日本共産党を代表して、通告に従って、順次質問致します。
 まず最初に、戦後60年の今年、2005年をしめくくるにあたって、市長の政治姿勢についてお伺いします。  
 
  憲法問題が風雲急を告げています。
  いよいよ自民党が改定案を発表しました。
  改憲の目的、焦点は、アメリカのアーミテージ前国務副長官の「憲法九条は日米同盟の邪魔物」発言に見られるように、憲法九条改定あります。
  なかでも「戦力不保持」と「交戦権の否定」を規定した九条2項を改変し、自衛隊を自衛軍としてその保持を明記することにあります。
  この内容で憲法が改定されれば、その結果は、単に自衛隊の現状を憲法で追認することにはとどまらない重大なものとなります。
  今までは、自衛隊はあっても、「戦力不保持」という明文の規定が「歯止め」になって、「海外での武力行使はできない」という建前までは崩せませんでした。
  九条2項の改変は、この「歯止め」をとりはらい、「海外で戦争をする国」に日本を変質させることになります。
  さらに九条2項を廃棄することは、「戦争放棄」を規定した九条一項をふくめた九条全体を廃棄することになるのです。
  そして、大事な点は、この憲法九条改定の動きが、小泉首相をはじめ、日本の政治指導者の靖国神社参拝を肯定することと、「日本の行なった戦争は正しい戦争だった」とする「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を学校教育に無理やり押しつけるなど、歴史をゆがめた侵略戦争美化論の横行・台頭と結びついている点です。
  この松本市の議会でも、先の9月議会で、扶桑社の教科書をめぐっての質問が行なわれましたが、明らかにこれもそうした流れのひとつです。
  戦後60年の今年を締めくくる今12月定例議会。
  平和都市宣言を行なっている松本市の議会において、侵略戦争美化論の横行・台頭を許すわけに行きません。
  特別な今年1年間を総括する意味を含めて、以下質問を行なうものです。

 憲法九条をめぐるこの間の菅谷市長の過去3回の答弁を概括すると、
  昨年6月議会では、 「憲法九条は、第二次世界大戦の苦い歴史の上に立って作られたものであり、その理念は尊重しなければならない。」これが市長の答弁でした。
  翌9月議会の答弁は、 「憲法九条の精神を生かし、国民が不断の努力を積み重ねてこそ平和が守られる」でした。
  では、市長の言う「憲法九条の精神とは何か」
  この質問に対しての、今年の6月議会での答弁は、 「憲法第9条の精神とは、世界の恒久平和を目指し、国際紛争解決の手段としての武力行使、国の交戦権を永久に放棄する、このことに集約されているものと考えております。」でした。
  さて、憲法九条を読み上げますと、

  第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。

  であります。
  今年6月までの市長答弁=「武力行使と国の交戦権を永久に放棄する」これこそが憲法第9条の精神であり、この精神を生かし、不断の努力の積み上げが大切と言うものです。
  そこで、 この10月28日、自民党が発表した「新憲法草案」を見るとどうでしょう。
  実に、菅谷市長が、もっとも大切にしなければと強調した9条の精神の内、「国の交戦権の永久に放棄」の2項の部分は、すっかり削除され、又戦力不保持まで削られています。  
  市長も私のこの質問の通告に際して、すでに確認済みのことと思います。
  そこで市長にお聞きします。  
  市長の平和の思いが、この自民党案ではまったく削除されているわけですが、どのような感想をお持ちでしょうか。
 これまでの答弁との関係も踏まえての感想をお聞かせ願いたいと思います。

 次に、首相の靖国神社参拝に関してお聞きします。  
  これもこの間の市長の答弁と関連させて、お聞きします。   
  市長は、昨年6月の私の憲法九条をどう捉えるのかの質問に対し、 「憲法9条は、第二次世界大戦の苦い歴史の上にたってつくられたもの」と答弁しています。  
  では、市長の言う、「苦い歴史」とは、何をさすのでしょうか。  
  又、市長は、第二次世界大戦はどうゆう歴史の、そして日本にとってはどうした性格を持った戦争と考えているのでしょうか。  
  日本が侵略をした誤った戦争と考えてるのでしょうか。それとも自衛の戦争と考えているのでしょうか。  
  又、首相の参拝は、靖国神社の歴史観、戦争観――過去の日本の侵略戦争を、「自存自衛の戦争」「アジア解放の戦争」として遊就館に展示、正当化する"靖国史観"にたいして、日本政府が公認のお墨付きをあたえるような行動であり、外交問題にも発展しています。
  今日の世界において許されないものと思いますが、これについての市長の見解をお聞きします。

 次に、教科書問題に関連して、教育委員長にお聞きします。
  9月議会において、「南京事件」、「従軍慰安婦」の記述が検定教科書から消えていることについて、これをどう思うのかの質問に対して 「社会の情勢や歴史認識の変化に対応して、内容や記述も変わりえるもの」 との答弁がありました。
  この質問者の真意は、実は「南京事件などなかった」ということにあるわけですが、「歴史認識の変化で内容や記述も変わりえるもの」としたこの時の見解の真意はなんだったのでしょうか。 お聞きします。
  さらに、先の9月議会では、扶桑社の教科書が話題となりました。
  ご承知の通り、この扶桑社の教科書には、日本が行った戦争は、「『自存自衛』のための戦争である」と書かれています。  
  そこでお伺いしますが、「社会の情勢や歴史認識の変化に対応して変わりうる」との関係で言えば、この戦争は「自存自衛」のための戦争であったという歴史認識となると思うのがごく自然ですが、その点に関する教育委員長の見解と現在までの歴史のなかで、この戦争に関する日本政府の見解が出ているわけですがそれらとの関係も含めて、お聞きします。  
  最後に、一般的に言って、教科書を教師が使って授業をすすめる場合、教師用の「指導書」と言うものがございます。
  ところで今回教科書の選定の過程のなかでは、この教師用の「指導書」は、選定の際に話題になったのでしょうか。
  又、とりわけ扶桑社の教科書についての「指導書」は、話題になったのでしょか。お聞きします。  
 
 以上が、戦後60年の年を締めくくるにあたっての質問です。

  次に「3K プラン」に関係してお伺いします。
  市長は今議会、議案の提案説明の中で、 「これまで「10のまちづくり」の項目を柱に据え、「新たなる松本のまちづくり」を公約として掲げてが、現今の厳しい財政状況を考えるとき、いかに効率よく、いかに機能的に実現していくかを、医療者として、国の予測を大きく超え、急速に現実化しつつある超高齢・少子社会の現状を鑑みて、熟慮を重ねた結果、「健康づくり」、「危機管理」、「子育て支援」の各頭文字をとって「3K プラン」と名付け、医療従事者である市長として、私の特色を明確にしていきたい。」と述べました。
  この間、市長は別の機会に、この「3Kプラン」と「10のまちづくり」にかかわって、
  「3つは緊密に繋がりあっていて、住民自治や「協働」の考え方の芽生えの元になる。」
  「"3つの課題"がやがて"3つの希望"だと皆さんに肯(うけが)いていただけるよう努力していきたい。」
 とも述べています。
  概括すると 「新たなる松本のまちづくり」のためには、現今の市財政の状況の中で、効率よく、いかに機能的にすすめる方策として「3K プラン」に的を絞り、部局横断的にすすめる。
 3つは緊密に繋がりあっていて、今後の住民自治や「協働」の考え方の芽生えの元になる」 といっています。
  私が注目するのは、先ほど紹介した、 「"3つの課題"が"3つの希望"だと肯(うけが)いていただけるよう努力する。」という点です。
  去る11月30日、私たち日本共産党議員団は、来年度の予算編成にあたって「2006年度政策・予算要求」をまとめ、追加の「分野別」も含めて市長に提出しました。
  「7つの柱」を掲げた中身の詳細は、割愛しますが、キーワードは、「安心」「負担」「協働」の3つです。  
  安心のまちづくりという点では、「10のまちづくり」に加えて、とりわけこの申し入れの際に市長が述べた、「これからは箱物でなく、いかに人に投資するのか時代だ。」という点に渡しは注目しました。  
  市長は、先ほど紹介した今議会提案説明の冒頭で、国の三位一体の「改革」について触れました。
 「国庫補助負担金改革は、いまだ十分とはいえません。」とかなり遠慮しての発言となっていますが、財源の一部を地方に移すのとひきかえに、国の責任でおこなうべき福祉・教育のための国庫補助負担金を縮小・廃止し、地方交付税を削減する今度の「三位一体の改革」は、実際には、地方財政への攻撃に他なりません。
  消費税の大増税と介護保険、医療制度の改悪、など、祉会保障・医療は自己責任とばかりに負担の押し付けと、サービスの大幅な切り下げ、そんな中、いかにしてこの安心のまちをづくりをすすめるか。
  そして、住民自治と「協働」をいかに育むか。
  このテーマを実現する上で、実に避けて通れない、抜きにできない地方自治対での問題が、「負担」の問題です。
 とりわけ、先ほど紹介したような、目の前に迫った市民への新たな負担増の問題です。
  市民一人ひとりの毎日の暮らしが無事に行われてこそ初めて、計画され、取り組みが 始まっている安心のまちづくり、協働のまちづくりになります。
  この「負担問題」こそ、直ちに全市的に議論を開始し、「"3つの希望"だと肯(うけが)いていただけるよう努力」することが求められます。

 そうした立場から、いくつか順を追って質問したいと思います。
  まず、「健康づくり」についてです。 来年度からの介護保険事業を展開するに当たって、第3期の介護保険計画の策定作業が行なわれています。
  その中では、来年度からの保険料の算定も行なわれていますが、保険料の見通しはどうなるのか。又それに対する市長の認職とその対応策はどう考えているか。まずお聞きします。
  次に、介護保険制度の改定に伴い、来年度から、新予防給付に関連して、地域包括支援センターが設置され、活動が始まることとなっています。
  松本市は、2年間の猶予期間をおくことなく、来年度から実施する方向で準備していますが、制度改定により創設される地域包括支援センターについて、その設置をどのように考えているのか。
  この間松本市は、地区福祉ひろばという財産を拠点に、福祉計画のビジョンを策定、保健師の配置計画も具体化しつつありました。
  そうした経過からすれば、ある意味方針転換を求められた部分です。
  制度改定により創設される地域包括支援センターについて、その設置をどのように考えているのか。
  又、地区福祉ひろば事業・地区保健師との係わりはどのようになるのか。 まずその点をお聞きします。

 次に、安心してお医者さんにかかれるという点で、新たな医療費の負担増の問題についてお聞きします。
  政府・与党の「医療制度改革大綱」がこの12月1日に発表されました。  
  今回の制度改定の最大のねらいは医療費の伸びを恒久的に抑えていくことです。さらに大企業の保険料負担や、国庫負担を軽減するためです。
  当初の予定の中で言われていたかぜなど軽い病気の患者負担を増やす「保険免責制」は見送られましたが、医療費が高額となる重病人の負担増となる自己負担限度額の引き上げはそのまま盛り込まれました。  
  高齢者がねらいうちされ、病院窓口で支払う自己負担1割が2割に引き上げられます。  
  70から74歳の年間医療費の一割負担は平均7万円程度ですから、2割負担になると2倍の14万円になります。
  なんと「今まで、高齢者を優遇しすぎている」という考えで進められていますが、市長はどのように思われるでしようか。
 さらに一定所得以上(夫婦世帯で年収620万円以上、06年度実施の公的年金等控除の見直し後は520万円以上)になると、いま2割負担の高齢者(70歳以上)は3割に引き上げられます。
  たとえば糖尿病などで月3回通院している86歳の男性の場合、現行は2割負担で月7620円の窓口負担です。
  これが3割負担だと1万1430円に上げられ、4000円近い負担増となります。
 この間、年金は削られ、介護保険料も上がり、高齢者に「痛み」ばかり押し付ける小泉内閣。
  新たな負担増は高齢者の暮らしに重くのしかかり、病院への受診を鈍らせて健康破壊を広げることになります。
  そのほか、患者負担の月額上限の引き上げ、 介護保険に続き、高齢者の長期入院は、食費と居住費を患者負担とします。  
  現在の入院食は、食材費分として1日780円、月額2万4000円(厚労省試算)が患者負担となっています。
  厚労省は新たに「調理コスト」を加える方針で、2万2000円上乗せの食費負担は月額4万6000円になります。
  居住費は「光熱水費相当額」として1万円を徴収する予定。
  合わせて月額3万2000円の負担増となります。
  日本医師会など38団体でつくる国民医療推進協議会は3日、東京・日比谷公会堂で「国民皆保険制度を守る国民集会」(東京都医師会などと共催)を開催、この「医療制度改革大綱」に反対しています。
  集会であいさつした植松治雄同協議会会長(日医会長)は、「医療費削減が主目的、医療を市場原理で動かそうとするもの」と非難。高齢者の負担増について「長生きが申し訳ないという声が聞かれる社会にしてはならない」と厳しく批判しました。  
  全国腎臓病協議会の油井清治会長は「腎臓病患者は透析ができなくなれば死を待つしかない。
  負担増を強いていいのか」と切々と訴え、透析患者の自己負担限度額の引き上げに反対しました。
  このような医療制度改革大綱について、3Kプランによるまちづくりに関連して、高齢者が安心してらせるまちづくりの観点から、市長は、医療従事者としてどう考えるか。お聞きしたいと思います。

 次に、障害者「自立支援」法についてお聞きします。
  この法律の一番の問題点は、負担能力に応じて支払う「応能負担」に代えて「応益負担」にした点です。
  精神通院医療、更生医療、育成医療にも一割負担を導入しようと言うものです。
  障害者に全国で年間700億円もの負担増を計画するものです。 まさに、自立支援でなく自立妨げる法律です。
   しかも、障害が重いほど大きな負担となる仕組みです。
  一旦廃案となった際に、尾辻厚生労働相でさえ、「障害者のみなさんが一割負担を心配したから廃案になった」と、国会で答弁せざるをえなかった代物です。
  それを、一部施行日を変えただけで再提出し、小泉「突風」で、スピード成立させてしまいました。
  通所施設での障害者の負担は、現行の「95%の人が無料」から、一割負担と食費負担をあわせ月額2万9200円(課税世帯)に上がります。
  小泉首相は、「収入以上の負担は求めていない」といいますが、とんでもない話。
  工賃(平均で月額7300円)の約4倍です。
 「低所得者に配慮している」といいますが、たとえ減免(社会福祉法人減免)されても、月12600円の負担です。
  就労の場を提供する作業所、授産所などの利用にも、精神通院や心臓病の子どもへの公費負担医療にも一割の負担を求めています。
  懸命に働いて手にするわずかな工賃をはるかに上回る利用料を取り立てる。
  「どうして自立支援なのか」当然の声です。
  「明らかに憲法二五条(生存権の保障と国の福祉増進義務)違反です」
  そこでお伺いします。
  松本市として、障害者の立場から見て、今度の障害者自立支援法の問題点はどこにあると認識しているか。
  又、そうした問題点に対する対策はどのように考えるかお聞きします。

 次に、「子育て支援」についてお聞きします。
  少子化がすすみ、それにたいして国民の多くが不安をいだいているにもかかわらず、日本の子育て環境がいっこうに改善されないどころか、逆に劣悪化がすすんでいるにも関わらず、政府が根本的な具体的策を取らないところに一番の問題があります。  
  今年の九月に発表された「少子化と男女共同参画に関する社会環境の国際比較」(政府の男女共同参画会議・専門調査会)では、(これは、かなりのボリュームのあるものですが・・)OECD加盟国のなかで、日本が、労働時間、雇用機会の均等度、地域の子育て環境、家庭内役割分担、子育て費用、若者の自立可能性などの子育て環境の指標で、もっとも遅れた国になっていることがしめされました。  
  一九七〇年代以降、他の主要国では、子育てと仕事が両立可能な社会環境をつくり、女性の労働力率を大きくのばしている。
  それに対して日本は、七〇年代以降の女性の労働力率の伸び率はわずかであり、OECDの24カ国のなかで最も小さい。  
  これは日本の子育て環境の劣悪さをしめすものであり、出生率の低下に歯止めがかからない一つの重要な原因となっています。   
  松本市でできることは何か。
  市長は提案説明の中で、 「3Kプラン」は、医療者として、国の予測を大きく超え、急速に現実化しつつある超高齢・少子社会の現状を鑑みてのことと述べています。
  けだし、安心して子どもを産み、育てることのできる社会をつくることは、日本国民の未来にかかわる大問題であり、菅谷市長も一番心を砕いてるところでもあります。
  そこで、その少子化対策という意味合いをも加味しながら、以下お聞きします。
  子育て支援課は、本年4月に発足し、すでに8ヶ月を経過しているわけですが、子育て支援課として何を目標に掲げ、どのような実績を上げてきたのか。
  また、今回の3Kプランとして改めて位置づけたこととの関係で、8ヶ月を経過するなかでの子育て支援課の抱える問題点と来年度に向けた課題とは何か具体的にお聞きします。
 今年の場合は、昨年までの子育てに関わる事務を持ち寄っての課としての編成となっている中で、初年度という事で、手探りと言う側面もありますが、本格的な3Kの内の子育て支援と言うことであれば、体制の強化が必要と考えます。
  又、来年度の重点施策・予定事業計画についてもお聞きします。

 次に、学童保育に関連してお聞きします。
  子どもをめぐる事故が多発しています。 しかも、学校からの帰宅の時間帯に巻き込まれている。
  放課後、働く父母が、実に安心して預けられる施設としての学童クラブの必要性を改めて実感するのは私だけではないと思います。
  たまたま私の住んでいる鎌田小学校区では、学内にと、19号を渡って、西部公民館のところに児童センターがあり、大きく国道を分けて、2箇所の放課後児童対策を行なう施設があります。
  学校内にクラブがあることのよさは、移動することなく安心して放課後が過ごせることです。
  学校から離れていて、自宅に近いところにそうした施設があることも安心の一つです。
  学童保育の問題は、何度もこの議会で取り上げてきたました。  
  私たちの思いは、 これも先日の申し入れの際のものですが、

  「放課後安心して預けられる保育施設の位置づけを明確にし、児童育成クラブと児童館・児童センターの一本化を前提とせず、放課後児童育成事業を行なうこと。」
  です。
  松本市には、それぞれの時代に、学童クラブの作り運動の時期から、いろいろな形で、現在まで、放課後児童育成事業が行なわれ、名称も運営形態も幾種も残っています。
  そして、その各々が、行政からの支援形態の違いで、父母や指導員の負担に違いはあるものの、今日まで、その役割を果たして来ています。  
  実に長い歴史であり、いわば、「松本型」といっていいものです。
  その形態の一つである学校の敷地内にあり、公設で運営は、地元の運営委員会方式で行なわれている旭町小学校区の児童育成クラブの問題が現在、建物の老朽化、狭隘化のなかで、建て替えを迫られています。  
  この問題は、いわば、松本市の歴史が持ついわば、象徴的なケースです。
  まず、直面しているこの旭町の問題に関してお聞きします。
  旭町の関係者は、現在の学校敷地内に自力での施設改修を計画しているようですが、市としてこれについてどう考えるかお聞きしたいと思います。
 
  最後に、先ほど紹介していた子育てにかかる父母負担の軽減と言う点でお聞きします。  
  合併に関連して、旧4村と旧松本市では、これまでのとり組にかなりの差が見られます。
  すでにご承知の通り、松本市では、現在まで図書館司書は、PTA雇いであり、その働く条件も待遇も実に多種多用、学校ごとにそれぞれの違いがあるのが、現実です。  
  梓川、安曇、奈川地域では、今までは臨時ないしは嘱託という事で、村の職員を雇っての対応でした。  
  そして、それらの方の賃金を見ると、140万円から240万円を越えるまで、の差があります。  
  一方、四賀村には、ボランティの方が、それこそご協力いただいていたとのことです。
  合併の協議の中では、松本市に合わせるという事で、早速、上限100万円の補助に切り替えられてしまい、これまでお願いしてきた方の賃金をどうするかという事で、100万円を超える分のPTA負担のことが問題になっています。
  こうした問題をどう解決するか。
  私は、今ある現状を解決する意味でも、そして未来に向かって、少子化対策として父母負担の軽減と言う意味でも、小中学校のPTAに対する図書館職員の賃金補助の上限額を現在の100万円から、増額することが当面の最良の解決策と思いますが、これについての回答をお願いします。

 次に「危機管理」に関してお伺いします。
  危機管理に関わって、現在進行している重大な問題である耐震強度偽装問題に関してまず最初に述べたいと思います。
  松本市は、先日の第1回「庁内建築確認事務検討委員会」で、 「国の指導に基づき適正な建築確認業務を行なってきていたが、確認済みとしたことに対し、真摯に受け止めなければならないと考える。」との見解をまとめました。
  すでに明らかになっているように、 国交相の指示は、「構造計算の計算過程のチェックは省略できる」なっていました。  
  省略できるとなっていてその通りに行い、責任だけは地方自治体という事に矛盾があります。  
  直接確認済みをおろした松本市の責任は回避できないが、やはりそうしたシステムを指示した国の責任とは質的に異なるものです。
  そうした上にたっての地方自治体としては責任のとり方が問われます。
  私たち日本共産党議員団は、先週火曜日の6日、文書で、以下の申し入れを行ないました。
@市民の安心・安全の立場から3年以内の建築物(3階以上)すべてについて、ただちに再計算する。
A民間機関で確認審査を行ったものも、市民から再計算の要望があったときは対応する。
B平成13年以前のものも要望があれば対応する。
  それに対しては、翌日の7日の検討委員会で、   再計算のためのPCシステムを導入し、1月には再計算を開始する。  
  そのための人員増に関しては、次回、12月20日開催予定の第二回会議で検討する。    
  再計算の対象となる物件に関しては、「3年間3F以上」の物件で、構造計画や施工面から検討してその必要となるものに限って行なう。
  今回関係した物件に関しての固定資産税、都市計画税の減免については、災害と同じ扱いとして行なう。
  との方向が早速、打ち出されました。
  基本的には、歓迎の中身です。
  とにかく、安全、安心の施策は、地方自治としての責任ということが、大事な点です。  
  今後も、この立場から、市の責任の取り方を求めて行きたいと思います。

 さて、危機管理に関連して、市内の小中学校の電話の回線、配置数についてお聞きします。
  この問題は、「子育て支援」と言う側面からも、 現今、子ども達をめぐる事件が多発し、大人の力で子ども達を守るネットワークをつくるという学校と保護者との、日々の緊密な連絡を取り合うことができる環境作りと言う点からも重要なので質問します。
  現在、市内の小中学校では、電話回線について、FAXの1回線を除き、家庭から、外部から学校に書ける場合、受けられる回線が一つしかない学校が、約半数にも及びます。
  担任の先生への電話も、職員室に居ない場合は、校内放送を書け、研究室などから駆けつけて電話に出ると実態です。
  緊急の場合に、回線が埋まっていたり、取次ぎに時間がかかったりする時、先生への遠慮も含めて、即時のコミュ二ケーションがはかれません。
  電話回線を増やすとか、代表番号制とするとか、又は、研究室等へ直ちに転送できるよな設備にすることが必要と考えますが、対策、をお聞きします。

  発注・入札については、準備の関係から、今回の質問は、見送りたいと思いますのでよろしくおねがいします。

  最後に下水道行政についてお伺いします。
  イニシアルで言えば、3Kにも並ぶ、環境問題という事ができます。 下水道行政についてお聞きします。    
  循環可能な社会。廃棄物が生まれず、自然の連鎖が 先日、経済環境委員長として、要請に行った際に、お聞きした話の中で、EMBCと言う聞きなれないものに関しての話が出ました。
  EMBCとは、訳すと「複合微生物動態系における循環有効作用」という意味の英語の頭文字をとったもので、文献によれば、すべての微生物を有効な生態系へ導き、その微生物の情報とエネルギー連動サイクルを生じ、微生物の循環作用を発現し、有機・生物的情報エネルギー触媒を用いた自然浄化作用を引き出すということのようです。
  そして、このものを使って処理すれば、下水道の汚泥も残渣もほとんどなく、そして匂いもなく処理できるようで、実際に長野県内では、飯山市で農村集落排水事業の処理にこの方式が取り入れられていると聞きます。
  私のほうで、現地視察をする機会が、今日までなかったわけですが、飯山市では、実際残渣も少なく、臭いもないと言う報告を受けているようです。
  松本市内でも、寿赤木の農村集落排水事業の処理に処理促進剤として、ある種の菌を入れて処理を進めているようですが、 この、EMBCは、単体の菌ではなく、総体のより自然界に近い形での微生物による処理方式で、まだまだ普及は少しずつ始まったばかりとのことですが、仮にこの方式の有効性、安全性、科学性が証明されれば、かなりのこれからの有効な処理技術という事になり、循環型社会の実現に向け一つの展望をも示すものとの評価もあります。
  そこで、提案ですが、今までの考え方とは違った新しいこの微生物のよる処理方法に関しての調査、研究を行なうことを提案し、さしあたり、飯山市への視察などの取り組みが可能かどうかお聞きしたいと思います。

                                                       以上