「議長選挙にあたっての私たちの見解」

  議会運営で、重要な役割と権限を持つ議長として、公平、公正、民主的な運営に努めることを大前提とし、

  1、 議員にとって議会における自由な発言は、もっとも重要で何ものにも代えがたいものです。
  議員は、質問、質疑、委員会審査等での発言を持って、市民の皆さんの声を代表、代弁し、松本市の意思決定への参加、市長提出議案の審議と態度表明、議案の発案、政策提言等を行います。
  これこそが議員に求められる使命であり役割です。
  そうした意味では、

  ・なかでも、本会議における一般質問は議員にとって最重要活動の一つです。よってその発言時間は、充分な質問・論議をするに足るだけの最低限の時間の確保と保障が必要です。すべての議員がこの活動に専念できる議会運営が必要です。
  ・また、議案質疑や議案に対する討論・意見など時間制限のない発言については、予断と偏見を持って、また単なる時間の経過によって、その発言を中途で遮ることはすべきでなく、最後までその発言を保障することこそが求められます。
  ・委員会等での発言を保障する、議員の委員会等への配属については、会派割り当てを原則としつつも、少数会派と無所属議員の人数に応じての十分な配慮を行うことが重要です。  
  ・「言論の府」としての松本市議会のこれまでの歴史と伝統を汚すことなく、何よりも「議員間の自由な討議」を保障することにこそ、求められる議会の活性化と使命があることを肝に銘じ、その議会の代表する者として、矜持と謙遜の立場で議会運営に臨むことが求められると確信します。

  2、 そもそも、「独任制」といわれる市長と違い、議会は、思想、信条、政策において、さまざまな立場を持っている議員の集まりです。
  そうした議員間に、多様な意見や主張に違いがあるのはある意味当然のことであり、それはより多くの市民の声を代表する議員のあつまりである議会としての、「独任制」とは違うある意味の優位性に他なりません。
  そうした意味では、

  ・まずは、共に選挙で正当に選出された議員同士、お互いを最大限に尊重することが必要です。  
  ・その上で、条例、予算など市長提案の議案への態度表明、結論付けなど、理事者との関係で議会として果たさなければならない役割の執行上での多数決は除き、議会としての「提言」、議会運営上のことなどの場合には、「全会一致」を旨とする運営に努めことが重要です。当然のことながら、どうしても一致できない場合、それを「多数決」で決めることは行うべきではありません。

  3、 これまで進めてきた議会基本条例に基づいた議会改革については、これまでの改革、到達点を改めて確認、検証しながら、その上で一致点、改善点を探り発展させながら、さらに新たな課題にも挑戦することが求められます。