第3回臨時議会での意見
061030
日本共産党を代表して、継続審査中の議案28号、第29号に関連して意見を申し上げます。
2005年度(平成17年度)は、4月1日の合併、新市発足から始まりました。
一言でいって、この年の特徴であります。
旧4村が加わって、どんな新しい松本市を作るのか。 その1年目の年としての予算執行が求められました。
4月1日の式典の際、菅谷市長は、概要次のように述べています。
「新松本市の船出に当たり、舵取役の私としては、・・福祉教育医療などの行政サービスをはかりつつも、・・われわれの子孫の世代に過重な負担を残さないように細心の注意をはかり、4村の伝統をしっかりと受け継ぎ、市民の皆さんとの協働により、新たなる松本のまちづくりに邁進してまいる所存です。」
合併が決まり、新市が発足した以上、こうした思いは私たちも市長と同じだが、この合併に拠り現れる問題点や矛盾などについては、新市の新しい市民の段階での、意見交換、住民自治の前進も含め、問題を解決し、「新しいまちづくり」に向けては発展につながることを確信することを申し上げてきました。
市民が主役、健康づくり、危機管理、子育て支援=「3Kプラン」という新しいまちづくりを打ち出した菅谷市長も、その中身で、この1年間の営みがありました。
市民が主役、住民が主人公という点では、これからの松本市政のあり方に関連して重要な取り組みが行われたのが、このH17年、菅谷市政の2年目の本格的な取り組みでした。
市民の意向に沿って、いかに市政を進めるか。
そうした点では、四賀トンネルを巡る、市民意向確認研究会をはじめとした取り組みは、まさに1年間を通じて特記すべき、取り組みであったことは、今回の決算特別委員会での議論の中でも、そして最終日行った総括質疑の中でも、取り上げました。
先ほどの委員長報告の中身も触れられていますので、詳細は割愛しますが・・・ 実に、この予算執行は、住民が主人公の市政運営にとっても、そして今後の市政のあり方との関係で、それは、公共事業にとどまらずに、市政のあらゆる分野において、必要であるならば、生かすことができる教訓を明らかにした経験としても、まさに金額こそ少ないが、評価できる中身でした。
そして、これに関連してさらに申し上げれば、これに類する取り組みは、大きく言ってあと2つ、あわせて3つあげることができます。
その2番目は、 総合計画の策定に関する取り組みです。
そして、もうひとつは、18年度にもまたがりますが、まつもと市民芸術館管理運営審議会の取り組みも、そのひとつとして市長公約にも関連しましが、重要な取り組みでした。
市長が、いみじくも過剰な「拡大手術」と述べ、発言しているように、その後のメンテナンスは実に重要なものでした。
各々、3つの取り組みには、それぞれの任務やその経過と結果には、違いや新たな課題が生まれたものがあるものの、重ねて申しますが、市民とともに進める協働の営みとして、貴重な経験であったこと、大事な取り組みであったことを決算の審査にあわせて確認しておきたいと思います。
そして、この年度の経験を通じながら、予算の策定に当たっても、その策定の段階から市民の意向を生かすという点での取り組みも評価したいと思います。
町会の役割を踏まえた、「市民と行政の協働推進のための基本指針」を策定し、市民活動サポートセンター開所を決めたのも昨年度でした。
いずれにしても、これらの取り組みに貫かれているコンセプトは、「納得と合意」というキーワードでした。
そして、市民と団体、そして行政が各々の任務と役割を自覚しながら、協働の取り組みとして、新しい松本市を作っていく。このことの道筋と課題を明らかにできたのが、この年の、今までの松本市政にはなかったと言っても過言でない一番の特徴であったといえると思います。
さて、国の政治のもと、市民の日々のくらしとの関係と、地方自治体、松本市との関係から、この決算を見て見たいと思います。
一言で言って、不況と国の悪政の元で、市民も地方自治体もたいへんな中での1年間ということがいえると思います。
今年の市民負担増の問題では、先の9月議会の場で、今年新たに、約1万人の納税義務者が生まれ、金額にして、約5億7000万円の負担増、社会保険料はさらに、国保で7000万円、介護保険料で4000万円、合わせて6億8000万円の負担増ということが明らかになりましたが、実は、すでに昨年度の段階でも、高齢者への負担増は、2億7000万円あったことも明らかになりました。
そのほかにも、介護保険や医療の分野での制度改悪で、たいへんな状況に関しては、詳細は割愛しますが、マスコミ等で話題となり始めた格差の拡大とあわせて、市民生活の状態悪化の状態は、深刻さを増しています。
また、地方自治体への攻撃も、三位一体改革、合併問題とあわせて、財政的に実に大変な事態であることも明確になったのが、今回の審議の過程でした。
H16年度、H17年度に関して言うと、2年間分で、国庫補助金・負担金の削減額は、10億1428万円、一方委譲された税源による増額は、8億542万円、差し引き2億886万円の減収となる。
また、17年度に、削られた補助金の中には、養護老人ホーム等保護費補助金は、約1億2700万円、就学援助(要保護、準要保護児童生徒援助費)に関する補助金も小中学校合わせて、約2400万円削減されました。
そんな中で、17年度でも、市民負担増の問題は、重要な課題となりましたが、この問題に対しては、6月議会冒頭での、菅谷市長の発言を紹介します。
「国民の負担が増加することは好ましくはない。 しかしその前段として国も地方も徹底した歳出の削減、見直しが必須条件であり、しかるべき後に負担増の理解を求めていかなければなりません。特に今日のような経済状況の下では、社会的弱者には影響が大きいと思われますので、日々のくらしに直結する市政に携わるものとして、できる限りの配慮をしたいと考えている。
そういう意味で本市としては、極めてきびしい財政状況の中ではありますが、市民負担を軽減する施策として 国民健康保険特別会計への特例繰り出しや、保育料の軽減などを実施してまいりました。今後も行政改革の推進により財源を生み出し、市民の皆さんにもともに汗する協働をお願いしながら安全で安心なまちづくりに取り組んでまいります。」
そうしたこととも関連して、市民の願いとの関係で実現したものをいくつかあげ確認したいと思います。
順不同ですが・・
1、 介護保険での利用料負担軽減
2、 保健師の増員
3、 生活保護行政 ホームレス対策の充実
4、 保育料の引き下げ
5、 地元の仕事確保「足元工事費」の増額 2年連続 当初予算で1億円
6、 松本市消費生活センターの設置(相談室からの格上げ)
7、 100周年イベントの見直し アルプス公園の4億円減額
政策的には、
1、「中高層建築物に関する条例」制定
2、中高生の居場所、スケボー場の建設
3、借金の削減
4、「子ども支援課」の設置
5、ごみ減量化 資源化の推進
6、パブリックコメント制導入 を挙げることができます。
2年目に入った、国保会計への5億200万円も、大きなものです。
このように、財政的には、菅谷市政の初年度(16年度)に比べても、さらに厳しさが増した中でも、多くの市民の願いが叶った1年間として確認でき、これも今までになかったことと言えます。
市長が、17年度初日に述べた「福祉教育医療などの行政サービスが」充実したと言えます。
さて、問題点に関して、少しく触れます。
一つは、防犯条例の制定問題です。これに関しては、その約1年が経過する中で、法律の改正、新たな事態も生まれるなど、変化がありますが、本会議でも指摘をしてきたものです。
そしてもう一つは、国民保護法に関することです。国からの決定に基づくものですが、これも、今年の重要な問題です。
このほか、児童・生徒を巡る問題では、委員長報告があったように今後の課題や問題点が、いくつか明確になったのが、昨年度の決算でありましたが、基本的には、市民も納得でき、認めるべきものと考えます。
最後に、17年度1年間の市民ぐるみの貴重な経験を生かし、19年度の予算編成に生かす事を強く求めます。
市民負担の軽減策がいくつも前進してきましたが、仮にこうした17年度の実績を打ち切るような事になれば、それは即、他市にはない市民負担増にならざるを得ない関係になっていることも指摘し、
以上申し上げて、意見といたします。
以上
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