市長答弁

 まず、新年度予算における財源の確保諸策のお尋ねです。
 2002年の2月に始まった、今回の景気回復は、この11月には「いざなぎ景気」を超えて戦後最長となりましたが、個々人をはじめ、地域や企業の規模・業種によっては実感が伴わない、まさに実感なき景気回復の状況にあることは私も感じておるところでございます。
  厚労省の毎月の就労統計によりますと、一人当たりの手取り額は、むしろ減少しており、今回は、家計を犠牲にした景気拡大ともいえます。
  このような景気動向の元で、基礎自治体の財源確保をより確固たるものとするためには、 市民や企業などの自主性、自立性を高め、産業の活性化を図り、結果として市税収入の増加を図るよう努める姿勢ことは、行政運営上、きわめて重要であります。
  加えて近年の経済情勢の変化や、将来の人口減少社会の到来を見据えたうえでの舵取りが必要欠くべからざるものと認識しております。
  さらに昨今の景気趨勢の中では、 地域経済の活性化と雇用機会の創出を図り、地域力を高め、観光で訪れる皆様や立地を求める企業に、松本市というブランドを選択してもらうべく熾烈な地域問競争に打ち勝っていくことが肝要でございます。
  そのためには、松本市の財産である自然、歴史、伝統文化のみならず、ありとあらゆる分野において市民と行政が一体となって充実強化を図り、かつ、個性を磨きあげていかなくてはなりません。
  例えば医療と製造業、観光といった異なる分野の連携や、新たな健康産業、福祉医療産業、環境産業などの創造も必要かと存じます。
  また、高齢化に伴う需要構造や消費構造の変化に対応した商品の開発など、まだまだ、商機の残っている部分への積極的な参入が期待されるところであります。
  私は、このような認識に基づき、本年9月に本市において初めてとなる「2006松本市の観光戦略」を策定したところでありますし、また、昨年、私が工業界に呼びかけて実現した懇談会において提案された「工業ビジョン」の策定も、こういった一連の取り組みの一つであります。
  ・・・策定にスピードアップをお願いしたところであります。
  さらに、松本市の予算について申し上げますと、本年度の9月補正予算においても、産業の活性化は重要な柱と意識するという予算編成方針を示し、商工業の振興策や道路の維持、改艮費などの予算を追加し、経済振興を図ったところでもあります。
  なお、平成19年度当初予算編成においては、商工業、ならびに農林業の振興や観光にウェイトを置き、より一層、財政基盤の強化を図ることとしております。
  また、市制施行100周年における各種イベントでも、経済の活性化に結びつくような事業を展開してまいります。