松本城南・西外堀復元事業 内環状北線整備事業説明会
お疲れ様でございます。 お忙しい中、お寒いなか、大勢の皆様が、松本城南・西外堀復元事業 および、内環状北線整備事業にかかる地元説明会においでくださり、誠にありがとうございました。
本日は改めまして、私から、将来を見据えた松本市の在り方を申し上げるとともに、松本城南・西外堀復元事業 内環状北線整備事業を実施していこうとなった経緯や私の考え方を申し上げ、協力をお願いしたいと思います。
私は市長就任以来、街づくりの基本的姿勢として、一貫して命の質人生の質を高める量から質への転換を基本理念として、健康寿命延伸都市・松本の創造を松本市の目指すべき将来の都市像として掲げてまいりました。
現在、超少子高齢型の人口減少型の社会がすすみ、20年30年先を見据えて、このような状況に的確に対応する成熟型社会の都市モデルとして、市民一人一人の健康を軸に、あわせて地域、環境、経済、教育など様々な分野が連携して持続可能な街づくりを進めているところです。
そこで、なぜ健康寿命延伸都市を掲げたかといいますと、長年医療にたずさわってきた人間として、松本市の市政運営をゆだねられたときに、改めて何をすべきか熟慮を重ねた中で、まさに、急速に進展しつつある超少子超高齢型人口減少社会にきちんと対応する街づくりを進めるべきであろうと考えたわけであります。
ここでしばらく、パワーポイントをご覧いただきながら、話をすすめます。
まずは、日本の人口のまた松本市の将来人口推計のグラフです。色が違う山が3つあります。
これは、2010年の推計です。 これは国立社会保障・人口問題研究所のデーターです。
要するに、灰色 空色の山 2025年 このあたりになりますと、65歳以上、15歳から64歳の生産人口 0〜14歳 2025年 このあたりになりますと、65歳以上が30%になる 3人に一人が65歳以上になる。 2045年ぐらいになりますと、日本の人口、現在は1億2000万人ですが、1億人を切るわけです。
さらに、100年後になると 6千から7千万 半分になる。大変厳しい状況が出てくる、いずれはこうなる。
松本市の将来人口推計ですが、徐々に人口が減っていきます。
今24万5、6000ですが、 いずれ減るわけですが、15歳から64歳の生産年齢人口 年少人口の0〜14歳が、徐々に 65歳以上が率として増えていく。
年少人口も生産人口も減っていってしまう。
次に、これは松本の人口の推移を数で示していますが、2010年は24万1571ですが、2030年なると 2万3000人ほど減ってしまう。
問題は、15歳から64歳の生産年齢人口が ぐっと減ってしまう。 逆に65歳以上が どんどん増えていく。 子どもがぐっと減ってしまう。
このことに、どのように対応していかなければいけないか。 街づくりにしても非常に大きな問題です。
それから、合計特殊出生率 (一人の女性が一生にうむ子どもの数) 2004年には、1.3人と過去最低となっている。
今後どのように増えていくかわかりませんが、しかし今現在、そんな簡単に人口が増えるわけではないですし、また、出産可能な女性の人口がだんだん減ってきている。
ですから、そうしたことを含めて、少子化と高齢化が重なり合った時代が到来する。
高齢の方が増えれば、医療費とか介護など社会保障費が増加、また物を買う消費人口、 あるいはまた、労働生産人口というのは減ってきますから、これによって大変深刻な問題が発生してくるわけです。
こうした時代が必ず来るわけですから、いわゆる平均寿命ではなくて、健康寿命を延ばす。 平均寿命の場合には、脳卒中で倒れているとか、あるいはそれ以外の病気でもある意味では平均寿命を押し上げている、しかし元気な方たちが増えていくという形にならないと社会保障費が高じてくる、社会保障費がかからない社会を作ることが、きわめて重要になる。
そこで私は就任1期目の時には、健康づくり、危機管理、子育て支援の3k施策、
健康づくりでは、市民一人一人が健康でいきいきと幸せに暮らすことができるまちづくり
危機管理では、安全で安心して暮らせる住みよいまちづくり
子育て支援として、子育て世代が笑顔あふれ、子育てをしたいと思えるまちづくり
この3つに絞って進めてきた。
この3つのキーワードは、いずれも命につながるということで、命を大切にする松本のまちづくりをしようと進めてきた。
2期目の松本市のかじ取りを再び任されるようになったとき、改めて考えたことは、この3K施策をさらに充実発展させまして、健康で自立した多くの市民が、生き生きと生活するまちということで、健康寿命延伸都市・松本の創造に向けて、照準を絞ることにした。
これは特別なことではなくて、赤ちゃんからお年寄りの皆さんが健康寿命をまっとうして、肉体的健康、精神的健康、社会的な健康、これは職場とか家庭とかさらには、地域が良い関係にあるという総合的に、高めるようなそういうまちを作っていく。
この時には、保健、医療、福祉が健康寿命とお思いでしょうが、そうではなく、産業経済、環境、教育文化など総合的な取り組みをしていくことが、大事だろうと思いました。
そこで、私は、一昨年ですか、3月に策定した、松本市の総合計画がありまして、これは10年間にわたるもので、この計画の中で、松本のまちは、どういう方向でいくかと市民の皆さん、公募の皆さんと 委員会を開いてもらって、将来の都市像として、健康寿命延伸都市・松本というまちを作っていくことをお決めいただき、大変うれしく思ったわけですが、言葉が長くていいづらくてどうかなと思っていますが、健康寿命延伸都市・松本を目指すということで先ほど来申し上げましたが、6つの健康づくりということで、
一般的には、人の健康がベースになり、生活の健康、地域の健康、環境の健康、経済の健康、教育・文化の健康、この6つの健康づくりを進める、これは総合的に行くと、地域づくりということになりますが、健康寿命延伸都市というのはイコール、地域づくりにつながるということになる。
そこで、健康寿命延伸都市・松本の創造を市政運営の柱に掲げた当初から、どこでもやっていなかったことですから、時代を先取りした都市戦略で、松本がまさにフロントランナーとして、地方都市松本から日本を動かして、世界に発信すると申し上げてきた。
そうしたところ実は昨年ですが、厚生労働省が制定したこの4月からの、向う10年にわたる「健康寿命21」かなり前から厚労省が1次計画として進めてきたわけですが、この4月からこれをさらに第2次計画にしたのですが、その時に国民の健康増進の基本的な方針として、健康寿命の延伸という言葉を使い始めた。
これを最上位の目標に定めまして、この文言が初めて明言されるとともに、厚労省のモデル事業の実証実験都市として松本市が選ばれたわけです。
現在、国の評価もたいへん高くて、厚労省も経済産業省、総務省が いろいろな事業の相談に来ている、ある意味松本が健康寿命延伸都市のモデルとして進んでいく状況にあります。
まさにこのことは4年前に、他市に先駆けて市民の皆さんのご協力、ご理解をいただき一緒になって取り組んできた松本市の実績が認められたわけです。
こうした健康寿命延伸都市・松本の情報を世界に発信し、今後フロントランナーとして全国の都市をけん引するそんな意気込みで取り組んでまいりたいと思っていますので、ぜひとも、本日ご参加いただいた皆さんにおかれましても、たとえば歩こう運動とかさまざまな、施策が展開していまして、ご協力いただければ大変ありがたい。
よろしくお願いします。
そこで、このまちづくりを進めるにあたり、現在は具体的な形で5つのリーディングプロジェクトの推進で施策の推進を図っている。
1つ目が、城下町まつもとの再生 松本城を中心とした街づくり これはこれまでもやっているが歩いて楽しい城下町、水めぐりなど、いろんなプロジェクトの具体的な施策が動いています。
2つ目が、次世代交通政策の推進等による中心市街地活性化 昨年秋に、実証実験社会実験がされているが、これまでは車優先の社会でしたがこれからは、歩くことあるいは公共交通、自転車、という方面にやさしいまちづくりということで、今までは、車と歩く人が分離、歩車分離ということでしたが、これからは、歩車共存という形で、そういうまちにしていこうということが、進めておりまして、新年度からもいくつかの社会実験を進めることになっているので、よろしくお願いします。
3つ目が、健康、医療産業の創出、誘致、雇用の創出 ということで進めている、新工業団地にもいくつかの会社が、現在二つの会社が、企業の誘致によって、今年建設を進めている。
4つ目が、地域住民によるいきいきとした地域づくり 松本市各三五地区の皆さんにお願いして、それぞれの特徴ある街づくりをお願いしまして、地域の皆さんと一緒になりまして、いいまちを目指しての地域づくりに努めていこうということです。
5つ目は、 三がく都に加え松本山雅FCによる交流拠点都市の形成ということで、山雅に対しても市民のみなさんの応援もあり行政としてもバックアップし、さらにFDAの札幌線、九州線、福岡線の利用率を向上させるべく、現在いろんな手を打っているところです。
そんな中でも、城下町松本の再生、すなわち松本城を中心とした、街づくりについて少しお話しさせていただきます。 実は市長就任以来、先ほどもお話しいたしましたが、まつもとの街づくりをどのように展開していくのが一番よいのかについて、あれこれ、思案に思案を重ねてまいりました。
そしてさまざまな考えをめぐらせた結果として、やはり松本市は、松本城あっての街、松本城は常に市民にとっての心のよすが、シンボルでございまして、市民共有の歴史的遺産であります。
この松本城を松本市のシンボルとして、次の世代にさらにまた、その後の世代へ引き継ぎ守っていかなければならない そして、その魅力の核としてまちづくりをしていくということで、城下町松本の再生を目指すということが、もっともふさわしい方策ではないかと思い至った。
外務省が世界に向け、日本の観光をPRするときに、日本のいろんな都市の名所等を出すときに、松本も外務省に行った時に大きなポスターがありまして、日本を紹介する時の松本の街というと、松本城がきれいなに、写っておりまして、モスクワの地下鉄に松本が紹介されている。
どうしてだかわかりませんが、松本城。 中国等でもやはり、大きな看板の松本の紹介は松本城となっている。 JRにお乗りの時、新幹線、特急等ありますが、車内誌に地図等ありまして、日本で有名なところを紹介する時に、例えば長野市は善光寺とか、諏訪でしたら諏訪湖とか松本は松本城となっている。
このように、城下町松本の再生を目指すということは、中心市街地に定住者や観光客を呼び込み引き込み、賑わいと活力を創出しまして、経済の発展や健康福祉など、諸施策の充実につながる、街の活力を将来にわたり創出する取り組みとしてたいへん意義あるものと考えた次第です。
まさに人が集まりまして、ながれを作りそれが賑わいを生み出し、さらにそれが人を生むという良い循環になるわけでございます。
この絵を見てもらいますとここが天守閣 ここが松本城です。 以下、写真を紹介する。・・・・
松本城あっての松本でありまして、どうしても松本城の再生ということを考えていくことが、松本の街に一番ふさわしいと考えたわけです。
次、そこで、城下町松本の再生として一つの具体的な施策として、松本城南・西外堀復元が取り上げられることになりました。
これは昭和52年度に松本城中央公園整備計画に位置付けられて、30年来、の懸案事項となっている。
しかしながらこの事業を進めるにあたりましては関係する市民の皆様方や町会に大きなご迷惑やご心配をおかけしていることになり、正直なところ、私自身も大変悩んだところです。
そんな経過の中で、中長期的な視点で松本の街づくりを作り上げていくという決断をしまして、皆様に私たちの考え方をお示ししているところです。
この写真図は、普通の写真を立体的に構成したものになっています。
これをもし、復元すると 将来のイメージになる。 こうしたイメージ図である。
これは、南・西外堀の復元のことですが 次に内環状北線の整備のことについてですが、 就任当初、今日の車社会からいずれはそうでない時代が来るから、広い道路は、どうなのかなと懸念しておりました。
しかしその後の担当部との検討の中で、地震の危険度が高いとされている糸魚川静岡構造線活断層帯の上に松本市は位置するといわれているわけですが、この活断層帯があることによる地震発生確率が、30年以内に14%(16%?)という高い確率が政府の特別機関である地震調査研究推進本部が発表しております。
もし大きな地震が発生しまして、両側の建物が内側に倒壊した場合どうするのか、大規模災害時の危機管理の立場から考慮するとある意味では広い道路が必要と検討しなければいけないと考えるようになった。
そこに、一昨年三月の3・11東日本大震災が起こった。
その災害の状況をお聞きする中で、震災時に、「櫛の歯」作戦といいまして、高速道路や幹線道路をフル活用しまして、見事に物流の再開やふっきゅうが早期に可能であったと聞いております。
現在、こうゆう状況の中で、国土交通省も、緊急輸送道路網を確保するには、基幹道路の整備が不可欠であるといっているわけですが、ひるがえって松本市の場合はどうなのか。
松本城公園が松本市の避難所となっております。 市役所が災害対策本部とpなるわけですが、これが機能していくために、国道19号や長野道のインターチェンジから次々と支援車が来た時に、通行できなければ大きな問題となるわけです。
そのため地元の皆さんには、申し訳ないですが、こういう言うときにはぜひともご理解いただければとお願いする次第です。
一方平常時には、歩行者とか車いす、子どもを連れてベビーカー など若い夫婦、自転車等が安全に通行でき、市民の皆様や観光客が松本城においでになった時に、ゆったりと歩いて散策できるようにすることも必要であると考えております。
そして拡張された歩道を沿道の商業施設などと連携して、賑わいのある空間としても、活用したいと考えております。
この図は東側から、見たものですが、 こうしたイメージになるわけです。
ただ今は、松本の街づくりに関する私の考えを含めまして、これまでの経緯をお話しさせてもらった。
ここで最後に、これらの施策を進めることによりまして、改めてまちの姿につきまして、若干申し上げます。
まとめになりますが、松本城をはじめとした歴史遺産、そして自然、文化を持つ松本の魅力をさらに高め、その資源を軸とした人的な交流を含め、地域の活力となる交流拠点都市、そしてそこに暮らす人々が健康であり、その健康を支えるために行政・企業・大学や医療機関が連携し、医療・介護・健康関連の機器開発やサービスが充実し、さらに関連する企業等が情報を集めて集積する地域。こうした地域に健康な生活を求めて、或いは新しい産業の担い手として多くの人々が移り住み、活気あふれる地域社会が形成されていく都市。
まさに、身近な地域の中に、住民同士の連帯感や信頼関係、合わせて住民自治などの土台を築きまして、お互いさまの精神で助け合い、地域課題の解決に向けて取り組む仕組みをつくり、安心安全で社会的にも健康な地域。
私は、近未来の松本市の姿をこのように思い描きまして、こうしたまちづくりの実現に向けて、今後も全力で取り組んでいくことをあらためて決意したところです。
このたびの松本城南・西外堀復元事業と内環状北線整備は、次の世代、さらにその後の世代に松本市という街を残していく、持続可能なまちづくりのために市民のみなさまがたの深いご理解、ご協力を賜りながら、慎重かつ誠実に進めてまいる所存でございますので、今後ともよろしくお願い申し上げて、私の説明とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
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