メッセージ
 
  東日本大震災の被災県の一つである岩手より、第82回メーデーに参加されたみなさんに連帯のメッセージをお届けするとともに、たくさんの励ましの言葉やご支援に 心からお礼と感謝を申し上げます。  
 3月11日午後2時46分頃に三陸沖を震源とするマグニチュード9.0という巨 大地震の発生と明治三陸地震(96年)を超える大津波により、岩手県内では、 死者・行方不明者が合わせて7,500名を超え、また家屋流失や浸水による住宅全壊が1万8千戸、半壊が5,800戸を超えるという甚大な被害が起きました。
  震災 1ケ月半が経過した今もなお、被災地では家族や親族などの安否不明者を捜す人が後 を絶ちません。
 300を超える避難所に、在宅避難者を含む4万名を超える避難者が暮らしています。  
  メーデー実行委員会を構成する労働組合、民主団体は、甚大な被害を被る中で力を合わせて対策本部を立ち上げ、いち早く安否確認や救済活動に取り組んできました。
  被災当初は内陸地でも停電や通話不能などライフラインが壊され、三陸沿岸の被災地 へは通行止めやガソリンなどの燃料不足も重なり、思うような救援・支援活動ができずに苛立つ日々が続きました。
  しかし、全国から寄せられた救援物資や義援金、燃料などが届けられるもとで、被災地住民への救援活動が行われようになり、今では連日、全国からのボランティア派遣による活動が展開されています。  
  メーデーに参加されたみなさん、かつて体験をしたことのない戦後最大というべき国難のもとで生きる私たちは、東北はひとつ、全国はひとつという熱い連帯の思いを共有しあって乗り越えていかなければなりません。
  同時に、人災ともいうべき福島原発事故は、いまだに収束する状況にいたっておらず、東京電力にその早期収束と風評被害を含めた全面的な賠償を要求していきましょう。
  そして、国にはこれまでの原子力依存政策の根本的な転換を求めていきましょう。  
  16年前の阪神・淡路大震災以来、被災住民団体などの運動で制定された被災者生活再建支援法の水準は依然として低く、東日本大震災における甚大な被害をふまえた 改正が必要です。
  また、震災復興の要となる被災地の自治体がその機能を発揮できない現状を支援する抜本的な対策強化が必要です。
  ところが、菅政権は震災復興税の名 による消費税増税や、TPPへの参加、さらなる構造改革、道州制導入を狙っていま す。
  私たちはこの企みを断固阻止しなければなりません。
  今、復興に向けて大切なこ とは、被災地の住民の生活再建を最優先に位置づけ、憲法25条に基づく復興対策で す。  
  メーデーに参加されたみなさん、被災地の復興への道のりはたいへん長いものとな ります。私たちは、悲惨な現状から目をそらさず、前へ進むための勇気を奮い立たせ るメーデーとして必ず成功させる決意です。
  最後に、これまでのご支援に重ねて感謝を申し上げますととも、今後とも皆様のあたたかいご支援をお願いします。

   第82回メーデー万歳。  

                        2011年5月1日  
                    第82回メーデー岩手県中央集会実行委員会 実行委員長 
                                        鈴 木 露 通 (いわて労連議長)