報第2号 松本市国民健康保険税条例の一部を改正する条例についての討論

 報第2号 松本市国民健康保険税条例の一部を改正する条例について 意見を申し上げます。
  今度の条例改正は、国保会計の財源確保、「健全化」のための方策として、出されてきておりますが、今回の限度額の引き上げは、部分的改善といえないこともありませんが、これによって、国保問題の根本的な解決にはつながるとはいえないものです。
  国保問題の根本的な原因が、国庫負担割合の低下にあることはこの間も指摘してきた通りで、ここにこそメスを入れてはじめて改善が図れるものです。
  今回の値上げに関連して、先ほどの質疑に対しての答弁は、「中低所得の負担の緩和につながる」とありましたが、この「緩和」という言葉は、よく考えてみれば、負担の軽減とは明らかに違う意味合いです。
  「次期保険税の税率改定の際の財源として使われる」とも答弁がありましたが、やはり税率引き上げを前提としての答弁としか言いようがありません。
  値上げを前提としての、その巾の緩和という意味でしかありません。
  また、現在の限度額のぎりぎりの所得の方は、所得約450万の方でも、今回の引き上げで、増税になる世帯も生まれます。
  それは明らかにこの間の値上げに次ぐ値上げの結果にほかなりません。  
  そして、しかも、その負担額は、所得の1割を優に超える重い負担をさらに強いるものになります。  
  今後、税率の引き上げが行われれば、さらに加えて中所得の方まで、負担増となる、ここが一番の問題点です。
  もう一点。
  私の第一番目の質疑に対する答弁で、この8年間の国保会計に占める国保税の比率が下がっていることの理由に、制度改正のことだけが触れられましたが、景気の悪化、リーマンショックの更なる影響、加えてワーキングプア問題を抜きには語ることにはやはり無理があります。  
  保険税が金額的には減っていても、所得に占める負担の割合は、明らかに増えています。  
  結局のところ、被保険者の所得の低下の結果、保険税収入が減る、それに対し税率を引き上げる、その結果収納率の低下も作用して、また引きあげざるを得ないという、いわば悪循環のスパイラルを見逃してはなりません。
  これ以上の市民負担増は、いま景気を更に悪化させることにもつながります。  
  そうした意味で、今回の改定については、賛成しかねるというのが、率直なところです。
  以上申し上げて、意見と致します。