菅谷市長提案説明
平成18年松本市議会第2回臨時会
本日ここに、平成18年松本市議会第2回臨時会を招集致しましたところ、議員の皆様方におかれましては、おそろいでご出席をいただき、厚く御礼を申しあげます。
さて、冒頭、提出議案の説明に先立ちまして、今月の15日から24日にかけて、県内はもとより、全国各地に甚大な被害をもたらしました、「平成18年7月豪雨」に関連して申しあげます。
去る7月15日から降り始めた今回の大雨は、長野県内におきましても記録的な豪雨となり、中南信地域を中心に大きな被害をもたらしており、とりわけ、岡谷市、辰野町、また、東信の上田市におきましては、死者、行方不明者が多数出るなど、大災害となりました。
この場をお借りいたしまして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申しあげますとともに、被害に遇われた皆様に対し、心からお見舞いを申しあげます。
松本市におきまして.は、15日の正午から25日10時までの間の累積降水量が、上高地で709ミリ、奈川で548ミリ、松本で336ミリを記録したわけでございまして、これは松本の平年の年間降水量の約3分の1に達する雨量であり、まさに記録的なものでございました。
市内におきましては、幸いにも人的な被害はございませんでしたが、物的な被害が多数出ておりまして、主なものを申しあげますと、まず、家屋に関する被害では、床上浸水2棟、床下浸水19棟のほか、敷地の浸食による家屋の傾きが1棟となっておりまして、自主的に避難された住民は、41世帯94人となっております。
次に、道路関係では、雨量規制や土砂崩れにより交通規制を行った道路は、国道2路線、県道7路線、市道14路線のほか、林道でも土砂崩れ等が43路線で発生致しましたし、河川関係では、堤防洗掘が7カ所でございました。
さらに、梓川地区では、上水道の取水口が大量の土砂で埋まったことにより、19日から断水となりましたが、関係の皆さんや職員の不眠不休の復旧作業のおかげで、20日、午後3時15分に無事復旧を致しております。
被害に遇われた.皆様に対しまして、改めてお見舞いを申しあげますとともに、夜を徹しての警戒活動や、不眠不休で復旧作業にあたられた、消防団を初めとする関係機関の皆様に、深く感謝と御礼を申しあげます。
今回の豪雨に対する松本市の対応について申しあげますと、まず、18日、午後4時30分には、助役を長とした、災害対策本部に準ずる「大雨対策連絡会議」を庁内に早速設置し、全部長と関係課長により、逐次、状況の確認と今後の対応の協議を行い、それぞれ必要な措置を取るとともに、災害の未然防止に全力を挙げて取り組んだところでございます。
一方、私は、あいにく、中部縦貫自動車道建設関連の中央要望などのため、18日から20日までの予定で、出張しておりましたが、被害の拡大が懸念されましたことから、19日の東京での用務終了後、福岡への出張を急遽取り止め、長野新幹線経由で正午過ぎには松本市に戻り、早速、被害状況の報告を受け、市内各所の災害現場の視察を行い、必要な指示を致しました。
また、翌20日には被害の大きかった安曇、奈川、梓川地区を中心に、更に28日は四賀地区の災害現場を視察するとともに、26日には、自衛隊のヘリコプターに乗せてもらい、市内全域の被災状況を上空から視察してまいりました。
今回、松本市では、一昨年の台風による水害を教訓に、過去、大雨の度に大きな被害が発生しておりました、庄内地区へ排水ポンプを早期に設置するなど、十分な警戒態勢をとりましたことから、被害を最小限に抑えることができました。
このように災害の防止には、常に万全の体制をとるよう努めておりますが、まだまだ行き渡らない箇所がございますので、今後とも、危険箇所の早期改良を始め、私が「10のまちづくりの柱」の第1に掲げております、「災害などに備えた安全で安心なまちづくり」に向けて、より一層取り組んでまいる所存でございます。
また、今回の災害箇所の復旧につきましては、現在、庁内上げて取り組んでおりますが、観光シーズンを迎え、特に被害が大きかった上高地周辺の登山道の復旧につきましては、緊急を要するため、去る28日に私自身上高地に入り、横尾に至る登山道の状況を、隈なく視察してまいりました。
この復旧につきましては、山岳観光振興のうえでは、最大級の危機管理意識をもって、取り組む決意でございまして、保守管理責任が不明確な箇所も多くありますが、まずは松本市において、暫定復旧に全力を挙げるとともに、関係機関と調整のうえ、抜本的な対応をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
なお、情報収集と伝達など、情報管理面について、改善すべき点もございますので、今回の反省点を踏まえ、今後十分な検証を行い、引き続き、危機管理体制の一層の強化充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、昨年、旧安曇村時代からの姉妹都市提携を継続することとした、スイスのグリンデルワルト村への公式親善訪問について申しあげます。
去る7月3日から8日までの間、私を団長として、渡辺議長に副団長をお願いし、姉妹都市提携委員会の皆さんのほか、公募した市民の皆さん、総勢40名からなる公式親善訪問団を率いて、グリンデルワルト村を公式親善訪問してまいりました。
松本市としましては、今回初めての公式親善訪問であり、現地では、スチューダー村長を始め、地元の皆様から暖かい歓迎を受け、短い滞在期間ではございましたが、すばらしい観光資源のほか、核シェルターや学校施設などを、精力的に視察させていただき、住民の皆さんとの交流を深めてまいりました。
グリンデルワルト村は、観光産業がメインでありますことから、建物に対する様々な規制が厳しいことや、屋外広告を規制するなど、景観整備に大変な配慮をしておりまして、住民が一つにまとまって、自分たちのまちづくりに取り組むという、いわゆる協働と自立による基本的姿勢を強く感じました。
松本市とは、人口規模や様々な制度も異なるわけですが、長い歴史と伝統に培われた、グリンデルワルトの大自然に溶け込んだまちづくりは、山岳観光の先進地として、松本市も、今後の交流を通じ、大いに学ばせていただきたいと考えております。
また、国際交流のあり方については、それぞれの都市によって異なるわけでございますが、今回の公式訪問を参考に、市民レベルでの交流、特に若い世代による交流ができますよう、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、松本・四賀直結道路に関して申しあげます。
この問題につきましては、去る6月定例会の総務委員協議会等で、議員の皆様からいただきましたご意見等を踏まえ、引き続き、慎重に検討を重ねてまいることとしておりましたが、この度、四賀地区の町会連合会から、是非とも早期に市長との懇談会を開催してほしい旨の要望がございました。
そこで、四賀地区を4会場に分け、地区住民の皆様から、広くご意見やご提言などをお聴きすることとし、8月上、中旬にかけて、懇談会を開催する予定でおります。
私と致しましては、今回開催する懇談会が、四賀地区住民の皆様のご協力により、建設的な対話集会となり、意義ある意見交換の場となりますよう、努めてまいる所存でございます。
それでは、ただいま上程されました議案についてご説明申しあげます。
本日提案申しあげました案件は、条例1件、契約1件の他に、急を要し専決処分を致しました予算1件の計3件でございます。
まず、条例につきましては、消防組織法の改正に伴い、関係致します4条例を一括改正する条例を、また、契約案件では、松本駅周辺整備事業の一環として、都市計画道路、中条白板線・松本駅西口線改良工事の請負契約の締結について、提出しております。
次に、報告案件についてでございますが、これは、急を要し、議会を招集する暇がなかったため、地方自治法第179条の規定により専決処分をしたものでございまして、借換債の内示に伴い、予算措置が必要となりました水道事業会計の補正予算について、去る6月28日付けで専決したものでございます。
また、そのほか、市長の専決処分事項の指定にかかわる報告4件をそれぞれ報告致しております。
以上、本日提案致しました議案等について、ご説明を申しあげましたので、よろしくご審議を賜りますようお願い申しあげます。
(以上)
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