見た目の歪みやズレは、必ずしもに直す必要はありません。

 

カイロプラクティックでは、アジャスト(調整)を行う背骨の部位のことをサブラクセーションとも呼んでいますが、これは見た目の背骨の歪みやズレではありません。

 

整形外科用語のサブラクセーションは、亜脱臼(脱臼には至らない骨の位置的なズレ)、すなわち構造的な異常(見た目の歪みやズレ)を意味します。

 

しかし、カイロプラクティック用語のサブラクセーションというのは、神経の働きに悪影響(乱れ、滞り)を及ぼす関節の状態、すなわち神経の機能的な異常を意味します。

 

このサブラクセーションという用語の解釈の違いが(さらに日本では整体との混同などから)カイロプラクティック・アジャストメント(調整)についての様々な誤解を生む要因のひとつになっている様です。

 

当HPでは、読者が亜脱臼(見た目のゆがみや骨の位置のズレ)との混同や誤解することを避けるため、サブラクセーションの使用を避け、関節の神経機能障害(神経の伝達異常)と表示しています。

 

カイロプラクティックの創始者の息子で、カイロの発展者としても知られるB.Jパーマーは、彼の著書(通称グリーン・ブック)の中で、「多くの者は、カイロプラクティックが行うアジャスト(調整)というのは、骨を正しいと思われる位置に押し込むことだと考えている。しかし私はそのような考えを持っていない。」と述べています。

 

つまり、「見た目の背骨の歪みやズレを元の位置に戻すことがカイロプラクティックのアジャストメント(調整)の本質ではないのですよ・・」と、カイロプラクティックのデベロッパーは指摘しているのです。

 

またWHO(世界保健機関)が刊行したカイロプラクティック・ガイドラインのサブラクセーション用語の最新解説では、「本質的に機能的なものである」とし、整形外科用語の亜脱臼とは全く意味合いの異なるものであるとしています。

 

したがって、カイロプラクティックのアジャストメント(調整)では、サブラクセーション(亜脱臼)を直しているのではなく、サブラクセーション(神経の機能異常)を直しているということなのです。

 

でも、カイロプラクティックを受けると見た目の身体の歪みが改善すると聞いた人も多いでしょうし、見た目の身体の歪みや不良姿勢を改善するためにカイロプラクティックを受けてみようと考えている人もいらっしゃるでしょう。

 

カイロプラクティックを受ける動機としては、それも「あり」だと言えます。確かにカイロプラクティックの施術(アジャストなど)で身体の歪みや不良姿勢が改善することは多いものです。但し、それは結果のひとつに過ぎませんし、アジャストを行えば、必ずしも見た目の歪みが改善するというものではありません。

 

カイロプラクティックで改善する見た目の身体の歪みというのは、神経系のはたらきの異常が原因で、神経(脳)によるコントロールを受けている筋肉の緊張がアンバランスになることによって発生している(機能的な)歪みやズレです。

 

一方、骨そのものの奇形や、左右で対になっている骨どうしの長さの違いに起因した(構造的な)歪みやズレ、椎間板の老化や変性に起因した(器質的な)歪みやズレなどは、手技療法では改善しません。

 

カイロプラクティックでは、背骨が見た目に曲がっていたり、ズレて見えたとしても、神経系のはたらきに異常が無ければ、自然治癒力も十分に発揮され健康を保つことができるため、「正常」または「異常なし」とみなします。

 

 

カイロプラクティックで関節に発生した神経機能障害をリセット(調整)し、神経系(脳)のはたらきが正常化されれば、筋肉や靭帯の緊張バランスが整うことで、見た目の身体の歪みの多くは自然に改善します。

 

尚、ここで言う「歪みが改善する」というのは、「その人(個人)にとって、脳が最も適切な位置に落ち着かせる」という意味です。それは、必ずしも完全なる左右対称であることを意味しません。

 

(治療業者も含め)多くの人が勘違いをしている様ですが、科学的に見て、背骨や骨盤などが見た目に歪んでいる、ズレて見えるからと言って、必ずしもそれが原因で痛みなどの症状が出たり、病気になるというものではありません。

 

みなさんの周りには、見た目に背骨が曲がっている人でも、特に症状もなく元気で生活をしているご老人は沢山(普通に)いますし、そもそも左右が完全に対称の人間(生物)など存在しません。

 

また、脊柱側弯症という病気があります。これは背骨が左右でS字に弯曲した状態ですが、見た目には曲がっていても、骨盤の中心にある仙骨と頭の中心とが垂直でさえあれば、神経の流れは正常であるため、症状の無いことも多いのです。

 

そうしたことからも、単に背骨が歪んで見える、ズレて見えるからといって、手技などを用いてそれらを無理やりに直そうと試みる行為は、関節や組織を痛めるだけに留まらず、その人の健康に最適な体のバランスを崩してしまう可能性のある危険な行為だといえます。

 

健康や身体的なパフォーマンスの観点からは、見た目ではなく、機能性(動き方・働き方)が正常化か?否か?ということが重要なのです。

 

最後に、まとめとして、重要なポイントを上げてみましょう。

★背骨や骨盤の歪みやズレの多くは、痛みなどの症状や病気を起こす原因ではない。

★カイロプラクティックでは、見た目の背骨や骨盤の歪みを直しているのではない。

★カイロプラクティックでは、神経の機能障害(神経の伝達異常)を調整している。

★アジャスト(調整)の結果、神経系(脳)の働きが正常化すれば、背骨や骨盤などはその人(個人)にとって最もバランスのとれた場所に落ち着く。

 

関節の神経機能障害(神経の伝達異常)が原因である可能性のあるもの


頭痛/顔の痛み/原因不明の歯の痛み/顎関節の痛み/かみ合わせの異常/原因不明の耳鳴り/ムチウチで長期間にわたる首の痛みやコリ/首の痛み/腕や手指の痛み、シビレ/肩こりの大半/肩の痛み/野球肘、テニス肘とされる痛み/背中の痛みやコリ/肋骨の痛み/腰痛/椎間板や軟骨の異常が原因と考えられている腰痛、および下肢の痛み、シビレの多く/老化や骨粗鬆が原因と考えられている腰痛の多く/軟骨の変形が原因と考えられている股関節痛や膝関節痛の多く/原因不明の大腿部、ふくらはぎ、足の痛み、アキレス腱や踵の痛み/成長痛とされている痛み/自律神経の異常とされている症状/便秘/生理痛/手足の冷え/むくみ/身体のゆがみ/など

 

 

 

2018年08月09日