています。
これではますます、貧困と格差が拡大することになります。
儲けているところにはそれなりの負担をしてもらう、これは実に当たり前のことだと思います。 こんな政治には未来がないことは、本日お見えの皆さんはもちろん、誰もが実感できるものとなりました。
今年は、こうしたこれまでの小泉さんの構造改革の5年間はなんだったのかと振り返り、 先ほど成人の方が言った、誤った政治を元に戻す年の始まりと思います。
昨年末、政府もとうとう昨年12月の月例経済報告で、それまで「企業部門の好調さが、家計部門へ波及する」という3年間30ヶ月続けてきたこの表現から、「家計部門へ波及」という言葉を削除しました。
つまり、大企業が栄えても、国民生活はよくならない--この事実を政府も認めざるをえなくなりました。
それならば、国民の懐を直接暖める政治に本格的に切り替えることが必要です。 もし政府がやらないならば、私たちが主権を発動して転換させる年、今年はそうした年になります。
3月には市長選挙、そして解散総選挙が予想される年、ぜひ日ごろの皆さん方のご苦労が本当に生かされ、報われる、そして高齢者の方が長生きしてよかった、若者が未来に希望が持てる社会にするために、今年もご一緒に力を尽くして行きたいと思います。
そうした思いを込めまして、皆さん方の日ごろの献身ご労苦に感謝申し上げ、鎌田支会が地域の皆さんにとってこれからも重要なその役割を十分に発揮されることを祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。
本日は、本当におめでとうございます。
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