日本共産党声明   

 本日、国会において学生大衆に加えられた警察官の弾圧は、計画的であり野蛮残忍きわまるものである。
  そのために死者および多数の重傷者をだした。
  しかも警察は殺害されたものや重傷者衆議院議員面会室に監禁し、代議士や新聞記者もはいることを拒絶し、真相をかくすことにつとめた。
  それだけでなく、事態を憂慮してかけつけた大学教授たちにたいし、暴行のかぎりをつくし多数の重傷者を出す蛮行をはたらいた。  
  これは、アメリカ政府にしったされた岸内閣が、アイゼンハワーの来日を前にして弾圧体制をつくるためにあいついでおこなっている日本鋼管川鉄労組、教育大、法政大の不法検索、労働者、学生の逮捕、本日のデモ隊への暴力団の蛮行の黙認等にみられる一連のファッショ的な計画的な弾圧である。
  わが党は、この殺人責任者である警視庁の責任者を糾弾する。
  どのような事態も、この残酷きわまる殺人行為と弾圧を正当化するものではない。
  無責任、無反省の岸首相こそ最大の責任者であり、その即時辞職を要求する。
  そして、この売国的弾圧体制をけしかけ、強要しているアメリカ帝国主義が糾弾されなくてはならない。
  トロツキストに占拠されている全学連指導部のこの日の方針は、もちろん国民会議の統一行動の方針に反するものであった。
  わが党は、かねてから岸内閣と警察の挑発と凶暴な弾圧を予想して、このような全学連指導部の冒険主義をくりかえし批判してきたが、今日の○○な犠牲者がでたことにかんがみても全学連指導部がこのような国民会議の決定に反する分裂と冒険主義をくりかえすことを、民主勢力は黙認すべきでない。  
  わが党は、弾圧と挑発を排し、新安保阻止、岸内閣打倒、国会解散、アイゼンハワー来日反対のために、労働者階級のゼネストを中軸として、国民会議を中心に全民主勢力が一致団結し、いっそう広範な人民を結集して整然とたたかうことをよびかける。  

   一九六〇年六月一五日       
                                 日本共産党中央委員会幹部会