日本共産党の池田国昭です。
今議会も、昨年暮れの議会同様、期せずして、地方自治体(松本市)の経済政策が重要な焦点となりました。
私も、「今、地方自治体に求められる経済政策とは、 内需主導と地域経済の建て直しについての提案」と通告してありましたが、まさにこの中身で、以下質問をしたいと思います。
市長は、昨日の答弁の中で、今の経済と雇用の厳しい状況に関連して、「一番問題なのは、著しい需要不足、換言すれば、経済が動いていない。」といわれましたが、私もこれに実に同感です。
問題は、その先です。残念ながら、昨日の議論は、真の解決の方向と分岐してしまいました。
需要不足を招いている一番の原因は何かということです。
それは明らかです。
一方で、大きな富が蓄積しているが、国民市民の収入が減り可処分所得が減っている。その結果の需要不足です。
要は、働く人の賃金の低下に一番の問題があります。ここにメスを入れなければなりません。
にもかかわらず、地方政治では、福祉・医療分野でお金の負担が増え、さらに消費を冷やすことに拍車をかけている問題については、先ほど南山議員が指摘した通りです。
● そうした意味で、まず公契約条例についてお聞きします。
公契約条例は、安心できる暮らしの基盤をつくるための公的役割の再構築であり、また労働者の賃金改善によって、経済を再生させ、ルールある経済社会を再構築 再建していく上で、地方自治体として取り組むべき実に重要な経済政策です。
この条例は、公契約の仕事の質を保つだけでなく、働く市民の暮らしを支え、そして、市内にお金を循環させるうえで、もっとも重要な市内でのルールを作る内容です。
何回かにわたって、質問してまいりましたが、全国で初めて条例を施行した野田市の調査はどうだったでしょうか。
野田市の内容は、どうなっているのか。
その教訓は何かということです。
2回目)
野田市では、1人の専任職員の増やして配置し、年3回 下請け、孫請けの業者、一人親方、の方の賃金まで、把握しています。
試行1年を経て 対象事業27件 485人の労働者の適正賃金、2省単価(農林水産省、国土交通省)の8割 以上が支払われていることを確認、大幅な賃金の改善です。
では、松本市の実態は、どうでしょうか。
松本市の公共事業に携わる業者の事態を少し紹介したいと思います。
紹介)確かに、最低制限価格制度が適用されて、いわゆる落札率が、50%台というようなことはなくなりましたが、
「元請業者が、仮に90%台前半で落札したとして、その業者の下請けになった場合、30〜35%を引かれる。というのが、実際のところだそうです。
こうした『下請け』では、場合によっては、『チョッコウ(直工)』(直接工事費)よりも安く請け負って仕事をしなければならない。
働く社員の給料を支払うと、『役員』と家族は2〜3か月給料が出ないときがある。」
これが実態です。
また、国が定めている職種別労務単価があるが、それを下回って、払うこともできるが、そうした『実績』が、結果として、その労務単価を引き下げる悪循環となる。
実際に、ここ10年間ぐらいで、かなり『労務単価』は下がってきている。」
もちろん、下請けに丸投げは禁じられていることはもちろんですが、お話を聞いた事態は、こういうことです。
市長に、提案します。
まずは、実態がどうなっているのか。知る必要があるのではないでしょうか。
仮に、すぐに、公契約条例とまでいかなくても、実態がどうなっているかの掌握が必要です。
● 次に、市内の中小零細企業、に実態についてお聞きします。
これも、業者のみなさんの暮らしと収入にかかわる問題です。
先日の国会で、消費税が転嫁できないことが話題になりました。
消費税が、導入されて今年で、24年目。
ところが、この消費税は赤字でも納めなければならない税金です。販売する商品に転嫁できない。 それというのも、この長期に続く不況の影響です。
加えて、安売りの追い打ちです。
消費税は、販売するにあたって、転嫁する仕組みの税金です。
ところが、下請けの市内の業者の場合も、親企業の注文を受けて納品する際、消費税を転嫁できるどころか、3%から5%になるときに、逆に下請け単価の切り下げがおこなわた。でも、商品の取引があった以上、消費税は、課税されるのです。
そして、「それを預かった業者」として、一部を除いて、「納税者」となるのです。
赤字業者の場合、法人税は、所得税は納めなくても、消費税だけは、営業実績にかかわりなく、納めなければなりません。
結果、どうなるか。 まさに、身銭を切っての納税、貯金の切り崩し、保険を解約し、さらに、借金をしてまでのおさめるのです。
これで、市内にお金が回るはずがありません。
こうした、実態を松本市は把握しているのでしょうか。
市内の業者の消費税に関する事態、そして下請けの単価の切り下げの状況、どのようになっているのか。調査されているのか。お聞きします。
2回目)
これではたして、市内の経済が、よくなるはずがありません。まさに、昨日議論された通りです。
どれだけの、市民がこうした実態にあるのでしょうか。たとえ、税は納められても、ここを調査するために、今こそ市内業者の悉皆調査が必要と考えますが、お聞きします。
先ほど公共事業に携わる業者の事態も含めて、悉皆調査が必要と考えますがお聞きします。
これこそが、今地方自治体も求められる、新しく進出する 企業だけでなく、 既存の企業の方が、実態的にも、数の上でも、松本市にとって占める割合も、影響もおおきなものがあります。
新しく事業を拡大できる企業への支援も必要ということかもしれませんが、それ以上に市内の既存の業者への支援が今必要です。
改めて、下請け単価、建設事業者で言えば、業種別労賃の支払い状況と、事業主や、その家族の実態等の調査が必要と考えますが・・・・
● 税の徴収業務について
市税の滞納が増えています。
H17年 8884人
H22年 12540人 出納閉鎖期 で、1.41倍
それに伴い、松本市の差し押さえ件数も、
H17年 90件
H22年 1603件 17.8倍と、差し押さえが増えています。
滞納が増えている原因は、税負担能力を考慮しない税制にあることは、論を待ちません。
そんな中、徴税業務の中で今求められることは、安易に「差し押え(国税徴収法47条)」にシフトすることではなく、憲法に基づいた負担能力に応じた税の基本にたった、納税緩和の措置の活用です。
(「国税徴収法47条」 でなく 、「地方税法15条」の活用)
そこで、お聞きします。
税の徴収に従事する職員一人当たりが対応する滞納者の数は、職員の在課年数、職員研修の状況はどうなっているのか。
また、きめ細やかで、「福祉のこころ」を持って滞納者に対応するには、一人あたりの滞納者数が多すぎる。
職員配置を増やすと同時に、経験豊富な専門性を備えた職員配置が必要と考えるが
2回目)研修の内容を見ると
(ここにあります。)
初任者研修の内容は、トップに出てくるのが「動産の差し押え」の項目です。
そして、その研修会の資料のなんとページで87%が、「差し押え」に関するもので、
「地方税法15条」(緩和措置 執行停止)の部分は、残りの13%に過ぎません。
これでいいのか。
その後に行われている研修会を見ても、ほとんどが、最押さえ中心の内容です。
憲法に元づく、生存権と人権を脅かすことのないように努めての業務の執行を求めます。
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