志位委員長記念講演の最後の部分

 今日はいろいろなお話をしてきましたが、国会は今異常事態になっています。
  麻生内閣は、最初は総裁選挙をやって盛り上げたその勢いで解散をするという作戦でしたが、ちっとも盛り上がらなかった。  
  そこで今では、解散をずるずる先延ばしにする動きに出ています。 いつまでも解散を先延ばしにすることは、許されるものではない。  このことを言いたいと思います。
  ただもう1つ民主党がどうなっているかというと、民主党は何とか早く解散を、という自分の党略をすべての上において、なんとあろうことか自公政権に何でも協力するという情けない態度になってしまっています。 (注)  

 今、補正予算案が衆議院を通され、参議院にまわされていますが、民主党はこれに賛成してしまったんです。  
  ところがこの補正予算案には、後期高齢者医療制度を続けることを前提にした手直しの予算が入っています。  
  そんな悪い予算に賛成するということは、民主党がこれまでまがりなりにも言ってきた後期高齢者医療制度撤廃の旗印をおろすことにもつながる説明のつかない行動であるといわなければなりません。  
  そしてもう1つ先ほど言ったように、海外派兵法については、延長に事実上手を貸すような行動を取っている。  
  何で去年はあれだけ反対したのに、憲法違反とまで言って反対したのに、今年は事実上手を貸すのか。  
  理由は簡単です。  
  アメリカに媚を売っているのであります。  もし政権についたときに、手直しをしなければならない。  そのときに、「民主党が政権についてもアメリカさん大丈夫ですよ。」 アメリカに媚を売っているとしかいいようがない、情けない態度を民主党がとっているこれは許すわけにいかないことを言わなければなりません。  

  みなさん、解散というのは、自公政権にひれ伏してひざまずいて、こいねがう事で得られるものではありません。  
  国会論戦で堂々と自公政権を追い詰めて、相手を土壇場まで追い詰めて勝ち取るのが解散ではありませんか。
 何で民主長にそれができないのか。  
  それは、今日お話したように、大企業、アメリカ中心という2つの政治悪を正す立場を持っていない。  
  この2つの悪を共有している政党だからであります。
  私は言いたい。 マスコミは自民か民主化と騒いでいます。 「麻生さん」か「小沢さん」かと年中やっています。
  しかし私は言いたい。政治の中身を変えないままで、政権の担い手だけを変えても、良い日本への道は開かれないことをはっきり申し上げたい。
  共産党が伸びれば、政治は必ず変わります。  
  「ハケン」の問題でも、高齢者の問題でも、農業の問題でも共産党の主張は、初めは孤立していたように見えるかもしれない。しかし今では、国民多数の声となり政治を動かしているではありませんか。  
  衆議院で9議席でもこれだけの仕事ができた。これをうんと伸ばしていただいたら、伸びた分だけ皆さんのお役に立って、国政を動かす思う存分の仕事をさせていただきたい。  どうかよろしくお願いいたします。
  私たちは、今度の選挙、国民が主人公の民主的政権への大きな一歩を踏み出す選挙にしたいと決意しています。
  今日本の政治は行き詰まっています。 どこで行き詰まっているのか。枝葉で行き詰まっているのではない。土台で行き詰まっているのです。 「アメリカ言いなり」と「大企業中心」という2つの政治悪で行き詰まっている。
  だったら、この2つの政治悪を正す本物の政権交代こそ、今求められているんではないでしょうか。

 今度の選挙のすぐ後で、私たちの政権を作るのはちょっと気が早い。
  しかし、その第一歩にして行こうではありませんか。 私自身としては、私が国会議員をやっているぐらいの間には、民主連合政府をぜひとも作りたいものだという決意で頑張っております。  
  みなさん、今日本の政治は、国民が主人公の民主連合政府を必要とする新しい大きな歴史的な時代に入ったんです。大きな新しい時代が始まっている。その第一歩の選挙です。    
  民主党の代表は最後の決戦と言っていますが、最後ではない。最初の一大政治戦です。
  ここで私たちが伸びれば、政権への道も開かれて参ります。
 
政権交代と言うのならば、2つの政治悪を大本から正す本物の政権交代をみんなの力でやろうではありませんか。

  みなさん、選挙は最後まで頑張りぬいたものが勝てますから、どうかここにお集まりの皆さん、ご支持の輪を広げに広げて下さい。
  私自身も委員長として躍進の先頭に立つ決意を申し上げたい。 私、今年になりまして国会議員になって15年目です。書記局長になりまして18年になりました。これまでの私の政治家としての得た蓄積のすべてをかけて、今度の選挙では躍進の先頭に立つ決意をここで申し上げたいと思います。
 
  どうか皆さん必ず勝とうではありませんか。北陸信越ブロックで必ず議席を奪還を果たそうではありませんか。
  林百さの時代から、革新と進歩の伝統を持つ長野の躍進をお願いして、私の訴えと変えさせていただきます。
  ありがとうございました。  

 

注:
  補正予算案の扱いで、民主党は、衆院予算委員会の審議を6日からの3日間とする与党の日程に同意し、8日の本会議では、討論に立つこともなく補正予算案に賛成した。参議院でも14日から3日間の審議で民主党は合意している。補正予算案には、後期高齢者医療制度を存続することを前提としたうえでの見直しが入っており、これに賛成したことは、後期高齢者医療制度撤廃の旗を民主党が実質的に降ろしたことになる。  また、民主党は、自衛隊によるインド洋での給油活動を延長するための新テロ特別措置法改定案についても、8日になって突如、本会議での審議をとりやめ、委員会で短期間審議し、採決するよう表明した。これを受け、9日の衆院テロ特別委員会理事会は、10日に趣旨説明、17日と20日に審議をおこなうことを決めた。法案の審議入りに賛成したばかりか、採択の日程について、民主党の側から提案するという異常な事態となった。新テロ特措法改定案の早期採決が合意された8日の民主党との裏折衝の模様について、自民党の村田吉隆筆頭国対副委員長は、民主党国対幹部が審議時間は「一日でいいよ」と述べたことを紹介、「驚愕の一語につきる」と語ったという。