2月議会  発言原稿                            池田国昭

 1、 賃金(所得)低下の現状と景気悪化、地域経済の疲弊について、お聞きします。
  ある業者の方のお話です。 「今こそニコニコ話しているが、商売のこと、家族の今後のことが心配で夜眠れない。同業者の間では、お互いに、いつまでもちそう、いつやめるのという話ばかり。親友は自ら命を絶った。私もいつどうなるか、わからない。」
  こんな話もありました。 回転寿司で、隣に居合わせた3人の子ども連れたお父さんたち。 重ねた皿の枚数も少なめだったが、この親子の会話。 「父さん、ぽくもっと食べたいよ」(間)「父さんの、仕事が決まったらな」と。 最後はひとつのお皿のすしを、みんなで分けて食べていたとのことです。 この話をしてくれた方は、その時なみだが出そうになったそうです。
  肩たたきで、定年前に会社をやめ、再就職したが、そこも、首になってしまった。次の就職まで、生活保護を受ける話を進めている。 学校を卒業しても、就職がない。奨学金も返せなくなる。社会人1年生から借金生活。
  今、私たちの周りでは、皆さんも同様かと思います。こうした声がいっぱいです。  

 自民党政治を変えれば、思ったが、民主党になっても一向によくならない。  
  期待は、幻滅から怒りへ変わっています。大企業は、244兆円という内部留保を貯めこんでいるのに、さらに減税、一方で、その税収不足は、消費税の増税で、国民負担にかぶせる。  
  普天間基地問題に見られるように、沖縄県民、国民の声より、「アメリカいいなり」になるのと同様、大企業が儲ければ、国民の暮らしぶりは自然によくなるという、これまでの自民党政治、いわば、長年続いてきた「20世紀型」の経済政策のゆがみにメスが入らない、政権が変わってもこの2つの自民党のやり方から、変わらない限り変わりません。
 今の政治と経済の「閉塞感」を打開するには、 「アメリカいいなり」から「自主自立」の立場へ、大企業に溜め込まれているお金を、労働者の給与を増やし、還元する切り替えがどうしても必要です。  
  そして、地方自治体としても、そうしたこれまでの古いやり方に従うのではなく、住民の医療・福祉の負担軽減を図り、少しでも可処分所得を増やす、それが引いては地域経済の立て直しにもつながるという経済の法則をしっかりと据えての松本市政運営が今こそ求められます。
 
  この12年間で、給与は平均62万円減りました。月額約5万円の減です。 松本市も同様です。  
  結果、消費が冷え込み、内需の縮小が起こっています。  ものが売れませんから、雇用も生まれない。 まさに、そうした悪循環のスパイラルに落ち込んでいます。
  根本的な解決策は、国政に帰することは論を待ちませんが、今の時期、地方の自治体が選択すべき道は何か、地方自治体のあるべき姿は何かをテーマに、今回は以下質問したいと思います。  

 まず、いま申し上げた賃金の低下、可処分所得の減少が、市民の暮らしぶりを大変にし、ひいては地域経済も疲弊させる原因となっています。  
  こうした理解は、いまや立場のちがいをこえた共通の声です。  
  こんな賃下げ社会でいいのか。 市長は、まずこの点について、どう考えるか。お聞きします。

  2、次に、法人市民税減税と市民負担増について お聞きします、
  今回、法人市民税が減税されます。 「地域経済の回復基調を後押し」と、その目的が明らかにされているわけですが、「赤字」事業者に減税となるという点で、景気対策としての意味は理解できるものです。   でも一方、市民個人との関係で松本市の施策はどうでしょうか。 松本市が、税率を決めている国保税は、実に2年連続、菅谷市長就任後7年間で3回の引き上げとなっています。 収入、所得が減っているわけですが、国保税は値上がり、結果として、可処分所得が減り、消費が冷え込み、景気の悪化を招くことにつながっています。 お金がないことで、医療を受けられず、命や健康を脅かすという点からも、こうした施策は避けるべきですが、地域経済建て直しという点から見ると、消費を冷やし、地域を疲弊させるだけです。 ある意味、逆行する施策です。  
  直ちに、人の「健康」という面からも、そして地域経済の「健康」増進という意味からも、引き下げに切り替えるべきと考えますが、市長はどのように考えますか。

 3、次に、くらしと地域経済を建て直す対策の2番目に、「住宅リフォーム助成制度」の実施についてお聞きします。
  昨年の12月議会で、南山議員が提案しました。 制度の詳細は、割愛します。
  あれから、3ヶ月。その後いくつかの変化が確認できます。
  1つは、経済波及効果の実証という点です。  実際に予算額の10倍、20倍の金額としての波及効果に加え、宮古市では、青年雇用の拡大につながっているということが報告されてきています。
  2つ目は、そうした実証もあって、実施、検討する自治体が増えてきている点です。既に全国では、おそらく200を超え、長野県下でも、上田市、千曲市、飯山市、中野市、小諸市、岡谷市、諏訪市、茅野市、伊那市の9市が、実施ないしはその意向です。 加えて、 長野市は、来年度6月補正で、塩尻市は、3月2日の本会議で、「できるだけ早く実施できるような方向で検討を進めたい。」との答弁がされました。 これで、県下、19市中11市となります。  

 私たち会派は、開会日の翌22日に実施を求める「申し入れ」を行いました。 その際、副市長は、「積極的に、研究する」と表明されました。  
  先月25日付けの業界紙「新建新聞」は、先ほど紹介した県内の実施市町村とその内容の一覧表を大きく1面で報じました。 注目点は、「地域活性化と事業者支援」事業、市町村で相次ぐ制度創設として紹介している点です。
 市内のお金の循環が期待でき、プレミアム商品券に続く、それ以上の経済効果が期待できるものです。
  また、平成21年度に策定されました『松本市住宅マスタープラン』にも沿う事業でもあります。  
  ある業者の方は、 「営業で回ると、リフォームをしたいが『お金』がない。この制度が実現すれば、お客さんに『踏ん切り』をつけてもらえる。景気を良くするには、お金を動かすしかない。建築関係の人はたくさんいる。この補助金は、まさに『生きたお金』。  今のように、仕事がないときに作っていただければ本当に助かる。手続きも簡素化して私たち、小さな業者が直接、仕事が請けられるようにしてもらいたい。」  と語り、市民の皆さんからは、「助成制度ができれば、早速私も使ってみたい。」と歓迎の声が寄せられています。  
  速やかに住宅リフォーム助成制度の実施に向けての方向に、踏み切ることが必要ではないでしょうか。
  全国で実施している自治体の視察等を行い、簡便で利用しやすい、いみじくも副市長が述べたとおり、市内の業者が下請けでなく直接請けられ、大きな財政効果が生まれる施策することが肝要です。 答弁を求めます。

 4、また、公契約条例は、 テーマとしては、いわば 1番目の 可処分所得の問題に関連しますが、ここでお聞きします。
  昨年6月議会にもお聞きしました。 この公契約条例は、公共サービスを担っている民間労働者と自治体公務員との間の賃金労働条件の格差を解消し、市が発注する公共工事における労賃の保障、市内業者、下請業者の育成と支援、そして経営を守り、労働者には生活できる賃金、人間らしく働くことができる労働条件を保障するためのものです。
  本日のテーマでもある、賃金の低下に歯止めをかけと地方経済の疲弊、閉塞から抜け出しす上で、実に必要且つ有効な施策といえます。 この公契約条例の必要性について、まずどう考えるか。改めてお聞きします。
  また、この間の取り組みおよび、今後についてお聞きします。
  また、今回は、指定管理者制度との関係からも一言申し上げます。 指定管理者制度の更新の時期を迎えています。 事業主が入札で変わっていくことが考えられるわけですが、継続雇用の依頼を特記事項に加えるとともに、働く人の労働条件を維持することが実に重要です。 入札競争で、結果として、労働者への賃金や労働条件へのしわ寄せが起きないようにするためにも、重要な役割を果たすものといえます。  そうした意味合いも含めて、今回お聞きしたいと思います。

 5、次に、地域経済の建て直し策の3番目の問題として、  仮称)新松本臨空工業団地建設事業と既存の中小業者への対策についてお聞きします。  
  地域経済の活性化といえば、工業団地、企業呼びこみといわれてきました。  松本市も、例外ではありませんでした。  
  でも、果たしてどれだけの経済効果が生まれてきたと言えるか。  めざした松本市の産業構造との関係で、団地造成の狙いが、どれだけ現在まで継続してきたのでしょうか。 市内に働く皆さんとの関係での経済効果の実際はどうなのか。  
  S41〜42年にかけて、造成された木工団地、(8.5 ha)  現在は、誰が見ても、当初の計画とは違って、集合住宅が立ち並び、今や「別名」の呼称で、揶揄されても仕方がないのが現実です。  

 参考)                   分譲面積
   木工団地   S41〜42年       8.5 ha
   西南工場団地 S42〜48年      30 ha
   大久保工場公園団地 S46〜47年  35.5 ha
   臨空工業団地 S61〜H3        45.6 
   臨空産業団地 H10〜H         9.9

 今回の「仮称」新松本臨空工業団地」は、ご存知の通り、臨空産業団地の当初計画を断念、縮小した場所そのものです。  売れる見通しが立たなかったからです。  
  断念したのは、分譲地を縮小しても、最後は、とにかく売らんがために当初計画した産業構造と関係のない企業にまで働きかけ、「買ってくれるればどこでもよい。」という形で、結局最後はリースで埋めたというのが実態でした。  
  今回も、ほぼ一年前の3月15日現在で、すぐに進出したい「7」社が今は、「4」社、条件次第は、「8」社のまま変わりませんが、それら企業の希望用地面積合計は、18.3haから、約半分の9.48haに落ち込んでいます。こうした推移を見れば、実にその事態が再び心配されるものです。  
  当初は、紛れもなく造成後短時間での完売が計画でしたが、さすがに、「ストック方式」という表現に途中からその方針は変わり、今では、「プラチナ 何がし」の企業誘致計画との抱き合わせで、大丈夫感をかもし出していますが、このプラチナ「特区」の申請、その可能性、そもそもこの 「イノベーション」そのものの現実性は、実に危ういものといわざるを得ません。  
  一箇所の団地に企業誘致で、地域の活性化というこの20世紀型のやり方、こうした時代、終わったといえるのではないでしょうか。  (シャープ亀山の例、長野県 伊那市 の例 は割愛)  
  そこで改めて、お聞きします。  
  今回の「仮称」新松本臨空工業団地」建設事業では、どれだけの経済効果が期待できるのか。  現在の進出希望企業12社を見ると、市内が11、市外はわずか1社。  これで、どれだけの新規雇用と税収が期待できるのでしょうか。  
  また、進出は「条件次第」が、8社ですが、その「条件」、いわゆる誘致のための「優遇策」どのようになっているのか。
 また、「知識集約型」企業誘致、「プラチナ社会の実現」というが、その現状は、どれほどのものか。お聞きします。
  (「特区」に関して、その見通しについてもこの際お聞きします。)

 次に、いま必要な中小零細企業対策についてお聞きします。
  この間、私たちは、今の時期、既存の中小零細企業への対策として、悉皆調査と「中小企業振興条例」の制定を提案してきました。 先日も、ある設計業者の方から、設計料の切り下げの提案があったという話がありました。
 
また、製造業の関係で、下請け単価の切り下げとなったという声も寄せられました。 工業支援センターで、「550」社まわるとのことですが、これでは、法人市民税納税義務法人数、約「8500」に及ばないのはもちろん、法人市民税税割を納められない、いわゆる「赤字」の法人数「6100」に、遥かに及ばないものです。 松本市の産業や経済を支えている中小零細企業の現状の掌握こそ、今、行政として行うべき最低の仕事、悉皆直接訪問対策が必要ではないでしょうか。  
  また、「550」の訪問調査の項目となっていない、たとえば、実際に単価の切り下げが どうなっているか。仕事量は減らされていないか。など「下請けを守る法律」の立場からの実態調査、が必要ではないですか。お聞きします。  
  今回の予算の内容から、目立ったこうした中小零細対策が見られないのは、実に残念です。  ある意味、業者の実態がつかめないからではないでしょうか。

 6、最後に、市街地交通「空白」地帯の解消と「買い物難民」対策について お聞きします。
  「買い物難民」という言葉自身、かなりショッキングですが、加えて、この「買い物難民」の方々の健康問題としての「フードデザート(Desert)」、「食の砂漠」という言葉まで使われるようになりました。 (参考:フードデザートマップ Desert)  
  毎日のバランスの取れた食事は、「健康寿命延伸都市」の課題でもあります。
  長野県は「フードデザートマップ」を発表しました。  一定の条件に沿って色分けされた地図で、「難民度」がわかるものですが、大事なことは、実際にその地域の市民の皆さんの実態をつかむことです。
  この買い物難民問題の松本市の現状、と認識について、市長はどのように考えているのか。まずお聞きします。
 次に、市街地南部地域の新交通システムの取り組みの状況と今後の計画とともに、この買い物難民問題の解決をも視野に入れての取り組みが必要と考えるが、どのように考えているかお聞きします。  
  「買い物難民対策」としては、大きく言って3つ。  
  1つは、買物が出来る所(ところ)を作ること。店舗といわないまでも、定期的に開かれる「朝市(場)」のように、そこに行けば、買物ができる場所作り。  
  2つ目に、既存の店舗や、買物が出来る「市場」への その場所につながる公共交通システムを作ること。  
  そして、3番目に忘れてはならないことは、「買い出し援助」の体制をいかに確立するかです。  
  既に、住民の皆さんが「市場」を開いて、買い物難民を支えている経験が、全国はもちろん、松本市内でも、各地に生まれています。  
  それまで、大手スーパーがあった地域で、突然閉店となり、民間の駐車場を好意でお借りし、町会役員を始め地域のボランティアがやっている例、道の駅今井から、毎週金、土曜日と市街地の中心部で、9時から12時の午前中「市場」を開いている例、さらに遠くは大町から街の中心部に店を開いている例など、ありますが、そうした方々からのお話で共通することは、  
  条件は3つ。
  一つは、市場を開けるスペース、たとえば駐車場などの広場、
  2つ目はその広場に近い駐車場の確保。
  そして、地域の皆さんと来ていただけるお店との協同だそうです。  
  そうした、実態との関係で、行政の今後の取り組み、果たす役割をどのように考え、また、新交通振システム構築とどう連携させるのか今後の取り組みについてお聞きします。

                                               以上1回目