決算委員会 市長への総括質疑
1回目)
8款土木費 2項道路橋りょう費 3目道路新設改良費 松本・四賀直結道路検討事業費733万円についてお伺いします。
この事業は、金額は決して高額とはいえませんが、取組んできた経過、期間、使ったエネルギー、関わってきた市民の規模という点から言えば、松本市の市政史上の中でも、いろんな意味で、特筆されるような取組みであったと私は思っています。
それは、こと17年度1年間だけの特徴にとどまらないものであると思います。
この取り組みの経過と教訓を明らかにして、今後の市政運営に生かすことが求められ、決算審査としては、最重要な課題のひとつといえます。
当決算委員会では、2日目に、部長から一定の答弁があったわけですが、改めて菅谷市長の見解をお聞きします。
2回目)
この取り組みの教訓となれば、 何よりも、市民住民の意向をどれだけ正確に把握できたのかその点がまず一番重要でした。
別の言葉で言えば、合意形成が図られるに十分な取り組みであったのかということです。
それは、技術論すなわち科学的立場としてのより真理に近づく方法としての検証、反省点とともに、 この方法を実践する中での、人間としての営みの中での問題点、反省点とあるわけです。
理論と実践との関係とでも言いますか、理論的な問題点と実践での反省点は、各々分けて明確にし、教訓化し、今後に生かさなければならないと考えます。
理論上の問題でいうと今回のとりくみは、 統計学という科学的手法も取り入れながら、住民投票という固定的、断片的手法ではなく、情報提供や討論による意識の変化などにも対応し、最初から決めた方法だけに固執するのでなく、より科学的という立場から途中でも適切な修正を加え、より正確な営みにしていく上での、意向確認研究会関係者の皆さんの努力、そして市の職員だから当たり前といってしまえばそれまでですが、それを支えた奮闘、それはまさにあるときは、寒さに耐えや眠さを抑えてのスタッフの皆さんのご苦労があっての結果でした。
一方実践上の問題では、 同じ松本市の行政機関の一部が特別な意図を持って別な行動を行ったり、 (ガセネタ)怪文書や提供者氏名、住所不明な文書も飛び交い、議会でも取り上げられ、本来の民主的な意向確認のルール、過程、あり方が歪められそうなこともあったが、真相の解明とこれまた関係者のご苦労(その中には心労もありました)の中でそれらを克服し、新年度に入って、四賀地域の住民の皆さんにもご理解と納得をいただいて、課題解決に向かって歩みが始まっている現在、ほぼ約1年間かけて行なわれたこの営みの教訓を明らかにする事は、実に大切な事であると確信します。
そして、こうした理論的実践に基づいての結果が、市長をして、重大な決断をする一番のよりどころとなり、大方の市民の納得するものにできたという一番の論拠ともなりました。
「断念」という判断は、揺るぎのないものとなったわけです。
そして、この取り組みに基本的に誤りがなかったことは、合併したばかりの新市民が、合併地域の皆さんも含めて、時間的な経過の手伝いもあり、今受け入れられ、新しい課題に現在向かいつつあることに示されています。
繰り返しになりますが、実に貴重な松本市政史上でも特記すべき中身であったゆえんはそこにあるのです。
これは、合併の過程で、トンネルをつくる事が「合併の前提条件」として、直ちに建設に向かったとすれば経験できなかったものであることも加えておきたいと思います。
さて、 この取り組みの教訓を生かす、今後の問題です。
もともとこれは、「合併」に端を発した事業でしたが、重要なのは、こうした市民合意を得る上での貴重なこの経験は、公共事業のあり方のみにとどまるものではないという事です。
合併後の新しい松本市をどう作るか。 新市建設計画という、いわば狭いものにとどまらずに、今後の松本市政のあり方、すべての事業展開に、この経験を生かす必要があります。
「納得と合意」をキーワードに進められる、協働のまちづくりに生かしていくことが出来るし、生かして行かなければなりません。
ここでは、松本市が抱える現在の懸案事項を具体的に一つ一つ取り上げませんが、たとえば市民生活との関係でのくらしや福祉を支える問題、また子ども達をめぐるいくつかの問題、そして2年目を迎えている合併後の新市建設などこれからいずれも市民の意向に沿いながら、納得と合意で進めることが、もっとも行政と住民が信頼関係を築きながら、今の国の政治との矛盾の中でも、「住民が主人公」、市民を支える市政の実現を可能にさせると確信します。
H17年度のこの取り組みの時に、私は議員としての立場でかかわれて、実に貴重な経験、ありがたい体験を文字通りさせていただきました。
それは、各々すべての市民が、いろいろな立場でかかわれたものでした。
この経験と教訓は、今後更なる困難や、国の悪政による地方自治体いじめが行われようとも、住民ぐるみ、自治体ぐるみで、そうしたやり方に反撃していく取り組みにも発展させることができる可能性を持っているという意味でも、実に貴重な経験として、松本市の市政の歴史上にも記されることと確信します。
今後、 先ほど市長が教訓として答弁された中身に、以上の点も加えて、こうした教訓を生かし、「市民の願い実現」、「住民・市民が主人公」の市政実現に更なる前進を協働の取り組みで進めることの実現性、可能性を確信できたという点も大きな教訓の一つだということをし指摘し、総括質疑を終わります。
この点を加えることについて、市長の2回目の答弁を求めたいと思います。
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