伊藤光教育長の答弁

1回目)
  次に中学校の逮捕事件につきましてでございます。
  まず、市内中学生が逮捕されるという事案が続きましたことにつきまして、ほんとうに多くの皆様にご心配をおかけしておりますことを大変申し訳なく思っておるところでございます。
  去る10月に発生しました事案では、当該生徒による暴力や器物破損が激しく、教員による制止がきかないという状況の中で、議員ご指摘のような結果となりました。他の生徒の目に触れないように配慮された上でのことではありますが、そうせざるをえなかった事に対しましては大変残念なことであると考えております。
  教員というものは、私もそうでありましたが、どうすればあの子の心に近づけるのか、どんな支援をすることがこの子にとって真にありがたいものになるのか。いつもいつも考えながら、日々子どもと対峙しております。
  しかし、それらが実を結ばないことも多く、そんな時は「あのやり方はまずかったのかもしれない、もっとこうすればよかった」と無力感を感じながらも、それでも思い直し同僚の先生方の知恵をかり、あるいは、力を合わせ、「よし今度は、」と、あきらめることなく繰り返し繰り返し子どもに向き合っていくものであります。
  これまでの事案につきましても、当該の先生方はそこに至るまで、なんとか生徒の心に近づき、少しでもよりよい方向へと願い、悪戦苦闘しながらも、また昼夜も分かたず、精一杯取り組んでくれておりました。 そんな中での、大変苦しい判断をされたと推察しております。そして、その後も指導の在り方について自問自答を繰り返しつつ、復帰してくる生徒のためにどんな準備をすればいいのか、どんな支援をしていくか、保護者とともに考え、さっそく取り組んでいてくれております。 そうした先生たちのご労苦に、頭の下がる思いであります。
  このような事案の根本的な原因につきましては、そのような状況に至るまでの生育歴や家庭環境、あるいは地域や学校の状況、そして子ども達を取り巻く社会の状況など様々な要因が絡みまっております。 言い換えますと、その子その子によって、背中に背負っている切なさ、あるいは悲しさ、そしてその深さというものは、さまざまでありまして、一概に申し上げるにはあまりにも重い問題と考えております。
  いずれにいたしましても、松本市教育委員会、学校といたしましては、松本市の子どもたちが一人一人が、家庭・地域や学校での生活を通して、まわりの大人や友達と心を結びながら、自分の願う自己実現に向かってすすめるよう精一杯の努力をしてまいりたいと考えております。 以上であります。

 2回目)
  教員の多忙化についてお答えいたします。
  議員ご指摘の通り、小中学校の教員は日常の授業やその他準備他、部活動や生徒指導など多くの仕事を抱えおりまして、大変忙しい毎日を送っていると認識しております。 さらに、免許更新制の導入などへの新たな対応や、いじめ、不登校、問題行動などの課題への取り組みも、教員の多忙化に拍車をかけていると思っています。
  学校の先生方が気持ちに余裕をもって仕事に取り組み、児童・生徒にしっかりと向き合えるようにするためには、教員が多忙である現状を解消していくことが大切であると考えております。
  この問題の根本的な解消には、一番には教員の増員が求められるわけですが、これについては、本来は国・県が行うべきものであります。
  今までも都市教育長会議などあらゆる機会で要望してきておりますが、今後とも引き続き強く要望してまいりたいと考えております。
  現在の取り組みを甲し上げますと、 まず県の主幹指導主事に市教育委員会が同行して行う学校訪問では、日々の勤務時間が長時間になっていないかどうか、年次休暇がしっかりとられているかどうかなどを確認し、学校体制として多忙化の軽減に努めるよう指導・助言するとともに、先生方の要望を聞いて対応しているところであります。
  また、松本市教育委員会では、先生が直接教育委員と語る機会を設けまして、現場の生の声に耳を傾けてすぐに対応できるものから改善をしてきております。 加えて、松本市教育委員会では、毎年、年度末には、次年度の県からの加配教員、および市費による加配教員の配置につきまして校長会と相談の上、多忙化を含め、学校の実情にできるだけ応ずるよう、配置に勤めているところであります。 
  教員の多忙化の問題は今すぐに解消できるものではありませんが、今後も学校現場の状況を把握しながら取り組んでまいりたいと思っています。   以上です。