財界政策研究の一論稿を発表するにあたって                            
                              筆坂秀世

 今回財界問題についての私の論稿を発表していただける機会を得たことに、心から感謝するものです。 最初に、私の誤った行動によって党員や支侍者のみなさんはもちろん、多くの国民のみなさんにご迷惑をおかけし、ご期待を裏切ったことをあらためて衷心よりお詫びするものです。また、この間、党の内外から多くの心のこもった叱咤激励をいただきました。この機会に、心から感謝申し上げます。
  私は、この間、中央委員罷免という党の決定に同意し、参議院議員を辞職することによって私なりに責任をとり、けじめをつけてきました。同時にみずからの八年間の参議院議員としての活動、あるいは政策委員長としての活動をふりかえってみました。
  そしていま、痛切に思いいたっていることは、どれだけ政治にたいして、本気に真剣に取り組んできたかということです。もちろん私自身は、真剣に取り組んできたつもりでした。しかしあらためて、この目でみずからの活動を「点検」したとき、まだまだ不十分だったということを痛感せざるをえません。いま私が自戒をこめて考えていることは建前ではなく、文字通り本気さと真剣さがないかぎり、国民のみなさんの心をとらえ、政治を変えることなど、到底、できないということです。今後、私が、どういう分野で、どういう活動をすることになるのかわかりませんが、この思いだけは手離してはならないと考えています。
  幸い、昨年の八月から中央委員会の政策委員会に席を置かせていただいております。今年になって、思いがけず膀胱癌に罹病していることがわかり、この間、二度にわたる人院・手術、三ヶ月におよぶ薬剤による治療ということもあって作業が大きく遅滞してしまいましたが、なんとか拙論をまとめることができました。ご援助をいただき、率直なご意見を寄せていただいたみなさんに、心から感謝申し上げます。                                                                          「前衛」 2004.12